2020/2/15

完全に後手に回ったウイルス対策・・・水際よりも市中感染の対策が重要だった  時事/金融危機
 

■ 1月の上旬にはウイルスは日本に持ち込まれていた ■

昨日から渡航歴の無い方々の新型コロナウイルスの感染が複数発見され、既に国内で「市中感染」が広がっている可能性が高い。

時系列で振り返ってみます。


12月31日 武漢で原因不明の肺炎

1月7日 新型コロナウイルスと判明

1月12日 中国で初の死者を確認

1月13日 中国以外で初の感染確認

1月16日 国内初の感染確認

1月23日 武漢封鎖


1月27日 中国人の団体ツアー旅行が禁止に

1月28日 日本人の感染者を初確認

1月31日 WHOが緊急事態宣言


2月1日 日本で「指定感染症」・・・湖北省からの入国を禁止


多分、武漢の市内にウイルスが蔓延したのは1月に入ってからですが、武漢が封鎖される1月23日までは、武漢からの観光客は普通に日本国内に入国出来ました。この時点でウイルスが日本に持ち込まれた事は、武漢からの観光客を乗せたバスの運転手が感染した事でも明確です。

政府はこの時点で、日本国内でヒトからヒトに感染が広がる「市中感染」を視野に対策を始めなければいけなかった。

しかし、ダイアモンドプリンセス号の例を見るまでもも無く、政府の対策は「水際対策」に偏っていました。

■ 中国からの入国を禁止しなかった「無策」 ■

中国政府は1月28日に中国から海外への団体旅行を禁止していますが、ビジネス旅行や個人旅行は規制していません。

又、日本は2月1日から湖北省からの入国を禁止していますが、中国の外の地域からの入国は野放しです。(現在は浙江省からの入国も禁止されている)

さらに、入国に際しては「14日居ないに湖北省、或いは浙江省に滞在した事はありますか」というアンケートを記入するだけです。高い渡航費用を払って日本まで来て、正直に記入して追い返される人がどれだけ居るでしょうか・・・。

アメリカやシンガポールなど多くの国が、入国禁止の対象を中国全土に広げているのに対して、日本は未だに湖北省と浙江省のみを規制しているだけです。

多分、4月の習近平主席の来日を気遣ての事と思いますが、「安全保障」の観点から危機感が無さすぎます。

■ テーマパークで戯れる国民の危機感の低さ ■

中国からの観光客が減ったとは言え、東京の近くの巨大テーマパークには依然、中国人の姿がチラホラと見受けられます。そして、多くの日本人が何の危機感も無く集まっています。

私はネトウヨでは在りませんから「中国人は帰れ」とは言いませんが、政府が中国人の入国を禁止する事に異論を唱える事はしません。

確かに観光地やデパートなどへの影響は大きいですが、ウイルスの感染拠点となって風評被害が発生して観光客が寄り付かなくなるリスクを考えれば、やはり中国人の入国は規制すべきでした。

尤も、1月の時点で既にウイルスは持ち込まれていたので、2月に入ってから中国人の入国を規制しても、現在始まりつつある「市中感染」は防げなかったでしょう。


■ 日本よりも徹底した対策をしているシンガポールですら市中感染が防げない ■

シンガポールは中国全土からの入国を禁止するなど、日本よりも対策が徹底しています。しかし、日本同様に中国からの旅行者が多いので、日本に先んじて市中感染が拡大しています。

シンガポールでは感染者が発生した地域を公開し、感染者が発生した職場を14日間在宅勤務とするなど、感染対策が日本よりも徹底しています。それでも市中感染の拡大に歯止めが掛かりません。

シンガポールと日本の共通点は地下鉄など公共交通機関を国民が多く利用している点。他のアジア諸国に比べ「閉鎖空間でのウイルスの感染リスク」が高い。


■ 日本で感染が拡大すると、日本が入国規制のリストに入る可能性も ■

昨日から「市中感染」のフェーズに入った事で、諸外国の方々は日本人の入国に抵抗を覚える様になるでしょう。中国へ投稿歴の無い感染者が100人単位で増える様ならば(クルーズ船を除き)、世界の国々は日本からの入国に何等かの制限を掛ける可能性が有ります。

感染者数は中国の例を見るまでも無く「指数関数的」に増加します。1週間ごとに感染者数が一桁増えて行きます。来週は十人単位、再来週は百人単位で感染者が発生するかも知れません。

特に、日本は中国に比べても、国内の感染予防が無策でしたから、来週に入ると、だいぶ混乱すると思います。

■ RNA型ウイルスに効果のある抗ウイルス薬 ■

新型コロナウイルスに感染しても多くの方はインフルエンザ程度の症状ですが、若い方でも、それなりの確率で重症化するのが、このウイルスの危険な所です。

2003年のSARDSの治験から、中国ではエイズウイルスの抗ウイルス薬のいくつかが効果があると分かっていました。中国以外の国でも、重篤な患者に対してエイズの抗ウイルス薬が投与され効果を発揮しています。さらにエボラ出血熱の抗ウイルス薬も効果を発揮したとの報告もある様です。

日本では富士フィルムの子会社の富山化学工業の開発した開発した「RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤」の「アビガン」に期待が集まっている様です。「アビガン」はインフルエンザ用に開発されましたが、エボラ出血熱など、その他のRNA型ウイルスにも効果を発揮する様です。ただ、催奇性が確認されているので、妊婦への投与は出来ません。

現在、世界の大手製薬会社の多くが、中国と共同で様々な抗ウイルス薬の効果を調べており、また、新型コロナウイルスの遺伝構造を解析して、その活動を阻害する薬の製造に乗り出しています。

抗ウイルス薬から、新型コロナウイルスに効果のあるものが特定されれば、重症患者の死亡率を下げる事が出来ます。


■ 出社するかどうかの判断が難しい ■

昨日から感染が明らかになった方々の多くは、インフルエンザだと思って病院を受診して陰性と判断され、自宅に戻されて症状が悪化したと思われます。現に、3つの病院を受診した方もいらっしゃいます。

現在の厚生労働省の指針では、湖北省や浙江省に滞在履歴のある人だけが、新型コロナウイルス検査対象でしたから、取りこぼされている感染者はまだまだ居るはず。

こうなると、インフルエンザ様の症状のある人は、咳が止まらない人など、インフルエンザでは無いけれど、新型コロナウイルスの疑いもある人の登校や出社の判断が難しい。簡易検査キットが開発されていないので、一般の病院での検査が出来ないのです。

「新型コロナウイルスかも知れないので会社休みます」と言える人は心臓に毛が生えている人でしょう。下手をすれば「職場閉鎖」の原因となってしまいますから、普通の人は咳止めを飲んで、マスクをして会社に行ってしまう・・・。

それこそ、政府が大事を取って「咳の症状の強い人は2週間の在宅勤務」と決めでもしない限り、職場や電車での感染拡大を止める事は出来ません。


■ オリンピックへの影響が気になる ■

私は「安倍政権はコロナウイルス対策を失敗してオリンピック延期、ザマァ!!」なんて言う偏狭な人達の仲間になりたくありませんが、しかし、新型コロナウイルスの感染の拡大具合によってはオリンピックへ影響が出るかも知れません。

6月までに感染が収束しなければ、海外の観光客が日本に来なくなるかも知れません。仮に7月まで長引いたならば、オリンピックは中止か延期になるでしょう。観客も選手も、感染が怖くて日本に来れませんから。

普通は気温が高くなれば、コロナウイルスによる風邪は下火になります。新型ウイルスが同様な性質である事を望みます。

9


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ