同窓会に募金箱を置かせいただけることに
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二週間後に高校の同窓会があって、30年ぶりの同期生にたくさん会うことができます。その会場に、幹事さんに頼んで募金ブースをつくらせていただきました。
僕の友人たちは、人間的にも尊敬できる人たちで、募金にたいして好印象でみていただいていて、ほんとうにありがたいです。
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募金の宛先は、ママラ基金にしました。同級生が翻訳したことや、マララさんがノーベル賞を受賞された時期で、ご縁を感じるのですが、一番の理由は、この基金は女子教育についての基金だからです。
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僕は、最初感染症の医者でした。ハーバート大学時代から女性医学を専門にしました。それも、よい師匠に恵まれたご縁からです。それ以来、女性の健康について勉強し、手術技術の研究を続けて、今の僕があるわけで、そのお礼に、女性の医療や教育への支援をしています。
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感染症学をしていたころ、ある発見をききました。同じ研究室の先生が見つけ出したのですが、エイズの原因のHIVというウイルスは、性行為感染症を繰り返すうちに、どんどん突然変異をくりかえして、より悪いタイプのなってしまうのです。日本では輸血による感染症という悲劇がありますが、さらに悪いタイプのウイルスがアフリカや東南アジアには存在します。
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その理由の大きなものは、女性が教育をうけるチャンスなく結婚したり、女性がレイプされてしまう社会というもの、と考えます。多くの国で身勝手な考えで、まだ小さな子供が婚姻します。男性に早めにセックスの相手を与えれば、男性が病気の女性からうつされることがないという考えです。
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けれど、この考えが、衛生管理を知らない女性を作ります。衛生管理を知らない社会をつくります。現在、アフリカでエボラウイルスが封じ込めできない一つの理由に、知識が広がらないという問題があるのです。
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女性の教育を広げて、衛生という知識を広げない限り、エイズもエボラも、今後何度でも広がり続けるでしょう。将来の地球的視野で考えていかないといけない時代になってきています。
同窓会の募金。ありがとう。
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愛知県立旭丘高校の同窓会が開催された。幹事の皆さんの努力があって素晴らしい会になった。
その場に、募金活動をお願いした。そのいきさつは、前回かいたとおり、僕が女性医学学が専門なので、学ばせていただいているそのお礼に女性への支援を大事に感じるからだ。
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募金は大成功で、気持ちのいい心のこもったお金が集まった。同級生はみな心優しい。この募金には、優しい気持ちが詰まっている。そして、この募金がマララ基金に振込まれ、同級生の優しい気持ちがとどく。なんて、素晴らしいんだろう。
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優しい気持ちは、とどく、というのは医学的に研究されている。例えばランニング。
みなさんもランニングするときに、ときどきはグループではしることが多い。
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ランニングそのものがたのしいこともあるが、
メンバーの中に、ハッピーを感じるような出来事があった人がひとりでもいれば、まわりも幸せを感じることができる。つまり、『シアワセの御裾分け』ってことだ。
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まずは、そのことを証明した論文を紹介しよう
Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study
BMJ 2008;337:a2338, doi: 10.1136/bmj.a2338 (Published 4 December 2008)
http://www.bmj.com/content/337/bmj.a2338.full
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幸福は人から人へ拡大し、社会ネットワークでの幸福が形成されていくかどうかを、20年間の縦断的調査で検討したものだ。4739人(1983〜2003年)が対象になり、カリフォルニア大学やハーバード大学が検討した。
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自己評価抑うつ尺度(CES-D)から4つのitem scaleを選んで測定した幸福度の推移を見守った。多岐にわたる社会ネットワークの寄与度と、社会的つながりの広がりがポイントになる。その結果、幸福・不幸のclusterは、ネットワークの中で可視化すると、幸福度の広がりは、例えば友達の友達という3段階にまで広がっていた。多くの幸福な人に囲まれた人、ネットワークの中心のポジションの人は、将来幸福になる可能性が高いのだ。こうした影響は仕事の同僚では認められなかった。影響は、時間の経過や地理的な距離によって薄れる傾向があった。この論文の著者は、幸福とは、集団的影響、つまり心の繋がり とまとめている。
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だからみんなで集まってランニングすると楽しいんだ!!走ってる間に、ハッピーが広がるのだ
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ところで、ホルモンからもこんなことがいえるのだ。
抱きしめると分泌するオキシトシンというホルモンがある。
人間の精神状態を安定させる役割がある。
これは、ランニングをしたときや、よい恋愛や結婚で分泌が高まる。
オキシトシンをだしている人とコミュニケションをとると、
こちらもオキシトシンが分泌される。こうして、ヒトはお互いに愛情や友情や楽しさを共有することができるのだ。
走っている間に広がるハッピーってオキシトシンかもしれない。
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そうそう、オキシトシンは、赤ちゃんの泣き声でも反応してたかまる
やわらかいもの、たとえば、子犬を抱いているときも分泌する
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これは、医学エッセイなんだけど、
同級生の仲間みんなへの最大の感謝です。
本当に、ありがとうございます。
(この内容は、同級生の翻訳家西田さんを中心に、中日新聞に取り上げられました。)
写真では、母校の先生まで、駆けつけてくださいました。先生、いつまでもお元気でいてください。


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