2011/4/14

イタリアを日本と言い換えて言みると・・・国債問題を客観的に見る  時事/金融危機
 

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■ 所変われば・・・ ■

その昔、首相になった直後に女性スキャンダルで辞任した方が日本にいらっしゃいました。実に2ヶ月とちょっとの短命内閣でした。

日本やアメリカは国家元首の女性問題に神経質です。橋本元首相も女性スキャンダル(ハニートラップ)で追求されましたし、クリントン元大統領もモニカ・ルインスキーとの「不適切な関係」に苦しみました。

ところが、ヨーロッパの国々をみると、だいぶ事情は異なります。フランスで大統領が不倫をすれば、「うちの大統領はお盛んだ」という反応を国民は示します。

さらには、未成年女性との買春問題で裁判に掛けられている、さるヨーロッパの国家元首は裁判の後、こういうジョークを口にしたといいます。

「世論調査によれば、イタリアの女性の3分の1は自分と寝てもいいと答えていて、残りは、またそうしたいと答えたそうだよ――。」

空いた口が塞がらない方もおられるでしょうが、私などはイタリア人も結構おおらかにこのトンデモ首相の様々なハプニングを楽しんでいるようにみえます。

「所変われば品変わる」と言われますが、日本とイタリアでは国家元首に対する感覚もずいぶんと違うものです。

■ 日本とイタリアの意外な共通点 ■

そんな日本とイタリアの意外な共通点に気付かせてくれるのが、フィナンシャルタイムの次の記事。長いので、リンク先を読んでください。

「ユーロ危機とイタリアと遊び好きな首相」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5860

@ マスコミが首相のスキャンダルばかり追っていて、経済危機から国民の目を逸らせている
A 債務残高がGDPの120%に達している
B 民間の貯蓄が多く、債務の大部分は国内で消化されている
C 超低金利で国債をファイナンスできている
D 銀行の経営は、イギリスやドイツに比べ健全である

全くどこかの国と同じではないですか。

ところが、楽観的なイタリアのビジネスマンも、こう語っているそうです。

「もちろん、イタリアが抱えている規模の債務が返済された例は、過去に一度もないがね」
では、もし債務残高が増え続けたら、その解決策はどのようなものになるのか? 彼はにこりと笑ってこう答えた。「インフレだよ」


これが世界の常識です。

■ 日本だけが免れられるわけが無い ■

地震の復興費用を国債発行で賄うか、それとも増税を含む他の財源で賄うかの論議が活発化しています。

復興費用25兆円。原発事故の保証金が少なく見積もっても1兆円、大く見積もれば10兆円。30兆円を越える復興費を日本はどう賄うのでしょうか?

日銀が復興国債を直接買い入れる案

@ リフレ派や政府通貨を主張する方達が主張しています。
A 日銀がマネタリーベースを絞ってきたのがデフレの原因。
B 復興国債を発行してお金をばら撒けば景気が回復する
C 景気が回復すれば税収がアップして、財政は長期的には均衡する

ちょっと夢見がちな主張です。

一般的には次の様な反論が可能です

D 日銀が国債を直接買い入れれば、国債の信用が無くなり、国債が暴落する可能性がある
E 景気回復は金利上昇を生み、国債金利上昇が国債の発行コストを増大させ財政が破綻

さらにはこんな指摘も

F 東日本大震災以降、日銀は102兆円の資金をばら撒いていす
G 日銀が102兆円もばら撒きながら、景気は刺激されていない
H 102兆円は、3メガバンクや証券会社を通じて海外に流出した

さて、真実は如何に?

■ 日本は世界最大の債権国である ■

ここに、新聞もニュースも硬く口を閉ざして、決して語らない事があります。

@ 日本は世界最大の債権国で、日本政府はアメリカ国債を大量に保有している
A アメリカ国債をちょっと売却すれば、復興費用は簡単に賄える
B 破産しかかった国家が、貯金がありながら借金をするというのは異常


実に当たり前の事ですが、これを口にする事は日本と世界のタブーです。
何故なら、日本のアメリカ国債売却は、アメリカ国債の暴落を引き起こし、世界経済を破滅させるからです。

ガイトナー財務長官は、震災の直後に、「日本はアメリカ国債を売却する事は無い」と発表し、市場の不安を抑えました。多くの金融マン達がこの発言を信じています。彼らは日本がアメリカに逆らって国債を売却する事は在りえないと考えているからです。

■ 友達は時にはキバを剥く ■

アメリカは震災救援の「TOMODATCHI作戦」と名付け、最大限の支援をしています。日本人は泥まみれで活動する米軍兵に、両国の絆の深さを感じ、胸を熱くします。

日本人は、もし、日本政府がアメリカ国債を売却する動きを見せたら、彼らが日本を制圧する部隊に豹変するなどとは、夢にも思いません。

「友達」は裏切るかもしれないのです。

■ 金融緩和では復興しない ■

日本の有する正当な権利が行使できない以上、我々は次善の打開策を探らなければなりません。

日銀の金融政策の結果を見てみましょう。

@ 102兆円は、円高阻止と株式市場の買い支えに使われた
A 円高阻止で大量に購入されたドルは、アメリカ国債に姿を変えた可能性が高い
B 株式市場を買い支えた資金は、外資が売却益として持ち去った
C 低利の日銀マネーは、外資に流れて新興国のインフレ圧力を高めている

反リフレ論者の主張はだいたいこんな所でしょうか。グローバルマネーの時代に金融政策は効果を発揮出来ないとうものです。

確かに日銀が供給した資金が、日本の経済に寄与していない表面的事象を見るならば、彼らの理論は実証された様にも見えます。


しかし、日銀の金融緩和は、日本経済のショック死を防ぐカンフル剤であって、結果的に海外に流出しようとも、日経株価の大暴落から日本経済の突然死を防ぐ事を考えれば、仕方の無い政策でした。


■ 資金の供給方法の問題点 ■

反リフレ理論の大前提は、「日本に有効需要が無い」という事でした。

3.11以降、日本は違う世界に足を踏み入れた事を、反リフレ論者達は気付いているでしょうか?

3.11以前には、確かに日本に「有効需要は不足していました」
3.11以降は「復興」という「巨大な有効需要が発生」しています。


3.11以前

@ 公共投資というインフラ整備は無駄であり乗数効果が低い
A 高齢者福祉は預金に変わり、国債に変わるので乗数効果が低い

3.11以降

@ インフラ復興の公共事業は行われなければ、東北経済が衰退する
A 復興支援金は住宅の建設など、停滞する国内産業を潤す

日本に不足していた「有効需要」を簡単に作り出す方法は大規模な破壊だったのです。(ゴメンナサイね。ちょっとヒンシュクを買いますね)

戦後、日本の経済成長を支えたのは、戦後復興という巨大な有効需要です。
さらに、戦争で設備が破壊されていたため、最新設備の導入が国際競争力を生んだのです。

「有効需要」が発生している現在の、復興国債の発行には意味がありますし、財政出動の大義名分も充分です。

ただ、増税で賄うとただでさえ足腰の弱った経済に「アリ・キック」を食らわせてしまいます。

埋蔵金等をかき集めて足りない分を、義捐金で賄うというのも手ではないかと思います。減税措置とセットにすれば、案外、大きなお金が集まるかもしれません。
お金にはヒモは付いてませんので、増税されたお金が復興に回るとは限りません。増税の裏側で、特別会計からアメリカに税金が流出し続けるより、明確に復興に使われる「義捐金」で、第三者の管理団体に託した方が余ほど安心が出来ます。但し、「義捐金」の比率に応じた減税が不可欠です。

各国がバンバン行っている中央銀行の直接買い入れも、チャレンジして良いかもしれません。今を国家の非常時と言わずして、いつ言うのでしょうか?これで、国債を売り抜ける国内金融機関があるのなら、国民全員でその金融機関に「NO」を叩きつけてヤレばいいのです。

・・・うーん、戦前の体制翼賛体制みたいになってきたぞ??

■ 自粛なんてしていられない ■

せっかく生まれた「有効需要」を生かすも殺すも、実は、被災地以外に住む私たち次第です。

稲博士風に言うならば、「自粛なんてしてたらダメなんです。日本はダメになってしまうんです!!」

「国民は東北の為、日本の為にお金を使いまくる」覚悟が必要です。それこそ「宵越しの金は持たない」覚悟で望むべきです。

■ でも、国が潰れる・・・ ■

さあ、皆さん、預金を下ろしてパアーと使いましょう!!

アレ、アレ、国が財政破綻しちゃったぞ?
どうしてかな??

そうか、税収がアップする前に、銀行から預金が引き出されて、国債の買い手が居なくなっちゃんたんだ・・・・。


まあ、世の中上手い話は転がっていません。
守勢に徹して、ジリジリと最後を迎えるか、派手にパーァーと散って、次の再生に希望を託すか・・。

もう一度、イタリア人ビジネスマンの言葉を思い出してみましょう。

「もちろん、イタリアが抱えている規模の債務が返済された例は、過去に一度もないがね」
では、もし債務残高が増え続けたら、その解決策はどのようなものになるのか? 彼はにこりと笑ってこう答えた。「インフレだよ」


・・・私は我慢強い日本人も好きですが、個人としてはイタリア人になりたい・・・。
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タグ: 金融危機


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