7/12-14と、「無所属連合」の視察で鳥取・島根へ訪問。
12日は、内水面(川や湖のことを指します)漁業の課題や先進的取り組みを学ぶため、「しじみ」で有名な宍道湖の漁協を訪問。
漁協で直接購入したしじみを昨日味噌汁としじみご飯にして皆で食しましたが、これが激ウマ!。産卵前で身がぷりぷり厚く、大きい。旨みも香りもよく、その辺のスーパーで売っているものとは大違い。別の生き物のようです。
・・と、ここは「食いしん坊万歳」ではないので、「ウマいもの報告」で終わるわけには行きません。
当日、漁協の若い職員から丁寧な説明がありました。
宍道湖のしじみは基本的に自然産。中海を経た海水と淡水が混ざりあう水域に豊富に生息するプランクトンなどの生態系の中で生きています。宍道湖には約300名のシジミ漁業者がいらっしゃいますが、漁協の皆さんが環境保全に力を入れて管理漁業に力を入れています。例えば漁業者がしじみを取る量(1日約140kg)、採っていい曜日や時間も制限され、小さなシジミをとらないようにジョレンの目の大きさも決めており、資源が採り過ぎで減らないよう、大切に守り育てながら採っています。
一時は「護岸工事」によって岸浜が直角になる場所が広がり、しじみが生息する浅瀬や、水を浄化する葦やヨシなどが生える場所が狭くなったりしましたが、その復旧も試みられています。
また、地域全体でこの貴重な資源を守るために、学校の総合学習のテーマにも導入され、漁協関係者や漁業者が出向いてお話しする機会などもつくられたり、養護学校の児童らを対象にしじみ採り体験などもやっているそうです。養護学校の児童の場合には、実はあらかじめ浜辺にしじみを撒いておいて採ってもらうということだそうですが、いろいろ悩んで議論の末、「後で実情がわかったとしても採るという体験が大切」ということで、そういうふうにしているそうです。生き生きと目を輝かせる子どもたちの姿が浮かびます。真摯なお話を聞くうちに、なんだか目頭が熱くなる想いでした。
さらに最近は、近くの旅館や観光組合との連携で早朝ののしじみ採り風景を船から眺めるエコツアーも計画。最初は嫌がっていた漁業者の皆さんも最近は慣れているそうです。
努力のかいあって、生産量も豊富で、収入も安定して若い漁業者も多くいらっしゃいます。内水面漁業でこれだけ元気で活発、かつ環境保全や地域との連携に意識的な取り組みに、一同すっかり感心しました。
新潟の西蒲原にかつて広がっていた「鎧潟(よろいがた)」の話にも及び、昔は本当に豊富な魚介類が採れて、海面の満潮時には海水がはるか遡って潟までたどり着き、その波に乗って海の魚介類もやって来た、と潟東村出身のO議員が懐かしげに話しておられました。それが燕地域などの洋食器産業や周辺農業の近代化に伴い、工業排水や農業排水が流れ込み、いっきに「死の潟」になってしまい、今は埋め立てられています。
漁業だけでなく、他の産業との関連、環境問題や近代化など、より広い課題を考えさせられるよい見学・勉強となりました。

1