某元ベテラン市議の●●さんと先日お会いする機会があった。
彼は某○主党で、その県内の重要メンバーのひとりで、現職の時は仲良くしてもらいました。
彼は、同じ○主党の、これから議員になろうとする若い候補予備軍達に、選挙戦に臨むにあたって、そして当選できた場合の「心構え」などを書いた教本のようなものを書いていて、それをさっと見せてもらいました。
膨大な分量で、緻密で系統的で舌を巻きます。僕にとっても合点のいくところが多々ありました。
「中山君のことも紹介しておいた」と言うので、1期目高位当選しながら行政区選挙で次点になってしまったことを書いて、これを反面教師とせよ、などということなのかと思ったのですが、そうではありませんでした。
下記がその紹介部分。
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(2)人間を磨け。向上心を持て。研鑽を積め。たゆまざる勉強に努めよ。
●2年で評価が定まる。漫然と過ごすな。
政治の世界は年功序列。「期数を重ねないと仕事ができない」という常識は正しくない。そういった面がないわけではないが、1期目に周囲の注目を引くような活動、議論、仕事ができなければ職員や同僚議員の評価は高まらない。存在感のある議員にはなれない。役に立つ議員にはなれない。
この世界でいいにつけ、悪いにつけ名前が出る人々は1期の4年間に人の目にとまることをやってきた人々である。
かつて、新潟市役所を揺るがした官製談合事件。議会も2年間にわたって、激しい議論を戦わせ原因究明と入札制度改革などにそれなりの成果をあげた。この時に採用されたのが「所管事務調査」という手法だった。議会開会中でも閉会中でも官製談合事件をテーマとして必要な時に常任委員会を開催でき、所管部門である契約課に限定せず、必要があればどこの部門からも担当者を呼んで質疑ができ、市長・助役でも議員でも質疑ができるという画期的な手法だった。
参考人として××前市長、△△前助役、委員外議員として○○○・○○○・○○○○・○○○○の4人の議員を招致して質疑を行った(議員を委員会に呼ぶなどというのは100条委員会以外にはできないというのが、議会内の常識だった)。
地方自治法等の法令を調べて、この審議方法を有効な方法として探し出したのは1期目の議員であった。突然の提案に右往左往する議会事務局やそもそも真面目に談合問題を議論する気のない保守系議員を説得し、談合問題究明派の議員とともになんとか実現にこぎつけたのである。委員会審議でも実態解明や再発防止策で鋭い質問を繰り出し、説得力のある論理展開・議論で大きな役割を果たした。
これで、この1期目の前半。かの議員は押しも押されもしない論客としての地位を確立した。
こうした実例はあるのだ。確かに1期目の議員は常任委員長にはなれないし、ましてや議長・副議長・議会選出監査委員などの役職には就けないが、議員としての仕事は1期目であろうとやる気と努力、力量があれば十分にこなせるのである。
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というもの。いやあありがたい。
僕にとっては「過去の栄光」のようなものですが、しかし、●●さんが若い人たちに教える内容として、今なお生きる、道しるべのようなものとして語ってくれている−「(過去の)栄光」だけでなく、ほんと「光栄」です。
(ちなみに、文章には少し脚色があって、議会事務局は「突然の提案に右往左往」という感じではありませんでした。当時、我々総務委員会では、「議案」や「予算」ではない「談合問題」を任意の協議会で話し合いを続けるか、100条委員会を設置するか、両極端の議論で暗礁に乗り上げていて、そして僕の提案で突破口を見出すことになったのですが、おそらく、事務局の皆さんは「こういう手がある」ということはわかっていて、でも自分たちからは言えなかったのだと思います。また、この方法も、他の議会では一般的に用いられているところもあるようです。いずれにせよ、新潟では37年ぶり、ベテラン議員もほとんど未経験のものでした。)
●●さんは「俺は長年議員をやってきたが、1期目でこれだけのことをやった奴を見たことが無い」とよく言ってくれています。まあ御世辞もあろうし、2期目を失敗しちゃあだめなんだけど、言われて嬉しくありがたい。

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