2016/7/12

映画 『夏美のホタル』 聖地巡礼  映画
 


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■ 養老渓谷周辺で撮影された『夏美のホタル』 ■


7月2日の土曜日、いつものごとく自転車で鴨川へ向かう途中、養老渓谷の駅舎に『夏美のホタル』という映画のポスターが貼られいました。養老渓谷周辺で撮影が行われたと書かれています。撮影場所は「筒森」と「月崎」。

筒森は養老清澄ラインを養老渓谷より先に進んだ峠の上に在る小さな集落ですが、私のお気に入りの場所です。こじんまりとした山間の集落ですが、何とも言えない趣があって私の心の中の「理想の田舎の風景」を具現化した様な場所です。

この地に惹かれるには私だけでは無いようで、かつて横浜の時雨谷で伝説のバイクショップを経営されていたケンタウロスのオーナーも現在はこちらの古民家に移り住んでいらっしゃいます。

「筒森」をロケ地に選んだのであれば良い映画に違いない・・・そう思い、先週の土曜日に劇場へ足を運びました。

主演が『あまちゃん』で小泉今日子の若い頃を演じた有村架純、監督が廣木隆一。この二人のコンビは『ストロボ・エッジ』が有りますが、ちょっとチャラい映画なので不安・・・。ただ西 炯子原作の『娚の一生』の予告は悪くなかったので期待と不安が入り混じる気持ちで映画の始まりを待ちました。

ここからネタバレ注意報

実は「筒森」がロケ地に選ばれたのには訳が有りました。森明夫(原作者)が実際に筒森に在る雑貨屋「角谷(作中はたけ屋)」で体験した事を元に書かれた小説なのだとか。そう、この映画のロケ地は「筒森にある角屋(たけ屋)」でなければダメなのです!!

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上の写真が映画の中の「たけ屋」。下が実際の「角屋」です。「角屋」は閉店して久しいのですが、7月2日に店の前を通った時は、開店していてアレ?!って思ったんですよね。バイクに乗った若い男女が店の中に入って行ったので店を再開したのかなと・・・。これ、実は映画上映記念で店の中を公開していたと後から知ってマジ歯ぎしり!!


映画のあらすじと予告映像はこちらから。

http://natsumi-hotaru.com/

はてさて、映画の出来は如何かと言うと・・・90点です。(私、映画にはアニメより数十倍キビシイ採点なので、これはスタンディングで拍手レベルの評価です!!)

私が実写映画に求めるのは、俳優が演技をしていない事。カメラが回って俳優が演技をしていると意識されると興ざめしてしまいます。リアリズムが好きという訳では無く、映画と俳優が一体化して不可分の状態になった作品が好きです。

日本映画で言えば西島秀俊が主演した2004年の『帰郷』なんて理想的です。もう普通の誰かの日常を覗いている様な感じしかしないのに、しっかりと気持ちが伝わって来てしっかりと感動してしまう。古い映画になりますが、インドの巨匠のサタジット・レイの『大地の歌』3部作も同様な作品。

一方で園子温監督の『愛のむきだし』も大好物です。主演の西島隆弘と満島ひかりとが作品に取り込まれて行く感じがもう最高。演じているのでは無く役に取り憑れた感じにゾクゾクします。この感じは、はタルコフスキー映画を見て背筋が寒くなるのに似ています。『ノスタルジア』のオレーグ・ヤンコフスキー演じる小説家が蝋燭を消さない様にして温泉を渡るシーンなんて狂気を覚えます。

これらの作品を100点とする中での90点ですから、「筒森」アドバンテージは否定しませんが、観て損の無い映画と断言します。(公開は7/14日までですが)

肌合いとしては前出の『帰郷』に近いのですが、主演の有村架純と恋人役の工藤阿須加(元西武の工藤投手の息子)の演技が光ります。特に演技に躊躇が有る工藤が素人っぽくて実は魅力的。それに比べるとベテランの小林薫、光石研、吉行和子は「役を演じている感じ」がしてしまって・・・。吉行和子は『帰郷』の再婚する母ちゃん役の時の方が上手かった。

ただ、観終わった後に、スクリーンの中の人達が、実際に存在しているかの様な錯覚というか残像の様なものが心に残っているので、素晴らしい映画だと思います。(ちょっと作品のテーマがチープではあるのですが、これは原作の問題)


■ 聖地巡礼にGO ■

7月10日の日曜日、暑くなりそうなので朝4時に「聖地巡礼」の旅に出発です。相棒は魔改造クロモリ・フルリジットMTBのラレー君。ロケ地が河原だったりするのでダート走行も覚悟してのチョイスです。

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ロケ地は上の地図の範囲。冒頭の大山千枚田と、途中一瞬、久留里が映りますが、後はだいたい大多喜町での撮影の様でした。撮影のシーン順に周るのは不可能なので、浦安からのルート順に紹介します。

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先ずは夏美が恋人の慎吾に別れを告げられて、彼の乗った小湊鉄道の列車をバイクで追うシーン。小湊鉄道と大多喜街道が並走するのは「鶴舞駅」周辺。(地図A地点)

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道路から離れてゆく列車を見送って夏美がバイクを止めて涙を流すシーンの交差点は多分ここ(地図B地点)

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■ 月崎駅 ■

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場所を月崎駅に移します。
夏美の元を訪ねて来た慎吾が到着したのは小湊鉄道「月崎駅」(地図C地点)

いかにもローカル駅といった佇まいを残す月崎駅は何度か映画やドラマのロケに使われておる様です。

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待合室には映画のポスターがずらりと貼られています。

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このベンチで信吾と最後の別れをします。

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小林薫演じる仏像彫刻家の運月の工房は駅舎の傍らにある「もりらじお」

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「これはトトロの小屋ですか」と思わず聞きたくなる野草に覆われたこの小屋、実は「いちはらアートxミックス」というイベントの作品の一つでした。木村崇人さんという方が製作され、森の音をライブでオンエアするラジオ局というコンセプト作品です。2014年の作品ですが、それ以降は地元のボランティアの方が手入れをされていて、現在では野草もしっかり根付いてファンタジー溢れる空間を作り出しています。四季折々の野草が咲くので、何度来ても違う表情で迎えてくれます。

地図D地点は現在日本で一番注目されているスポットです。養老川沿いの崖に77万年前の地層が露頭していますが、実はこの地層、最後に地磁気が反転した痕跡を残しており、イタリア南部の街2つと「模式地」の選定を争っています。万国地質学協会がこの場所を「模式地」と認定すると、「ジュラ紀」や「白亜紀」の様に地質学の教科書に「千葉紀(チバニアン)」という表記がされるかも知れません。「模式地」には金メッキのスパイク(ゴールデンスパイク)が打ち込まれますが、現在ゴールデンスパイクは世界全体で65か所しか無く、月崎のこの場所が選ばれば、日本の地質学的快挙となるでしょう。(チバニアンの紹介はまた後日)


■ 養老渓谷 〜 筒森 ■

舞台を養老渓谷周辺に移します。

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養老渓谷駅は映画には出てきませんが、丁度トロッコ列車が到着したのでパチリ。(地図E地点)このトロッコ列車、実はハリボテで・・・・鉄道マニアの興味は引かないかな・・。

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養老渓谷温泉郷を抜け老川十字路の先、養老清澄ラインが養老川を超える橋は、信吾と別た夏美がバイクを押してトボトボ歩いた所。(ガス欠か?!)(地図F地点)

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養老清澄ラインを鴨川方面に進み、長い上り坂のトンネルの手前を右折して旧道に入ります

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旧道のトンネルを抜けて、しばらく上り坂を走ると、峠の頂きに有るのが「角屋(映画ではたけ屋)」。映画そのままの姿です。(地図G地点)

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地蔵さんが大切にしていたタンポポの咲いていた場所には、黄色い花が植えられていまいた。

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角屋の向かい側には貯水槽と小湊バスの停留所が有ります。バスは1日3便だけ、ここが終点です。貯水槽の横に残念ながら祠は有りませんでした。

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角屋の脇の小道は子供達が花火をしていた場所。

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その先の集会所の広場のブランコは慎吾が夏美を「オレと一緒に新潟に来ないか」と誘った場所。

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映画冒頭で空撮された棚田は鴨川に在る「大山千枚田」ですが、筒森周辺も平地が少ないので棚田が残っています。

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坂を下ると筒森の集落の下を貫通する新しいトンネルに出ます。このトンネルを映画冒頭で夏美がバイクで走りぬけます。(地図H地点)

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筒森トンネルに養老渓谷側から登る長い坂は、少女時代の夏美を後ろに乗せて夏美の父親が走った場所(地図I地点)

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■ 会所親水公園 ■


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場所を夏美がホタルに再開した「会所」近辺に移しましょう。
養老清澄ラインを老川十字路に下ったら右折して、養老渓谷の名所「粟又の滝」を通過します。(ここも映画の撮影スポット)。道なりに直進すると「会所トンネル」が現れます。その先を「麻綿原高原」方面に右折します。(地図J地点)

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この一帯はかつて日本中の樹木を植林した「見本林」。現在では木々も成長し、とても千葉県とは思えない美林が出来上がっています。

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見本林の先に「もみのき庵」という看板が出ています。廃分校を改造した蕎麦屋で、地元で採れたそば粉を手打蕎麦にしています。(地図K地点)

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教室はむかしのまま。そこにイスとテーブルが並んでいます。

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田舎蕎麦750円。腰が強くて美味しい蕎麦でした。

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もみのき庵で道を聞いて、夏美がホタルと再会した会所の親水公園をめざします。駐車場が有るので場所は直ぐに分かります(地図L地点)

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駐車場脇の急な階段を、せせらぎのする方へ下って行きます。すると、そこには別世界が広がっています。

これは房総特有の「川回し」のトンネルの出口が滝になっています。

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川沿いの遊歩道はコンクリートで整備されていて歩き易い。(ちょっと整備し過ぎかな)

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ホタルのエサになる「カワニナ」が沢山いたので、ホタルもきっち居るに違いない。

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川回しのトンネルを潜ります。(禁止と書いてありますが)この上は道が通っています。遊歩道はこの先の砂防ダムで行き止まりです。

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崖にイワタバコが自生しています。

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このシーズン、ヒメハルゼミの大合唱が聴けます。一斉に鳴き始めて一斉に鳴き終わるという珍しい習性の蝉ですが、常緑照葉樹の原生林にのみ生息し、千葉県南部と西日本に生息します。

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■ 山一面のアジサイが見頃の麻綿原高原 ■

親水公園の先からは上り坂になり、一路麻綿原高原に登ってゆきます。麻綿原高原はアジサイの名所です。(地図M地点) 観音堂からは外房の海が見えます。

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この時期、山一面おアジサイに訪れた観光客は最初は声を失います。そして「スゴー、綺麗」の連発。しばし、アジサイをご堪能あれ。

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アジサイを堪能した後には、ダート林道を清澄山まで堪能しました。充実した一日でした。


ちなみに『夏美のホタル』のロケ地は下のサイトに詳しく出ています。

http://maruchiba.jp/miryoku/marugoto/roke_hotaru.html

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