すでに報告した「貧困化」のデータをもとに一般質問のひとつにこれを取り上げ、さらに自治体として可能かつ有効な雇用政策を求めました。
地元新潟大学の
佐野誠教授の新自由主義経済に関する分析や、それを踏まえた内橋克人氏の
「悪夢のサイクル」(文芸春秋社)などで書かれた視点を参考にして、「新自由主義サイクル」という概念を示しながら経済情勢を論じた後、新潟市の雇用労働者の実情を指摘。調査は一部でこれをもって全ての実情を表わすことはできないものの、市民生活の実態の変化の一面を表現している、と述べました。
先の2月議会でも複数の議員が格差問題を取り上げましたが、その時点では「格差はあらゆるところに出ており、好ましくはない。今後統計的な分析も含めて考えていきたい」というところにとどまっていました。新潟市の具体的な状況については回答も議論も踏み込んだところには至っていなかったのです。
今回の分析で、篠田市長も新潟市でも格差・低所得化の一面が見られ、好ましくないと認め、今後さらに分析していきたいと回答。一方、生活保護率は横浜の方が高く、持ち家率は新潟の方が高い、納税義務者数は6000人伸びている、といった面もある、と答弁しました。
これについて僕は再質問。「納税義務者数が6000人伸びているのは事実。ただし、僕も確証があるわけではないが、このような分析結果や先ほど述べたような経済のサイクルの観点で見ると、いったん壊された労働市場の中で、とにかくなんでもいいから仕事につきたい、と、パートなど不安定雇用が拡大しているという側面もあるのではないか。市税収入全体や納税義務者数の増加は市の財政にとってはいいことだが、その中身も見ていく必要があるのではないか。そういう観点からも分析を進めていただきたいと思うがどうでしょうか」と問いました。
市長は「そういう観点からも分析を進めて行きたい。今回の質問はわれわれにとっても大変参考になった」とあたたかい答弁。
控えめな視点ながら的を得た、われながらいい再質問(自画自賛)で、答弁もグー。
終わった後、複数の議員から「いやすばらしかったね」とお褒めいただきました。また、保守系のベテラン議員からも「中山さん、いい質問だったよ。今まで市は財政総括説明の際に市税がどれだけ伸びたとかそういうことしか言わなかったけれど、じゃあその中身はどうなっているのかという視点も必要だということが明らかになった。あなたの質問で、これからは執行部の財政説明のあり方も変わるんじゃないだろうかと思う。」とまで言っていただきました。

3