今年のクリスマス映画で「大停電の夜に」というものがありますが、去る22日はまさにそれを地で行くような事態に。
「想定外」の暴風雪で県内10箇所の送電線が障害、下越地方を中心に広範囲の停電が発生しました。
最初は朝の8時過ぎに断続的に停電し、ボロ家のこの事務所だけかなあ、なんて言っていたら周囲も停電、それから出かけるとあたり一帯の信号なども消えており、しかも有明大橋西詰の材木工場から出荷した火事で橋が交通止めになっており、大渋滞に。
市役所から事務所に連絡も断続的に入り、それを事務所スタッフからこちらに伝言してもらいましたが、情報も錯綜していました。
市役所も県庁も、自家発電装置がしばらくすると故障、コンピュータシステムもあちこしダウンしたため広範囲に業務がストップ。
各家庭でも、最近は「オール電化」が進んで、電機がストップすると暖房やレンジも使えないところも多くなっており、ちょうど終業式を迎えた小中学校では、暴風雪で帰れない子どもを迎えにきた親が「うちは暖房が使えないからおばあちゃんの家に避難だよ」と声をかけたりしている光景も。
また、ガソリンスタンドも電気で動いているので、ほとんどがストップ。僕の車もちょうど燃料が少なくなっていたので焦りました。
かろうじてオープンしているコンビニでは、レジだけはバッテリーでしばらく動くそうで、そいうところではカップラーメン、カイロ、電池、懐中電灯などが飛ぶように売れています。
また、ラジオが災害時に強いと言う点で見直されていますが、やはりコミュニティFM各局はきめ細かい情報を流しており、なかなか役に立ちました。
電力会社の復旧は長時間に及び、都市機能、市役所機能がほとんど麻痺状態に陥ってしまいました。中心部の状況がほぼ復旧したのは夕方です。
今日(12/25)の新潟日報朝刊には「中越震災の教訓活かされず」として、政令市に向う新潟市の危機管理体制の甘さも指摘されています。
ただ、酸素吸入装置が必要な障害者宅には手分けして連絡して安否を確認するなど、市職員も必死にがんばっていました。
それから、なるほどなあと思った経験も。
消えてしまった各信号のうち、警察官が交通整理していたのはごくわずか。ほとんどの交差点が、ドライバー同士の自主的な「譲り合い」で動いていました。もちろん、ノロノロだったけど、非常時ということがお互いわかっているので焦ることもなく、一方の交通が滞れば反対側のドライバーが停まってあげて車を流したり、と、ふだんの殺伐とした市内混雑道路からは考えられない光景でした。 黄色信号で突っ込んだり青になったとたんに飛び出したりするようなことが、信号がないのでそもそもありえないのでした。
おそらく、交差点での大きな事故もほとんどなかったのでは。
もちろん、だからと言って信号がなければいいと言うつもりはありませんが、「大停電」を経験し、何かと考えさせられた一日でした。

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