25日は前日と同じ尼崎で政策研究会。
午前中は分科会で「公務労働」のありかたについてに参加。
今、世論は「公務員」に対して相当厳しいものになっています。確かににわかには信じ難い実態なども報じられています。一方、規制緩和や自由化、単純な「官から民へ」という動きにより、旧来の「臨時・パート」などだけでなく、民間委託、「指定管理者制度」、そして派遣労働、と、「官製」の低賃金・不安定労働が拡大していることも事実。
こうした問題についてさまざまな報告や議論がありました。
まず、尼崎市議の
酒井一さんから問題提起。正規公務員にはしばしば労働市場の荒波が及びにくく、本来激化するはずの労使の利害対立も緩和されており、その矛盾が非正規の臨時職員や嘱託職員、民間労働者に「外部化」され、「官」の矛盾が「民」へと転化されている、との指摘は同感するものです。
一方、大阪府の自治労関係者は、もはや官にも流動化・不安定化の荒波にもまれており、給与は15%、大変な状況に置かれていることも報告されました。
また、岡山から消防関係者が参加して報告。労働条件は極めて劣悪で、組合消防などでは有給休暇や超勤手当てという概念すら無いことも少なくないとのこと。この方は元自衛隊員で、前職の職場と比較するとあり得ない話しだと指摘。給与は30%もカットされているとのこと。
こうした現状報告の一方で、上記尼崎市議会で公契約条例(官が発注する全ての契約にさまざまな社会的価値に関する条件を付与)が模索中であること、大阪府の入札における総合評価方式でもやはり社会的価値の考え方を導入し、府の発注業務に障害者雇用の拡大を実現し成果を収めていることが報告されました。
また、中野区では区議の
佐藤ひろこさんから、非常勤職員を任期付職員に切り替え、労働条件の安定化に成功していることやさらにその課題などについても報告。
さらに、茨木市では非常勤職員へ期末手当を与えていたことが「市民オンブズマン」から「違法な支出」と住民訴訟を起こされているというねじれた事態が生じているとことが報告されました。そもそも法の不備とそのもとでの劣悪な給与水準が問題なのに、いくらなんでもそりゃないぜ、オンブズマンさん、と思いました。
と、盛りだくさんで非常に勉強になった、充実した分科会でした。

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