土湯の新緑シリーズ、二回目までアップして、その間いろいろあって中断しましたが、忘れないうちに三回目をアップいたします。
今回は、奥土湯の山麓にあります、恵みの森です。
ここは、熊さんの生息域で、いわば彼のホームテリトリー。
時にはカモシカさんやニホンザルさんの群れ、キツネさんにもお会いできますよ。
最近では、イノシシさんもいるようですね。
森の精に許しをいただいて歩かせてもらっています。
このあたりまでは辿道が続いていますが、さらに歩くと道がなくなります。
毎年入らせてもらっているので、道はなくとも歩けます。
山の斜面一面にヤマタイミンガサの群落が広がっています。
やがて、森の中にしずむ池が見えてきます。
ここの池は、森の動物の水飲み場になっています。
足跡をよく見ます。
この日は、カモシカさんの足跡でした。
池の大部分は湿地化していまして、
ハンノキが疎らに立っていますが、
その風景が絵のように素敵です。
美しい湿地を横に眺めながら歩きますと、
大きな岩がごろごろと転がっている、山の麓の斜面を歩くようになります。
苔むした岩に足をかけ、登ったり降りたり、ワイルドな山歩きをしながら進みます。
森の香りが漂います。
淡い新緑に癒されます。
このあたりにはブナの木も立っていて、
ブナの幹には熊さんの爪痕がいっぱいついています。
熊さんの家の前を歩いているような気持ちになれます。
実際そうですけどね、、、
ちょうど、イタヤカエデの黄色い花が満開でした。
やがて、先ほどの湿地の奥に降ります。
そこにはたくさんのコゴミが伸びていました。
美味しそうですね〜
誰も採る人がいませんです。
ネコノメソウの花が咲きそろっていました。
湿地の際には澄み切った綺麗な流れ、
そして、葉ワサビの群落と出会うのです。
一面、葉ワサビだらけです。
贅沢に恵まれた空間が広がります。
木々の間から、淡い新緑に彩られた山が見えました。
山の上の方は、ブナが萌え始めたばかりのようです。
どこまでも続く葉ワサビの群落。
このような清らかな流れから潤される湿地が、葉ワサビを育てているのです。
葉ワサビの白い花、
ちょうど見ごろでした。
隣にはコゴミの群落が広がっています。
誰も採りません。
ここは、古代から続いてきた恵みの森なのですね。
縄文時代の人々は、ここで山菜を採ったり、狩猟をしたりしていたことでしょう。
森に生かされてきた人々、
僕たちはその子孫、
なので、僕たちは、感謝の気持ちで森の自然を守らなければならないのです。
太い桂の古木が立っていました。
ここの森の歴史を眺めてきた桂の古木です。
人々や生き物を守り育ててきた森の精かもしれませんね。
桂の木に語りかけて、森の歴史を尋ねてみたくなりました。
澄み切った流れの際には、ニリンソウが群れ咲いています。
ここには目を見張るようなニリンソウの群落も広がっているのです。
一年ぶりに訪れた恵みの森、
とても自然豊かな森です。
このあたりは、人は誰も住んでいませんし、誰も入ってきません。
人の足跡もありません。
見かけるのは動物の足跡だけ。
一年に一度は訪問させていただくのですが、
本当に癒されます。
伏魔殿のような人間世界とは対極の世界、
心が浄化されますね。