2019/9/22

災害ボランティアに行って来た・・・マッチングの難しさ  時事/金融危機
 
■ 災害ボランティアに初めて参加してみる ■


台風15号の千葉県の状況をレポートするシリーズ。
今回は、いよいよ「災害ボランティア」に参加してみました。

昨今は大きな災害が有る度に、老若男女を問わず多くの方達が被災地に「災害ボランティア」に訪れます。日頃、ニュースなどでその映像を観る度に「ご苦労様」と思うと同時に、「この人達、どうして他人の為にこんな遠い場所まで行くのだろう?」とか、「この人達、自分の家の前にゴミがあったら拾うのかな?」などと、持ち前の「捻くれ」た思考をしてしまう私。

カミサンに、「あんたも自転車乗る体力があったらボランティアでもしたら」と言われますが、「いいよ、オレ、マンションの回りのゴミ拾ったり、雑草抜いたりしてるもん。これもボランティアだよね」と答える私。

現実問題として、遠い被災地に交通費と宿泊費を掛けてボランティアに赴く事は、一般の方にはハードルが高い。

ところが、今回の台風被害は、私が愛して止まない南房総地域が被災地です。毎週の様に自転車で走り回っていますが、人々の窮状を横目に、サイクルジャージを着て走り回るのは、心臓に毛が生えている人で無ければ出来ません。私はチキンなので、とても・・・。

そこで、初めて「災害ボランティア」なるものに参加してみました。


■ 鋸南町へGO ■

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南房総一帯が被災地なので、行く先に迷います。縁のある鴨川市とも思いましたが・・被災状況を考えると鋸南町が妥当でしょう。

「鋸南町」は今回の災害で一躍「全国区」の知名度を獲得しました。千葉県南部は平成の町村合併で南房総市に統合されましたが、何故か「安房郡」として残ってしまったのが鋸南町。

「鋸」は「鋸山(のこぎりやま)」を指します。「鋸山の南の地域」という事で「鋸南町」。内房線では「保田」と「安房勝山」の二つ駅が町内に有ります。

アクアラインと館山道を乗り付くと都内や神奈川県からのアクセスも良く、保田漁港が経営する新鮮な魚介が食べられる「番屋」や、道の駅の「保田小学校」は全国区で名前が知れています。

今回の台風では、アクアラインを使ってのアクセスの良さも手伝って、多くの報道陣が訪れ、一躍有名になりました。

■ 千葉から南の内房の沿岸地域に被害が大きい ■

先日は鴨川から館山までの「外房」の被害状況を報告しましたが、実は東京湾沿いの内房地域の被害の方が大きい。

千葉市内でも、海沿いを走る京葉線の脇の樹木は、傾いたり枝の折れたものも多い。蘇我から南の地域では、屋根にブルーシートが目立ち初めます。

君津から南は、線路端の斜面が崩落し、沢山の倒木が発生しています。

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浜金谷のフェリー乗り場にある観光施設の屋上には、巨大なトタン屋根の残骸が、今も撤去されずに巻き付いています。
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本日の降車駅は、鋸南町役場の有る「安房勝山駅」です。ホームの名所案内の支柱は曲がり、駅舎の屋根はブルーシートで覆われています。


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商店のシャッターは殆どが壊れています。民家の屋根も、かなりの確立でブルーシートが設置され、外壁に瓦などが作った穴が空いています。・・・さながら、爆撃を受けた様な有様。

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■ 300人のボランティアが集まっていた ■

ボランティアの受付となっている鋸南町役場には8:30には多くの方が集まっていました。本日のボランティア参加者は300人だそうですが、それでも予定よりは少なかったそうです。

役場には報道や、自衛隊の車両も出入りしています。

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役所の建物も被害を受けていて、ロビーの吹き抜けの天井が大きく落下していました。多分、どこかの窓が割れた事で強風が吹き抜け、一瞬、室内側が著しく「負圧」になった為、天井パネルが引き寄せられたのでしょう。釣り天井の安全性は東日本大震災から指摘されており、新しい基準では軽量化と構造的な強度が求められていますが、既存建物では、脆弱な釣り天井が多く残っています。

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■ 簡単そうに見えて実は重労働のボランティア ■

私は他の男性4人とチームになって力仕事に当たりました。最初の仕事は、庭に散乱した屋根瓦の撤去と、濡れた畳や家具の搬出でした。

一見、この程度の瓦なら直ぐに片付くだろうと思ったのですが、瓦は意外に重く、土嚢袋にまとて入れると、男性でも腰を痛めそうな重さになります。それを、何十袋も運ぶので、男性5人でも大変な作業です。たっぷり水分を含んだ畳も、相当な重量になります。これを女性や高齢者が処理する事は不可能です。

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とは言っても、ボランティア経験のある人が多いグループだったので、手際よく仕事は進み、2時間程度で1件目の依頼が終わりました。

「これで終わり?」かと思ったら、皆さん当然の事の様に2件目の作業の割りふりを待つ事に。昼食も含め、しばらく時間があったのでお話をさせて頂くと、千葉市内や市川市内からいらしたとの事。単身赴任で千葉にいらした方も。

2件目の作業は、依頼者不在で流れてしまったので、3件目に応募します。ドロで埋まった側溝の掘り出しでした。

50m程の距離ですが、男性6人と依頼者の方でスコップを振るうも、なかなか大変な作業でした。田舎で生活すると、こういう共同作業に駆り出される事も多いと思いますが、これ、「労働が好き」な人でないと嫌になりますよね・・・。

今回はボランティアに参加される様な「労働好き」の方の集まりなので、黙々と、或いは軽い冗談を言い合いながら作業が進み、規定の時間内に、ドロを土嚢に詰める事が出来ました。

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■ ボランティアのニーズは災害ゴミの搬出に移りつつある ■

今回のボランティアで分かった事は、ボランティアをやりたい人はある程度居るのですが、被災者のニーズと、ボランティアの出来る事が必ずしも噛み合わない事が多い。

例えば、被災初期には、ブルーシート張りが最大のニーズでしたが、一般のボランティアには屋根上での作業は危険で出来ません。大工やトビや瓦職人のボランティアが求められましたが、皆さん仕事が有るので、仕事の有る日にボランティアに駆けつける事は不可能です。さらに、それらのスキルの有る人の数にも限りがあります。

今では、ブルーシート張りは一段落している様ですが、今度は庭などに溜まっている災害ゴミの運搬のニーズが高まっています。しかし、軽トラックなどの数が限られているので、これも需給に隔たりがあります。


■ 観光業の再興が過大 ■

ボランティアの仕事に後に、道の駅「保田小学校」に寄ってみます。廃小学校を利用した道の駅ですが、コンセプトが素晴らしく、全国的に有名な施設です。

体育館を改装して物産品売り場としていましたが、壁面を覆うパネルが台風で吹き飛んでいます。構造自体に「歪み」が出ているそうで、復旧には時間が掛かると、地元の方が肩を落として語っていました。

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一方、教室を改装した飲食施設は、ガラスなども割れておらず、既に営業を再開していました。

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電気や水道が復旧して、観光施設も徐々に営業を再開し始めていすが、「被災地」の印象から、観光客が自粛してしまう事が今後の悩みの種となっています。


鋸南町を始め、台風15号で注目を集める南房総。今後は一人でも多くの肩が観光に訪れ、「泊まって応援」「食べて応援」してくれる事を期待します。


アクアラインの開通と、千葉県内の道路整備によって「房総半島は車が渋滞する」というのは過去の話となっています。是非、この機会に房総を訪れて頂ければ、「手つかずの観光地」に、少なからぬ方が魅了されるでしょう。


皆さんの「美味しくて、楽しいボランティア」はこれから始まるのです!!

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