今週は、昨日の日曜日のうちに相馬に来て泊まりました。
というのも、今朝から文化財の燻蒸作業が始まるからなのです。
薫蒸とは、紙や布などの素材からできた文化財に付いたカビや虫などを薫蒸ガスで消毒する作業で、カビの胞子や文化財害虫が文化財収蔵施設内に蔓延しないようにするために不可欠の作業なのです。
文化財だけでなく、公文書館に収蔵される歴史的公文書も、収蔵庫内に納められる前に、中間書庫段階で薫蒸を行い、カビの胞子や文化財害虫を無力化いたします。
それだけ重要な作業。
今回は、警戒区域から搬出した文化財のなかでカビの害が顕著な文化財を対象に薫蒸を行いました。
今日は午前8時30分過ぎには専門の方々が相馬に到着されて作業を始めるということで、僕は昨日の夜から相馬に来ていたのですが、
なんと、ここでアクシデント。
昨日の午後から風邪の症状が辛くなってきて、昨夜はだるさと関節の痛み、そして発熱と、最悪のコンディション。
昨夜は7時過ぎにはお布団に入って寝たのですが、節々が痛くて寝返りばっかり繰り返していました。
それでも一夜明けて、なんとか起きて、旧相馬女子校に出勤して、薫蒸開始までこぎつけました。
作業が一段落してから、市役所近くの大石医院に行ったら、すぐ診ていただいて、インフルエンザの検査もしましたが、インフルエンザではありませんでした。
良かった〜。インフルエンザだったら強制的に休ませられますから〜
それで、旧相馬女子校に戻って、仕事を続けることができました。
ここで、薫蒸作業の様子をご紹介いたしますね。
今回の薫蒸対象文化財です。
ブルーシートの上にまとめ置きいたしました。
文化財薫蒸に使う薬品。
エキヒュームSと言って、酸化エチレンです。
酸化エチレンガスを送る機械の準備。
薫蒸スペースを密閉する作業が始まりました。
ビニールシートで密閉するのです。
このような感じで、文化財をビニールシートで密閉いたします。
目張りは、幅広いガムテープで、丁寧に幾重にも行います。
薫蒸ガスを送るホースのあたりも、ガス漏れしないように厳重に目張りします。
酸化エチレンガスを暖めて送る装置にホースをジョイント。
酸化エチレン(エキヒュームS)ガスボンベと装置とをガス管で繋いで、準備完了です。
午前10時30分、ガスボンベのバルブを緩めて、酸化エチレンガスの投入を開始いたしました。
ここから48時間薫蒸が始まります。
薫蒸開始後は、エリアには関係者以外立ち入り禁止となります。
この後は、専門の方々が2時間おきにガス濃度とガス漏れの点検を昼夜を通して行います。
48時間薫蒸後には、ガス抜き等安全措置を施して僕らに引き渡されます。
僕は、薫蒸の立ち会いは初めてですが、準備作業を通して、薫蒸システムを理解することができました。
あとは、安全確認を責任を持って行います。
なので、
早く風邪を治さないとですね〜