2011/4/27

この国には神風が吹く・・・汚染マップ公開  福島原発事故
 

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■ 文部科学省が「汚染マップ」を公開 ■

文部科学省が汚染マップを公開しました。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/26/1305519_042618.pdf

「平成24年3月11日までの推定積算線量」というタイトルにあるように、事故後1年間の推定積算線量となっています。


@ 赤線で示されるのは20(mSv/年)の地域
A 20(mSv/年)はICRPの推奨する子供の暫定的な年間被曝許容量(内部被曝含む?)
B 文部科学省の汚染マップは外部被曝の積算値と推定される
C 測定高さが不明だが、地上1mと推定される
E 文部科学省の被曝率の計算は40%
F 内部被曝と被曝率を考慮する為には、この数値を5倍する必要がある(武田説)
G 補正した後の数字では、20(mSv/年)は100(mSV/年)となる。
H LNT仮説が正しいならば、赤線は大人の緊急時の暫定被曝基準に相当する
I LNT仮説が正しいならば、子供や妊婦には問題のある環境である

J 汚染地域は原発の北西方向に帯状に広がっている。
K 浪江町、飯館村の一部で150(mSv/年)を越える地域がある。

L 地形や降水の影響から、少し離れた地域にも10(mSv/年)程度の微量汚染地域が点在

■ LNT仮説を考慮してこのデータを見ると ■

ニュースでこの分布図をご覧になられた方達は、暫定年間被曝量の限界20(mSv/年)が広く分布する飯館村や、浪江町の町民の事を思って胸を痛めるでしょう。

しかし、LNT仮説に疑いを持つ目で見ると、20Km圏内の多くの地域で危険は少なそうですが、赤線の中は大人の暫定的な年間被曝基準の100(mSv/年)に近い被曝を受けます。

LNT仮説が間違いだったとしても、子供や妊婦の閾値は大人のそれと比べて低いはずです。20Km圏の避難指示は現時点では妥当なのかもしれません。


■ 大気放出放射性物質は2〜4% ■

http://www.ustream.tv/recorded/14168194?lang=ja_JP
上のURLは4月20日の議員達の勉強会に原子力安全保安院と原子力安全委員会が呼ばれて事故の実態を説明しているビデオです。

@ レベル7の根拠となる放射性物質は大気放出量である
A 海洋放出は人体に直接影響が無いので、IAEAの選定基準で考慮しなくても良い

B 原子力安全保安院の算出値37万テラベクレル
C この数字は、原子炉内に当時生成したいたI131の2%、Cs137の1%が大気放出と過程

C 原子力安全委員会の算出値は63万テラベクレル
D この数字は文部科学省から運用を移管したシミュレーションシステムで算出
E 16日〜19日は風向が海に向かっていたので、正確な測定は出来ていない
F 12日に遡ってのデータは文部科学省の千葉と東海村の放射性物質量の測定器のデータを使用
G 風向と天候によるシミュレート結果に千葉と東海村の測定値をフィッティングして放出量を推定

H 放出放射性物質の多くは原子炉を冷却した水の漏洩により海洋と地下水に流れ込んだ

長いビデオですが、編集されていない映像は、担当者や議員達の雰囲気を良く伝えます。
鳩山元首相は理系だけあって、穏やかな口調ながら、海洋汚染について鋭い突っ込みをしています。

■ 15日、16日の最大放出時の放出量が大半を占める ■

ビデオの中で放出量の日別の対比がされています。

@ 現在でも1日に10_14乗(100兆)ベクレルの放出がある(100テラベクレル)
A 最大放出は16日で10_17乗(10京)ベクレルの放出があった(10万テラベクレル)

■ 15日、16日の放出は4号機から ■

今回観測された大気中に放出した放射性物質の大半は15日、16日に放出されています。

@ 12日 15:36 ・・・1号機水素爆発
A 14日 11:01 ・・・・3号機水素爆発
B 15日  9:38 ・・・・4号機火災発生

一般的に考えれば、1号機と3号機の水素爆発時に最大の放射性物質の放出がありそうですが、それではありませんでした。私は15、16日の放射線放出量が最大なのはフランスのデータで知っていまいたので、この点は不思議に思っていまいた。

考えられる仮説は・・・

@ 4号機の燃料棒損傷と火災が、最大の放射性物質の放出元だった
A 3号機か1号機の圧力容器の蓋が開いていて、部分的再臨界物質が放出された
B 1〜3号機の強制ベンチで大量の放射性物質の放出があった

自衛隊のヘリを投入した消火活動や、米の80kM圏非難勧告、フランス人の国非難などを鑑みると、あの時期、最も危険だったのは、4号機の使用済みプールの火災だったのかも知れません。

使用済み燃料はプルトニウムと反応後の汚染物質を大量に含みます。そして、圧力容器内に比べても圧倒的に大量の使用済燃料(放射性物質)が保管されています。

この使用済燃料棒のルコニウム被服が溶融して、内部のペレットが露出していたならば、4号機の使用済プールの火災こそが、大量の放射性物質の飛散に繋がったのかも知れません。

■ 神風が吹いた ■

15日、16日の風向きは陸から海でした。
この両日の風向が内陸に向いていれば、今回の汚染マップは全然異なるものになっていたでしょう。


まさに、日本に神風が吹いたのです。

・・・しかし、その神風に吹き流された放射性物質は海上から関東地方に吹き戻されてきます。東京は15日、16日に比較的高濃度の放射性物質に覆われています。

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この放射性物質が20日頃の雨で水道水に混入しました。
その後、大量の放射性物質の飛来はありませんので、首都圏の水道水は現在は安心して飲めます。I131の半減期は8日ですから、レベルも下がっています。


■ 現在は20Km圏の避難が妥当 ■

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上の図は東京都心に原発があった場合の半径20Km圏を示しています。
唖然とされるでしょう。

福島ではこんなにも広大な地域で、そしてその外の30Km圏の人々が避難されているのです。

今回公開された「汚染マップ」を見ると、避難されている方の大半が帰宅しても問題無さそうです。

しかし、原発は未だ冷温停止状態に至っておりません。
再循環系を再構築して、安定した冷却を確保するまでは、いつ又、大量の放射線を大気中に撒き散らすか分かりません。(確率は下がっています)

その時、又「神風」が吹くとは限りません。むしろこれからは南風のシーズンです。

■ 「LNT仮説」問題と、「原発事故」は別物 ■

「LNT仮説」が人々を苦しめるのは、原発が冷温停止になてからです。
帰還を希望しても、放射線の規制値に阻まれて家に帰れない事態が生じます。
又、原発周辺地域では、農作物を長期に渡って作れなかったり、漁業が出来なかったりするかもしれません。

一方、現在の最大の危機は、依然、原発の大規模爆発による大量の放射性物質の大気放出です。

これは、今後放出されるかもしれない「閾値以上の放射線」を想定する必要があります。
風向きと放出量によっては、東京とて無関係ではいられません。

私達は、常に「最悪」を想定しつつも、「危機」が過ぎ去った後の準備もしなければなりません。「危機」の後に問題になるのは、放射線被曝の規制値です。今から充分な議論と研究を始める必要があるのです。

だからこそ、「LNT仮説」について、皆さんで議論を深めてゆきましょう。


この記事は「人力」の勝手な思い込みで書かれています。正確な数値の判断は皆様自身で行い、「LNT仮説」が正しいとされる間は、安全マージンを充分に取って行動して頂くよう、お願いいたします。
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タグ: 原発事故


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