2020/10/29

グレートリセットって何?!・・・妄想が止まらない  時事/金融危機
 

■ 陰謀論者に人気のトランプ ■

米大統領選が近づいていまうが、私はどちらが勝つかには、あまり興味が有りません。米大統領選はガチ対決では無く、シナリオの有る「民主主義のお祭り」だと妄想しているからです。

陰謀論者の一部には、「トランプはアメリカのディープステイトの抵抗している」などと妙に持ち上げる人達が居ますが、そんな人物がアメリカの大統領になれるハズは有りません。叩いて埃の出ない人物など居ませんから、選挙戦の最中に悪いニュースが広がって、しっかりと候補者の中から消えているハズです。或いは、間違って大統領になってしまったとしても、アメリカの伝家の宝刀によって消されている。

田中宇氏の陰謀論に私も一時期影響を受けました。「イギリスの資本家達は、アメリカの隠れ多極主義者となって、ネオコンなどを使いアメリカの覇権を壊そうとしている」「イギリスの帝国主義者はアメリカの軍産複合体を操り、世界支配を続け様としている」世界はこの二つの勢力の相克の上に成り立っている。」「トランプは隠れ多極主義者で中国がアメリカの影響から自立して多極化が進む事を推し進めている」

「隠れ多極主義=ロックフェラー」「軍産複合体=ロスチャイルド」などと考える人達も居ます。

彼の「多極主義」は日本人のルサンチマンをクスグリます。戦後、アメリカの属国と化した日本ですが、「多極主義者は日本や韓国の自立を促している」という説は、私達のねじ曲がった自尊心をクスグリます。「多極主義」による日本のアメリカからの独立を夢見る人達にはトランプは英雄に見える。

■ 世界はもっとズブズブの関係だと妄想する人力流陰謀論 ■

人力でGOの陰謀論は「誰得の陰謀論」です。権力やお金を有する人達は、対立より結託を選んだ方が利益が拡大します、ゲーム理論の一種です。個々も利害の衝突は有りますが、大勢では協調した方が利益が拡大する。

仮に、トランプがアメリカの力をワザワザ削いだとしても、それは世界の経営者の総意であって、トランプがディープステイトや世界の経営者に逆らっている訳では有りません。

アメリカにおいてトランプが大統領になったとしても、バイデンが大統領になったとしても、世界の経営者のアジェンダには変更は有りません。ダボス会議が指摘する通り、戦後資本主義システや通貨システムは既に成長の限界に有り、それら自身が世界の発展の妨げになっています。だから大統領が誰になろうとも、「グレートリセット」への準備は着々と進められています。

■ トランプは分断の装置 ■

トランプを世界の経営者が大統領にした理由は、「アメリカの分断」です。

アメリカには元々多くの「対立」が有りましたが、移民国家アメリカの歴史は「対立の克服」の歴史でした。南北戦争の結果の統一。黒人の人権獲得。女性の権利の獲得。移民の社会への受け入れ。アメリカは多くの対立を抱えながらも、それを克服する努力を惜しまない。

ところが、トランプは「対立」を強調する事で「分断」を作り出してしまった。一般的には「支持者拡大の為の政治手法」と捉えられていますが、その結果、露わになった「分断」はアメリカに致命的な影響を与えるハズです。元々、バラバラだったアメリカを人々の意思がかろうじて繋いでいたのに、その意思を無効化するウィルスがバラ撒かれた。それがトランプ。

今回の選挙でどちらが勝利したとしても、アメリカ国内では選挙結果を不服とする人々が大規模なデモを起こし、対向する勢力と衝突する。銃撃が発生すれば、この衝突はエスカレートしアメリカは内戦状態になるかも知れません。

■ 資本主義の限界とグレートリセット ■

グローバリゼーションによって世界は一つになると人々は考えた。中国やロシアの民主化が達成され、新興国や途上国はキャッチアップされ、市場は一体化される。

資本主義にとっては理想の世界が出来上がる様に見えましたが、その結果は大きな歪しか生まなかった。マルクスの予言の通り、発展し過ぎた資本主義は貧富の差を修復不可能にまで拡大した。

資本主義は資本効率を最大化する事を目的としていますから、効率の高い所にお金はどんどん集まってしまいます。政府が税金でこれを集めて再分配する事で社会は成り立っていましたが、企業に政府が隷属する現代においては、再分配はまともに機能しません。

タックスヘブンに売り上げを隠す企業を政府は本気で取り締まる事が出来ません。何故なら、政治家は献金によって企業の奴隷となっているからです。

タックスヘブンはヨーロッパの一部の国や、イギリスの周辺の島々に存在しましたが、今ではアメリカが最大のタックスヘブンとなりつつ有ります。州によって法人税が異常に低い州がそれに相当します。ある地域のタックスヘブンの顧客情報がリームされれば、他の地域に資金が写るだけです。「リーク」は正義では無く、資金移動の道具に過ぎません。

この様な「資本の最大化」を続けた結果、1割と9割の世界が出来上がってしまった。富は1割が独占し、結果的に中間層が貧困化して消費にブレーキが掛かり、資本の拡大を阻害する。これが成長の限界の正体です。

金融によって庶民も金利利益を得ている幻想に囚われていますが、それはお金が水膨れしているに過ぎません。実体経済の拡大が原則すれば、人々は徐々に貧しくなります。

■ AI化や自動化が分断を加速する ■

さらに高齢化やAIの普及が限界を早めます。

先進各国の少子高齢化は解決の出来ない問題です。将来的な高齢者の数は既に確定しており、将来的な労働者の減少も既に確定している。移民による労働力の導入は、分断を助長し、将来的な社会コストの増大を国家に押し付けますが、企業はこれを法人税という形では負担したがりません。

労働力の不足をAIや自動化で補えば人々は労働から解放されると夢見る人も居ますが、単純な頭脳労働から仕事は奪われ、次第に高度な判断を必要とす高給な仕事までAI化する。人々は一部のエリート以外では、「AI化で採算の合わない仕事=安い給料の仕事」に追いやられます。

AIに「人頭税」を掛ける事は難しいでしょうから、AIの導入は人件費を削減し、仕事の効率を高める事で資本の拡大を加速します。自動機械も同様です。

こうして、AI化も自動化も資本の偏在を加速する事で、資本主義経済自体は衰退して行く。これは一種の合成の誤謬であり、資本主義が抱えるジレンマとも言えます。


■ 通貨システム・金融システムの閉塞 ■

中央銀行制度も、金融システムも行き詰っています。

1980年代以降、アメリカを始めとする先進国は、労働と生産による成長拡大の時代が終わりを迎えます。近代化や戦後復興が一段落すると生産拡大による経済成長が不可能になります。さらに、資本家を効率を高める為に、日本やドイツを世界の工場にし、さらに韓国や中国へとそれは動いて行った。

そこで、イギリスやアメリカでは「お金でお金を稼ぐシステム」が急激に発展します。債権化や証券化といた「金融」です。

「金融」は絶えず資金が流入拡大していないと維持出来ないシステムですが、一方で制御が難しく直ぐに暴走を起こします。いわゆるバブルです。金融システムが暴走してシステムが崩壊しそうになる度に、中央銀行が金利を下げたり、量的緩和を実施して崩壊を食い止めて来ましたが、これも限界を迎えています。

ピーキーな金融システムの悪影響が実体経済に及ぶ様になったからです。始めの頃は「金融」に投資した一部のお金持ちが資金を失いましたが、現在では庶民の預金までもが「金融」によって運用されています。バブル崩壊の被害は庶民にまで及び、銀行システムの存続性が疑われる状況が生まれつつ有ります。

既に、リーマンショックでアメリカの投資銀行の多くは事実上破綻しました。次に起こる金融危機では、商業銀行を含む全ての銀行の存続が危険に晒されるでしょう。「銀行の信用喪失=お金の信用喪失」となります。人々が銀行に殺到して、預金を下そうとした瞬間、現在の「信用創造システム」は終焉を迎えます。同時に中央銀行は大量の通貨を刷りまくるので、通貨の信用が失われます。

■ 通貨のグレートリセットとしての電子マネー ■

金融システムの崩壊を元にした「通貨のグレートリセット」がどの程度の期間で進行するかは予想が難しい。長ければ10年〜15年掛かるでしょう。

しかし、仮に、大統領選の結果、アメリカが内戦状態になれば、ドルの信用は一瞬にして失われ、同時にドルを基軸とした現在の世界の通貨制度も一瞬で崩壊します。そして、ドルで構築された金融システムも破壊される。

主だった中央銀行は「電子通貨の実験」に来年から着手すると発表しましたが、これは追加のグレートリセットを念頭に置いていると思われます。

「電子通貨」は単なる紙幣の代わりでは無く、国民のNOと結び付ける事で、年金の給付や、税金の徴収を直接行えるシステムの構築が可能です。お金の流れがガラス張りとなる事から、税金を逃れる事も難しくなります。結果的に税の公平が保たれる。

一方で様々な給付も楽になります。その最たる例が「ベーシックインカム」でしょう。年金や生活保護もこれに一本化が可能です。電子マネーならば給付金にマイナス金利を掛ける事も可能です。


■ グレートリセット後の世界 ■

グレートリセット後の世界がどうなるか、非常に不透明ですが、私は「新な冷戦構造」になると妄想しています。

大きな社会変革の中で国民を統率する為には「敵」が必要です。かつて共産主義国家は自由主義国家を敵とする事で、革命後の社会を維持し、国民の不満を強権的に抑え込みました。

私はグレートリセット後の世界は、かなり強権的に様々なシステムの再構築が行われるので、国民を従わせる為に「戦時経済」の様な非常事態が演出されると妄想しています。

これが第二次世界大戦の様な直接的な戦争である必要は有りません。中東や東アジアで紛争が起こり、小規模な米中や米露の直接戦闘が起きれば、世界は再び鉄のカーテンが降ろされれます。

尤も、大統領選の後に、アメリカが今の形を保っているかは定かでは有りません。3つか4つの国家群に分断している可能性だって十分に有ります。


陰謀論的には妄想の暴走が泊まらない「グレートリセット」ですが、SFの描くバットな未来が実現しない事を願って止みません。
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2020/10/21

日本でもコロナ死者は水増しされている・・・厚労省通達  新型コロナウイルス
 

■ 日本でもコロナ死者が水増しされている ■

厚労省は6月18日に、各度道府県の衛生主管部に対して、次の様な事務連絡を発信しています。

新型コロナウイルス感染症患者の急変及び死亡時の連絡について(厚労省元ページのリンク)

○ 新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなっ
た方については、厳密な死因を問わず、「死亡者数」として全数を公表するよ
うお願いいたします。
なお、新型コロナウイルス感染症を死因とするものの数を都道府県等が峻別
できた場合に、別途、新型コロナウイルス感染症を死因とする死亡者数を内数
として、公表することは差し支えありません。


趣旨は、都道府県別の差の有る新型コロナの死者数の基準を統一する為となっていますが、新型コロナ陽性者であれば、死因が心筋梗塞など別の病気でも、一応「コロナ死者」としてカウント出来る。

これ、アメリカ議会でも問題として取り上げられていた事です。アメリカでは新型コロナ感染の治療で人工呼吸器を使う治療をした場合、500万円近い補助金が支払われるので、コロナ以外の死者もコロナ死者とするインセンティブが病院側に働くというオマケ付きです。コロナ隠線でも陽性として報告すれば病院は儲かる。

日本でアメリカの様なモラルハザードが発生するとは思えませんが、それでもコロナ死者数は水増しされていると考える事が妥当でしょう。

■ 重症者数も水増しされている ■

東京都はコロナ陽性者でも、集中治療の原因がコロナ以外の場合は、新型コロナ重症者にカウントしていませんでしたが、厚労省がこれらも新型コロナの重症者にカウントする様に指導し、重症者数が増えました。

これに対して「コロナ脳」たちは「東京は重症者数を少なく報告していた」と非難していますが、アホです・・・。

PCR検査をすれば、少なからぬ数の新型コロナ陽性者が見つかります。病院は集団感染(集団曝露と言った方が適切)が起こり易いので、別の疾患で重症化している患者にPCRを実施すれば、ある程度の確率でPCR陽性になる可能性が有ります。

例えばくも膜下出血で集中治療室に収容されている患者に、念のためPCR検査をしたらコロナ陽性だった・・・。普通ならば、こんな患者を「新型コロナ重症者」として報告はしませんが、国が「重症者にカウントしろ」と言っているのだから、報告せざるを得ません。

実は日本でも新型コロナウイルスの重症者を治療には補助金が出ます。

診療報酬の特例的な対応 (二次補正とは別途の措置)
・ 重症・中等症の新型コロナ患者への診療の評価の見直し(3倍に引き上げ)
・ 重症・中等症の新型コロナ患者の範囲の見直し(医学的な見地から引続き管理が必要な者を追加)等


診療報酬が3倍に「特盛」になるのです。さらに、病状が回復して軽症となっても「経過観察の必用が有る」とされる人の診療報酬も3倍。

制度を悪用しようとしれば、新型コロナのPCR陽性者で、別の疾患でICUに入っている患者を「新型コロナ重症者」と報告すれば、病院の利益を水増しする事が可能です。コロナ患者受け入れで病院は一般の患者や手術が減って経営的に苦しいので、制度を都合良く解釈する病院があったとしても不思議では有りません。厚労省もコロナ重症者数が増えるので「お目こぼし」している可能性は否定出来ません。

■ コロナが様々な疾患の原因になるのでは無く、そう見えるだけ ■

コロナが様々な疾患や障害の原因になるという報告が相次いでいますが、これ因果関係が逆のケースも多いでしょう。

1) 主となる疾患が発生する
2) PCR検査で新型コロナ陽性と確認される
3) 「新型コロナが主となる疾患を引き起こした」と発表する

この場合は、「新型コロナはとても怖いウイルス」という思い込みや、「新型コロナウイルスの新たな影響を発見したい」という医学的野心が働いくと考える事が出来ます。

一方、次の様なケースもあるでしょう。

1) 主たる疾病が発生する
2) PCR検査で新型コロナ陽性と確認される
3) これらが合わせて「新型コロナによる疾病」として報告される
4) 新型コロナによる別の疾病の発生を調べている研究者が事例としてカウントする

研究者の功名心から発生するケースも有りますが、アメリカであ新型コロナの統計情報を病院向けに発信していた企業が、意図的に誤ったデータを提供していて告発されています。

良心的に解釈すれば「新型コロナウイルスは怖い」という医者や研究者の思い込みが、別の疾患の原因も新型コロナウイルスの影響かも知れないと、ウイルスを過大評価させている。

悪意を持って解釈すれば、「新型コロナウイルスを利用して名を上げてやろう」という研究者が、「何でもかんでも新型コロナウイルスが原因」という研究を発表している。これ、「地球温暖化」と同じですね。本来なら査読で引っ掛かるのですが、新型コロナに関しては、緊急性が優先され、査読前論文がチェックも無く公開されています。


■ 情報リテラシーとコロナパニック ■

ある年代から上の世代は、TVなどの報道を疑いもせずに受け入れる傾向が強い。彼らはメディアの「新型コロナウイルスは恐ろしいウイルスだ」という報道を無警戒に受け入れてしまう。

一方、「情報勝者」を自称するネット世代ですが、無意識のうちに「新型コロナウイルスの影響は報道されているよりも怖い」という視点から情報を集める傾向が有ります。これは人間が本能的に「危険の情報を優先して集める」習性がある事に起因するでしょう。身を守る為には危険な情報の優先度が高くなります。

実は報道機関は、コロナの危険性と安全性をきちんと伝えているのですが、視聴者の多くは「危険性」をより強くインプットします。

ネットも同様で「怖く無い」情報も沢山有るのですが、ネット民の多くは「怖い情報」を選択的に集めています。

こうして、「新型コロナは怖い」という「情報のバケモノ」が生まれ、どんどん肥大化しています。


当ブログでは777さんがコメント欄で「コロナは怖い」という情報を色々見つけて来て報告して下さるので、「コロナは安全」という情報を選択的に集める傾向のある私としては、バランスが取れると考えています。


私がいくら「新型コロナウイルスはチンケなウイルス」と書いた所で、「コロナは怖い」と思い込む人達の検索には引っ掛かる事もしません。当ブログも初期の「新型コロナは怖い」という記事のアクセス数は凄かった・・・。


「ネット特有の情報伝達のクセ」を上手に利用すれば、戦争だって起こす事は可能です。現に昨今の人々は、どんどん「過激」になっています。アメリカが良い例でしょう。選挙の結果や、トランプのアジテーションやインティファのテロによって内戦だって起こり得る。(これ、アメリカで本気で心配されています)。


話題が「コロナの水増し」からズレてしまいましたが、「情報の細かな査定」の例として、「コロナ重症者や死者の数」は良い例かと思い取り上げました。



おっと、自分が妄想の世界に生きる陰謀論者である事を忘れていました・・・・。
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2020/10/19

新型コロナ第二波に怯える世界と勝組スエーデン  新型コロナウイルス
 

■ コロナウィルス対応T細胞が第二波を防ぐスエーデン ■

欧州ではコロナ感染者が増加に転じ、フランスなどが再びロックダウンを迫られています。経済的影響が大きいので「短期のロックダウン」に留める予定ですが、世界は第二波の襲来に恐怖しています。

一方、「勝ち組」に名乗りを上げているのがスエーデン。スエーデンはロックダウンの様な手段を取らずに、ある程度国民生活の自由を保ったので、第一波では高齢者を中心に欧州の他の地域と同等の死者が出て「集団免疫戦略は失敗だった」と多くのメディアに書きたてられました。

しかし、1転して「スエーデンはコロナの勝組」とか「スエーデンは集団免疫を獲得した」という報道が出始めています。

スエーデンの新型コロナ対策はカロリンスカ研究所が中心になって進めていますが、同研究所は新型コロナ感染におけるT細胞による細胞性免疫の研究で世界のトップを走っています。新型コロナウィルスに感染しても、症状の軽い人では抗体ができずに発症すらしないケースが多い。

この原因は謎とされていましたが、新型コロナウイルス以外に感染した時に白血球の一種であるT細胞がメモリーしたウイルスの情報が、新型コロナにも反応するという研究結果が複数発表されています。「交差免疫反応」と呼ばれる現象です。さらに新型コロナウィルスに感染した人は、発症せずとも新型コロナに対応したT細胞を獲得しています。T細胞のウイルスの記憶時間がどの程度あるのかは解明されていませんが、極端なロックダウン政策を取らなかったスエーデンは多くの国民がウイルスに感染し、T細胞による細胞性免疫を獲得している可能性が高い。

日本も同様に、「いい加減なロックダウン」しかしていませんから、スエーデンと似た状況にあると考えられます。

■ 地域、人種が同じであれば死亡率はほぼ同じ数値に収束する ■

新型コロナウイするの国別の死亡率(人口当たりの死者数)を比較すると、イタリアもスエーデンも大差無い事が分かります。死亡率は感染初期に急激に増大して、ある所で収束する。日本で最近死者が少ないのも、同様の傾向があると考えて良いでしょう。

これは、感染の拡大初期に高齢者や糖尿病などの基礎疾患を持っている人が、ひとしきり重症化したり死亡した後は、ハイリスクの絶対数が減るので、死者が増えなくなると考える事が出来ます。

8割オジサンら、「コロナ怖い怖い教」のシミュレーションは、「感染の母集団の変化」を考慮していないので、感染初期のハイリスクの死亡率が高い時期の死亡率が継続するとして計算を行っていたと考えられます。しかし、感染初期に「弱い人から死亡したり重症化する」のは、他の感染症でも「当たり前」の事で、この影響を軽視していたシミュレーションは単なる数字遊びに過ぎなかった。

ロックダウンなど感染対策の徹底度の違いによって死者数が飽和するまでの時間には差が有ますが、現状、世界の殆どの国で死者の増加率は非常に低くなっています。

仮に第二波が襲ってきても、第1波の時の様な死者数の急激な増加は観測されないでしょう。但し、糖尿病が悪化したり、加齢による体力の低下が進行したり、あるは別の疾患で免疫力が低下するなど、一定数のハイリスクの方は増え続けますから、「シーズンの死者数」は毎年、ある一定の範囲で観測されます。これはインフルエンザと同じ。

ただ、ウイルスの毒性はインフルエンザの方が高いので、新型コロナウイルスは風邪に近いものに収束していくと予想されます。ほとんどの人は感染しても無症状か軽い症状しか出ず、運悪く重症化したり死亡したりしても、その数はインフルエンザよりも一桁、或いは二桁少ない・・・それがウィズ・コロナ時代の新型コロナウイルスの姿。

■ どんなに注意していても、いつかは感染する ■

ロックダウンは永遠に続ける事は出来ません。必ず解除する時がやって来ます。そして、ロックダウンが解除されると、再び感染が拡大する・・・・。

ウイルスとの戦いはイタチゴッコで、ロックダウンは医療資源の枯渇を防止出来ますが、感染を解消する事は出来ません。

ただ、各国とも新たな死者数が増えていない事を考えると、死者のピークは過ぎており、今後はどの程度の重症化や死者数を「許容範囲」にするかの議論に移るべき時が来ている。これはインフルエンザと同じです。だから、指定感染症の指定もインフル同等の5類が妥当で、PCR陽性者や軽症の患者の入院は全く必要ありません。


■ 風邪にワクチンは効かない ■

「ワクチンが開発されるまでの辛抱」という言葉をよく聞きますが・・・ワクチンが効果を発揮するかは未知数です。

一本鎖RNAの新型コロナウイルスは絶えず突然変異を繰り返しています。これは風邪の原因となるコロナウイルスも同様で、だから風邪にはワクチンが効かない。仮に風邪に効果を発揮するワクチンが開発されても、直ぐにウイルスの変異によって効果が失われるので、ワクチンを開発する意味がありません。

新型コロナウイルスもコロナウイルスに変わりは無いので、ワクチンが認可される頃にはウイルスが変異してワクチンの効果が薄れる可能性は高い。


■ ワクチンは高齢者が気休めに接種すれば良い ■

新型コロナウイルスは、ほとんどの健常者はほとんど発症すらしないので、守べきはハイリスクの高齢者や、妊娠初期の方、そして基礎疾患や免疫系疾患をお持ちの方だけと言えます。

ワクチンが無い時には、これらの方をウイルスから遮断する必要が在り、自主隔離をして家族とも交流をシャットダウンするか、或いはハイリスクと交流のある方の徹底したウイルス対策が求められました。

しかし、新型コロナウイルスに効果を発揮するワクチンの接種が始まれば、ハイリスクの方のリスクはワクチンで防ぐ事がある程度可能になります。要はインフルエンザと同じ考え方をすれば良い。

一方、健常者にワクチン接種が必要かどうかは微妙です。健常者にとっては風邪と同等の症状しか無いウイルスにワクチン接種が必要なのか・・・。これは不要です。インフルエンザ以下の脅威に過ぎないのですから・・・。

■ 妊娠初期の妊婦はどうするかが問題 ■

妊娠初期の妊婦は免疫系に変化があるので新型コロナウイルス感染には注意が必要かも知れません。(妊娠後期は問題無い様です)

新型インフルエンザ(H1N1)の時は妊婦の死亡率が一般の方よりも高かったのでワクチン接種の必要性を否定出来ませんでしたが、新型コロナウイルスで妊娠初期の方の死亡率が顕著に高いという研究を私は見た事がありません。(ネットで)医療関係のページを見ても「注意するに越したことは無い」程度の表現が多い。

基礎疾患を持たない妊婦の方にとっては「新型コロナウイルスは風邪と同様に注意した方が良い程度の感染症」です。

ですから、安全性が不確かなワクチンを慌てて接種する必要は低い。ここは、じっくりと高齢者の方々がワクチンを打ち終わるのを待って、安全かどうかを見極めるのも良いかと思います。



最後に・・・


PCRでの新型コロナウイルスの検出を止めたならば、今、日本で新型コロナウイルスが流行していると気づく人は専門家にも存在しません。

私達は「存在しない危機」と戦っているのです。全くアホらしい・・・。まあ、グレート・リセットのツールですから、それに腹を立てても仕方が無いのですが・・・。
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2020/10/15

ソフトバンクの上場廃止予測と特別買収目的会社の設立  時事/金融危機
 

■ ソフトバンクが上場廃止? ■

ソフトバンクが上場廃止を目指しているのでは無いかとの憶測が流れています。

ソフトバンクは携帯電話の会社では有りません。投資企業です。携帯電話事業は高い通信費によって独占的に利益を稼ぎ、投資の元でを作り出す装置です。

将来有望と思えるハイテク企業の未公開株に投資して、上場時にガッポリ利益を上げるという投資スタイル。アリババの上場で8兆円の利益を上げ、やり手の投資家として世界から資金を集めるまで投資会社となった。

しかし、最近は上場株のデリバティブ取引で巨額の利益を上げるなど、「ソフトバンクはいつから上場株式の投資家になったのか?」と揶揄されています。コロナショックの株価の乱高下で利益が出る投資をしていた様です。

ソフトバンクの運用する資金は巨額ですから、相場にも影響を与えます。投資家達はソフトバンクの投資の手の内を知り違っています。一方、ソフトバンクの大口出資者達も、運用内容を知り違っています。極端にリスクの高い投資をしていないか心配なのでしょう。

「冒険的投資家」の孫さんは、大口株主や出資者が投資戦略に口出しする事を嫌っている様で、過去に何度か、上場廃止を口にした事が有る様です。今回も、その流れで、上場廃止を検討している様です。「冒険的投資」にはインスピレーションと独断が不可欠だと考えているのでしょう。

■ ハイテク企業のIPOで儲からなくなる? ■

ソフトバンクがここに来て、ハイテク企業株などの資産を整理し、上場株にシフトしているのは、株価維持の為に自社株買いの資金が必要だからとも言われています。一方、自社株買いが進めば、残りの株式に占める孫氏の比率は高くなり、上場廃止のハードルが下がって行きます。

しかし、ソフトバンクの投資戦略の変更をもう少し陰謀論的視点で観ると、市場の予測とは違った側面が現れて来ます。

ソフトバンクが将来的なIPOで利益が上げる為には、投資した企業の価値が高まっている事も大切ですが、IT企業の株価が高く維持されている必用が有ります。現在、アメリカのIT株はバブルだとも言われていすが、これが近々崩れるとするならば、ソフトバンクの戦略が根底から覆る事になります。実際のWeWorkの様な失敗例が出始めています。

ARM株の売却も、「高値で売れた」と言われていますが、売却額の一部はARM株でソフトバンクに支払われる様なので、その実態は果たして・・・。これで株価が下落したら損が出るかも知れません。

いずれにしても、ソフトバンクの経営戦略の変更は、IT株市場の将来的な危機を予想したものだと私は妄想しています。そして、その結果、ソフトバンク自身の株価も下落しますから、乗っ取りを防ぐ意味でも、上場廃止を急ぐ必要が有るのかも知れません。


■ 特別買収目的会社(SPAC)の設立を目指すソフトバンク ■

ソフトバンクは「ブランク・チェック」と呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)の設立を急いでいる様です。

1) 買収する会社などの詳細が決まっていないのに、
   取り合えず買収目的の会社を立ち上げ、上場します。

2) 投資家や個人投資家がこの「空箱会社」の株を買います

3) 集まった資金で非上場の有望な会社を買収してIPOで利益を出します。

4) 株主は配当利益を得ます


従来はプライベート・エクイティ・ファンドなどが、これに近い投資で利益を上げていましたが、それを、さらにスピーディーにし、個人投資家からも小口の資金を集める方法として注目を集めています。

ただ、出資者は「ブラックボックス」に投資をする様なもので、とにか投資をしてリターンが得られれば良い・・・そんな危うさも感じます。

現在SPACに資金が集まるのはバブルだからです。「SPACがIPOで利益を出すかもしれない」というだけで株価が上場します。バブル相場では株価が上がるから買う、買うから株価が上がるという連鎖が繰り返されます。「巨額資金を運用してアリババなどで巨額の利益を出した孫正義のSPAC」という看板だけで、実態の無い「空箱」に資金が集まり、株価が上場するから更に高値で株が売れる。まさに錬金術です。

一方、ハイテクバブル自体は昨年の半ば頃に崩壊が始まっており、コロナバブルが無ければ今頃資産市場は崩壊していたはずです。今更、ハイテク企業の買収をしたところでIPOで利益を出す事は難しい。WeWorkを例にとるまでも無く、市場は実質的に詰んでいます。

ソフトバンクにSPACの設立を急がせている連中はゴールドマンサックスなどの大口の出資者の様ですが、彼らは孫正義の看板を利用して、既に不良債権化している手持ち非常上のハイテク株価を売り抜けたいだけでしょう。

バブルが弾けて、ソフトバンク自体の経営が傾いたら買収して美味しい所だけ頂く腹づもりでしょう。だから孫さんは上場廃止に舵を切った。

尤も孫さん自身もSPACにソフトバンクの保有する非上場株を押し付ける気満々でしょう。

ソフトバンクがSPACの設立を急ぐ理由を陰謀論的に妄想すると、近い将来、ハイテク市場が崩壊して、多くのベンチャー企業が資金難から、二束三文で売りに出されるのでは無いか・・・・。そこで、今の内に資金を集めておいて、ゲットしちゃおうって戦略。その結果SPACの経営が破綻しても責任は株主の自己責任です。

■ 収穫祭が始まっている ■

1929年の世界大恐慌の原因となったNY株式市場の暴落では、アメリカの土着企業が二束三文で金融資本家の手に渡っています。日本のバブル崩壊でも、日本企業の株式の多くが、外国人投資家に買い占められました。


バブル崩壊は「仕掛け人の収穫祭」なのです。


尤も、ソフトバンクは収穫される側にも成り得る。だから、上場廃止を急ぐ必要が有るのでは無いか・・・。


本日は陰謀論的妄想を垂れ流してみました。
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2020/10/14

アニメにおける古典と前衛・・・『天晴浪漫!』と『デカダンス』  アニメ
 

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『天晴浪漫!』より


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『デカダンス』より


最近はアニメ熱が少々冷め気味でしたが、そんな私を一気に沸点越えさせる作品が二つも現れました。『天晴浪漫!』『デカダンス』

『天晴浪漫!』はハリウッドの古典的映画の魅力をアニメの中にギューーーーと凝縮してみせた。一方、『デカダンス』は前衛的な表現でSF的な興奮を堪能させてくれる傑作。この2作品を比べて「どちらが優れている」といった評価は無意味。両作品とも「表現の限界に挑む」エネルギーにおいて同等のレベルに達しており、それが確固としたアニメ表現の基礎の上のドッシリと構築されている事が、凡百の実験的アニメとこの二作品を隔てる「表現限界の壁」だと実感させられる。

一方で、富士山の如くドッシリと構えるこれら二作品に比して、一気に成層圏に突き抜ける『天元突破グレンラガン』の様な作品が存在する事が、アニメという表現の魅力なのだと再認識させる「指標」的作品とも言えます。

■ 安定した構成が、ハチャメチャな物語を視聴者に許容させている『天晴浪漫!』 ■

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『天晴浪漫!』より


明治維新、未だ侍が帯刀していた時代に、一人の発明好きの人騒がせな少年と、彼のお目付け役を申し付けられた道場の師範代が、漂流してアメリカに渡って大陸横断自動車レースに出場する話。

・・・ストーリーを要約すると「何それ??」の様な話ですが、一つ一つ丁寧にシーンを積み上げ、人と人の繋がりを綿密に構築する事で、この作品は物語の強大な推進力を生み出しています。登場人物のハートにしっかりと火が灯り、走り出したらゴールまでは止まらない。

話の基本は、ハリウッド映画でも良く有る「大陸横断自動車レース」ですが、テイストはアメリカの古典アニメの『チキチキマシン猛レース』。コッテコテのキャラが、コッテコテの自動車に乗って、時にはライバルの邪魔をしながらゴールを目指すシンプルなストーリー。

ただそこに、漂流してアメリカ船に拾われた風変りな日本人二人を「混入」する事で、埃を被った「レース映画」が見違える様な輝きを放ち始めます。これ、『Tiger and bunny』に近い手法で、『Tiger and bunny』ではマーベルのヒーロ物というジャンルに「ヒーローという仕事」という概念を導入する事で、摺り切れたジャンルに新たな魅力を生み出しています。一方『天晴浪漫!』は、「野蛮なアメリカ人のDNA」とも言える「レース物」に「発明家の日本人」という異物を混入する事で、新たな座標からアメリカ文化やハリウッド映画の古典を俯瞰して見せる。

「大陸横断自動車レース」という映画ジャンル自体が、「荒野を失踪する馬や幌馬車隊」といった西部劇のメタファーですが、『天晴浪漫!』では、時代を「ガソリン自動車の創成期」とする事で、自動車レースを西部劇の舞台の上で展開する事に成功しています。

実際にガソリン自動車が発明された時代には、「相手が先に拳銃を抜いたら正当防衛が成り立つ」様な「野蛮」な時代は過ぎていますが、そこはアニメ、違和感無く「そういう時代なのね」と納得させてしまいます。

この作品の正当な感動の仕方は、「たった二人でアメリカに放り出された日本人二人が、知恵と剣の技で活躍する」というストーリーに胸を熱くする・・・というもの。実は80歳になる母に見せたら「アニメは良く分からないけど、これなら分かるわ。次を見せて、どうなるの?」と言う位い、シンプルで誰にでも分かり易く、主人公達に感情移入がし易い。

監督の橋本昌和は「劇場版クレヨンしんちゃん」の監督として活躍された方なので「子供でも分かる」という基本をしっかりと押さえています。脚本もほぼご自分で書かれていますが、「キャラクターの肉付け」が非常に上手い。全ての登場人物に、しっかりとした背景を与える事で、彼らのエキセントリックな行動や言動を自然なものとし観客が受け入れられる下地を作っています。さらに関心させられるがの、その背景を提示するタイミングが絶妙な事。これは脚本や物語の基本でも有りますが、最初から素性が知れているキャラクターに人は興味を持ちません。「コイツ何物だよ」とか「コイツ、イカレテルぜ」と思うから、物語の先に進みたくなる。

一方で、主人公の天晴と小雨。そして彼らの理解者であるシャーレンやアル・リオン、ホトトの背景は比較的早くに、丁寧に描かれています。これらの人物に最初に実在感を与える事で、物語のコアを確立し、そこにハチャメチャな登場人物の暴れ回るスペースを作り出しています。そして、ハチャメチャな彼らの過去を最適なタイミングで明かす事で、視聴者は「ハチャメチャな物語を許容」して行く。


■ 『チキチキマシン猛レース』に散りばめられたハリウッドの古典映画 ■

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『チキチキマシン猛レース』より

『天晴浪漫!』を一言でいえば『チキチキマシン猛レース』のリメイク。昭和40年生まれの私の世代には懐かしいアメリカのアニメです。ブラック大魔王が、あの手この手でレースを妨害して勝利しようとしますが、いつも失敗して助手のケンケンがシシシシーーーって笑うアレです。

レースが物語の軸として一本通っているので、そこに様々な要素が加わってもブレが無い。後半は殆ど西部劇となりますが、名作西部劇へのオマージュが散りばめられています。さらに、そこにカンフー映画的な要素と、チャンバラ活劇的な要素が加わって、最高のエンタテーメントを提供しています。

どのシーンも見事なのですが、私は鉄橋爆破のシーンで、ソフィアを載せたまま走り去る列車のシーンでゾクゾクしました。絵コンテは岡村天斎だったかな。

OPの映像も素晴らしい。


『天晴浪漫!』OPより

OP詐欺みたいな作品の対極にあるOP。短い時間の中で、作品のテイストを的確に提示し、さらに登場人物を紹介する。リズムにシンクロさせたテンポ良いシーンの切り替え。これこそ、アニメのオープニングの見本です。


最後にこの作品はP.A WORKS作品。「働く女の子シリーズ」で定評のある会社ですが、『有頂天家族』とこの作品は見事です。京アニよりも作風が固定されていないのがPAの魅力。


■ 異世界物に対するSFの逆襲・・・『デカダンス』 


『デカダンス』OP より

OPで比較すると『デカダンス』は『天晴浪漫!』とは対照的です。これを観ただけでは、この作品の内容は全く予想出来ません。

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『デカダンス』より

『デカダンス』・・・私、実は1話冒頭で一回視聴を中止しちゃったんです。なんか『ガルガンティア』みたいだなと思って・・・。これ、間違いでした。どなたか、拍手コメント欄で「デカダンスはどうですか」みたいなコメントを下さったので、慌てて見直したら・・・傑作でした。作品紹介が遅れたのは、一気に観たいので、放映終了まで視聴せずに温存していたから。こういう作品って、次が気になって仕方無いじゃないですか。

人類が衰退した未来。人々は分厚い装甲に囲われた自走式都市の閉じこもって生活しています。歳はガドルと呼ばれる謎の生物の攻撃に晒されています。人々の中の戦士と呼ばれる人達がガドルと戦い、ガドルの肉は人々の食料となって生活を支えます。

実はガドルと戦っているのは「タンカー」と呼ばれる残存人類だけでは有りません。ガドルが現れるとギアと呼ばれる肌の青い戦闘集団が現れ、ガドルと戦います。ギア達は戦力も豊富で強い。タンカーとギアの交流は有りませせん。ギア達はデカダンスの上層部に住んでいて、タンカー達は低層部のバラックに住んでいる。

父親をガドルに殺され、自身も右腕を失ったタンカーのナツメは、戦士になる事を夢見ています。しかし、片腕の彼女は外壁修理工の仕事にしか就けません。そこで出会ったのが親方のカブラギ。クールでどこか達観した感のあるカブラギですが、彼の生活は徐々にナツメに振り回される様になる。そして、ナツメはカブラギが以前は凄腕の戦士だった事を知るのです。


<ここからネタバレ>

ネタバせずにこの作品を評論する事は出来ないので、視聴を予定されている方はここから先は読まないで下さい。

『デカダンス』は世に蔓延る「異世界転生物語」のSF的アンチテーゼです。

「異世界転生物語」はゲーム好きの夢の世界であり、同時に逃避場所でも有りますが、その原点は『ソードアートオンライン』の様なSFに有ります。(神話などを除けば)

『ソードアートオンライン』はフルダイブ型バーチャルゲームで、プレイヤーがゲーム世界に没入し、ゲーム世界をあたかも現実世界の様に知覚する設定。これを「死による転生」に置き換えたのが「異世界転生物語」。

仮想現実によるバーチャル物としては『マトリックス』が思い浮かびますが古典は『トロン』でしょう。オリジナルの『トロン』はサイバー空間を描く事を目的としていたので、ワイヤーフレームで表現され、それを現実と錯覚する事は有りません。一方、『マトリックス』のサイバー空間はかなり「リアル」で、人々はそれを「現実」と錯覚して生活しています。

これらの古典的なサイバー空間物に対して、『デカダンス』は世界をひっくり返して見せます。ゲームの世界が現実で、ゲーマーはサイバー空間に存在する。

人類は旅か重なる戦争で疲弊し、サイボーグとして新たな生を生きています。AIに完璧に管理された戦いの無い世界、エネルギーを補充し続ければ死も存在しない世界の最大の娯楽はゲーム。サイボーグ達は、素体と呼ばれる「生体」に意識を転送する事で、ガドルを撃退して要塞を守るという「デカダンス」というゲームに興じています。

ゲーム世界に転送される「異世界転生物語」の中の人達は「バーチャル」ですが、『デカタンス』ではゲームの中の人こそが「リアル」という逆転には驚きます。

この逆転は、「ゲームキャラにこそ生物としてのリアルが有る」という逆転の現実を視聴者に突き付けます。

「異世界転生物語」は主人公がゲームの中の人となる事で、ゲームの中の人を「リアル」と認識する構造ですが、『デカダンス』ではゲームに転生(転送)されるゲーマーの方が生物としてのリアルを失っています。彼らは死んだらログアウトするだけのバーチャルな存在ですが、タンカーの死は生物学的なリアルな死です。

この作品の主題は「リアルとバーチャルの逆転」なので、この構造が分かった時点でSFとしての物語の90%は終わったも同然ですが、映画やアニメはエンタテーメントとして、この設定を使って人々に感動を与える必要が有ります。

『デカダンス』は、AIに管理された世界へのサイボーグ達の反逆と、タンカーと呼ばれるリアルな人類との融和を終点とする事で、物語を成立させています。

■ 作画のカロリーをリアルな世界に集中される裏技 ■

『デカダンス』はアニメファンには「踏み絵」となる作品です。特に「作画厨」などと呼ばれる作品の表面しか評価しないファンは振り落とされる。

『デカダンス』のリアル世界は非常にクォリティーの高い作画によって構築されます。戦闘シーンの動画も素晴らしい。一方、サイボーグ達の世界は手艇的にマンガ的・記号的に描かれます。これはアニメという表現様式の本質に迫る表現でも有ります。「アニメ=キャラクターの記号化」と捉えるならば、キャラクターは単純な四角でも丸でも構いません。『鷹の爪』や『古墳娘のコフィーちゃん』や『石膏ボーイズ』が良い例です。記号に声優さんのセリフが付けば、人はキャラクターとしてそれを認識し、感情移入が可能です。

しかし『デカダンス』ではリアルな絵柄と簡略的な絵柄が同居しているから視聴者は違和感を禁じ得ません。『サマーウォーズ』の様に、簡略的な絵柄が「バーチャル空間」のシンボルとなっているならば受け入れ易いのですが、『デカダンス』ではシンプルな絵柄の世界も「リアル」とされるので、それを受け入れられない人が少なからず発生する。さらには、シンプルな絵柄とリアルな絵柄が同じリアルとして同居する場面まで有るので、ライトなアニメファンは「こんなのあり得ない〜〜」と、その時点で作品自体を否定してしまいます。

多分、タンカー側のリアルなシーンの作画クオリティーを限られた予算で追及する為の苦肉の策だったのだと思いますが、これは製作サイドとしても大きな賭けだったと思います。結果的に現在のアニメファンのレベルを図るバロメーターの様な作品となってしまった。

多分、サイボーグ世界もリアルな絵柄で描いたならば「大傑作だ!!」と褒める人が続出したでしょう。私はこれを「勿体ない」とは思わない。シンプルな絵柄で挫折する様なファンの評価などゴミに等しいから。

その意味において、作品が視聴者を選ぶ『デカダンス』は、アニメという記号で成立する映像表現の本質をも追及する意欲的な作品なのだと私は評価しています。これはヌルヌル動く上質な動画をファンに提供する「ユーザーフレンドリーなアニメ作品」では無く、SFとしてのアイデアを視聴者に問う作品なのですから。


監督は『モブサイコ100』の立川譲。有能ですね!!


『天晴浪漫!』と『デカダンス』の2作品の前に、2020年夏アニメの他作は別の地平に取り残されています。それが例え『とある魔術師の超電磁砲T』であっても『ソードアートオンライン・アリシゼーション』であっても・・・。



この二作品に対抗出来るのは『彼女お借りします!』『ピーターグリルと賢者の時間』『魔王学園の負適合者』しか無い(3作品も有るじゃないか)。これらの作品はアニメを視聴する少年少女(年齢は問わず)のリビドーに素直な点で評価出来ます。これはこれでアニメらしい。

特に『彼女お借りします』は・・・あの終わり方は次が気になって仕方ないじゃないか!!続巻をネット版で全話買っちゃったじゃないか!!講談社のワナにしっかり嵌っちゃったよ!!
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