福島に着いてから、まだまだ日没まで時間があるので、土湯の森に入りました。
薄暗くても、そこはそれ、目をつぶっていても歩けるフィールド。
お目当ては、アズマレイジンソウ。
キンポウゲ科でトリカブト属です。
レイジンソウの仲間は、福島県内では、オオレイジンソウ、レイジンソウ、アズマレイジンソウが見られます。
オオレイジンソウは、平成13年の7月に尾瀬に行ったとき、林の中で初めて見ました。
そして、同年9月の初旬、土湯の山中で、アズマレイジンソウと初対面したのです。
それからしばらくして、平成15年の8月下旬の日曜日、雨の中を同じ山中の森を歩いていて、素晴らしく大きな株のアズマレイジンソウと出会えました。
このときまで、私は当該種をレイジンソウと思っていたのです。その日、びっくりして下山し、高山の原生林を守る会の幹事でいつもお世話になっているSさん宅に走り、
「レイジンソウ、今咲いている。これから一緒に見に行かない?」とお誘いしました。
そうしたらSさんも同意して、すぐさま装備を私の車に積んで、例の場所へ。
その後は、雨だろうが何だろうが関係ない我々なので、写真を撮りまくり。
その後、Sさんより「どうも、アズマレイジンソウかもしれない」とのお話。福島県内ではレイジンソウはごくごく希なんですね。
茎に屈毛が密生している特徴あたりは、アズマレイジンソウかなと、それ以来、その種については、アズマレイジンソウと考えています。
それでは、今日の夕方撮影した、山地(産地)直送の写真をご紹介いたします。
アズマレイジンソウは総状花序で、下から順に咲きます。
レイジンソウの名は、舞楽の伶人がかぶる冠に似ているところから、その名が付いたとされています。
アズマレイジンソウの葉序。葉の特徴は、トリカブト属のもの。
和名は、東(アズマ)伶人草ですが、本当は吾妻(アヅマ)なのかな?
そもそも吾妻は東を意味し、それならば吾妻伶人草が正しいのかななどと、ローカル・ナショナリズム的に考えたりもします。