藤原帰一という国際政治学者をご存知でしょうか。
多分、わりと有名な人でSIGHT誌にもよく登場しています。
インタビューを読むと、リベラルでしたたかで、クールで…という言葉が似合う印象が強い方ですが、話はわかりやすくてけっこう面白いです。
つい先日、彼の著作「デモクラシーの帝国」という本を読みました。
後半、難しくなってきてちんぷんかんぷな箇所もちらほらでしたが、大筋は理解できました。
その中で、一番面白かった話です。
まず僕自身、昔から不思議に思っていたことですが、「なぜアメリカは世界中の戦争、紛争に首を突っ込んでいるのか?」って事です。
なんで、クリントンがラビン首相とアラファト議長を握手させてんのかなぁとか。
アホながらイメージとしては、国連が世界中の戦争の仲介をするんだろうなと思ってたけど、そうでもなく様々な問題に必ずといっていいほどアメリカが登場しますね。
たとえば、石油の利権が絡んで〜、とか諸々の問題はたくさんあるのは解ります。
でも、それにしたって不思議。アメリカの一般市民も不思議と思わないのか。というか、他国の事にかまいすぎてめんどくさくならないのか?
藤原帰一は面白い事を教えてくれました。
まず、一般の国家は習慣や言語を共有する集まりで、民族性に訴えかけて自国を統括できる。だけど、アメリカは他民族国家であって、習慣や言語では括れない。だから、理念を共有することで社会が構成されていると。
アメリカは民族を基礎としていない国家だそうです。
そしてここからが面白い。
アメリカ国民は、民族性や言語、宗教などによって支える事ができない。では、何でアメリカ国民を統合するのか。それは、正義やイデオロギーという普遍の理念に訴えかける事だというのです。
それでしか、対外政策も正当化できないし、アメリカ国民も纏め上げられないというのです。
おぉなるほど。
確かに、ブッシュの演説をきちんと聴いた事がある訳ではないが、「我々の正義を勝ち抜くためテロリストをやっつける!」みたいなイメージがあります。
しかも藤原さん曰く、そこで言われる「我々」とは民族性で纏まらないアメリカでは、自国民だけではなくどこまでも広げられるというのです。
だから、世界中どこの人も「我々」だし、パレスチナもイスラエルも「我々」と思っているのかもしれない。
だから「世界中の悪党をやっつける!」と正義感を振り回さないと、怖くていられないのかもしれない。
こんな話しでした。
上手く、説明できないのが残念です。
でも、なんとなくは解ってもらえたかな・・・?
というかそもそも、こんな話しに興味がある人はいるのかな。
いますかー?

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