読書ノート。10点満点です。
「女子大生会計士の事件簿」山田真哉 4点
嫁さんはおもしろかったらしいが、どこに事件が? 謎解きが? という本。すぐに読めてよかった。
「夏季限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信 7点
「このミス」を読んで、あまりにも期待が大きすぎた。この設定は見事で、世界をつくりあげているが、食い足りなさがのこってしまう。論理のアクロバットを見せてほしいところ。読者によって、評価は分かれると思う。やはり霧舎巧が好き。
「少女には向かない職業」桜庭一樹 7点
もし赤朽葉家がこの程度なら、もう桜庭は読まない。ライトノベル畑の作家で、創元推理に入っていること自体に無理がある、というか損を作者はしている。推理小説としては読めない。嫁さんの評価は「女子大生会計士の事件簿」より悪い。「夏季限定トロピカルパフェ事件」とは同時並行で読んでいたが、「夏季〜」を優先して読み進めたのが私の評価。
「魔法のカクテル」ミヒャエル・エンデ 6点
古本屋で衝動買いしたが、この本の存在を知らなかった。「モモ」や「はてしない物語」までは期待していなかったが、児童書としてできはいい、というくらい。私が大人になりすぎたのかもしれない。「モモ」は時間の概念を、「はてしない物語」は虚無を扱っていて、大学時代に先輩に教えてもらって読んだ。「ネバーエンディングストーリー」で映画化されたが、見ると落胆しそうで見に行かなかった。
すべて、児童書として絶賛します。
「小説論」金井恵美子 7点
小説のすばらしさをあらためて噛みしめる本。作者の態度に、あたりまえなのかもしれないが、頭が下がる。
今、書こうとしている小説のヒントも与えてもらった。
評論家も読書家も作家も、本好きの人もみんな、読んでみてほしい。

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