本会議最終日です。
反対する議案に関し、討論に立ちました。
「人事行政の運営の状況の公表等に関する条例」についてです。
昨年、地方公務員法が改正され、地方公共団体の人事行政運営の公正性・透明性の確保、人事委員会・公平委員会の柔軟運用などの措置が図られることとなりました。この条例はその法改正に伴うもので、法改正や条例制定、制度改正の趣旨のみから考えれば、これは、僕としても当然賛成しなければならない議案でした。
しかし、このような職員の権利の確保や拡大の流れの一方で、先般、本市の官製談合問題についての職員処分に関する全員協議会での説明で、市長は「不服を申し立てるような職員はいないと確信している」旨発言しています。
自ら重い処分を課し、そのことをもって全職員へ範を示すとともに前市政幹部への強烈なメッセージとしようと決意し、長年の悪しき慣行に対する市民の強い怒りも受け止めながら、談合問題の解明や市政の改革に向かって邁進しようとしている市長としては、その決意に裏打ちされた、いわば勇み足的な、本意ではない発言なのだろうと思います。
しかしどんな刑事事件でも弁明や弁護の権利、推定無罪の可能性を前提とした権利保護などが保障されているように、職員の権利や人権、苦情や異議申し立ての権利は充分配慮され保障されなければなりません。
職員の権利拡大を目的とする法改正のもとで、この条例を提案し、それを運用する最高責任者も市長です。その同じ市長から、この条例で保障され拡大さる職員の権利を、一方で完全に否定し抑圧していると受け取らざるを得ないような発言が安易になされるような状況の下では、これが適正に運用される保障についてはきわめて不安であると言わざるを得ません。
官製談合問題の反省から「法令遵守−コンプライアンス」を市長が先頭になって叫んでいるその矢先に、まさにそのコンプライアンスを市長自ら破ってしまうおそれのある発言とも言えます。
そうした不安が払拭されない状況の中では、断腸の思いで反対せざるを得ない、という理由でした。
また、討論演説の最後に市長に対し、
「市政改革への強い意志を維持しつつ、その改革された市政を直接担う職員、市民サービスの向上のため日々努力され、広域合併と政令市に向けて大変な激務を今もこなしている職員ひとりひとり、そしてその激務を支えている家族の気持にも想いを馳せ、厳しさと優しさを併せ持って市政を運営していただきたいと思います。年下の私が生意気なことを言うようで大変申し訳ありませんが、聡明な市長においては、私の拙い主張についてもどうか御理解いただきたいと思います。」と述べて締めくくりました。
休憩時間中、先輩議員が市の幹部職員と雑談している中で、幹部職員が「(議員と違って自分たちには議決権はないが)中山さんの反対討論、自分たちも賛成したい思いでした」と言っていたとのこと。
いやほんと、官製談合問題で評判を落としている新潟市ですが、幹部の皆さん含めて、合併に向けて大変な激務をこなしており、健康状態が不安な人も大勢います。もちろん市長が一番大変とも言え、連日の激務に頭の下がる思いですが、時々は後ろや周りを振り返ってみていただきたいと思います。
合併そのものには問題もいっぱいあるのですが、とにかくあとわずかで合併です。大・新潟市の新年度予算の編成、その審議も、今日で一区切りとなりました。
われわれも長丁場の議会で、個人的には途中インフルエンザもあり、さらに官製談合問題の総務委員会調査も連日激務で大変疲れましたが、僕からも、市長や職員の皆さんに、慰労と激励のエールを送りたいと思います。

1