ビッキ沼近くの森を流れる沢に沿って、トリカブトの群落があります。
愛しのトリカブトと言えば、今が花の盛りでして、、、
僕は、土湯の山中で、6箇所ほどトリカブト群落を見ていますが、1箇所は、かなり山奥に入った所で、ブナの樹肌にはツキノワグマの爪痕が顕著に残っており、まさにクマ生息地のど真ん中で、トリカブト群落の広さも、ものすごく広いんです。
そこには、毎年通い続けて、もう、かれこれ8年になりますが、まだ一度もツキノワグマには出会えていません。
クマの「うんち」には出会いましたが……、、、
会える人は会えるのですが、僕にはクマ運がないんですね。
そのかわり、ニホンザルの群れには、何度も遭遇いたしました。
にぎやかですよ。
で、
ビッキ沼近くのトリカブト群落も、それなりの広さと株の密度があります。
トリカブトの種類は、正式には、
キンポウゲ科トリカブト属オクトリカブト
です。
学名は、
Aconitum japonicum subsp. subcuneatum Nakai
です。
Aconitumは、トリカブトが保有しているアコニチンという有毒物質の名です。
正式には、アコニットアルカロイドで、化学式は、
C
34H
47NO
11
となります。
毒性は、嘔吐、痙攣、呼吸困難、心臓発作を引き起こす猛毒で、経口致死量は成人の場合1.5〜6mgだそうです。
ちなみにトリカブトは漢方薬としても用いられ、漢方薬専門の方の調剤により、心臓の薬として処方されているそうです。近世から「白河附子」と呼ばれている薬は、トリカブトを用いています。しかし、素人の方は絶対に真似しないでくださいね。
かなり毒々しい話になりましたが、なぜこのようなお話しをしたかというと、土湯の山中に多数自生しているトリカブトは、ほとんどがオクトリカブトで、エゾトリカブトに次いで世界で2番目に強い毒性を有しているからなのです。
でも、花はとっても美しいのです。
そして、ビッキ沼近くの森に群生するトリカブトもオクトリカブトなのです。
ビッキ沼の畔にも多数オクトリカブトが自生していますが、いくら美しい青紫の花をご覧になったとしても、全草猛毒であるため、絶対に手を触れないでくださいね。
少し離れて、そっとご覧になってくださいね。
このような美しいトリカブトの花が咲く場所は、昨日ご紹介したセンダイトウヒレンが咲く森と同じです。
このような感じで、花が並んでいます。
葉は3〜5中裂または深裂し、なかには、ヤマトリカブトの葉に似ているものもあります。
トリカブトは葉の中裂または深裂した形にも特徴がありますので、花の時期以外に入山されても、このような葉をご覧になったら、触らないでください。
花にはとっても気品が感じられます。
今年は、いつもの年と違って、葉が枯れ始めている個体が多いのです。
トリカブトだけでなく、昨日のセンダイトウヒレンもそうでした。
いったい、どうしたことでしょう。
オクトリカブトの群落はこんな感じ。
あたり一面、トリカブトだらけです。
今日は、オクトリカブトさん達の午餐に招かれたような感じ。
けっこうすごい群落でしょう。
縄文時代の人も、ここのトリカブトを利用したのかなー、、、
なんて考えてしまいました。
3000年前〜8000年前の大昔に、思いを馳せてしまいました。
トリカブトの根には、毒が最も多く含まれています。縄文時代の人々は、その毒を矢に塗って、毒矢にして、クマやイノシシ、シカなどの大型獣を捕獲したのかもしれませんね。
北海道では、アイヌ民族の人々が、やはり矢毒として、エゾトリカブトの毒を用いていたそうです。
何せ、相手は、ヒグマやエゾシカですからね。
それでは、以下に、僕の好きな写真を並べますので、オクトリカブトの美しさをご堪能ください。
バックミュージックには、平原綾香さんの最新アルバム「my Classics!」がベスト。
実は、昨日、買ってしまいましたーーー、、、 えへへ!!!
この場面は「新世界」が似合うかな?
「仮面舞踏会」が似合う写真???
「ノクターン」はどうですか?
「ミオ・アモーレ」かなと、個人的に。。。
僕個人としては、この写真が一番好きです。
なんと言っても「Jupiter」でしょう!!! これは!!
葉も枯れていないし、花姿も美しいです。
僕たちが注意して、触ったりしなければ、とっても美しい植物なのです。
尊敬の念をもって、自然度の高いこの群落を大切に守っていきたいです。