今日のお昼は、セブンイレブンで買ってきた、
「欧風 チキンカレー」398円です。
レンジで4分間チンして食べると、これがまた最高に美味しいです。
初めての味で、旨みも辛みもコクも上手くミックスされていて、
以前に食べたレトルトカレーの「横須賀海軍カレー」に似た味でした。
「亡国のイージス」という映画がありましたが、あの頃「横須賀海軍カレー」がコンビニの店頭にも並んだのです。平成18年頃でしたか、、、
「亡国のイージス」は、僕は小説でもビデオでも見ました。面白かったです。
で、なぜカレーは海軍と関係あるのでしょうか。
歴史的な話になりますが、
明治時代、大日本帝国海軍は、大英帝国海軍(ネイビー)を模範としていました。そしてカレーも大英帝国海軍から導入したそうです。
何でも「カレー味のシチューに小麦粉でとろみ付けし、ライスにかけたところ好評を得てカレーライスが誕生したのである」とのことです。
その発祥の地が、当時、海軍の鎮守府が置かれていた横須賀だそうです。
大日本帝国海軍の伝統を墨守している海上自衛隊では、現在でも、毎週金曜日にはカレーライスを食べるそうです。何でも、長い洋上航海に出ると、曜日の感覚がわからなくなるので、金曜日にカレーを食べて曜日の感覚を戻すらしいです。
海上自衛隊では各護衛艦で独自のカレーをつくり、ワインやコーラなどで隠し味を工夫し、その旨さを競っているみたい。
しかし、洋上が時化ていて、ローリングやピッチングが激しい護衛艦(DDやDDH、DDGなど各種あり)の隊員食堂で、船酔いせずにカレーを美味しく食べるようになるまでは大変だとか、、、
さて、僕たちが日常食べている食事で、海軍と縁の深いメニューに、肉じゃががあります。
肉じゃがは、東郷平八郎海軍中将(当時)が舞鶴鎮守府初代司令官だったときに、イギリス留学時に味わったビーフシチューの味が忘れられずに、牛肉とジャガイモを具にして醤油と砂糖で味付け(本当はワインとドミグラスソースで味付けすべきところ)して出来上がったのが肉じゃがだそうです。『海軍厨業管理教科書』という文献が海上自衛隊舞鶴地方総監部に残っておりまして、そこには肉じゃがのレシピが細かく記載されているようです。
当時、海軍鎮守府は、佐世保、呉、舞鶴、横須賀(いずれにも、現在、海上自衛隊地方総監部あり)にありまして、肉じゃがの発祥の地は呉鎮守府だという説もあり、舞鶴と呉で肉じゃがの発祥地論争が繰り広げられているようです。
僕としては、どっちでもいいですけど、呉と舞鶴の両方に行って、肉じゃがを食べ比べてみたいですね。
太平洋戦争が終わってまもなく65年ですが、僕たちの身近な場所にも、帝国海軍の遺風が残されています。
中学時代の制服、男子は詰め襟学生服、女子はセーラー服。あれって、男子の詰め襟学生服は海軍士官の制服で、女子のセーラー服は海軍水兵の制服で、当時の階級差を反映しているという話を聞いたことがあります。
海軍士官は、海軍少尉以上大将までの将校のことです。
海軍水兵は、海軍四等水兵から一等水兵までです。
その間に、三等兵曹から一等兵曹までの下士官がおり、兵曹長は準士官となります。
当時海軍水兵は、セーラー服のことを「ジョンベラ」と呼んでいましたが、ジョンベラとは、あの独特の襟の意味です。水兵はジョンベラ服に鍔のない水兵帽をかぶり、水兵帽にはペンネントと呼ばれるリボンを結び、そのリボンの前面に「大日本軍艦霧島」とか「大日本軍艦金剛」などと刺繍していました。
海軍士官は、鍔付きの軍帽に蛇腹詰め襟の士官服を着用、短剣を帯びています。
海軍では、服装から一見して士官と水兵が区別できます。これは陸軍以上です。
男子の詰め襟学生服を海軍士官、女子のセーラー服を海軍水兵に見立てたのでは、等しく教育を受ける男子と女子の間に階級差があるように見えてしまい問題ではないかと言われた方もおられたようです。
ジェンダーフリー、男女共同参画、男女雇用機会均等の現代においては、そのように言われれば問題でしょうが、それぞれの学校の伝統と、卒業生の思い出も大切にしたい気持ちもあります。
最近は、男子の詰め襟学生服も減少して、ブレザー制服の学校も増えてきていますから。
あと、海軍の伝統としては、5分前集合があります。
何かの用事で集まる時、行動開始の5分前に集まるというもの。
これは、大事な伝統です。絶対に遅刻できませんから。
「スマートで目先が利いて几帳面、負けじ魂、これぞ海軍」という言葉がありますが、これは現代社会人教育にも役に立ちますね。
その他
「ユーモアを解せざるものは海軍軍人の資格なし」などのモットーもあるし、
「海軍初級士官心得」なんかは、「これが軍人に対する教育か??」と疑うような、非軍人的な分かりやすい教育書です。なにせ、テーブルマナーの奨めからトイレットマナーまで書かれています。すなわち、ジェントルマンを育てる教科書なのです。これは最高に常識的紳士的で、現代の新入社員教育にも役立ちます。
あのような常識的紳士的教育を受けた海軍軍人が、太平洋戦争という愚策に陥って日本を破滅に導いたことはかえすがえすも残念です。
最後に海軍式敬礼。陸軍は肘を真横に持ってきて敬礼しますが、海軍は肘を斜め前にして右手の人差し指の第三関節が帽子の庇の縁に当たるように、手のひらが相手に見えないようにスマートに敬礼します。
昨年の6月、会津の芦ノ牧温泉で研究会が開催されたおり、植物研究会の大先輩のO先生から、海軍式敬礼を教わりましたが、なかなかむずかしいです。O先生は海軍に在籍されておられ、「まともに海軍式敬礼できるようになるまで1年以上かかる」とおっしゃっておられました。
お昼に食べた398円のカレーが美味しかったので、ついつい海軍のことを考えてしまいました。
日本の美しい海が、二度と戦渦にまきこまれませんように。