報告が遅れましたが、8/25の文教経済委員会の報告の続き。
新潟市内の中学校教諭が業者との癒着で逮捕された事件(
→こちら)を契機に、学校での教員の業務や家庭からの「預かり金」(教材や修学旅行経費に当てるため、授業料とは別に集めており、いわゆる「バックマージン」など、一部では不正の温床のひとつともなっている可能性がある)の運用実態について、教職員への無記名全員アンケートの結果が報告されました。
所管も含め報告。
1.鳴り物入りで制定された「コンプライアンス条例」の効力
いわゆる談合問題で市は「コンプライアンス条例」を制定(正しくは議会に提案、議会が制定)しました。
しかしこの条例の骨子は「働きかけ(いわゆる「口利き」等)防止」と「内部通報」が主体となっていて、「個」(職員や議員、業者の営業マン)の不正行為の防止が主眼となっており、たとえば新潟市談合問題で調査委員会から指摘された「指名業者の事前公表」問題のように、「個」に不正の意識が無く、組織として不適切な行為を続けているような場合にはまったく無力、と繰り返し繰り返し委員会でも本会議でも指摘してきました。
今回の中学校教諭の不正行為も、いわば学校現場での「預かり金」の不適切な運用が背景にあり、組織的な問題に根ざしています。つまり、少なくない人たちが、そして職場の雰囲気が、不適切行為に直接間接に関わり、また容認している状況があったと言える結果です。
こういうような状況の中で、「コンプライアンス条例」がまったく効果を発揮することができなかったわけです。担当課は「まだできたばかりの条例なので長い目で見てほしい」と言っていますが、では今回の場合、この条例のどこを使えば事件を自主的に発見することができたのか。条例が制定されて時間がたったとしても、この条例の構造では対処は困難と言わざるを得ません。
僕はかねてより、この条例が「非違行為の摘発に主眼が置かれており、法令遵守の精神や意義の浸透を図る推進体制が条例に無い」と指摘してきました。条例本体ではなく施行規則に推進体制が明記されているのですが、これも不自然。条例本体で重視されていないことが突然施行規則で明記されており、今回についても、学校現場で「コンプライアンス担当者」による啓発や研修がほとんどおこなわれてこなかったことも質疑で明らかに。条例がそもそも重視していないことなのだから、そんなの当たり前だと思います。
揚げ足を取るようで担当課には申し訳ないが、僕が指摘したとおりの事態です。
もちろん、では僕が指摘するように条例を作っていれば防げたかかと言えば、それもどうかはわかりません。でも、少なくとも、組織的・構造的な「コンプライアンス」体制が強化されていたことは間違いないし、その上で組織的な問題点や体制の不十分さを、条例の観点から検証することが可能になっただろうと思います。
今回の場合、最初の段階で指摘したとおり、事件直後の教育委員会の対応策にこの「コンプライアンス」の視点がまったく抜け落ちていたことからも、僕の指摘の正しさが結果的に証明されています。
2.嘘つき校長の存在の可能性
前回の全校調査では、今回の事件を受けてすべての学校が再発防止作や研修を行ったことになっています。
ところが、今回の「無記名アンケート」では、何割かの教職員がそうした対処策を受けていない、と回答しています。
てことは、前回の全校調査(校長が回答責任者)で、何人かは嘘をついていることになります。許せん!

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