今回、雄国沼の素晴らしい黄色い絨毯、ニッコウキスゲが満開絶好調の景色を見ていて、
「サラさんに、この素晴らしい景色を是非お見せしたいねー」
これが、ハルモモさんと僕の素直な感想でした。
今年、僕も、あの素晴らしさを初体験いたしまして、来年のニッコウキスゲがピークの時期には、ぜひサラさんをお連れしようと、ひそかに思っています。
今日は、雄子沢登山口から雄国沼に至るまでに出会った森の精霊たちをご紹介いたしましょう。
雄子沢の森はミズナラやブナの森で、自然度が高く、様々な植物が精一杯生きています。これからの時期は、様々な植物が花開き、
「わたしたちは、がんばって花咲いて、わたしたちの森を支えているんだよー」
と、僕たちに語りかけているようです。
そう、様々な植物(フロラ)、そして様々な動物(ファウナ)が精一杯生きて、自らの森を支えているのです。
あの森に、様々な生き物が精一杯生きて、あの森は維持されていくんですね。
菌も、苔も蘚も、シダも、草本類も木本類も、そして昆虫も鳥も、爬虫類・両生類も、哺乳類も、それぞれの立場で精一杯生きて、それで森が成立し、維持されるんです。
だから、人間も真面目に、真摯に、森と関わらなければなりません。
これを、生態系(エコロジー)と言うんです。
仏教的に解釈すれば、森は生き物の曼荼羅(まんだら)なのです。
森のエコロジー、曼荼羅を、日本で本格的に認識された方が、南方熊楠先生なんです。
だから、僕は、南方熊楠先生をとっても尊敬しているのです。
今、人間社会では、イジメなどの社会的ひずみが浮き彫りになっていますが、これこそは、人間一人一人個人が人間社会の曼荼羅を構成する大切な存在であるということを忘れている結果ではないでしょうか。
一人はみんなのために、みんなは一人のために、ラグビーのラガーマンであれば誰でも知っている格言ですが、この言葉を忘れないで、人間社会の曼荼羅を築き上げたいですね。
雄子沢登山道の素晴らしい自然を見て、こんなことを考えてしまいましたー。
で、話は、登山道沿いの植物に戻ります。
ハルモモさんが「ハクウンボクですよ」とおっしゃった。
そうかー。これがハクウンボク。とっても上品な白い花姿ですねー。
僕にとっては、初めての出会い。
今月5日に、会津若松市の芦ノ牧温泉でバイカウツギの白い花を見た時も、とっても嬉しかったけど、今回も感動いたしましたー。
ハクウンボクは、白雲木で、エゴノキ科エゴノキ属、オオバヂシャとも言います。
ハルモモさんが、指さした先に、見覚えがある葉が………、
「トリガタハンショウヅルですねー」
あるんですねー。登山道沿いにはここだけでなく、あちこちで見かけることができました。
テツカエデです。懐かしいなー。
高山の原生林を守る会の西大巓登山道ロープ補修ボランティアで、デコ平から登山を始めた時に、テツカエデの高木があったのです。そこでも花を見ることができました。
テツカエデは花が垂下し、オガラバナは花が立ち上がる。
オガラバナの花は、6月5日に鬼面山麓で観察することができました。
テツカエデの花は、とっても生き生きしています。感激!!!
ショウキラン!!!
昨年の7月にここを通った時には、見られなかったのですが、やっと対面できましたー。
「昭和28年11月28日に生まれて、初めて見ることができたんですよー」
感激して、言ってしまいました。
このあたりは、ブナも素晴らしいけど、ミズナラの古木も、とっても素敵!!!
さらに歩いていたら、ハルモモさんが、
「この先、花を見ても、あんまり大きな声で言わないでください」とおっしゃったような記憶がうろ覚えで脳裏に残っています。
ですよねー。
盗掘に遭いやすいランです。
ショウキランがさらに咲いていました。
雄子沢の森の曼荼羅を支える植物のひとつ。
美しいからと言って、人間の勝手な欲望で、拉致しないでくださいね。
サワフタギも頑張って咲いています。
嬉しいです。
ああー!! 一年ぶりの雄国沼の山小屋です。
今日は、とっても混み合っていましたねー。
雄国沼に向かう道沿いに、僕がとっても大好きなブナ林があるのです。
なぜか、ここの、このブナ林を見ると、とっても癒されるのです。
なぜだろう。
何か、ここのブナが僕に発信しているメッセージがあるのかなー?
オオバスノキ。
個人的な好みなんですが、僕は、このオオバスノキの花のファンクラブ会員なのですー(笑)
今年も、雄子沢登山道から雄国沼に至るまで、森の曼荼羅を堪能することができました。
ハルモモさんと、森の精霊たちに感謝です。
今年、季節が変わってから、もう一度来てみようと思います。
雄子沢の森の神様、その時は、また宜しくお願い申し上げます。