2012/7/22

放射線で人が死ぬのは許せなくても、停電で人が死ぬのは許せる人々・・・・身近なリスクに鈍感な大衆  福島原発事故
 



■ 大飯原発稼動で、火力発電6(8)基を停止した関西電力 ■

中日新聞の記事から全文引用します。

<引用開始>

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012071890094758.html

関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力 

2012年7月18日 09時49分

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政府の節電要請から16日までの2週間の関西電力管内の電力需給で、最大需要は2301万キロワットにとどまり、出力118万キロワットの大飯原発3号機(福井県おおい町)が再稼働しなくても、供給力を9%下回っていたことが分かった。猛暑となり17日の最大需要はこの夏一番の2540万キロワットに達したが、10%以上の供給余力があった。政府は夏場の電力不足を理由に強引に大飯原発の再稼働に踏み切ったが、節電効果など需要の見通しの甘さが浮き彫りになった。

 関電は5月にまとめた試算で、原発ゼロのままなら7月前半は8・2%の供給力不足が生じるとし、再稼働の必要性を強調した。政府は大飯の再稼働を決めた上で、関電管内に猛暑だった2010年夏比で15%の節電を求め、3号機のフル稼働後も節電目標を10%に設定している。

 政府は2日に節電要請を開始。関電の資料などによると、16日までの2週間の最大需要は10年同時期と比べて平均で12%低下。最大需要の2301万キロワットを記録した瞬間は供給力を344万キロワット下回り、大飯3号機の118万キロワットを差し引いても余裕があった。需給が最も逼迫(ひっぱく)した時間帯でもさらに209万キロワットの供給が可能だった。

 一方、関電に平均36万キロワットを融通している中部電力も2週間の最大需要は2139万キロワットで、供給力を9%下回った。中電管内の節電目標は当初は5%で、現在、4%に設定されているが、安定した供給体制を確保している。

 関電広報室の担当者は「雨や曇りの日が多く供給が安定したが、今後は気温が平年より高くなるとの予報がある。大飯原発4号機が稼働しても需給の見通しは厳しい」とコメント。中電広報部の担当者も「火力発電所のトラブルリスクなどがあり、電力供給は厳しい」と話した。

 千葉商科大の三橋規宏名誉教授(環境経済学)は「政府や電力会社が、原発を再稼働させるため、電力需要を恣意(しい)的に過大に見積もった結果だ。今後、猛暑になっても電力は足りると思うが、脱原発の機運を高めるため、引き続き企業と家庭で節電の努力が必要」と話した。

<引用終わり>


■ 関西電力意の夏場のピーク電力を無視した暴論 ■

上の報道を受けて、多くの脱原発派の方々は
原発を稼動しなくても関西電力管内は大丈夫と主張されています。

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http://www.env.go.jp/air/report/h17-02/02-3.pdf より

上のグラフは平成18年(2006年)までの関西電力のピーク電力です。

年度によってピーク電力にバラツキがあるのは、
その年の最大気温が影響しています。

2006年までの関西電力管内での最大のピーク電力は
2002年の役3300万kwです。

近年、省エネ化が進んでいると言われていますが、
2010年、単年のデータがあったので載せておきます。

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http://www.jgnn.net/ls/2012/05/post-4684.html より

@ 2010年の関西電力管内のピーク電力は約3000万キロワットです。

A 10%節電したとして、関西電力のピーク電力予測は2700万kwです

B 中日新聞の記事で17日のピーク電力は2540万kwです

C グラフは16日までで、14,15,16日は三連休で消費電力が少ない

D 17日よりさらに160万kwの上積が発生する可能性があります。

D 300万kwの火力発電所を止めているので、140万kwの余裕がある

17日はウィークデイで、気温も33度程度まで上昇しましたが、
関西電力管内の方々の節電努力で2540万kwのピーク電力でした。
気温が仮に、35度を超えて行くような日があれば、
クーラーの使用確率が高くなるので、ピーク電力が一気に増大する可能性があります。

これを無視して、中日新聞は
原発を稼動しなくても電力は209万kwも余っていたと書いています。




はっきり言います。
バカです。



■ 関西電力は余剰発電量を500万kw程度に想定しているのでは? ■

一般的に電力需要が増大して、電力供給が不足してくると、
電流の周波数が低下してきます。
(発電機の付加が増大する為でしょうか)

発電所では交流電流の周波数を一定に保つように運転する事によって、
電力の需給が安定します。

電力需要の短時間の増大に対して、
火力発電所は出力調整が可能ですが、
原子力発電所は出力調整が簡単には出来ません。
これを実験して大事故を起こしたのがチェルノブイリです。

上の1日のピーク電力の変動を見ても分かる様に、
使用電力の総量は、時間と共に刻々と変化します。

@ 関西電力では、約400〜500万kwの発電力の余裕を見ている

A 使用電力量の20%程度の余裕を見込んでいると思われる

B 10%省エネが実現した場合、ピーク電力を2700万kwと仮定する

C 20%の余剰発電量を確保すると3240kwの供給力が必要

D 大飯原発を稼動しなければ、余剰電力はほとんどゼロ。

E 原発を稼動しなければ、突然の大規模停電を覚悟する必要がある

F 大規模停電を防ぐ為には、計画停電を実施しなければならない


■ 行政も電力会社も大規模停電を絶対に許されない ■

関東では計画停電は経験済みです。

停電エリアでは以下の事態が発生しました。

@ 信号が全て消える

A 電車が全て止まる

B 病院には予め電源車を派遣する

D 工場もオフィスも機能を停止

関東の場合は計画停電でしたから、
仮定でもオフィスでも工場でも大きな問題は発生しませんでした。


しかし、これが広域で、突然発生したらどでしょう。

@ 信号が突然止まり、交通事故の危険が高まる

A クーラーの効かない暑い電車の中に閉じ込められる

B 病院なども、バックアップ電源が無い施設では医療機器がストップする

C 職場のコンピューターが突然落ちる

D 工場のラインがいきなり止まる

E エレベーター内の閉じ込めが各所で発生する

F 気温が最高の時に高齢者家庭も含めエアコンが使用出来ない


関東の計画停電は、3月でした。
気温は寒いくらいの時期です。

さて、真夏の盛りの日中に突然大規模停電が発生したらどうでしょう?

@ 高齢者の方には熱中死する方が出てくる。

A 半導体のウエハースや化学工場などでは、停電時に多くの損失が発生する

B 医療機関で事故が発生する可能性がある

これらの責任は誰が負うのでしょうか?
電力会社でしょうか?
政府でしょうか?

昨年、九州だったと思うのですが、停電が発生し、
半導体のウエハーを製造する工場が多額の損失を被りました。
この企業は当然、電力会社に損害請求をしています。

こんな請求が、大量に電力会社に押し寄せたら、
電力会社が破綻するかもしれません。

では、政府がこれを肩代わりするのでしょうか?
それは私達のい税金である事を忘れてはいけません。


■ 身近な原因の命の損失は無視できるのに、放射線による命の損失は無視出来ない ■


この様に、脱原発、反原発を訴えるということは、
それが原因で人が死んでも構わないという事に等しい。

しかし、人々は、予想できるリスクによる死に寛容です。

老人が熱中症で亡くなっても
「あの日は暑かったからね、かわいそうだったね」で済ませてしまいます。

交通事故で誰かが亡くなっても
「車は本当に恐いよね。あんたも気をつけなさいよ」で済ませてしまいます。

ところが、福島原発事故の放射線では、
未だに誰も死んでいませんし、
将来においてもその影響はICRPの予測などよりは軽微です。
(多分、将来的にも一人も死なないのでは?)

それなのに、脱原発の為には、夏場の停電もやむを得ないと人々は言います。


それでは彼らは街頭に出て、

「停電で熱中症で老人が真でも、原発を止めるぞー」
「停電で病院で人が死んでも、原発絶対止めるぞー」
「停電で交通事故が起きても。原発なんていらなーい」

そう叫べるでしょうか?

私には反原発、脱原発のプラカードを持つ人に群れが
こう叫んでいる様にしか見えません。

■ いざ停電で人が死ねば、電力会社と政府に責任転嫁する人々 ■

ところが、仮に停電で死者が出た場合、
人々は、これまた電力会社と政府を批判します

「原発ばかり作って、火力発電の整備を怠った電力会社を潰せー」
「原発停止を黙認し、危機管理を怠った政府を潰せー」
「原子力も要らないし、停電もイラナイーーー」
「電力料金の値上げなんて、絶対に認めないーーーー」

まあ、多少誇張はありますが、
原発事故以来の大衆の行動を見ていると、
多分、これに近い事が起きるでしょう。

■ 脱原発・反原発のデモに行く前に、エアコンを捨ててて、TVを捨てよう ■

私は個人の意見としては脱店発も反原発も大いに結構と思っています。

私自身、ICRPの防護基準が緩和されなければ、
原発は再稼動すべきでは無いと考えています。

しかし、そういった事を口にするならば、
先ず、自分が率先してクーラーを捨てるべきです。
電力を大量諸費する大型TVを捨て、14インチくらいの液晶TVにすべきです。

個人の権利を手放さずに、公共の福祉は実現しないのです。

自然エネルギーがあるじゃないかと言う人は、
現在の2倍以上の電力料金を負担してから言ってください。
孫さんが、大喜びする顔が目に浮んで来ます。

■ 想像力を失った大衆 ■

電力会社の社員の方は、日々電力の安定供給の為に努力されています。
台風などで停電になれば、暴風雨の中、復旧作業に勤めます。
そうした、目に見えない、彼らの日夜の頑張りで、
私達の生活が支えられていることに、ほとんどの人は気付かないのです。

(反原発の方は、「それは下受けの社員だ」と言うのでしょうが・・・。)

こうした当たり前の現実を、想像する力を失った人達は、
何故か、存在しない放射線の恐怖を想像しまくります。

TVや新聞なんてウソだらけだと言う一方で、
TVや新聞の情報を、都合良く解釈しています。

今回の中日新聞の記事も、
しっかりグラフを見て、
しっかり記事の内容を検討すれば、
17日はたまたま大丈夫だった程度の記事です。

多くのブロガーがこの記事を、
鬼の首を取った様に紹介しています。


あまりに頭に血が昇ったので、
本日は少々過激な記事になってしまいました。



ちなみに、我が家はエアコンもTVもありませんから、
こうしてブログで好き勝手を書く事に問題は無いと思います。

今年も暑い夏がやってきます・・・。
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2012/7/24  19:29

 
敬愛する『人力でGO!』さんのブログの記事に↓こういうものがありました。放射線で人が死ぬのは許せなくても、停電で人が死ぬのは許せる人々・・・・身近なリスクに鈍感な大衆>この様に、脱原発、反原発を訴えるということは、>それが原因で人が死んでも構わな 


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