2019/3/7

ゆうちょ銀行のリスク管理・・・ちょっと怖いんですけど  時事/金融危機
 

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■ ゆうちょ銀行は「世界最大級の機関投資家」 ■

上のグラフはゆうちょ銀行がネットに公開している資産内容です。以前は、大半が日本国債で運用されていましたが、国債金利がゼロに張り付く状況で、運用の多角化を迫られるのはどの銀行も同じ。

しかし、ゆうちょ銀行は法律で住宅ローンや一般の融資は禁じられているので、外国証券などのリスク運用で金利を稼ぐ事を余儀なくされています。2017年末で資産の30%近くが「外国証券等」で運用されています。


ゆうちょ銀行は銀行とは名ばかりの「世界最大級の機関投資家」と言うべき存在です。


これをして即「ゆうちょ銀行は危ない」と言うのは短絡的です。国債金利がゼロに張り付き、国内に安全に金利が稼げる有望な投資先が殆ど無い状況にあって、どの金融機関も海外投資で金利を稼ぐのは似たり寄ったりでは無いでしょうか。

ただ、ゆうちょ銀行は、投資専門の人材を抱えていませんでしたから、他の金融機関からヘッドハントして人材を確保しています。これも郵貯銀行に限らず、農林中金や地方銀行なども同様でしょう。

■ 米金融市場を支える「追い出されたマネー」 ■

「バブル崩壊が近い」という声が増えていますが、米国経済も、金融市場も、株式市場もなかなか崩壊に至りません。」

1) リーマンショック後に世界の金利水準が低下した
2) 先進国は成長の限界に達しており、金利水準は長期的に低下している
3) 「融資」の金利がリスクに見合わなくなる

4) 人々はより高い金利を求めて資産をリスク市場に差し出す
5) 銀行もより高い金利を求めてリスク市場で資産を運用する
6) 「追い出されたマネー」の流入が続く間はバブルは崩壊しない

世界中でこの様な状況が起きている訳です。そして、中央銀行が異例の緩和的金融政策を続ける限り、市場に資金が供給され続けます。

■ リスクは管理されている様で管理されていない ■

ゆうちょ銀行を始め多くの金融機関は「リスクは適切に管理している」と胸を張って言うでしょう。ではリスク管理はどの様に行われているのでしょう。

私が何故か定点観測しているゴールドマンサックスの債権ファンドの『妖精物語』を例に見てみましょう。

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ゴールドマンサックスの債権ファンド『妖精物語』の資産内訳


このファンドはリスクを「格付」で管理しています。投資適格のBBB格以上の債権で運用されています。一般的に「投資適格」とされるBBB格以上の債権はリスクが少ないと判断されます。

しかし、一度危機が発生するとBBB格は投資不適格なBB格(ジャンク債)に転落する可能性が有ります。これはリーマンショック時に経験済。比較的安全な運用をしている『妖精物語』でも、25%もの「隠れジャンク債」を抱えている事になります。さらに、リーマンショック時の様に再びモゲージ債にリスクが広がる様な事があれば目も当てられなくなります。


■ ゆうちょ銀行や、農林中金、地方銀行はかなりリスクを取っている ■

融資によって金利を稼ぐ事の難しい、ゆうちょ銀行や、農林中金や地方銀行ですが、高コスト体質でもあります。経営を支える為には「高いリスクを取る」必要が有ります。

そこでこれらの金融機関は格付けがBB以下の「ジャンク債」に手を出してるハズです。農林中金は市場のメインプレーヤーとなっている様です。


■ 金利上昇に弱いジャンク債 ■


「ジャンク債」は「ハイイールド債=高金利債」とも呼ばれます。アメリカの中小企業が融資で資金調達できない時に社債を発行しますが、本来はこの様な企業は倒産リスクが高いので10%以上の金利を設定する必要があります。

ところが、リーマンショック後の狂った様な金融緩和で金利水準が低下してしまった為、少しでもマシな金利が取れるジャンク債に人気が集まります。その為金利は5%以下に低下します。

ジャンク債を盛んに発行しているのは、自転車操業のシェール企業や、中小の小売業や製造業など。これらの企業は元々多くの有利子負債を抱えていて財状況は良く有りません。

現在FRBは着々と金利を引き上げていますが、これはアメリカの中小企業の経営を圧迫します。金利コストが上昇するからです。米経済の拡大期のピークは過ぎたとの見方が大方ですが、今後、小売業などを中心に経営が悪化する企業が増えて来ます。当然、これらの企業が発行する社債の金利も上昇します。


昨年末に米国の株価が下落した際、ジャンク債の金利も急上昇していました。これは農林中金がジャンク債の買い入れをストップした為で、金利の上昇したジャンク債市場では新規の起債がほとんどゼロになりました。

その後、今年になってから農林中金が再びジャンク債の買い入れを始めたので、金利は下がり、市場は安定しました。米国の一部のアナリストが「ジャンク債市場は今年の狙い目」と煽っていますが、この市場は既にFRBの利上げで一発即発の状況です。


■ 高コスト体質故の冒険 ■

ゆうちょ銀行は大量の日本国債を抱えていましたが、これを大量に日銀に売却しています。中古国債の金利はゼロ近傍に張り付いていますが、これは日銀が高値で国債を買い入れている事と同義です。

ゆうちょ銀行は日銀への国債売却で「高い利益」を確保してきました。しかし、その好循環も長くは続きません。異次元緩和後の国債金利はゼロ近傍ですから、国債の売却益は今後急激に縮小して行きます。(長期国債の償還では儲かりますが)

一方で、ゆうちょ銀行は全国津々浦々に営業網を持ち、ATMも大量に設置しています。大手銀行が独自のATM網すらも縮小する銀行淘汰の時代に、ゆうちょ銀行の高コスト体質は改善されません。

高コスト体質を維持したまま、国債売却という打ち出の小槌を失うゆうちょ銀行は、今後、さらにリスクを取らなければ経営が悪化します。

高齢者の老後の資金が支えるゆうちょ銀行ですが・・・「最後は国が救ってくれるから安全」って、それ僕らの税金ですから・・・。
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2019/3/6

IKEAの家具は引っ越しで苦労する・・・杓子定規な日本人  分類なし
 

■ IKEAの家具は引越屋が運んでくれない ■

この春で娘も無事大学を卒業します。ようやく親業が終わるのでホットしています。

娘は大学が借り上げていたアパートから職場近くのアパートに引越す事になりますが、一つ問題が発生しました。・・・それは、IKEAの家具を引越業者が運んでくれない

オシャレで安くて大人気のIKEAの家具ですが、引越業者(大手のアー〇)は、先ず「IKEAの家具は有りますか?」と聞いて来たそうです。

娘の部屋は、ベット、学習机、ダイニングセット、本箱と、IKEAの家具のオンパレードな訳ですが)私、実はIKEAの家具を作るのが大好きです)、「ベットはご自分で分解していただかないと運べません」と言われたとか。「スエーデンは日本と違い、引越す事を前提に家具が作られていないので、分解すると壊れてしまうんです」という意味不明な説明があったらしい。

娘は「だって、ベットはシングルだし、ベット自体、マットレスと同じ大きさだから、玄関のドアだって分解しないでも通るハズですよ」と食い下がったらしい。しかし、業者は下見に来て、ベットの組み立て方法を確認すると「やはり、このタイプはご自身で分解して下さい」との一点張りだったそうな。

「はじめ引越し代金は15万円って言われたんだけど、〇〇ちゃんは〇〇引越しセンターで〇〇万円だって言われたから〇〇万円にして!!と値切ったのがイケなかったのかな・・・」と娘は憤慨しています。

尤も、被害は私に来る訳で、「お父さん、ベット分解してよね。引越し出来ないから」・・と命令が下る訳です。

■ ネットで調べたらIKEAの家具は本当に業者が運んでくれないらしい ■

まったく女子大生だからって引越業者も舐めてるな。きっと値切られたから、断らせる為の口実だろう・・・そう思ってネットを検索してみました。

本当にIKEAの家具は分解しないと引越業者が運んでくれないと様々な所に書いてありまあります!

1) 日本の家具は引越しを前提に、いくつかのパーツに分解できるように出来ている
2) 日本の家具は分解でネジを外す場所には、ネジ穴が金属になっている

3) IKEAの家具は部分的に分解する事を前提に作られていない
4) 分解するとバラバラになってしまう
5) 部分的に分解したパーツの強度が保てない
6) 木ビスを直接,木にねじ込んであるので、一度外すとネジ穴がバカになってしまう

7) 分解と組み立てに時間が掛かるので、引越しに時間が掛かる
8) 分解・組み立てで壊れてしまうケースが多い


だいたい、この様な理由が挙げられています。

一方で、「IKEAの家具を運びます」とか「専門のスタッフが分解、組み立て致します」などという小さな業者も有る様ですが、1点組み立て5000円などと別途料金を取る所もある様です。

■ 分解したら・・・・ジョイントパーツが壊れた・・・ ■

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これが問題のIKEAのシングルベット。引出しが付いているタイプです。

ヘッドボードが無いので、大きさは本当にマットレスと同じで、これを分解しないと玄関から運び出せないという業者はバカか・・・と思いますが、そこは杓子定規の日本人の事、会社の規定で仕方無いのでしょう。

尤も、私だったら、引越作業に来たお兄ちゃんに「袖の下」で解決させるでしょう。1枚も渡せば、喜んで分解せずに運ぶハズ。運ぶ、運ばないで揉めている間にはトラックに収まりますから。

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IKEAの家具は本当に合理的に出来ていて、私は大好きです。特に、コーナーのジョイントパーツが秀逸。ネジを使わずに、金物のソケットを金属パーツで固定する方法。ドライバーで受け側のパーツを90度程捻れば固定完了。

この、木工加工は穴あけだけしておけば良く、固定金具を同梱して出荷するだけ。誰でも簡単に組み立てが出来るの。

1) 組み立て工程は購入者の役割
2) 分解して梱包されているので、在庫がかさ張らず、輸送コストも安い

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問題となるのは、木部に直接ネジ込まれているパーツやネジ類です。下手に外すとネジ穴が広がってしまい、次に組み立てた時に固定力が不足します。

又、柔らかな木で出来た位置出しようの丸棒も曲者です。真っすぐに抜かないと穴が広がりますし、丸棒の素材が柔らかいので、無理にペンチで挟んで外そうとすると棒が潰れて使い物にならなくなります。

コーナーのジョンと金物も曲者で、外れる角度が回転の終点で無い・・・。これを知らずに無理に外そうとすると・・・ジョイント金物が破損します。

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小一時間掛かり、なおかつ、途中でペンチを買いにダイソーに走りましたが、どうにか分解が完了しました。引出しは分解しなくて良いとの事で助かりました。まあ、ベットなんて分解してしまえばこんなサイズになってしまうのが流石はIKEA。

尤も、ジョイント金物1つと、木の丸棒二つが使い物にならなくなりました・・。

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壊れたジョイントパーツですが、IKEAのお店に行けば予備パーツが手に入ります。在庫が無くても2週間で取り寄せ出来ます。後日、船橋のIKEAで手に入れて来ました。


■ IKEAの商品は「定番」を買うべき ■

船橋のIKEAが近いので、様々なIKEA家具を買った経験から、「IKEAの家具は定番商品を買うべき」という鉄則が私の中には成立しています。

IKEAの家具の板材は、細かなチップを接着剤で固めた「パーティクルボード」が用いられている事が多いのですが、この密度が低い。だから、固定用の穴がすぐにスカスカになってしまいます。特に、安い商品でこの傾向が強い。引出しもすぐに底板がたわんでしまったり、引出し自体が分解してしまったり、レールの固定ネジが外れて来ます。

ある程度、定番の商品は、そこそこの強度を持っていますが、やはりネジ類が緩みやすい傾向が有ります。分解しないのであれば、組み立て地にネジ穴に木工ボンドを流し込んだり、ネジ穴補修材を入れておくと良いのでしょうが・・・。

同じ北欧系の家具でも、高級家具は「MDボード」を使用しています。これは非常に細かなおが屑を高密度に接着剤で固めたもので、ノコギリなどでは容易に切断出来ません。当然、重く、強度も高く、変形もしません。倒産してしまいましたが、村田合同という会社の北欧系の家具がMDボードです。後はフリッツハンセンのテーブルの天板など。

最近ではBoConcept.など、中国生産でIKEAよりもしっかりした北欧系の家具も有りますが、これもパーチクルボード。ただ、組み立ては専門のスタッフがやってくれますし、ボードの厚さがあるので、強度には問題は有りません。


■ 日本の家具屋は衰退の一途 ■

世界を相手にする北欧家具は、安い家具も、高い家具も本当に良く出来ています。それに比べると「一点もの」や「匠の技術」で勝負して来た日本の家具屋は勝負になりません。

ただ、IKEAの家具は、狭い日本の家屋には大きすぎる事や、引っ越しに不便なので、ニトリが上手にそのすき間に入り込んで成長しています。

工業化やグローバリゼーションの荒波は、あらゆる分野に及んでいますが、街中から家具屋さんが消えて久しい。

次に消えるのは大塚・・・ゲフン、ゲフン。
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2019/3/4

米朝首脳会談というプロレス・・・あまり期待していない韓国人  時事/金融危機
 

■ 焦った方の負け ■

TVや新聞などは、ベトナムでのトランプと金正恩の会談に相当期待する様な報道をしていましたが、結果は物別れ。

「ミスター・キム、北朝鮮の利権を山分けしようじゃないか」
「プレジデント、山分けの具体的な比率は?」
「7:3でどうかな。勿論7は我々だ」
「いいえ、5:5以上は譲れません」
「そうかい、じゃあ、今回のディールはこれでおしまいだ。」

こんな妄想を膨らめてしまう陰謀脳ですが、取引は焦った方の負け。

実際には、関係改善後に金体制をどう維持するかが問題となる訳で、アメリカが手の平返しで金体制の崩壊を仕掛ける可能性が有る限り、金正恩は譲歩をチラつかせながらも、核兵器というカードは手放しません。

会談直前に米議会公聴会で、トランプも元弁護士のコーエン氏が「人種差別主義者」で「詐欺師」で「ペテン氏」と、トランプの事を罵っていた事も、影響が無いとも言えません。トランプが北朝鮮との関係を改善した後に、美味しい所は別の誰かがさらってしまう結果は避けたいでしょう。再選の為にも、北朝鮮カードは決定的なシーンで切りたい。だから、今回は無し。


■ 韓国人の友人は醒めた目で成り行きを見守っている ■

飲み仲間の韓国人の友人に「米朝会談、残念だったね」とネタを振ると、「じぇんじぇん、期待して無かったよ」「いつもの事、いつもの事」と醒めたものでした。

関係改善に熱心な韓国政府と異なり、国民は他人事といった感じ。まあ、南北の当事者では無く、アメリカが両国の行く末を決めるのですから、他人事と言えば他人事なのでしょう。

■ 米朝首脳会談の物別れや、コーエン証言など興味の無い株式市場 ■

世界情勢や社会情勢に全く興味が無いのは株式市場も一緒。興味が在るのはFRBの利上げだけ。

終末、米朝やトランプのバットニュースが流れ、米中貿易摩擦も激化する可能性が有るにも関わらず、株価は日米ともに上昇しています。

「3月のFOMCでの利上げは無いであろう」という楽観が先に出た形で、きっと直前になると、利確の売りが出るハズ。

市場にとって様々な経済指標も、失業率も、世界情勢も、マネーゲームのネタに過ぎず、椅子取りゲームの末期の市場では、期待先行ですが、強気は直ぐに弱気に転じます。

■ ジャンク債市場を支えるジャパンマネー ■

先日、コメント欄で「農林中金の資金がジャンク債市場を支えている」という記事をい紹介頂きましたが、どうやら地方銀行も同様の様です。

金利がゼロに張り付いた日本では金利が得られませんから、独自の資金運用の手段を持たない、或いは運用ノウハウを持たない日本の金融機関は、金利に吊られて、かなりリスクを取っている様です。

これらの資金が、停滞すると昨年末の様にジャンク債市場の相場が下落し、新規起債がほとんど無い状況になりますが、再び、日本の資金がこの市場に流入して、今年に入ってからジャンク債市場が活性化しています。

何れにしてもFRBの利上げの影響をダイレクトに受ける市場ですから、大方のプレーヤーは既に資金を引き揚げています。後はリスクを承知で群がる魑魅魍魎が日本の資金をカモにして終わるのでしょう。

■ 偽りの安定 ■

昨年末からの値下がりから戻りが鈍い日本株を後目に、米株は値を戻しています。これをして、バブル崩壊はマダマダ先の話・・・と安心していると危険です。

こちらも椅子取りゲームの最後のマーチが鳴り響いている訳で、気付けば回りは怪しい輩ばかりが踊っていたなんて事になっているのかも知れません。(妄想ですが)


ヘッジファンドですら利益が出せずに解散している状況で、「バブル崩壊なんて来ないじゃないか」と言っている方達は、かなりの勇者か楽天家だと、感服するばかり。

賢者はそろそろ防衛の準備は終わった頃かと。
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