昨日報告の通り、「官製談合問題」で被告職員弁護側から、情状証人としてナカヤマも申請されていました。今朝の朝日新聞新潟版記事にも載っています。↓
ネットでも掲載されています(
→こちら)。
(※ただし、記事に一部誤りがあります。出廷は総務委員会の了承を得ている、とありますが、総務委員長に報告済みで、理解を得ている、というのが正確。また、議会事務局長、議長にも報告済み。)
総務常任委員会の議論の内容や中間報告書の分析についても、青木千代子委員長の格段の配慮もあり、弁護士も充分な検討が可能になり、たいそう喜んでいました。
しかし、僕の証人申請については検察側が難色を示し、今日まで判断が持ち越され、弁護士の必死の要請にもかかわらず申請は認められませんでした。
ぬぬ、検察め。俺に恐れをなしたか?。
今日は徹夜でがんばったんだぞ!くっそー。
ただ、弁護側の弁論要旨を見ると、僕の主張や名前が随所に引用され、総務常任委員会の議論も重要な資料として言及されており、努力の成果は無駄にはならず、少しほっとしております。
(→ところが、証人申請が却下されたため、その証言を引用する形での弁論部分は削除しなければならなかったとのこと。ぬぬ、ますます許せん!!。)
以下は、幻となった僕の証言内容の最後の部分の抜粋要旨です。悔しいので掲載しておきます。
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一議員として、4名の処罰や処分に対する中山の意見(最終部分抜粋要旨)
1.法の目的から見た本事件を巡る現状
そもそも刑法の目的として、犯罪行為の実行者を処罰すること、それにより本人の反省や更生を促すこと、同様の非違行為の再発を予防し、社会秩序を維持すること、そして損害を回復することなどがあげられると考える。
その観点で本件を巡る状況を見てみれば、まず、公取の強制捜査、地検の逮捕起訴等により、すでに本人たちへの社会的制裁は加えられ、充分反省しているものと思われるし、社会的注目の集まる中で、本人のみならず家族や縁者の思いも胸痛むものがある。
また、すでに新潟市はこの事件を契機に、当該案件に関してだけでなく、発注全課に同様の実態があったとして、全庁的な入札制度改革に取り組んでおり、予定価格の公表、一般競争入札の導入拡大、電子入札の早期導入などがすでに始まっており、他の自治体においても新潟市の事件を契機にさまざまな制度改革議論が進んでいる。
さらに、談合によって不当な利益を得たと認定される企業に対し、公取の審判の進行状況に伴って損害賠償の手続きも進んでおり、損害の回復の道筋は既にできつつあるし、被告人職員らが、直接不当な利益を得たわけではない。
このような状況を考えれば、官製談合防止法や本件立件の根拠となっている刑法96条の3「入札妨害罪」が期待する目的はすでにその多くが達成されつつあり、被告らにさらに重い処罰を課す事によってこれらの法の目的や社会的正義がより有効に達成されるとは考えにくい。
2.構造的・歴史的な問題と本件の関係
昨年11月の新聞報道によれば、地検も「全部やったらきりがない。ターゲットを絞った」としており、本件は全容の一部でしかないことを地検自ら認めている。
また、実際に新潟市全体(あるいは件や北陸地建発注工事)に同様の実態があった、と公取も内部調査の結果も明らかにしているが、それにもかかわらず、法的に立件されているのは工事で言えば下水道のみ、地域で言えば東地区のみで、職員で問題となっているのはこの4名のみである。
前述の現市長の説明にも見られるように、本市のトップにおいても、4名だけでなくそれ以外の全体的歴史的な問題を明らかにしてもらいたいという強い期待があったにもかかわらず、である。
こうしたことから、私が所属する総務常任委員会は、官製談合問題の歴史的・構造的な真相の解明にはいまだ至っていない、深刻な問題である、という旨の結論を下している。これは同時に少なくない市民の声でもある。
再就職OBなどとのバランスを考えれば、かたや退職金をもらい、再び高収入を得、その後再び退職金をもらう、その一方で刑事罰、というのは公平さを欠くと言わざるを得ない。
しかも、この間の調査によれば、本人たちが「部下にこのようなことをやらせるわけにはいかない」「早く予定価格の公表を制度化して欲しい」と考えていたということも明らかになっており、行為の悪質性が高いと言うことはできない。
3.その他配慮すべき点など−何に例えればわかりやすいか
今回の逮捕・起訴に関し、確かに外部では、一部の市民から、「法を破ったのは事実。誰もがみんな酒気帯び運転やスピード違反をやっているからと言って、実際捕まった人の罪が逃れられるわけでない」といった意見もあるが、酒気帯びや単純なスピード違反は自分の楽しみや都合によるもので、例えが間違っている。
同じ自動車に例えるなら、むしろ運送会社のトラック運転手が、会社の利益のため加重積載の違反をしながら仕事を遂行せざるを得ない状況に似ている。運転手も罰せられなければならないが、情状は酌量され、会社トップの責任がより強く問われるべきであるという点で、今回の問題と類似するものがある。
4.結論
官製談合問題の真の解明と真の再発防止、真の損害の回復は、被告らへの重い処罰によってではなく、被告らに直接関連する工事や部署や役職を超えて広がる、歴史的・構造的な実態のいっそうの解明によってなされるべきであると考える。
刑法が期待する社会秩序の維持という原理に立ち返り、この事件の背景や全体構造の中での本件の位置を客観的に判断した上で、裁判所の適切な判断が下されるべきであると考える。

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