2011/4/9

仙台の余震で現れた謎の光・・・ランセルノプト放射光?  アニメ
 

クリックすると元のサイズで表示します

■ 崩れ行く物理法則 ■

人生40年以上も生きていると、色々と不思議な光景も目にするものです。
沿岸の街を飲み込む津波の映像は、映画を見ている様で、非現実感を伴っていました。

そして先日の東北地方を襲った余震の際にNHKが生放送しのが、上の写真の映像。
仙台放送局の屋上固定カメラが捕らえた、「謎の光」です。

原因については、色々取りざたされています。変電所のショート。灯台の光。そして核反応時に放出されるチェレンコフ放射・・・。

でも、私が一番気に入っている説明は・・・「ランセルノプト放射光」
そう、3.11以降、私達の世界は少しずつ狂ってしまったのかもしれません。


■ ゲートの出現と世界の変貌 ■

南米に「ゲート」が出現してから、世界は少しずつ狂ってしまいました。

「契約者」と呼ばれる、異能者達が出現し、各国の諜報機関は彼らを利用して、「ゲート」からもたらされる「理解不能な物」の獲得に血道を上げています。

ある者は重力を扱い、ある者は他人に憑依し、ある者は物質を転移させます。
そして「契約者」は、能力の発現に対して「対価」を支払わなければなりません。
ある者はひたすら大食し、ある者は無意味に小石を並べ、ある者はタバコを食べて吐き出す。

そして彼ら「契約者」は感情が無い。感情が無いというよりも、合理性が全ての感情に優先します。だから、平気で人も殺すし、組織も裏切る。それでも、人間的感情の片鱗を持ち合わせているので、彼らは自身の存在に苦悩しますが、それとて合理的意識に抑圧されています。

彼ら「契約者」達の能力の発現と同時に観測されるのが、「ランセルノプト放射光」。
青白く、ほのかな謎の光です。

■ 近年、日本のSFアニメの金字塔 「黒の契約者」 ■

「人力さん、とうとう狂っちゃよ・・・」と心配になられた方はゴメンなさい。
昔からの、私のブログの読者は、「またかよ・・。」と舌を鳴らしていらっしゃるかも。

実は、仙台の謎の光でネットで話題になった「ランセルノプト放射光」とは、2007年に放送されていたアニメ「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」の設定の一つです。
ちょっと複雑な内容なので、興味のある方はwikispediaを参照して下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/DARKER_THAN_BLACK_-%E9%BB%92%E3%81%AE%E5%A5%91%E7%B4%84%E8%80%85-

中国人留学生の李舜生(リ・シェンシュン)は、「組織」に雇われた「黒」(ヘイ)という殺し屋。彼は「ゲート」が出現して以来、この世に現れた「契約者」の一人。彼の能力は電流を自在に操る事。

無口なヘイは、相棒の「猫」(マオ)と、「銀」(イン)と共に、「組織」からのミッションをこなしていきます。ちなみに「マオ」は本当に猫です。猫に憑依したまま肉体を失った能力者なのです。「イン」はドールと呼ばれ、半ば魂を失った存在。水を媒介として意識を自在に飛ばし、監視や追跡を担当します。

CIAやMI6、KGBという諜報組織がそれぞれの「契約者」を利用して手に入れようとしているのは、「ゲート」の秘密であったり、「ゲート」から持ち出された「理解不能の物」です。
それらの情報や物は、既知の科学では解析不能な力を持ち、国家バランスさえも左右しかねない「何か」です。

■ 岡村天斎という天才 ■

クリックすると元のサイズで表示します

「黒の契約者」が他の凡百のSFアニメと一線を画しているのは、その演出の素晴らしさにあります。無口な「黒」を取り巻く、あまりにも人間臭い人達の織り成すドラマは、毎週無意味に垂れ流されるアニメやTVドラマとは、かけ離れた地平に存在します。演出は岡村天斎。製作はBONES。

「狩る者」も「狩られる者」も、能力者としての烙印を背負い、それ以前に、それぞれが人生に挫折した者達です。戦いの最中に回想される彼らの過去に、私達が同情した時、彼らの人生はあっけなく閉じられていきます。・・・戦いに敗れて・・・。

「ヘイ」が異常に無口なキャラクターなので、重苦しさが付きまとう展開になり勝ちですが、猫の「マオ」の軽快な語り口が、物語にリズムを生み出します。

さらに、2話完結で進行するエピソードのコントラストが素晴らしい。得に私立探偵の「ガイ」の登場するエピソードは軽快で笑いたっぷり、そして、この明るさに「イン」や「ヘイ」が救われたりします。

・・・うーん、文章では表現できないな・・・まあ、カーボーイ・ビーバップ並みに面白くて、ドラマの演出のツブが立っていると言えば、イメージできるかな?

■ タルコフスキーへのオマージュ ■

クリックすると元のサイズで表示します


「黒の契約者」には元ネタがあります。ソ連の映像詩人、アンドレイ・タルコフスキー監督の「ストーカー」です。

80年代に日本でも大人気だったソ連の映画監督のアンドレイ・タルコフスキーは、その映像の美しさで「映像詩人」と称されましたが、作品は難解な物が多く、当時どのくらいの人が理解して見ていたのかは不明です。しかし、当時の学生の間では、「タルコフスキー好き=インテリ」という暗黙の了解があった様に思われます。

タルコフスキーは賓作な作家す。

ローラーとバイオリン Katok i skripka (1960年)
僕の村は戦場だった Иваново детство (1962年) *ヴェネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞
アンドレイの受難 …… 当初制作された「アンドレイ・ルブリョフ」の完全版
アンドレイ・ルブリョフ Андрей Рублёв (1967年)
惑星ソラリス Солярис (1972年) *カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ
鏡 Зеркало (1975年)
ストーカー Сталкер (1979年)
ノスタルジア Nostalghia (1983年) *カンヌ国際映画祭監督賞
サクリファイス Offret (1986年) *カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ

タルコフスキーの作品に共通するのは、「睡魔」です。とにかく彼の作品を「寝ない」で見れたら、たいしたものです。ひたすら長回しのカメラが追いかけるのは、草原を彷徨う人たちであったり、見事な移動カメラが辿り着く先は、滴り落ちる水であったり・・。とにかく、思わせぶりな映像のオンパレードは脳を麻痺させ、映画館全体を眠りに誘います。

映画館を出る時、人々が口にするのは「寝ちゃったよ!」という一言でした。

しかし、静かな映像や、滴る水滴は、眠りの隙間から潜在意識へと浸み込んで、人々はタルコフスキーに取り付かれるのでした。

「黒の契約者」がオマージュを捧げる、「ストーカー」はストゥルガスキー兄弟というソ連の偉大なSF作家の「路傍のピクニック」という小説を原作としています。

原作の方が「黒の契約者」の設定に近い様です。

突如出現した「ゾーン」という地帯では、色々な異常現象が観測され、軍も全滅します。ところが、ゾーンから持ち帰った物は、人類の科学では理解不能ですが、その効果は絶大で、ゾーンに不正に侵入して、ゾーンから物を持ちだす者が絶えません。しかし、彼らは幾多の怪現象に遭遇し、生還する者は僅かです。

ゾーンとは何か・・・ゾーンとは宇宙人のゴミみたいな物。車でピクニックに来た者達が、道端にゴミを散らかすが如く、宇宙人が残していったゴミや痕跡なのだろう・・・。そんな落ちのSFの傑作です。

■ 体制批判をSFに託したタルコフスキー ■

タルコフスキーの映画「ストーカー」は原作よりもずっと難解です。

「ゾーン」の案内人「ストーカー(密猟者)」を務める男が物理学者と作家を伴ってゾーンに潜入します。物理学者は密かにゾーンの破壊を心に秘め、作家はゾーンによって名声を得ようとしています。

彼らは様々な不可解な現象を体験しながらも、ゾーンの中心部の部屋に到達します。「部屋」の爆破を試みる博士と、それを阻止しようとする「ストーカー」。彼らはそれぞぞれの思いの強さゆえ、ゾーンに絡め取られた人達なのです・・・。

さて、何の事だかさっぱり分かりませんね。「ゾーン」を「社会主義」とか、「ソビエト連邦」と書き直すと、当時のタルコフスキーの表現したかった事の欠片が見えてきます。

当時のソ連には言論の自由は無く、映画監督達や作家達はSFという架空の世界で、体制を批判していました。この手法の最初の一つにジョージ・オーウェルの「1984」年や「動物農場」があります。

「ストーカ」でタルコフスキーは、「社会主義体制」を破壊しようとする者と、それを利用しようとする者、そして「社会主義体制」を宗教の如く妄信する者の姿を描いています。

しかし、映画の最後は「ストーカー」の娘が、念動力でコップを動かすシーンで終わります。電車の振動で激しく揺れる部屋の中で、コップを動かしたのが果たして少女なのか、それとも単なる電車の振動なのかは、私達には判断のし様がありません。タルコフスキーがこのシーンに込めたのは、「社会主義」の内的成長なのか、それとも「社会主義への妄信」が単なる錯覚であると、痛烈に批判したかったのかは知る由もありません。

■ とにかく見るべきアニメ ■

20世紀の問題作、「ストーカー」に正面から挑む「黒の暗殺者」は、エンタテーメントとして最高の出来栄えです。タルコフスキーの様な難解さは無く、ただ「謎」が置き去りにされたまま、私達は「ヘイ」達と共に、「ゲート」の深部に挑む事になります。

そこで「ヘイ」達が知る真実とは・・・。

後はとにかくTSUTAYAで借りて見て下さい。

最後に、シャープでスピード感溢れる音楽を付けているのが、「菅野よう子」である事を加えておきます。彼女にしては素晴らしく手抜きな?(手馴れた)、それゆえに一種楽しめるサントラになっています。

ジャケットも気が利いています。黒猫はしゃべる猫の「マオ」ですね。

クリックすると元のサイズで表示します

「菅野よう子」については、以前このブログでも取り上げています。
「菅野よう子  映像音楽・・コピーの天才」
http://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/msgcate8/archive?b=5

ところで、「菅野ようこ」が昔東京電力のCMの為に書き下ろしたこの曲。ピーク電力が大問題になるこの夏にリバイバルして欲しい。(ちなみに、彼女はCM音楽の女王として君臨しています。彼女のCM曲集のCDは2枚発売されていますが、その才能の凄さは、小林亜星に匹敵します。)
http://www.youtube.com/watch?v=C0lZv7fSm_0&feature=related
そして、今回の地震で製油所の火災に見舞われたコスモ石油のあの名曲も彼女の作
http://www.youtube.com/watch?v=VTBxLtlnhdw

最後に、「黒の暗殺者」には続編「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」がありますが、こちらは駄作で一作目の世界を見事に粉々に粉砕してしまいます。くれぐれもご覧にならないように!!

ただ、挿入歌の「猛犬ケルベロス」のロシアン・テクノだけはクセになります。(これは菅野作ではありません)。
http://www.youtube.com/watch?v=LeooxQ1_ezM&feature=related
「自粛」ムードを吹き払い、スッキリします

最近、妙に真面目な内容が多い「人力でGO」ですが、本来目指しているのは「東スポ」的エンタテーメント
7
タグ: 黒の契約者

2011/4/9

1号機再臨界・・・データが示すもの  福島原発事故
 
<追記>

「人力でGO」に書かれている事は、私の勝手な思い込みに過ぎません。
メディアに疑問を抱くと同様、私の記事にも疑問を抱いて頂き、
皆様それぞれが、真実に近づかれますようにお願いいたします。



クリックすると元のサイズで表示します

■ 今更何も驚く事は無い ■

福島第一原発の1号機で、100(Sv/h)の放射線を観測した様です。温度も270℃を越えている様です。

2号機、3号機が比較的低い温度で安定しているのに対し、緊急停止から1ヶ月以上も経ってこの温度は異常です。

このデータは何を示しているかと言えば、「再臨界」です。

私は東京電力が記者会見で再臨界の可能性を示す「放射性ヨウ素134を検出」と発表した時点で、局所的再臨界の可能性を確信していましたので、今更驚きはしません。

「2号機で局所的再臨界?・・・予断を許さない状況に」
http://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/20110327/archive

■ 京都大学、小出助教も指摘する再臨界 ■

「阿修羅」に京都大学の小出助教のラジオ番組の内容が載っています。

「京大原子炉・小出裕章「再臨界の可能性」全文聞き起こし(たねまきジャーナル・MBS毎日放送ラジオ)」
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/775.html

@ 放射性ヨウ素131が継続的に高濃度で検出されている
A 半減期8日のI_131がこんなにも長期間に高濃度で検出されるのは異常
B I_131が継続的に供給されているのなら、再臨界が起きている事が考えられる

C 以前東電は、放射性塩素Cl_38を検出したと発表した
D Cl_38は海水の塩素に中性子が衝突すると出来る物質
E Cl_38の存在は原子炉内に中性子があるという証拠
F 原子炉内の中性子は、核分裂反応によって供給される
G 以前、東電が検出したヨウ素134も半期が53分で、再臨界の可能性を示す

H 原子力安全保安委員会はC_38も、I_134も測定ミスとし、東電もこれを認めた
I 今から思えば、これらの数値は正しかったのだろう

■ 再臨界を前提とした対策 ■

再臨界事故というとチェルノブイリを想像します。
私達は、再臨界によって水素爆発や水蒸気爆発、メルトダウンが発生して、大量の放射性物質が空気中に放出される事故を想定していました。

しかし、現在進行している再臨界は、以前、大前研一氏が指摘していた様に、部分的再臨界の様です。

@ 圧力容器内の燃料棒が解ける
A 圧力容器下部にウランが溶けて集まる
B 解けて集まったウランの量が、ある量を超えると再臨界が発生する
C 再臨界で局所的に温度が高まり、ウランの塊が爆発膨張して再臨界が止まる
D 再び、解けたウランが圧力容器下部に集まり、局所的な再臨界を繰り返す

この、局所的再臨界の継続によって、一号機はいつまで経ても温度が下がらず、又、高い濃度の放射性物質を放出し続けているのでしょう。

■ 専門家達は合っていたし、間違っていた ■

政府御用達の学者達は、「再臨界の可能性は極めて低い」と言っていました。
彼らは、爆発的再臨界を想定していましたので、現状彼ら間違っていたとは言い切れません。

再臨界という概念は本来、局所的再臨界を含めある程度の幅があるのですが、私達の頭にある再臨界は、大規模な爆発を伴う再臨界でした。

■ 最悪のシナリオは変わっていない ■

今回、可能性が指摘される局所的再臨界は、私達にどんな害を与えるのでしょう。

@ 原子炉周辺の放射線量が長期的に下がらないので、1号機に近付けない
A 一号機の循環系は多分損傷しているが、その修理が出来ない
B 一号機は長期間に渡って冷却する必要がある
C 一号機に注水された水は、循環系か格納容器の損傷の為に、外部に漏れ続ける
D 原発から長期間に、高濃度の放射性物質が海や地中に流失し続ける

さらに昨日の大きな余震の様な不測の事態もあります

E 電源や停電等で冷却が出来ない場合が発生する
F 一号機の冷却が不足すれば、圧力容器の底が溶ける恐れがある
G 高温のウランの固まるが、水で満たされた格納容器に落ちる
H 大量の水蒸気が一気に発生し、大規模な水蒸気爆発が派生する
I 格納容器、圧力容器が破壊され、放射性物質が大量に飛散する
J ウランは格納容器に底を突き破り、土台のコンクリートと激しく反応する

こうなると、原子炉周辺には誰も近付けません。
2号機、3号機、4号機のプールの冷却循環系が回復していなければ、それらの炉も順次燃料棒の溶融が起こり、1号機と同じ運命を辿ります。

こうなれば、原発の30Km圏内どころでは無く、福島全域や、宮城南部、茨城北部が避難地域に指定され、東京からも多くの人達が脱出するでしょう。

■ 極めて日本的な状態 ■

現状、局所的再臨界が繰り替えされ、それを安定して維持出来たなら、極めて日本的な状態が発生します。

「状況は悪いが、最悪の事態に至らぬまま、長期間継続する。」

・・・あれれ、バブル後の失われた20年や、年々積み上がる財政赤字に良く似た状態です。

福島第一原発事故は、良くも悪くも日本的な事故になりつつあります。
34
タグ: 原発事故


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ