昨日は、楢葉に行ってばあちゃんを見舞い、インフルエンザ予防接種の同意書等の様々な書類をリリー園に提出して来たついでに、郭公山(ホトトギス山)に登ってきました。
毎年、正月に登るのですが、今年は、紅葉の季節に登って、郭公山の杜の特徴を体験したかったからです。
郭公山の紅葉が見頃になる今を期待して待っていました。
そして、期待を裏切られることはありませんでした。
郭公山は小学校の校歌にも唱われており、楢葉町のシンボル的な山で、木戸川の北側に聳えています。歴史的には中世の館跡(南北朝頃か???)の伝説もあると聞きましたが、館跡の痕跡は分かりません。
地形的には阿武隈山地の東縁にあたり、山の前縁には双葉断層(岩沼−久ノ浜構造線)が通っています。
この山に登るには、県道35号線(いわき−浪江線で通称山麓線)の楢葉町大谷地区から乙次郎地区に向かう道に入り、しばらく木戸川左岸支流が刻んだ渓谷沿いの道を走ります。
この渓谷は深く、片側が崖となっているので、未舗装の道をゆっくりと気を付けながら走る必要があります。美しい渓谷で今頃の季節は紅葉が美しく、脇見運転をしないように注意!!! ただし、現在工事が行われていて、毎日発破作業が行われるので、交通整理員の指示に従って下さい。
やがて「郭公山入口」という看板が見えてきますので、そこが登山道入口です。
郭公山の魅力、それは、典型的な中間温帯林植生と素晴らしいモミ林内の散策コースにあると言っても過言でないでしょう。
中間温帯林は、冷温帯と暖温帯の境界付近に発達する林で、モミなどの温帯性針葉樹が優占いたします。それにコナラやイヌブナなどの落葉広葉樹とシキミやアセビ、ウラジロガシ、アカガシなどの常緑広葉樹が混ざります。
郭公山登山道は、尾根にモミ優占林が広がり、斜面にコナラ、クヌギ、イヌブナ、アカシデ、イヌシデ、クマシデ、ケヤキ、各種カエデが繁茂し、尾根腺に沿った登山道を歩いていると、まさに中間温帯林を体感することができる素晴らしいコースです。
中間温帯林の典型として、よく仙台市の青葉山が取り上げられますが、ここ郭公山もロケーションとしては最高なので、ぜひ一度歩かれることをお奨めいたします。
この道が、郭公山北側を走る、楢葉町大谷から乙次郎に向かう道です。
モミに混じってカエデやイヌブナの紅葉が美しい。
登山道入口の標識です。
歩き始めてすぐ、ウリカエデの輝く黄葉に出会えました。
僕は今の時期、必ず落葉を観察いたします。
ここでは、コナラが圧倒的に多く、イヌブナやウリカエデが少し混ざります。
登山道右側は、尾根の南斜面となっており、見上げると、コナラやアカシデの樹冠がとても美しいです。
こちらは、アカシデの黄葉。
急な南斜面のモミに混ざって茜色に輝くカエデ。
尾根に優占するモミ林内の登山道はこんな感じです。
落ち葉の絨毯の上を歩く感じで、とっても贅沢感にあふれています。
またまた輝く南斜面の紅葉。
郭公山の守り神のような、アカシデの古木です。
素敵ですよ。
黄色に茜色が重なったような、アカシデの落葉です。
展覧会の絵のような樹冠の見上げと、
モミの木立と落葉広葉樹紅葉の見事なマッチ。。。
そして再び樹冠の見上げ。
首を上げたり下げたり忙しく、痛くなってしまいました(笑)
これを油絵にしたら、本当に素晴らしいだろうなー。
南斜面には落葉広葉樹が優占的に繁茂するのに対して、尾根にはモミが優占します。
これは見事にはっきりとしています。
モミの樹齢は比較的若く、分布は比較的密です。
モミ優占林自体は二次林でしょうが、自然林に復活しようと頑張っていますね。
やがて、イヌシデの落葉が目に付くようになってきました。
もう少し歩くと、イヌシデを数多く見ることができるようになります。
どこまで歩いても、落ち葉の絨毯にモミ林。
気分を最高にリフレッシュすることができます。
モミ林に残っていた、クヌギの古木です。
続きますね。