早く床に就いたので、
3時過ぎに目が覚めてしまった。
風呂は
5時にならないと開かない。うつらうつらしながら時間を潰し、5時5分前に係りの人に浴場の鍵を開けてもらい一番風呂に入った。
男女の大浴場が昨夜と入れ替わっている。温まって部屋に戻るとまだ誰も起きていない。それでもう1度床に入り1時間ほど眠った。
朝食は
バイキング。夕食よりメニューが豊富でよかったなどと言ったらお叱りを受けるだろうか。窓からは
太平洋が一望できる。小さい岩の島が見えるが、
「あれが風呂場に貼ってあったポスターの『女来島(めらいじま)』なのか」と眺めていると、釣りをやっている人の姿が何人か見える。船で運んでもらうのだろう。ちなみに、
海女たちの休息の場になったところから
「女来島」と呼ばれるようになったそうだ。また、ここの
白浜温泉は
「女来島温泉」とも呼ばれる。
ホテルを
8時に出発し、10分ほどで、きょう最初の見学地
「千倉の花摘み」の場所に到着。団体が訪れるところだから、大きな園地が広がるのかと思ったが、割りと
小さい畑で拍子抜けしたことは否めない。この辺一体は、花の栽培には適しているのだろう。たくさんの花畑が並ぶが、ここの
農園はホテルと契約しているのだろうか。
入場料は無料となっているが、ガイドさんからひとり
10本まで採ってよいとの報告を受け、
はさみを片手に花を摘んだ。正直なところ、花の種類はさほど多いわけではない。我が講中の花を栽培している
OTさんは
「出荷するより手間がかからず、いい収入になりそうだ」と話す。帰り道も
ドライバーの粋な計らいで、しばらく裏道のお花畑を眺めながらバスは走った。
次は鴨川手前の
「ひものショッピングセンタ」ーに立ち寄り、ツァー客は土産を買い込む。筆者も一皿1,000円の
サバとイカの干物、それから珍しそうな
「ねりもの」(1,000)を買った。スーパーより値が張るようではあるが。
さらに進んで、次に訪れたところが
「九十九里波乗りライン」。ここは有料の
舗装道路を走るだけである。能登半島の
「なぎさドライブウェイ」のように
砂浜を走るわけではない。余談になるが、ガイドの説明によれば、
「なぎさドライブウェイ」も時間の問題だという。車が動けなくなる
事故が相次いで起きているかららしい。休憩所に到着したが、眺めがよいところは特になさようだ。こちらも閑古鳥が鳴きそうな気配か。
誕生寺の横を通っていくとき、
ガイドのEさんが
「ここは日蓮の生まれたところです。我が国では現在、日蓮宗の宗派が一番多いようです」と説明し、
「みなさんのお宅は何宗ですか」と聞く。エンピロは
「加齢臭」と即答したが、これにはEさんも受けたたようだ。ここから彼女の間髪を入れない
「加齢臭」の説明やら
「男性更年期」の話題が進んでいく。
豊富な知識と巧みな話術には驚くばかりである。
千葉東金道路を使い、
成田山新勝寺に着いたのが12時過ぎ。
米屋観光センターで昼食を食べ、
生栗羊羹などの土産を買い求め、参拝が終わるまで店に預かってもらった。新勝寺の入り口に総ケヤキ造りの
総門が聳え立っている。この総門は着工以来
3年8ヶ月の歳月を賭け、昨年11月28日に完成したばかりで、高さ約15メートル、桁行(けたゆき)約14メートル、梁行(はりゆき)約6メートルを誇る。総経費は
23億円とのことらしい。新勝寺は開山
1070年を来年に控える。
大本堂に到着すると、相当の数の参拝客で賑わっている。それでも前日に比べれば少ないとのことである。
予定された見学コースはすべて終わり、後は一路
会津へ帰るだけである。ここからも、
ガイド嬢の客を飽きさせない案内や説明が続く。仕事とは言え、あれだけの知識をどのように収集するのか不思議なくらいだ。単なる
観光案内だけではない。
その地にまつわる歴史、伝説などあらゆる薀蓄(うんちく)を駆使しているのである。
上杉謙信や
源義経は
ドラマで美男子が演じているが、実際は
不細工に近かったらしいと話す。中でも、
源義経がチンギスハン(ジンギスカン)ではなかったのかという話は初耳で興味を引いた。
帰りは
常磐自動車道経由で帰路に着いたが、ツアー客の
集合時間の厳守もあり、予定よりも早めに会津に到着した。さらに添乗員、ガイド、ドライバーの
親身な対応で楽しい旅行となった。この場を借り改めて感謝を申し上げたい。
●関連サイト
「南房総白浜温泉 グランドホテル太陽」

宿泊したホテルと見送るスタッフ

ホテルから眺める女来島。釣客の姿も見える。

フラワーライン沿いには、多くの観光農園の建物とお花畑が目につく。

ポピー、ストック、金魚草、矢車草などの花を摘むツアー客。

成田山新勝寺の総門。23億円をかけて昨年11月に完成。

参拝客で賑わう大本堂

家族が美味しいと絶賛した米屋の生栗羊羹。賞味期限が2日と短い。

これまた「舟和の芋ようかん」を思わせる米屋の「芋ようかん」。これまた美味であった。

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