忙しくてだいぶ更新滞ってました。
今日は災害対策議連のメンバーが避難者交流施設「
ふりっぷはうす」(市内東区にあります)を訪れ、避難者の方々と懇談会を開催しました。
本隊は市役所集合して来るとのことで、僕は別用があったので一足先に現地へ。
訪れると、避難者のお母さんたちから「ツイッターやブログを見ています」「原発問題や災害廃棄物問題で一生懸命取り組んでおられますね」と声をかけられ、嬉しかったです。
やがて全員集合し、意見交換。
今までも断片的に避難者の方々のお話を聴いてきましたが、やはり当事者の声を聴くことはあらためて大切だと感じました。
以下、箇条書きですが今日伺った主なお話のメモです。
<施設の利用状況と課題>
・ちょうど1周年を迎え、1回以上利用した人は1400人、2回以上の人は1100人(つまり、多くの方々が継続的に利用している)。
・この施設は東区にあるが、全市的にあるいは周辺からも利用されている。新潟市の各区に避難している人の割合とほぼ同等の割合(中山註:ということは、西区・西蒲区・秋葉区など遠いところからも結構利用者が来られている)。
・利用形態の多くは、お子さん連れ、もしくはお子さんを保育所等に預けている間にお母さんが利用。
・避難者同士の交流や情報交換のために「自主避難・母子避難者連絡協議会(名称正確でないかも)」という自治会的なものを組織し、福島県から助成を受けている(県からは警戒区域内からの避難者とそれ以外の方々を区別して欲しいとのことでこのような形になった)。
・場所が少しわかりにくいので、看板などを近傍に設置できればありがたい。
・駐車場が近くに少なく不便している。木戸病院さんのカルテ庫の駐車スペースや、近くのスーパー「キューピット」さんの御厚意もいただいて(ありがとう!)利用者が利用できるようになっているが、小さな子どもを抱えている場合、すぐ近くで乗り降りできると嬉しい。特に雨が降っている場合など、赤ちゃん抱えて傘もさして、荷物も持ってとなると大変。
・民家をこの施設に提供している大屋さんにはいろいろ協力いただいている。庭をつぶして駐車場にしたりベビーカーが入りやすいように整地してもよいと申し出があるが、費用もかさむのでまだ実現できていない。
・事務所にはコピーやファクスもあるが、プライベート利用などでお金を払ってもいいから交流スペースに別途コピー機やFAX回線があるといい。
<二重生活の負担>
・新潟県の補助で高速バスの補助が出てありがたいが、悪用防止のためか、基本的に往復が条件。しかし、福島に残る夫が新潟の母子のところへ来て、その後仕事で出張する、というような使い方ができない。もう少し柔軟に対応してくれたらありがたい。
・医療費減免の拡大をお願いしたい。
・母子が新潟、夫が福島、週末夫が新潟へ、というパターンだと、月数〜10万円くらいの負担になる。一般的な単身赴任とは決定的に違う。手当ても出ない。
・お母さんたちも家計のために仕事を探している。子どもたちも避難先で新しい友達ができたり、なじんでいることもあるし、被曝も怖いし、今の状況では帰れないので、「いざとなったら一人でも」という決意で子どもを守りたい人も多い。経済的自立が重要。ふりっぷはうすに定期的に置いている求人票数十枚があっという間に無くなる状況。
・住宅借り上げ制度もいつまで続くか不透明。子どもが高校受験を迎える人、小学校入学を迎える人もいて、どこで受験させるか、どこで手続するか・・。先の見通しも立たない。
・職を探して面接しても「いつまでいられるの」と聞かれる。
・(福島で働いている夫などが)仮に新潟など避難先で定住しようとした場合、失業対策的な求人はあるかもしれないが、福島で継続的に働いていた人の経験や技術を活かせるような雇用が欲しい
・南相馬の夫が新潟へ来ようとするとJRやバスを5回乗り換えなければならない。
・これから冬を迎え、なるべく自家用車を使わないでスムースに行き来できるようにしてほしい。
<福島県の状況や問題>
・福島の汚染状況の改善がなかなか見えない中、避難先で地域にも慣れ、定住したいと思う人も増えているが、福島県は帰還を進めている。こっちに定住しては行けないんだという雰囲気だ。
・浪江町の復興計画は「心のふるさと」としての浪江も重視、どこに住んでもバックアップする方針。評価できる。
・子どもたちの甲状腺の有病率も高く、現地に残っている親たちも以前よりかなり不安になっている。しかも福島県内ではセカンドオピニオンが禁止されていて(!)、しこりが見つかっても2年間放置されるとのこと。
・「福島へ帰ろう」というキャンペーンを担当している福島県の部署の職員、「放射能は安全」と言っている県立医大の先生の中で家族が県外に避難している人もいて、そういうキャンペーンを信用しろと言っても難しい。
<その他>
・今年度から小学校の給食費の補助が無くなった。経済負担も大変な中、なんとかならないか。
→調査したところ、昨年度は確かに国の補助制度により、避難者全員に補助がありました。今年度からは市の市民に対する就学援助制度の枠組み(生活保護の基準の1.3倍までの収入世帯に対し、教材費や給食費などを一定援助する)の中で、避難者の同規模世帯に対し100%(新潟市民はそれ未満)の補助をしているとのこと。しかし、この方法だと、生保基準1.3倍以上になると途端に0%になってしまう。せめて補助対象を拡大してその代わり段階的に補助率を減じていくような形にできないかと考え、市へ要望したいと思います。
・国の緊急雇用対策予算を活用して新潟市は避難者を各地域の見守り相談員として雇用しているが、これも本年度いっぱいと聞いている。来年度からはどうなるのか。
→調査したところ、担当課としては来年度も継続したいとのことですが、財源との関係で要調整となります。私たちも継続を働きかけたいと想います。
ひとしきり懇談・意見交換が一段落したところで、「芋煮会」イベント期間中ということでおいしい豚汁(新潟と違って、豚汁の芋は里芋)とおにぎりが出て来ました!
おいしかった。カメラが近かったのででかく写ってますが満足の顔です。
食事しながらもいろいろとお話させていただきました。
少しでも御要望が実現できるように、という点では党派の違いなく多くの議員が想ったところだと思います。
追記:
帰り際、参加された男性から御自分の論文コピーをいただきました。帰ってからよく見たら、福島大学の准教授で妻子の避難している新潟と行き来している
荒木田岳さんでした。論文は「歴史評論」10月号(
→こちら)に書かれたもので、新潟県技術委員会で原発批判派の石橋克彦さんの論文も掲載されています。「いつもブログを拝見しています」とお声かけいただきました。早速読ませていただき、なるほどとあらためて思うところ多い優れた論考に基づくものでした。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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