2012/11/22

キネマ旬報12月上旬号  映画

現在発売中の『キネマ旬報』12月上旬号にて、クリント・イーストウッド主演最新作『人生の特等席』特集で、作品評を書いています。
ぜひお手にとってくださいませ☆

表紙も、こんなイーストウッド、見たことないというくらいのイカしたやつです。


2012/11/12

デイヴィッド・フォスター&フレンズ 2012  音楽

デイヴィッド・フォスター&フレンズ
@東京国際フォーラムA

 いつかどこかで書いたように、私の音楽感を形作る45%はデヴィッド・フォスターである。
 一昨年のステージはその期待に違わぬ、究極にして至高の最高のものだったが、一転、昨年のはもう本当にだらしのない、ぐだぐだな演奏で途方にくれたものだった。
 ...だから今年はそのリベンジを期待した。だってチャカ・カーンが来るのだもの。ということは、超名曲“Thru The Fire”を聴けるということだ。それだけのために入場料払っても惜しくない。

 が。
 恐ろしいことに、昨年のひどいステージをさらに上回る、どうしようもないコンサートだった。たぶん日本なんてなめられてる。
 冒頭“The Flight Of The Snowbirds”~“Winter Games”の流れは、これまでと違っていて「おおっ♪」と思わされたが、それもつかの間。

 ヘイリーという、顔はきれいだが、歌はどうってことないニュージーランドの歌手が「涙そうそう」とか、こともあろうに「アメイジング・グレイス」とか(しかも日本語で!)歌って、のっけから「もう帰ろうか」という気にさせられる。

 それからしばらく、どうでもいい歌手のどうでもいい歌が続いて、ポール・ヤング登場。
終わってるな。本人は楽しそうにしてるのだが、もう完全に声が出ていない。
 “Every Time You Go Away”とか、真顔で言うが、オレの方がもっとうまく歌える。いくら旧知とはいえ、なぜこの状態のポール・ヤングを、御大ともあろうものがステージに乗せたか。

 それに対して、ピーター・セテラはまだしもさすがである。
「おい、2人で書いたあの曲あったろ」「なんだっけ?」「ほら、空手映画の」「ああ、あれね」「もともと“ロッキー4”の主題歌だったよな」「ソ連に行って戦う話だっけか?」「そうそれ。スタローンがなあ」「そういえばそうだった、弟に歌わせるといってきかなかったんだ」「なんて名前だっけ?」「忘れたなあ」「えーっと」「フランク、そうだフランクだよ」「あ、それそれ」「で、二人で取り下げたんだよね」「んなことあったなあ」「てなわけで“Glory Of Love”行くかね」「OK」「♪Tonight is very clear / As we're both lying here♪…」

 こういう調子で、もはや往年の声は完全に失われていて、一昨年のパワーさえもないけれど、その代わり軽い歌いっぷりを身につけ、軽妙なトークと存在感でステージを回してみせる。
 だが「そこ!」というところで、D・フォスターのピアノが入ってこない。

 実はピーター・セテラが出てくる前に、デヴィッド・フォスターが過去の自作曲を数小説だけ口ずさむコーナーがあった。しかしどんなに歌が歌えなくてもいいから、これだけを2時間延々やってくれた方が、むしろ13800円の価値があったのではないか。
 まさかのスカイラーク時代の“Wild Flower”や“The Best Of Me”(ついに聴けたよ)や“Look,What You Done To Me”、“Will You Still Love Me”、エアプレイの“Nothing You Can Do About It”や“Moanin'”など7〜8曲をさらりと流したろうか、“You're The Inspiration”を歌ってたところで、後ろからP・セテラが出てきたという趣向だ。

 ベイビーフェイスは素晴らしい。「オレはこいつにだけは勝てないんだ」というD・フォスターのMCはいささか、下品でしつこかったが、御大を“サー”をつけて呼ぶベイビーフェイスの謙虚さは感じいいし、なんだか音楽の才能が全身から噴きこぼれてる。
 あと10年早く生まれていたら、スティーヴィ、ライオネル、マイケル、そしてベイビーフェイスということになってた可能性もあったと思う。
 “Change The World”の歌唱はとにかく圧巻。しかしどんなに圧巻でも、この曲は別段、デヴィッド・フォスターと何の関係もない。

 で、トリはチャカ・カーンなわけだが…。それは確かに聴けば泣く。御大のピアノで今日いちばんの期待である、“Thru The Fire”のイントロが出てきた瞬間、涙腺が粉砕したわけだけど…。まあこれ以上は言葉を継ぐまい。

 そうはいっても、アンコールでピアノだけで“St. Elmo"s Fire”~“Conscience”を弾かれたときには、またまた涙腺を粉砕させられたわけなのだが。
 しかしその後、最後にEW&Fの“September”とかやられてすべてぶち壊し。あんな曲(嫌いな曲じゃないけど)デヴィッド・フォスターとなんの関係もないじゃないか。フィリップ・ベイリーが来た昨年ならいざしらず。
 “Conscience”でそのまま家に帰りたかったよ…。



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