官製談合事件で談合の実行者とされる企業に対する審判が公正取引委員会でおこなわれています。
僕は同じ総務委員会のメンバーで先輩の中川議員と共に、前議員の山田達也さんを傍聴に派遣。談合の実態以前に、公取の審判の仕組みや方法自体にもさまざまな問題があることなどがわかってきました。
当事者企業が1社ごとに弁護人をたててそれを一括して審判しているので、公取の担当官1名に対し、100人超の「被審人」(裁判の「被告人」に相当)となる「多勢に無勢」のマンモス審判になっています。
その結果、書類の文言をめぐり入り口論議で時間が費やされ、1ヶ月に1度の審判なのに遅々として進みません。
また、先日報告した通り資料の公開もありません。
こうした状況では、具体的に俎上に乗っている案件以外に、その背景や全体像、実態の解明などはきわめて困難とも言えます。
そこで、下記のような申し入れを本日付で公正取引委員会宛に送付しました。
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2005年4月5日
公正取引委員会
委員長 竹島 一彦 様
同
担当審判官 様
新潟市発注工事「官製談合事件」審判に関する申入れ
新潟市議会議員 中山 均
同 中川征二
前略
新潟市発注工事をめぐるいわゆる「官製談合事件」(平成16年(判)独禁法違反事件第18号、19号、20号)において精力的に調査や審判その他手続きを進められていることに、発注機関である新潟市の議会の一員として、あらためて御礼申し上げ、また敬意を表します。
新潟市も改善策を貴委員会に通知する予定ですが、議会としても、市当局と連携しながら、これまでの問題点を正し、このような事件の再発を防止するため努める必要があると思っております。
私たち両名は、本事件の背景や要因等を調査してきた当議会総務常任委員会の一員であり、貴委員会の調査の行方を注視し、審判の傍聴のため何度か関係者も派遣し、その報告を受けてきました。そこで審判の方法などについて何点か気づいたこと、お願いしたいことがありますので、貴委員会において御検討いただければ幸いです。
この審判は、18号〜20号の各事件の被審人が相互に重複しているため一括して取り扱われている結果、被審人および弁護人が100人超という異例のスタイルでおこなわれています。そのため、傍目から見ていると、多勢に無勢、あるいは「団交」のような雰囲気を感じ、必ずしも効率的に審判が進んでいるとは言い難い印象を受けます。これは、貴委員会だけでなく、当事者である新潟市民としても、きわめて遺憾な事態であると言えます。
また、一回に1時間ほどで月1回程度しかおこなわれておらず、それにもかかわらず書面の文言をめぐる入り口論争に時間が費やされ、しかもこの審判のために大挙して新潟から関係者が参加する割に、遅々として進んでおりません。これは時間や労力の大きな損失であると考えます。
さらに、本事件の「被害者」としての新潟市が制度的な権限によって貴委員会より開示いただいた審判各回の準備書面について、貴委員会が市に対し、一般に公開することを禁じている旨伺っておりますが、談合事件の真の被害者は納税者・主権者たる新潟市民であり、市民やその代表者たる議会に対し非公開とされるのは遺憾であると言わざるを得ません。
そこで、私たちは、貴委員会の審判について以下のように要望致します。是非御検討いただければ幸いです。
なお、お忙しいところ大変恐縮ではありますが、この要望に関する御回答を4月末日までにいただけるよう、お願い致します。
記
1.貴委員会が今回の一連の事件の「被害者」として新潟市に開示した資料を、真の被害者たる新潟市民が閲覧できるよう、秘密指定を解除すること。また、それが困難な場合でも、審判に影響を与えるような部分を除き、新潟市が議会に対し開示できるよう、貴委員会としても対応すること。
2.司法改革の中で検討されている「集中審理の推進」などの流れも考慮し、貴委員会の審判についても日程を絞って長時間をかける「集中審判」的な開催方法について検討すること。
3.今回のように被審人が大量の場合、法律関係者等から審判員やそれをサポートするスタッフを増強するような体制が組めるよう、制度改善を検討すること。
4.大量の被審人や関係者が何度も上京して費用と労力を費やすのは非効率的であり、地域社会への損失も考え、今回のような場合、審判の現地(新潟市)開催も検討すること。
以上

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