いわき市の中心市街地のひとつに、平(たいら)の街があります。
駅の名前が「いわき」駅に変わってしまったのが大変残念ですが、
「平」の名は、歴史的なものなのです。
「平」駅の名は、残してほしかったです。
古くは、岩城則道の妻であった徳姫(白水阿弥陀堂を建立された方)が、生まれ育った奥州平泉の「平」を取って名付けたなどという伝説もあるやに聞いています。
江戸時代には磐城平藩の城下町として栄え、鳥居氏や内藤氏、安藤氏が藩を治めていました。
安藤氏第5代藩主の安藤信正は、徳川幕府の老中も勤めた人物です。
僕も、母方の実家が平なもので、そして、高校時代は毎日常磐線で平まで列車通学していたし、いわき市で2年間お仕事(臨時雇い)していたので、平の街(旧市街)はホタルのケツ(明るいということ)です。
ただし、いわきニュータウンの方角は全くわかりませんが、、、
平の街中には新川という川が流れておりまして、6国と49号が分岐する内郷御台境交差点近くの尼子橋も新川を跨ぐ橋です。
尼子橋の名前は、岩城則道の妻、徳尼御前(徳姫)が橋をかけたという伝説に由来しています。そして徳尼御前が橋をかけた理由は新川(当時はそういう川の名であったかどうかは不明)が大雨のたびに氾濫するからだったのです(和田文夫1977『いわきの民俗』上)。
僕も、母から、台風による大雨で新川が氾濫した話は、よく聞かされたものでした。
新川の北側には、いわき市役所や大黒屋デパートがあり、南側には平競輪場がありました。
宝くじで有名な大黒屋デパートは、倒産してしまいましたが、、、
近年は、新川沿いもかなり大都会になってきて、様変わりしてきましたね。
さて、その新川、その川辺にミズアオイが群れ咲いているというお話しを聞いたのは、一昨年9月の福島県植物研究会の席上でした。当時のY会長先生が発表なされたのです。
そして、最近、植物研究会仲間のねもしゅうさんが、新川のミズアオイについて、自らのブログに記事を書かれました。
http://blogs.yahoo.co.jp/nemo_syu/19424720.html
この記事を読んで、僕も、一度見てみたくなりました。
そして、
昨日、楢葉のばあちゃんのお見舞いに行った帰りに、見てきたのです。
県の合庁に車を止めて、ウオーキングがてら新川べりを歩き始めました。
最初、なかなか見つかりませんでしたが、
ようやく出会うことができました。
実は、
僕は、生まれてこのかた、ミズアオイを見たことがなかったのです。
昨日、ここでの出会いが、ミズアオイとの初めての出会いでした。
長靴をはいて、新川の縁を慎重に歩いて近づきました。
雨が降っていたせいか、少し川の水量が増えています。
少しでも足を踏み外すと、川の中にドブンと入ってしまいます。
ミズアオイの青く美しいお花に、感動しました♪♪♪
ミズアオイは、福島県のレッドデータブックでは、絶滅危惧U類のカテゴリーに含まれる、稀産種なのです。
お花を拡大すると、葯の黄色い雄しべが5本、葯の青い雄しべが1本、そして雌しべを見ることができます。
川の対岸にもミズアオイが群れ咲いている様子を見ることができました。
ミズアオイは一年草とのこと。
非常にデリケートな植生です。
河川環境の微妙なバランスの上に生き残っているので、
大切に保全したいですね。
橋の真上から、ミズアオイの自生状況を眺めてみました。
抽水植物ですが、開花している受粉時期に大雨など降ってしまったら、種子を残すことなく、全滅してしまうのでしょうか???
心配になってきました。
だって、開花する今の季節は、台風シーズンですからね。
対岸の自生地にも近づいてみました。
ここでも、青く美しいお花を見ることができました。
ラッキーでした!!!
地元の方のお話しによると、昔、新川の河川改修を行う前は、川べりにびっしりとミズアオイのお花が咲き並んでいたとのことです。
河川改修で洪水の心配はなくなりましたが、大切な植物も少なくなっています。
替わりに、外来植物が繁茂しています。
在来植生を保護しながらの河川改修、当時としては、そこまで意識が至らなかったのでしょうね。なにせ、大雨のたびに氾濫する新川を何とかするので精一杯だったでしょうから。
だからこそ、残された数少ないミズアオイを自然増殖させる工夫が必要かと思います。
ミズアオイを堪能してから、土手に上がって、しばらくお散歩していたら、
いわき芸術文化交流館Alios(アリオス)の所に来ました。
でっかい建物です。
いわき市の芸術文化の殿堂ですね。
この近くには、いわき市文化センターやいわき市立美術館などもあり、いわきの文化エリアですね。
そして、
アリオス近くの土手に咲いているコスモスにも出会えました。
今年の秋は、コスモスのお花となかなか出会えないでいたので、
一輪一輪、大事にシャッターを切りました。
コスモスって、今まで群れ咲いている姿を撮影したことはありますが、
一輪一輪だいじに撮影したのは、初めてです。
ようやく、秋を実感できました。