2017/10/15

マンガって面白いよね・・・『アシガール』  マンガ
 

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『アシガール』より

■ 酔った勢いで『アシガール』をゲットした ■

アニメの続きが読みたくて『ボールルームへようこそ』を3巻目から買って家族から大ヒンシュクを受け、仕方なく1、2巻を買う時に、その隣にあった『アシガール』も酔った勢いで買ってしまいました。

目がクリクリした「女子高生」が何故か「足軽」の恰好をしている表紙・・ずっと前から気になっていたんですよね。もう、買え買えオーラがパナイ。

作者は『ごくせん』の森本梢子。2012年の連載開始ですから新しい作品ではありませんが、最近はNHKでドラマ化された様で、本屋の映像化作品のコーナーに展示されて目に触れる機会が多くなったのでしょう。

■ 「若君が好き」という一点突破で突っ走る面白さ ■

<ここからネタバレ注意>

無気力だけど足だけは速い16才の女子高生の「速川 唯」は、弟の発明したタイムマシーンで戦国時代に飛ばされてしまいます。彼女は敗走する足軽達のただ中で目が覚めますが、突然現れた女子高生は、足軽の少年と間違えられて、怪しまれもせず集団と行動を共にする事に。暗闇で見ると、ミニスカの制服は足軽の具足にシルエットが似ている・・・。

手際よく具足も手に入れた唯ですが・・・さすがに身元査証がバレそうになり、こっそりと集団から抜けて山中に逃亡。そこで出会ったのが眉目秀麗な黒羽城の城主の嫡男「羽木九八郎忠清」。出会った瞬間に心を奪われてしまいます。

夢見心地でついつい足軽の集団に戻ってしまった唯ですが、身元を詐称した農家の母親が迎えに来たからさあ大変。・・・ところが、この母親、何故か唯を我が子「唯之助」として家に連れ帰ります。必死の形相の唯を放おっておけなかったのです。美人で気丈の母親は、唯を我が子同様に厳しく扱い、家事を教え、城内の事を教えます。

戦国の生活にも少し慣れた一月後の満月の夜、唯は若様や新しい家族に後ろ髪を引かれるも、現代に帰る決心をします。タイムマシーンの発動条件は満月の夜なのです。

現代に戻った唯は、羽木九八郎忠清が討ち死にした史実を知ります。戦国時代の人物ですから死んでいて当然ですが、若様は唯が飛ばされた時間の直後に死んだと知ると、唯はいてもたっても居られません。弟に頼んで再び戦国にタイムトリップします。土産は白いお米と、駄菓子と携帯ゲーム機。

彼女は若様を守る為には、戦場で若様の傍に居る必要があると考え、どうにかして若様付きの足軽になろうと奮戦します。「若様が好き」という気持ちだけで突っ走る唯でしたが、超ポジティブ思考と、足の速さだけで、一歩、一歩目的に近づいて行きます。

■ マンガならではの面白さ ■

マンガの面白さは「何でもアリ」の面白さ。女子高生が戦場の真ん中で恋に落ちてもマンガならOK。いや、むしろツカミはバッチリ。

但し、これが面白い作品になるかどうかは作者の力量に掛かって来ます。どんなに荒唐無稽な話であっても、読者が共感する物な無ければヒット作とはなりません。

私は共感を生むのはある種の「リアリティー」だと思うのですが、「そうそう、こういう人居るよね」とか「そうそう、こういう事あるよね」と読者に思わせる細かな描写をチョコっと描けるかどうかが重要です。

『アシガール』の作者森本梢子は、こういう「ちょこっとしたリアリティー」の付加が上手な作家だと感じます。ポンと出て来て使い捨ての足軽のキャラでも、どっかに居そうなオッサンで、親近感があったり、城の人々は、大河ドラマに出て来そうな人達だったり・・・。

作家によっては丁寧な人物描写の積み重ねでリアリティーを生み出しますが、森本梢子の場合は「テンプレ」を上手にはめ込む事で一瞬でリアリティを生み出す省エネタイプ。

ただ、この作品、リアルを追及するのではなく、本質はあくまでもラブコメ。とにかく唯の思い込みと勘違いと直感と猪突猛進的な行動力がポンポン繰り出しすテンポを楽しむ作品。しかし、その合間合間に妙にリアルな一瞬が挿入されるから、読者は戦場で駆け回る女子高生という非常識な存在を自然に受け入れてしまいます。

「アリエナイけど、あり得るかも」と錯覚させる能力は、マンガというシンプルな絵柄が作り出す最大の武器です。女子高生の制服と、足軽の具足が似ている・・・これを読者に納得させるのに文字を媒体とする小説では難しい。一方、実写では違いの方が際立ってしまいます。漫画ならばシルエットを並べて描くだけで読者は一瞬で納得すると同時に・・・その組み合わせに爆笑する。

この様な「マンガならではの細かな技巧」がギューっとテンポ良く詰まっているのが『アシガール』です。


カラリと面白い作品なので、家内に勧めたら・・・一週間たっても一向に読む気配がありません。先日、私の誕生日に「僕へのプレゼントだと思って読んで感想を聞かせて」と強要したら・・・
数時間後のメールは「今夜は牛タンでゴザル」と来たもんだ。

帰宅した時には8巻全てを読み終えて、なんだか「ゴザル」が会話の語尾に付いていました。そして、翌朝にはネットで続きのネタバレまで読んでいた・・・・。

昨日、フラリとアパートから帰宅した娘も、家内の勧めで読み始めて・・・2巻を一瞬で読み終えて「バイトがあるから私帰るね」とあっさり続きを全部、鴨川に持って行ってしまった・・・。


『アシガール』恐るべし!!


<追記>

気付いたら、ここ数年、女性作家の漫画しか買っていない・・・。

『応天の門』灰原 薬
『レディー アンド ジェントルマン』オノナツメ(つい先日女性だと知りました)
『WOMBS』白石弓子 (日本SF大賞受賞、おめでとう!!)
『不滅のあなたに』『聲の形』大今良時
『ボールルームへようこそ』竹内友
『BEASTARS』板垣巴留
『式の日』〜『僕のジョバンニ』穂 積
『海街diaryシリーズ』吉田秋生
『シュトヘル』伊藤悠
『ちはやふる』末次由紀
『駅から5分』『花に染む』くらもちふさこ
『雑草たちよ大志を抱け』池辺葵
『市川春子 作品集』
『ゴロンドリーナ』『IPPO』えすとえむ  (今、記事を書いていて女性だと知りました)
『水域』漆原友紀        (今、記事を書いていて女性だと知りました)
『ピアノの森』一色 まこと   (先日女性だと知りました)
『この世界の片隅に』こうの史代

うーん、『銀の匙』『あひるの空』『ファイアパンチ』と『波よ聞いてくれ』以外は見事に女性作家なかりだ・・・。

私の買うマンガの女性作家って、性別不明のペンネームの方が多いんですよね。絵柄も性別不明のものが多い。だから意識して女性作家の作品を買っている訳では無いのですが・・・。男性作家の作品って単調なものが多いからかな・・?


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