2011/5/31

放射線は本当に危険か(1)・・・紫外線と比較してみる  福島原発事故
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■ 娘の体育祭で大量被曝した ■

先々週の土曜日は娘の体育祭でした。
幸運にも晴天に恵まれ、日陰の無い校庭に一日居たので、大量に被曝しました。

エーー?何で被曝??  と、お思いでしょう。
実は「紫外線」に大量に被曝して、5日程してからは死滅した表皮が、ペリペリと剥がれてきます。

■ 紫外線もγ線も単なる「光」 ■

何故「紫外線による日焼け」を被曝と表現したかと言うと、「紫外線」も、「X線」も、「γ線」と同じ光で、波長が異なるだけなのです。

ですから、γ線によって細胞が損傷を受ける事を被曝と言うならば、紫外線によって細胞が損傷を受けるのも同様に被曝と呼んでも何ら問題は無いはずです。

■ 「光子」の発生メカニズムの違い ■

私達が「光」として知覚する「可視光」も、日焼けの原因になる「紫外線」も、レントゲン撮影やCTスキャンに用いられる「X線」も、放射性物質から放出される「γ線」も、素粒子レベルでは「光子」に分類されます。

@ 「光」は「波」と「粒」の性質を持っています。
A 「粒」の性質として、最小のエネルギー単位以下には分離出来ません。(1粒のエネルギ粒子)
B 「波」の性質としては、波の長さ「波長」を持っています。
C 波の性質として、プリズムや回折格子によって曲げる事が出来ます

うーん、ちょっと分からなくなってきましたね。
頑張って、ついて来て下さい。

D 可視光の波長は360(nm)〜780(nm) 1(nm)=10-9乗(¥m)
E 紫外線、可視光の紫色より波長の短い光。
F 紫外線は波長によってUVA・400〜315(nm)、UVB・315〜280(nm)・UVC・280〜1(nm)に分類

G X線の波長は1〜0.01(nm) = 10〜0.1(A)
H γ線の波長はX線波長と一部重なっている
I X線は電子遷移(電子軌道の移動)による光の放射
J γ線は原子核内のエネルギー順位の遷移による光の放射

■ 光の持つエネルギー ■

光の持つエネルギーは、光の振動数νに比例します。

E=hν・・・・(hはプランク定数)

これを波長λで表すと

E=h/λ

となり、波長が短い光程、エネルギーが高い事が分かります。

■ 物質と光の作用 ■

光はエネルギーを持つ素粒子(光子)ですから、光が当たった物質、光のエネルギーを吸収して、何らかの変化をします。

赤外線は可視光よりも波長の長い光なので、エネルギーは低いのですが、赤外線が吸収されると分子の振動エネルギーに変化します。赤外線を温かく感じるのはこの為です。
赤外線はエネルギーが低いので、物質を化学反応させる様な効果はありません。

可視光より波長の短い紫外線は、可視光よりもエネルギーの高い光です。
紫外線のエネルギーは、原子中の電子の軌道を変化させます。(電子遷移)
電子の持つエネルギーは、原子核から遠い軌道の方が高くなります。
これは、電子の軌道と原子核の間に働く引力によって、位置エネルギーが存在する事に起因します。

紫外線を吸収して、電子のエネルギー順位が高くなる事を「励起状態」と呼びます。
励起状態にある原子は、受け取ったエネルギーを化学反応のエネルギーに変化させる場合があります。この反応を、光化学反応と呼びます。

印刷物の色が光が当たる事で薄くなったり、紙が黄ばむのは、光化学反応の影響です。
ビンに色が付いているのは、光化学反応を防ぐ為ですし、ポテトチップの袋がアルミ蒸着されているのも、光化学反応による油の酸化を防ぐ為です。


■ 紫外線によるDNAの損傷 ■


紫外線によるDNA破壊は、光化学反応による効果です。
紫外線はDNAの特定の分子に化学反応を起こさせます。

光化学反応は、反応に順ずるエネルギーの光が選択的に吸収されます。
紫外線によるDNA損傷の主だった反応は、重体の生成ですが、この反応には250(nm)付近の光が吸収されます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20050506/zu1.htmlより引用>

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上の図は、同一のDNA鎖内で連続した2個のピリミジン塩基(シトシンまたはチミン)が、共有結合によって二量体を形成しています。(ここではチミン二量体の化学構造を示した)。このような損傷が生じると、DNA複製や転写の妨げとなり、細胞死や突然変異、染色体の不安定化など、様々な弊害を細胞にもたらします。dR:デオキシリボース残基 P:リン酸基

<引用終わり>

■ γ線やX線と物質の相互作用 ■

γ線やX線は紫外線よりもエネルギーの高い光です。
γ線やX線を吸収した原子や分子からは、電子が弾き飛ばされ、原子や分子が電離します。
この電離によってDNAの分子結合が直接切断される事で、DNAが損傷を受けます。

さらにγ線やX線は、水の分子を電離して、反応性の高いOHラジカルをはじめとするいくつかの活性種(水和ラジカル、Hラジカル、H2O2)が生成し、これらがDNAと化学反応を起こし損傷を引き起こします。

紫外線がDNAの特定の箇所を選択的に破壊するのに対して、γ線やX線の破壊は、より多様な損傷をDNAに与えます。

この点に注目すると、紫外線よりもγ線やX線のDNAの破壊力は高いと言えます。


■ 放射強度の影響 ■

強い紫外線に当たると、日焼け(サンターン)を通り越して、火傷様な症状(サンバーン)を引き起こします。最後は皮が剥けてきます。
これは、紫外線によってDNAが破壊され、細胞が死滅する事によって引き起こされます。

福島原発事故現場で、高濃度に汚染された水に触れて作業員が足を被曝したが、その時の報道では、作業員の症状は、「表皮が剥ける程度」と報道されています。これも紫外線によるサンバーン同様に、表皮のDNAが破壊された事によって起きる急性障害です。

ところが、現在心配されている20(mSv/年)などという弱い放射線では、表皮が剥けるなどの顕著な症状は現れません。

家内が乳癌の放射線治療を行った時も、2(Sv/1回)x25セットという高い放射線を照射しましたが、表皮が剥ける様な事は無く、色素沈着た多少起こる程度でした。

放射線と紫外線を比較する場合、放射線のエネルギーが紫外線に比べて高い事が注目されますが、実際には「放射強度」の影響が非常に大きく、エネルギーの低い紫外線が大量に放射されるのと、エネルギーの高い放射線が少量放射されるのでは、前者の方がDNAに与える被害は甚大です。

紫外線強度の瞬間値(W/u.S)の実測データ、下記のサイトのデータを拝借します。
http://yama-yaku.or.jp/gakuyaku/houkoku/20051010%20.pdf
「校内における紫外線測定結果と今後の対応について」山口県学校薬剤師会

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サンバーンを引き起こすUV/Bの夏場の放射エネルギーは実測例によれば下記の通りです。

UV/B ・・・・・ 1.3(W/u) = 1.3(J/u・S)
                 = 1.3(J/u)(但し1秒当たり)
UV/Bの相対影響度を50%とするばらば
                 約  0.65(J/u)


この内の全てがDNAの破壊に寄与する訳ではありませんが、一応の参考にはなります。

一方放射線のエネルギーは・・・

1(Sv)=1(J/kg・u・S_2乗)・・・1Kg、1秒当たりなら 1(J/u)

とまあ、1秒当たり、1Kg当たりで強引に比較すれば、ディメンションを揃える事が出来るので、紫外線と放射線を強引に比較が出来ます。

仮に年間20(mSv/年)の外部被曝をγ線によって受けるとして、1秒当たりのエネルギー量を計算してみます。

20(mSv/年)=0.02(J/u)/(365(日)x24(時間)x3600(秒))
=2x10_-2乗 x 3.1x10_-8乗
     =6.2x10_-10乗(J/u)

紫外線Bの1秒辺りのエネルギを0.65(J/u)と仮定すると、夏場の紫外線の強度は、20(mSv/年)の放射線の強度の、実に10の9乗倍となります。これは10億倍です。

私達の細胞は、危険だと言われる20(mSv/年)の放射線(γ線)の、実に10億倍のエネルギーの紫外線に照射されても、普通は癌にならない程の、DNAの自己修復力と、アポトーシスや免疫細胞の働きを持っているのです。

「紫外線と放射線ではDNAの破壊の仕方が異なる」という反論もありそうですが、酷い日焼けによって皮膚が死滅して皮が剥けるのですから、紫外線による被曝は低線量率放射線による被曝よりもDNA破壊が甚大である事は、疑う余地もありません。

次回は、DNAの修復機構について、調べてみます。

<追記>

紫外線は浸透力が弱いので、その影響は表皮に留まります。
表皮は細胞の再生能力が高いので、日焼けによって表皮が一部死滅しても、生命の危険は生じません。

しかし、γ線やX線は浸透力が高いので、同じエネルギーを照射すれば、体の内部までコンガリと焼けます。しかしながら、10億倍のエネルギーの差は圧倒的な違です。

実際に、放射能事故などで、高線量被曝をすると、体中の組織が破壊されて死に至ります。しかし20(mSv/年)と、急性障害が発生する様な被爆量では圧倒的な隔たりがあります。

さらに現在恐れられているのは、将来的な発癌という確率的な危機です。
確率的な危機において、紫外線による皮膚癌の発生と、放射線による発癌の間に、それ程大きな差異があるとは、私には考えられません。

<訂正>

紫外線実測値が間違っていたので、訂正しました。
21

2011/5/30

過去記事からいくつか紹介・・・太陽電池  福島原発事故
2009年 9月 14日 の「人力でGO」の記事を再掲載します。
「スーマートで無いスマートグリット」

<再掲載>
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■ 自然エネルギー利用には蓄電池が必要になる ■

二酸化炭素起因の温暖化問題で、CO2を排出しない自然エネルギーがにわかに脚光を集めています。
太陽光発電や、風力発電がその筆頭に挙げられています。
ところが、本格的な自然エネルギー発電には越えなければならない大きなハードルがありあます。
それが、蓄電池(バッテリー)の問題です。

太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池は、太陽光の強さ(照度)によって、
その発電量が左右されます。
太陽光の強さは、朝・昼・夕という一日の時間の中でも大きく変動します。
又、曇天や雨天など天候によっても大きく左右されます。
そして、大きな雲が流れている日などは、雲の影によっても、めまぐるしく変化します。

めまぐるしく変化する発電量は、「商品としての電気の質」を著しく低下させます。
具体的には、電圧の変動や、高調波の増加という結果として表れます。

■ 蓄電池は発電コストを145円/1kwhにしてしまう■

現状、日本の全発電量に対する太陽光発電の割合は0.1%程度です。
この程度の発電量であれば、送電網はこのめまぐるしく変動する自然エネルギー発電を、
誤差の範囲として吸収する事が出来ます。

従って、現在家庭に設置されている太陽光発電には、
蓄電設備は含まれておらず、余剰な電力は送電網に逆流されています。
足りない電力や、夜間の電力は電力会社から購入します。

現在、この様な逐電設備を持たない家庭用の太陽電池発電の発電コストは、
償却年を20年に設定した場合、47円/1kwh〜63円/khwです。
電力会社の家庭用電力の料金が22円/kwh程度です。
これが産業用電力ともなると、7円/kwh程度ですから、実に7倍から9倍のコストになります。

ところが、将来的に自然エネルギー発電の割合が増えると
自然エネルギーによる電源の揺らぎは、無視出来ないものとなります。
例えば、在る地域の10%の電力を、太陽光発電で賄っていたとします。
天気が急変し、厚い雲が急に広がれば、少なくとも5%の電力供給が低下します。
原子力発電所が細かな出力調整が出来ません。
現状でも、消費量の変動に対する、供給電力量の調整は火力発電所が担っています。
電気の消費量が過剰になると、電源のサイクル(Hz)が低下するそうです。
ですから、火力発電所は電源サイクルを一定に保つように、
細かな調整を掛けて運転されています。

5%、10%という電力消費の変動は、ゆっくりと進行します。
しかし、自然ヘネルギーの変動は急峻です。
広いエリアで見れば、平均化するのでしょうが、
狭いエリアでは、5%くらいの変動が絶えず起こる事態も考えられます。
この様な、ローカルの変動は、火力発電所でコントロールし切れません。
よって、自然エネルギーの増加は、電源の質の低下に直結します。

そこで、バッファーとしての蓄電池が必要不可欠になります。
ところが高性能な蓄電池は非常に高価です。
3.5Kwhクラスの家庭用太陽光発電で、
コストと電源への影響を考慮した最適蓄電設備を設置すると、
発電コストは100円/kwh程度跳ね上がってしまいます。
太陽電池を含めると、1kwhあたり145円という、ありえない発電コストになってしまいます。

■ スマートグリットは蓄電設備を家庭から電力網に移しただけ ■

最近良く耳にするスマートグリットという言葉。
電力消費の多い地域に、電力消費の少ない地域の電力を融通したり、
送電線の事故など、停電の際に、送電ルートを変更して早期に停電を復旧するシステムです。

アメリカは送電網のインフラが老朽化して、停電も多く、
スマートグリットへの移行が、国を挙げての急務となっています。
さらに、アメリカでは、この新規に構築するスマートグリットに、
自然エネルギーに対応する為の蓄電設備を組み込もうとしています。

家庭用や自然エネルギーの発電設備で個々に蓄電設備を所有するのでは無く、
送電システム自体に大型の蓄電設備を組み込むという考え方です。

一方、電力会社が継続的に送電インフラの投資してきた日本では、
蓄電設備以外は、既にスマートグリットhの構築は終了していると言っても過言ではありません。
ところが、これに自然エネルギー対応の蓄電設備を追加しようとすると、
5兆円以上のコストが掛かります。
100kW級の原子炉の建設費が、1基3000億円程度ですから、
単純計算で原子炉16基分に相当するコストが蓄電池に掛かる事になります。

蓄電池自体は発電しませんし、製造、廃棄で環境負荷が掛かります。
さらに、蓄電池の寿命は10年程度です・・・。
これをナンセンスと言わずして何と言うのでしょうか?

これは、スマート・グリットでは無くて、ファット・グリットです。

■ 電気自動車やプラグインハイブリットをスマートグリットに組み込む ■

そこで、コストダウンの為の妙案が、
電気自動車やプラグイン・ハイブリット車のバッテリーをスマートグリットに組み込む案です。

これは、各家庭で蓄電池設備を設ける事と同じ考え方で、
昼間、車を使用していない時間に、その蓄電池を流用するという案です。

しかし、プリウスの蓄電容量は1.6Kwh程度です。
家庭用太陽光発電では5Kwh程度の蓄電容量を必要としますが、
一台のプリウスでは足りません。
太陽光発電の家庭1軒の蓄電容量を、3台のプリウスで確保する事になります。
両隣のお宅もプリウスならば、問題無さそうです。
1台のプリウスのバッテリー容量を3倍にして、
価格で90万円、重量も90kgアップするよりも現実的です。

一方、電気自動車の場合は、高容量のリチウムイオンバッテリーを搭載していますので、
多分1台で、所定の蓄電容量を確保出来そうですが、
現状、車用リチウムイオンバッテリーの価格は250万円です。

この様に、スマート・グリットの中に電気自動車はプラグインハイブリット車を組み込む案は
発電用(電源環境の安定化用)に専用のバッテリーを設置するよりも、余程合理的です。
但し、日曜日の昼間など、車の稼働率の高い時間帯で
蓄電容量が減少するという問題が発生します。

■ バッテリーの価格は下がらない ■

本格的自然エネルギーの発電が普及するには、
蓄電池のコストが現状の1/10程度になる事が求められています。

しかし、化学的蓄電池の蓄電容量は、物質の使用量に比例しています。
飛躍的な蓄電容量も高密度化が進まない限り、蓄電池のコストは下がりません。
むしろ、電気自動車やハイブリット車が本格普及すれば、
原材料の一部であるレアメタルは高騰します。

実は蓄電池の充電密度はあまり向上していません。
リチウムイオン蓄電池も20年前からある技術です。

これらの事を考えると、バッテリーの価格は劇的に安くなる事は無く、
自然エネルギーの本格普及は、蓄電池のコストを押し上げる可能性もあります。

■ バッテリーの環境負荷を無視する現状の太陽光発電のLCA ■

良く、自然エネルギーは環境負荷が低いと言われます。
しかし、太陽光発電のLCAは、蓄電池のLCAを抜いて計算されています。
実際の自然エネルギーは蓄電池無くしては成り立たない技術です。

現在の技術レベルでは、自然エネルギーの本格普及は環境負荷を一時的に高めこそすれ、
下げる事は出来ないでしょう。

それ以前に、発電コストの上昇分を誰が負担するのでしょうか・・・・。
環境問題は、理想論で語られる事が多すぎます。
解決しなければならない課題に目をつぶり、
〜なら 〜とか という希望的前提の下に、
大した議論もされずに「良いこと」にされてしまう事が多すぎます。

この様な、思考停止こそが、
環境ファシズムが勃興する温床となるのでは無いでしょうか。

<再掲載終わり>

SoftBankの孫正義が、「メガ・ソーラ」構想を発表し、菅総理がG8で、自然エネルギーの比率を高めると発表するなど、太陽光発電や風力、地熱発電などが脚光を浴びています。

これらの自然エネルギーは変動が激しく、総発電量の10%を越える量になると、電源電圧の変動が大きくなり、商用電力としてのクオリティーを維持出来ません。巨大な蓄電設備を発電網に組み込む事が必要になりますが、高効率の蓄電池は高価で、電力コストを大きく引き上げる要因になります。

ナトリウム電池など、安価で高性能な次世代蓄電池が実用化され、各家庭で発電された電力を、電気自動車に一旦蓄電して、夜間電力に利用したり、送電網に流せば、巨大な蓄電設備は不要になるかもしれません。

ちなみに、ヨーロッパではデンマークは自国消費量の30%に相当する電力を風力によって発電していますが、この「不安定な電力」はヨーロッパ全域の送電網で希釈する事で、蓄電設備を使用せずに利用されています。尤も、デンマークは他国の電力を購入する結果となります。

2009年 9月 12日 の「人力でGO」の記事を再掲載します。
省エネの暴走・・・自然エネルギーという「有害ゴミ」

<再掲載開始>

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■ 低消費電力で長寿命のLEDを活用して ■

低消費電力で長寿命のLEDは
点灯時間が長く、メンテナンスが容易で無い場所での使用が最適です。

信号機が、ほとんどLED化した背景には、
寿命が長く、メンテナンスに掛かる費用が少ない点が評価された事が挙げられます。

最近、上の写真の様にLEDと太陽電池や風力発電を組み合わせたポール灯が出現しています。
これは、LEDの低消費電力と長寿命を生かした商品です。

■ 現代の省エネ行政を反映したトンデモ商品 ■

しかし、この自然エネルギーを利用したLEDポール灯は、
現代の省エネ行政の矛盾を最も反映したトンデモ商品です。
何故なら、128万円という金額を掛けながら、全く役に立たない商品なのです。

一般的にポール灯は夜間の街路や公園の安全を確保する為に設置されます。
写真の様に高さ3mクラスのポール灯は、
一般的には100Wクラスの放電等(水銀灯など)の光源が用いられ、
ある程度の範囲を(20m四方くらい)照らす目的で設置されます。

ところが、太陽電池を用いたポール灯の多くが、
20Wの蛍光灯クラスの光源を使用しています。
100Wの水銀灯と比較して、明るさは25%程度しかありません。
これでは「照明器具」本来の目的を果たす事は出来ません。

写真の器具はLED光源を用いる事で、
低消費電力で明るさを確保している事をセールスポイントにしていますが、
昨日も欠いたように、LEDの発光効率は蛍光ランプの半分程度です。
LEDの光は指向性が高いので、照明が当たっている所は明るくなりますが、
その範囲の外側は、真っ暗になってしまい、
街路灯では、むしろ暗がりを作ってしまい危険です。

■ 自然エネルギーの限界 ■

何故、この様な使い物にならない明るさのランプを使用するかと言えば、
太陽光や風力が発電出来る電力が少ないからです。

太陽光発電タイプを例に取れば、
昼間、太陽光によって発電された電力は蓄電池(バッテリー)に溜められます。
ポール灯の下部に箱状の部分がありませが、ここにバッテリーが収納されています。

発電量は太陽電池の大きさと、日射によって決まりますが、
あまり大きな太陽電池は景観を損ないますし、
台風などの強風にポール灯自体が耐えられなくなるので、
写真の程度の大きさの太陽電池を使用す事が一般的です。
この程度の大きさの太陽電池の発電量は、
20W蛍光灯を12時間点灯させるのが限界です。

太陽光のエネルギーは意外に大きく日本付近では最大で1KW/uもあります。
太陽電池パネルの発電効率は15%程度ですから、発電量は150W/uになります。
これは1uの太陽光パネルの試算ですから、600x600mmのパネルでは55W程度となります。
しかし、この発電量は理想的な数値です。

実際には、太陽光は斜めにパネルに入射する為、cos(入射角)が掛かってきます。
さらに、パネルの表面反射や、バッテリーの損失等が発生します。
さらに曇天の日もありますので、
実際の発電効率は下のページを参考にすれば、35%程度になるようです。
http://www.enjoy.ne.jp/~k-ichikawa/solarPanel3.html

55Wの35%は・・・19.25Wとなります。
20Wの蛍光灯は、太陽電池の発電量によって規定されていた訳です。
これより、ワット数を上げると、曇天が続いた場合は、
バッテリーが空になってしまって点灯しません。

■ 18倍以上のイニシャルコスト ■

蛍光灯光源で3.5m程度のポール灯の価格は、
デザインが普通であれば10万円程度です。
実に、価格差は18倍もあります。

電気料金の差だけで、差額の118万円を償却しようとすると、
実に612年掛かってしまします。

これに対して、自然エネルギーを使用しているので、
配線費用が要らないという指摘おあります。
しかし、電気が給電されていない中国の山奥ならいざ知らず、
街路には必ず電源が給電されていますし、公園にも電源はあります。
一本のポール灯の給電に100万円も掛かる訳がありません。

さらに、バッテリー切れを想定して一般電源併用型などという
自然エネルギ利用ポール灯まであります。

■ ポール灯の寿命は10年 ■

驚くべき事に、この高価なポール灯の寿命は10年です。
多分、点灯回路と、バッテリーの寿命、LEDの寿命を指すのでしょうが、
一般的に道路で使用されているポール灯は15年以上普通に使用します。

こんなフザケタ話があるでしょうか・・。

■ 自然エネルギー利用のポール灯が増殖中 ■

ところが、この自然エネルギー利用のポール灯が、
現在、到る所で増殖を続けています。

最初は、公共施設の入り口付近に1灯くらい、
これ見よがしに設置され始めました。
公共施設が省エネをアピールするには打ってつけだったのです。
太陽電池と照明器具。何と分かり易い組み合わせでしょう。
決して、128万円なんて値段は住民には分かりません。

その次に学校に出現し始めました。
生徒の省エネ学習の一環というわけでしょう。

さらに、最近で街路で使用されるケースもありませす。
先日、浦安市の道を歩いていてビックリしました。
既存の街路照明が煌々と灯る足元に、
太陽電池ポール灯が並んでいました。
でも、既存照明が十分に明るいので、
LEDの光は殆ど付いているかどうかも分かりません。
まさに、昼行灯状態だったのです。
さすが、ディズニーランドの税収がある浦安は凄い。

そして、最近目立つ例が、民間のマンションや再開発で
太陽電池のポール灯を導入出来ないかという相談。
私は極力断るようにしていますが、
デベロッパーとして、省エネをアピールした様なのです。

民間の話は、金額を聞くと皆さんビックリして止めるケースが多いですが、
公共施設や公園や街路には着々と自然エンネルギーポール灯が進出しています。

■ 訴訟になった風力発電 ■

太陽電池ポール灯と並んで、最近増えているのが小型の風力発電機。
ところが、こちらも期待した程の発電量が得られないケースがあります。

早稲田大学がコンサルティングしてつくば市内の小中学校に
小型の風力発電機を3億円掛けて75基設置しました。
しかし、実際の発電量は計画の1/600と悲惨な状態でした。
市民団体の告発から、つくば市は早稲田大学を相手取り訴訟を起し、
2億円の賠償命令が早稲田大学に下っています。

■ 温暖化防止の名の元に増え続ける「有害ゴミ」 ■

太陽電池ポール灯も、小型風力発電機も、
エネルギー収支でいえば、明らかにマイナスです。
はっきり言ってしまえば、何の役にも立たない「ゴミ」です。
景観を損なうという観点からは、「有害ゴミ」です。

温暖化防止の名の元に、環境対策の実績を示さなくてはいけない自治体や企業は、
無駄を承知で、「有害ゴミ」を導入しています。
今後、その傾向はさらに増え続けるでしょう。

■ 未熟な技術はゴミとなる ■

太陽電池もLEDもバッテリーも未熟な技術です。
10年前のブームで導入された家庭用太陽電池システムが、
どのくらい実績を上げているでしょうか?

現在お太陽電池の発電コストは一般電力の2倍です。
LEDの発光効率は蛍光灯の50%しかありません。
リチウムイオンバッテリーもコスダウンの目処が立っていません。
それどころか、需要が増えれば値上がりします。

これらの技術は次世代の省エネ技術として非常に有望ですが、
現状では、税金や誰かの電気料金で穴埋めしなければ採算が取れません。
それでも、技術開発や将来のシェア確保を理由に、税金が投入されています。

しかし、自由競争の世界では技術革新は勝手に進んで行きます。
例えば、青色LEDの開発によって可能になった白色LEDは、
TVや携帯のバックライトとして、蛍光ランプを駆逐しました。
利用してメリットがある技術は、民間に任せておいてもドンドン進歩してゆきます。

税金を投入すべきは、基礎研究の分野で、
太陽電池の高効率化や、バッテリーの高容量化の基礎研究には税金投入が必要です。

しかし、実用段階でない技術の製品の普及に、税金を使う事は間違いです。
税金によって成り立つ産業は、政策が変われば瞬時に滅んでしまいます。

ドイツのクリーンエネルギーは税金や国民の負担の上に成り立っています。
そんな物をお手本にしても何のメリットもありません。
不完全な太陽電池製造に投資すれば、グリーンバブルが弾けた時、
莫大な損害を被る事になります。

技術の普及には、「本当に儲かる」事が必要なのです。

<再掲載終了>

ちょっと手抜きに見える本日の記事ですが、これこそリユースという省エネです・・・。
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2011/5/29

「全球一体化」・・・これこそが今世界で進行してい事  時事/金融危機
 
  
■ 「全休一体化」・・・内閣府は良く分かっている ■

放射線の全然性について書こうと思っているのですが、DNAの自己修復をもう少し調べてからアップします。

日本が地震だ、原発だと言っている内に、世界の大変革が迫っています。
内閣府がこんな発表をしています。

<ロイターから全文引用します>

世界経済は歴史的転換期、ドル基軸変質の可能性も=内閣府リポート

[東京 28日 ロイター] 内閣府は28日、世界経済の現状と見通しを分析した「世界経済の潮流2011年」をまとめた。リポートでは、市場の一体化が世界的に進む「全球一体化」と、新興国の台頭で、現在の世界経済は大きな構造変化が進行する「歴史的な転換期にある」と指摘。

 日本は、一次産品価格の上昇を前提としたエネルギー戦略や貿易構造を構築することが必要だと主張した。新興国の存在感が高まることで「ドルを基軸通貨とする国際金融システムも、徐々に変質する可能性がある」との見通しも示した。

 内閣府は「財」、「資本」、「労働」市場などで一体化が世界同時に進行している状況を「全球一体化」と名付け、単なる国際化を含意する「グローバル化」と区別して定義。財市場では、新興国の実需増や金融商品化が一次産品の価格高騰を招き、資本市場でも世界経済の不均衡(グローバルインバランス)の再拡大と新興国バブルが進む一方、先進国金融機関の寡占化や巨大化が進行するなどリスクが増大しているなどと分析した。

 その上で、新興国の台頭で価値観が一段と多様となり今後の国際協調がさらに困難になること、新興国での所得格差が広がりが政治・社会の不安定性さを増大させかねないこと、優れた人材の流出が進みやすくなることなどもリスクとして列挙。日本は価格競争だけに頼らない産業・貿易構造を作り上げることや、経済・金融システムの健全性確保に向けた政策、財政の持続可能性確保に向けた取り組みなどが必要だと指摘した。

<引用終わり>

世界で豊かな暮らしを出来るのは、上位15%の人たちです。
先進国がそれを独占していた時代は終わろうとしています。

私達は、残る85%の人たちかも知れません。
しかし、85%の人たちが不幸だという考え方は古いのです。
政府もメディアも経団連も15%を維持する事しか私達に伝えません。
今大事なのは85%に人々の幸福です。
これは、従来の政策の延長線には存在しません。

85%の人々の幸福をどう作り出すか、今こそアイディアが求められています。
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2011/5/28

アサガオ・プロジェクト(3)・・・芽が出ました  エコロジー
 

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■ 種まきから一週間、アサガオの芽が出ました ■

先週の日曜日にアサガオの種まきをしてから6日目にして、アサガオの芽が出てきました。

市販の用土も、自分で調合した用土も、発芽率に違いは無く、芽の様子にも差は見られません。

これから、土の中で根が成長しますが、根の成長に用土による差が現れると思います。ただ、これに関しては、晩秋にアサガオをプランターから引き抜く時でないと確認は出来ません。、驚く程に、プランター毎に根の張り方に差が出ています。

昨日から梅雨入りしまいた。例年より早い梅雨入りは、太平洋高気圧の勢力が強い事の現れです。今年は暑い夏になりそうです。


■ 我が家のベランダ ■

さて、本日は我が家のベランダの花を紹介しようと思います。


パンジーなどの春の草花が咲き終わったこの時期、我が家のベランダを彩るのは、クレマチスと、マツムシ草です。

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クレマチスは冬に地上部が枯れる種類と、冬も地上部が残る種類があります。
育て易さという点では、冬に枯れるタイプの方が管理が楽です。
私はそれぞれ1株ずつ育てていましたが、昨年は夏に暑さで、冬に地上部が枯れない大輪系の株を枯らしてしまいました。
一鉢だけ残った、多花性の株は、今年も見事な花を咲かせてくれました。

最近はクレマチスも白や薄いピンクなど様々な花色がありますが、私は昔ながらの紫系の花が好きです。クレマチスという名前が普及する前は、「鉄扇」(テッセン)という和名で呼ばれる事が多かったこの花、アヤメや菖蒲(ショウブ)と同じく、紫掛かった藍色の花が日本的で情緒があります。梅雨空の下でも、見栄えのする色で、晴天ではむしろ色の深みが感じられません。


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こちらは最近園芸店に出回る様になったマツムシ草。「スカビオサ」などと、味気ない洋名で売られていたりしますが、元々日本の野山に自生するこの花には「マツムシ草」という呼び名が良く似合います。「雪割り草」や「雲間草」など、日本人のネーミングセンスは素晴らしいものがあります。

マツムシ草は、元々、野生種なので、植えっぱなしでも良く育ちます。我が家は、プランターに植えて3年目ですが、年々株も立派になり、花数もドンドン増えています。晩秋まで花が絶える事無く、咲き続けてくれます。

風にそよぐ姿が、野趣味に溢れた花です。

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2011/5/27

中東塗り絵シリーズ・・・イスラエルの国境  時事/金融危機
 

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■ 「1967年以前の国境線」・・・イスラエルの国境って何処? ■ 

オバマ大統領は19日の中東政策演説で、パレスチナを正式国家にする際の国境について「(第3次中東戦争前の)1967年ラインに基づくべきだ」と表明ました。

「オバマ大統領「パレスチナ国境、1967年ラインで」
イスラエルの入植活動、否定と取れる発言」・・・日経

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E2E2E2828DE0E2E2E7E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

これはアメリカの従来の見解を再度表明したもので、中東和平の進歩でも後退でもありません。様は、大した事無い発言なのです。

しかし、公の場で「1967年以前の国境線が正しい」と言う事は、イスラエルに対しては大きな不利益になります。

1967年の第三次中東戦争によって、イスラエルが実効支配(占領)した地域は、決して小さなものでは無いからです。

<Wikispediaから引用>

1967年 - 第三次中東戦争(六日間戦争)。エジプトのナセル大統領による紅海のティラン海峡封鎖が引き金となり、イスラエルが「先制攻撃」を実施。エジプトからシナイ半島とガザ地区を、同戦争に参戦したシリアからゴラン高原を、ヨルダンから東エルサレムとヨルダン川西岸全域を奪取。六日間でイスラエルの圧倒的勝利に終わる。

<引用終わり>

上の地図の赤で塗った地域が、今回問題になっているパレスチナ人の住む地域の「ヨルダン川西岸地区」と、「ガザ地区」です。

■ 多くのユダヤ人入植者が生活している ■

イスラエルのネタニアフ首相は、アメリカ議会で演説し、オバマの提案を全面拒否しました。

イスラエル、全面撤退拒否…オバマ方針に抵抗・・読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110526-OYT1T00023.htm

この演説に対して、アメリカ議会では大きな拍手が沸いたとの報道がされています。
アメリカでは強力なユダヤロビー(政治団体)が活動しており、アメリカの議員の少なからぬ人々が、ユダヤロビーの影響下にあります。彼らは、オバマの提案に否定的です。

現実的には、ヨルダン川西岸地区には多くのイスラエル人が入植して生活しています。1967年以前の国境線に戻すならば、これらの地域のイスラエル人は、難民となってイスラエルに流入してきます。

現政権のネタニアフ首相は、イスラエルの右派政党リクードの党首です。パレスチナに対して強硬な姿勢を示す事が、彼の国内での政権基盤を強化するので、ネタニヤフは安易な妥協はしません。

■ ファハタとハマス ■

パレスチナ人達は、ガザ地区と、ヨルダン川西岸地区をパレスチナ国家として国際的に認めて欲しいと主張しています。

現在は「パレスチナ暫定自治政権」となっていますが、国連ではパレスチナを正式な国家として承認する気運が高まっています。ヨーロッパ勢はこの動きに加担しています。
しかし、アメリカは拒否権を発動するでしょうから、国連決議は成立しません。

「パレスチナ暫定自治政権」と言っても、一枚岩ではありません。
国際的に承認されているのは(欧米の傀儡)ヨルダン川西岸地区に拠点を置く「ファハタ」です。アッバス議長が、国際的にはパレスチナを代表する人物とされています。

一方、ガザ地区は、イスラエルに対してテロ攻撃を繰り返す強硬派の「ハマス」が支配しています。「ハマス」は凶悪なテロ集団の様な報道をされていますが、むしろパレスチナ人の互助組織の様な存在で、難民を救済したり、病院や学校を建設してパレスチナ人の生活を支えているので、近年、パレスチナ人の支持を集めています。「ハマス」を後方から援助するのが、エジプトのムスリム同胞団であり、イランです。

■ エジプト - ガザ の国境が開放された ■

アメリカの傀儡であったムバラク政権は、ガザ地区とエジプトの国境を閉鎖していました。ガザ地区はエジプトとイスラエルに挟まれて、陸の孤島と化していました。

エジプトのムスリム同胞団は、国境の下にトンネルを掘り、そこからガザ地区に物資や武器の支援を行っていました。

そのガザとエジプトの国境が、開かれる事になりました。

エジプト:ガザ、出入り自由に 検問所開放、外交転換鮮明に ・・毎日
http://mainichi.jp/select/world/news/20110526dde007030008000c.html

<引用開始>

【カイロ和田浩明】エジプト政府は28日から、パレスチナ自治区ガザ地区との唯一の出入り口であるエジプト境界のラファ検問所を常時開放し、地区の封鎖を緩和する。国営の中東通信が25日報じた。常時開放は、イスラム原理主義組織ハマスが07年にガザを実効支配して以来初めて。

 エジプトでは、イスラエルの後ろ盾である米国の意向を受けてパレスチナ人のラファ通過を厳しく制限してきたムバラク前政権が2月に民衆蜂起で崩壊しており、軍最高評議会が後を引き継いで以来、今回の措置はエジプトの対外政策の大きな変化の一つだ。イスラエルが反発を強めるとみられる。

 中東通信によると、検問所は休日である金曜日と祝日を除く毎日午前9時から午後5時まで。女性は誰でも、男性は18歳未満と40歳以上なら、パスポートを所持していれば事前にビザを取得せずに出入りできる。エジプトの大学在学者や医療を受ける患者も対象。

 エジプトは4月27日、イスラエルがテロ組織と見なすハマスと、パレスチナ自治政府を率いるアッバス議長の出身母体である穏健派ファタハの和解を仲介することに成功。ラファ検問所の常時開放についてもアラビ外相が実施方針を表明していた。

 一方、イスラエルを承認せず武装闘争方針を放棄していないハマスに対し、イスラエル政府は、武器やテロ容疑者の出入り規制を理由にガザ地区を封鎖。米国から多額の援助を受けていたムバラク前政権も実質的に封鎖を支援してきた。ただ、ラファ周辺にはガザ地区に通じる多数の地下トンネルが掘られ、物資の密輸や人の移動が行われていた。

 エジプト軍最高評議会は、反米を掲げるイランとの関係修復を模索する動きも見せており、今回の措置はイスラエルを刺激しそうだ。

<引用終わり>

■ 中東民主化はイスラエルを追い詰める ■

ネタニヤフ首相がアメリカ議会でどんなに勇ましい発言をしようとも、イスラエルは確実に追い詰められています。

アメリカの傀儡であったムバラク政権が倒れた事で、国境を接するエジプトのイスラム勢力の台頭は確実になっています。ラファ検問所の開放は顕著な例です。

さらに、エジプトは「ファハタ」と「ハマス」の話し合いを仲介し、分断されていたパレスチナを一つにしようとしています。従来は国際社会との窓口は、「ファハタ」のアッバス議長が勤めていましたが、アッバスはパレスチナ人からは、欧米の傀儡として嫌われています。

「ハマス」と「ファハタ」が和解して、パレスチナ統一政府が出来れば、パレスチナは欧米のコントロール下から離れる事になります。

エジプトと国境を接するリビアのカダフィーが窮地に陥っている事で、エジプトはリビアを気にする事無く、イスラエルとパレスチナに集中出来ます。

カダフィー同様に、中東の反米政権を演じていた、シリアのアサドも窮地に立たされています。シリアはイスラエルと国境を接し、ゴラン高原を1967年にイスラエルに占領されています。
かつてはシリアのアサド大統領はイスラエル攻撃の急先鋒でした。しかし、いらく戦争後はカダフィー同様、やけにオトナシクなってしまい、ゴラン高原の国境地帯は、比較的安定していました。
しかし、先日、パレスチナ人達が、ゴラン高原のシリア側国境からイスラエルに侵入するなど、アサドの勢力低下が、国境地帯の安定を脅かしています。

イスラエルの西で国境を大きく接するヨルダンも民主化の動きが活発化しています。ヨルダンのアブドラ国王も欧米の傀儡です。ヨルダンでイスラム勢力がエジプト同様に政権を奪取すれば、イスラエルの安全は大きく脅かされます。

■ 中東の「危機の上の均衡」が崩されている ■

石油ショックの原因となった1973年の第四次中東戦争以降、中東はリビア、シリア、イランといったアラブ強硬派と、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンなどの穏健派、そしてイスラエルとその背後の米英の力が拮抗し、中東は「聞きの上の均衡」を保っていました。

長期に渡る原油価格の安定は、この「均衡」の上に成り立っていました。

中東の均衡が今破られようとしています。表面的にはTwitterやFacebookといった情報伝達ツールやWikileaksによる暴露に触発されて市民が自発的に起こした革命がジャスミン革命です。

しかし、その結果は、中東の「危機の上の均衡」を大きく崩しています。
さらに、リビアでも、スーダンでも、原油利権を持っていた政府を、油田地帯を拠点とする反政府軍が圧倒する事で、瀬球利権が政府の手から強奪されています。
反政府勢力を支援しているのは、ヨーロッパ陣営です。

リビアでは、フランスがヘリコプター空母まで投入し、市街地の戦闘にヘリから低空支援を行っています。カダフィーが頑張っているので、リビアはフランスやイギリスにとってのイラク戦争の様相を呈しています。

■ 使い勝手の良い「ハマス」と「ヒズボラ」 ■

ガザ地区を拠点とする「ハマス」と、レバノンを拠点とする「ヒズボラ」はイスラエルに対して攻撃的です。

逆に「ハマス」と「ヒズボラ」を用いれば、中東有事はいつでも作り出す事が出来ます。

「ヒズボラ」を装った何処かの国の諜報機関が、ロケット弾をイスラエルに打ち込めば、イスラエルを過剰に反応して、レバノンに侵攻してきます。本当の「ヒズボラ」がこれに応戦しますが、彼らはイスラエルと戦う事で国民の信頼を得ていますの、最初のロケット弾攻撃が自分達の作戦で無かったと主張する事は無いでしょう。

「ヒズボラ」と「ハマス」をイランは資金的に支援しています。「ヒズボラ」が危機に陥れば、「ハマス」が決起して、イスラエルを後方から撹乱するかもしれません。「ハマス」を牽制していた、エジプトのムシャラフ政権は崩壊しています(軍部は無事ですが)。

準備万端整っています。「後は誰が何時引き金を引くか?」です。
その結果は、第五次中東戦争に発展します。
「イラン」の核を警戒する「イスラエル」が、イラン国内の核施設を空爆して、イスラエルと周辺国の小さな紛争が、中東全域を巻き込む「中東戦争」に発展するというのが、筋書きでは無いでしょうか?

■ 中東戦争の本当の目的 ■

その目的は、「石油高騰」。
ドルを始め全ての通貨が過剰に発行され、その信任が揺らいでいます。
通貨の信任を回復すいる為には、通貨を大量に必要とする状態が必要です。

産油国は原油高騰で稼いだお金を、軍備に投入します。
戦争こそが最大の公共事業だとすると、先進国は武器を輸出して儲け、産油国は原油を輸出して儲け、余ったお金で先進国の国債を買い支えるかもしれません。

戦火にさらされる国民の存在を気にしなければ、そこにはWin & Winの関係が成り立っています。

ここから先、読み難いいのが、ドルと円の動向。

新興国を中心に世界の大変革を試みる多極化の流れでは、ドルとアメリカにはそろそろ引退して頂く必要がありそうです。

新しい機軸通貨(例えばSDRの発展形)の中に、ドルがそのまま残るのか、それとも、世界の負債をドルと合成国家であるアメリカ合衆国に押し付けて清算するのかが分かれ目です。

アメリカは州単位でも国家レベルのGDPがありますから、連邦政府に負債を押し付けて、州単位で北米連合を作って加入すれば、キレイサッパリ再生するでしょう。

ロシアの国家崩壊という前例もありますし、幾つかの州が合体すれば、充分な国際競争力も有しているはずです。

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タグ: 中東情勢


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