(8/19の記事ですが9/17アップ)
先日お知らせの「平和市民会議in新潟」(
案内はこちら)は、100名以上の参加者でおこなわれました。
この市民集会には広島市の
秋葉忠利市長からもメッセージが届きました。
司会の佐々木寛先生は留学のアメリカから帰国したばかりでしたが、市民会議の意義や僕たちパネリストの紹介を熱く語っていただきました。僕も過分な紹介をいただきました。ありがとうございます。
早速シンポジウム。
韓国からのゲスト、イ・キホさんからは、日本を含む東アジアと米国のそれぞれの国々の軍事費、経済関係など具体的なデータに基づき、国家同士の関係と市民社会のつながりなどの課題について提起。また、この地域の緊張関係の中で、「新しい冷戦構造」が成り立っており、「同盟」関係は冷戦構造を固定化することにつながり、危険である、と語り、具体的な事例を紹介しながら、脱冷戦のための国境を越えた市民の連帯の重要性を強調しました。
ちょうど選挙さなかでしたが、民主党マニフェストや政策インデックスで明確にされている「あらたな日米同盟」はその意味でも危険だなとあらためて思いました。
僕からは国連軍縮会議が開催される新潟が、戦中・戦後と重要な軍事的位置づけの中にあることを具体的な事例を提示して報告、さらに日米同盟の強化など、新潟の地域や日本・米国も日本海の軍事的緊張を高めている一方の当事者であるという事実を認識し、北朝鮮問題もそういう観点でより客観的に考える必要がある、と提起。
江口昌樹さんからは、国境を越えた市民の連帯の実例として、旧ユーゴ紛争の中で、対立する国の「暴力的ナショナリズム」同士が意図的に敵をつくり、自分にとって都合の悪い情報を隠し、相手の行為を非難するように情報統制し、相手への憎悪をかきたて、それが民族浄化のエスカレートを産んだと言う意味で「共犯関係」にある、と指摘。その中でも国境を越えた市民グループが相互に連帯し、情報を交換し、被害者を救援し、市民社会再生のためにも協力して来た経緯を報告、こうした現実と課題はそっくり東アジアにも適用できる、と述べました。
会場との質疑を経て、僕からあらためて「ヒロシマナガサキ議定書」と「北東アジア非核平和地帯構想」について説明。
議論のあと、現場で急きょ作成した「市民会議アピール」を提案、採択されました。
以下は「平和市民会議アピール」です。
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平和市民会議in新潟アピール 2009.8.19
私たちは、東アジアにおいて北朝鮮と日米韓国が相互に軍事的緊張を高めていることを憂慮し、紛争解決や平和構築のために市民社会がなすべきこと、特に国境を越えた連携が重要であることを認識するとともに、国際社会や関係機関、そして市民に向けて、以下を要請する。
1.平和市長会議が2010年に行なわれるNPT再検討会議へ向けて明らかにしている「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に、全ての国の政府が賛同の意思を明確に示すこと。
2.そのために、国内の関係機関・自治体・市民団体が、この議定書の理念の実現に向けて努力すること。
3.NGOから提案されている「東北アジア非核平和地帯構想」を、この地域の安全保障の枠組みとして、6カ国を含む国際社会が早急に議論すること。
4.今回の国連軍縮会議においても、ヒロシマ・ナガサキ議定書に賛同する決議をあげ、非核地帯構想に関する議論を開始すること。
5.この地域の市民が、平和構築のためさらに活動を強化すること。
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韓国からのイキホさんの日程に合わせたため平日夕方開催となり、時間の余裕がないため詰め込みすぎで「難しかった」という感想もあった反面、内容については好評で、意義深いものとなったと自負しています。若い人や市の担当者にも来て欲しかったですなあ。
この集会アピールに「ヒロシマナガサキ議定書」を取り入れたことに対して、開催後、
秋葉市長からお礼状までいただきました。
詳しい報告と加筆資料をまとめた報告集を作成予定です。

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