2021/2/10

コメント欄では長すぎるので、こちらで。  分類なし
鍛冶屋さん

「まだ金属通貨がーー!!」って言われそうなので捕捉
します。私も信用通貨は理解していますし、通貨が小口
の国債と同等のものである事も理解しています。通貨が
小口の国債であるならば、市中に流通する通貨は国債を
発行すればする程増える。

ならば財政を拡大すれする程、国民の資産は増えるの
か・・とい点ですが、MMT派も指摘する通り、供給制
約の範囲でという条件が有ります。これは即ち「インフ
レ率が上昇しない限り」という事になります。

インフレ率が単純に通貨供給量によって決まるのであれ
ば、マネタリーベースの調整や財政支出の調整でコント
ロール可能ですが、実際の世界はそれ程単純ではありま
せん。現に、異次元緩和の結果円安が進行した際に日銀
と財務省は1ドル125円を円安のボーダーラインとし
ていました。これ以上円安が進行すると輸入物価が上が
りインフレが進行してゼロ金利の維持が難しくなるから
です。この時は運よく原油価格が低下したのでインフレ
率の上昇は収まりましたが、財務省はダメ押しで消費税
率を引き上げて景気にも水を差しています。

為替は中長期的には定量的に動きますが、短期的には別
の要因でも変動します。「有事のドル買い」の様に、世
界情勢にも影響を受けますし、リーマンショック後の為
替市場の混乱の様に経済システムの影響も受ける。そし
て為替は勢いが付くと過剰に変動します。

通貨高は意図的に通貨を過剰発行すれば抑え込む事は可
能ですが、通貨安に政府も日銀も打つ手を持ちません。
一般的には金利を上げる事が通貨防衛となりますが、金
利が上ったら「ゼロ金利」という財政上のモラトリアム
が失われてしまいます。

MMT支持者がどう理解していようが、現在の状況で日
本で金利上昇は始まれば、財政の継続性が疑われて為替
市場で円は確実に売られます。当然、日本国債も売ら
れ、国債金利も上昇します。「日本は自国通貨建ての国
債だから破綻しない」と訴えた所で、円が下落するので
すから円建ての国債など持っているだけ損をします。

いやいや、日本国債の保有者は日本の金融機関だから大
丈夫とおっしゃりたいと思いますが、現在の日本国債市
場の売買における外国人投資家の比率は相当に高くなっ
ています。これは、為替変動による利益が得られない国
内の金融機関と違い、海外勢は円高による為替差益が期
待出来るからだと私は考えていますが、さらには先物の
売りポジションなど金利変動の有る長期国債では利益を
出す方法が存在するからです。

私はMMTはこの様な経済や貨幣システムの「動体」と
しての動きに非常に鈍感な理論だと捉えています。ドマ
クロ以上のマクロ経済学。

通貨危機などというのは非常に短期間にヒステリックに
進行し、それを利用して利益を得ようとするハイエナん
ぼ餌食になります。

国家の信用度は、その国の企業の信用に直結します。日
本政府が「国債ならいくらでも発行出来る」などと言い
出したら、海外の企業は日本の金融機関との取引を瞬時
に停止するでしょう。これも経済の現実だと思うのです
が如何でしょうか。

尤も、現在に日本政府と日銀の様に「ステルスMMT政
策」をこっそり実施する分には市場は寛容です。「こい
つらズルしてるーー!!」って騒ぐと金融市場が混乱し
て損するだけですから。さらにはコロナショックで世界
中が「日本化」してしまったので、今更中央銀行が国債
を引き受けた所で誰も文句は言いません。金融市場に資
金が流入する限りウェルカムだからです。

ただ、それ故に、市場は肥大化してやがて限界を迎えま
す。その時に様々な歪が一気に解放され、通貨システム
も当然混乱するハズです。ここで「ルールブレイカー」
が発動して、通貨システムは次のステージに変化すると
いうのが私の妄想です。
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