2021/4/23

戦争代替としての「コロナ禍」・・・リセットの口実  時事/金融危機
 

■ 「行き過ぎた経済」と過剰債務 ■

陰謀論的には「コロナ禍」は仕組まれたもの以外に、このバカげた事態の納得出来る理由が見当たりません。では、何故こんな茶番が必要なのか・・・。

過去にも「世界大恐慌」など、「行き過ぎた経済活動の破綻」が起きた事が有りました。当時も現在同様にグローバル化は帝国主義経済圏の中で相当に進んでいた。

「行き過ぎた経済活動の破綻」とは「過剰債務」と言い換える事が出来る。世界大恐慌の引き金となったのは、NY株式市場の大暴落ですが、個人が信用取引で過剰債務を抱え込んでいた。国家も日本を始め戦争によって過剰債務を抱えており、国債の消化に苦慮していました。

現在も非常に似た状況で、肥大化し過ぎた金融部門と、リーマンショックとコロナ禍によって財政を拡大した政府部門が過剰債務を抱えています。

■ 戦争のドサクサで借金をチャラにする ■

「世界大恐慌」に際しては、各国は一時は「金兌換」を復活して通貨防衛に走りましたが、日本は高橋是清が金兌換を停止して、日銀が国債を買い入れる政策を発動します。日銀の国債買い入れは緊急処置として、将来的んは銀行に国債を購入させる予定でしたが、安定財源を確保したい軍部は226事件を起こして、高橋是清を殺害し、国債買い入れは継続されます。こうして、日本は軍備拡張に歯止めが掛からなくなり、戦争へと突入して行きます。

戦争によって大量の国債や軍債が発行されますが、国民はせっせと国債や軍債を買い込んだ。軍国切手などを発売して、子供の小遣いまでも巻き上げた。

政府の借金(国債)は国民の資産となった訳ですが、戦後、政府の借金は高インフレによってチャラにされた。母方の曽祖父は、せっせと働いて稼いだお金で国債や軍債を購入し「ここかrく見える山は全部買える」と豪語していたそうですが、戦後、それらは無価値となってしまった。尤も、軍債を購入している時点でも過剰発行されたものなので、価値など無かったのですが、統制経済化では物価は固定され、インフレは闇市場で観測されるのみでした。

この様に「過剰債務」はいずれ「借金チャラ」によって解消されますが、その切っ掛けに「戦争」が便利に使われて来ました。

一般的には「経済が破綻したから経済圏拡大と資源獲得の戦争が起きた」と表現されますが、陰謀論的には「戦争を起こして、破綻を起こしたシステムを破壊した」と考えられます。


■ 「コロナ禍」という現在の戦争と「統制経済」 ■

「コロナ禍」によって世界の経済はストップしています。どの国も政府がお金をバラマキまくっているので、経済が回っている様に錯覚していますが、個人商店を始め、経営は既に成り立っていません。

日本では昨年5月から不渡りを2回出しても「倒産」と認定されない様に法改正がされましたが、手形が落ちない企業がゴロゴロしています。

政府が国債を発行して、国民や企業にお金を配り、それによって経済が回っていますが、これはハッキリ言って「統制経済」と同義です。コロナ禍でもGDPの減少率はある程度抑えられていますが、それは政府支出によって支えられている。


バイデン政権にななって、アメリカは中国への風当たりを強めています。これをして、「米中戦争か?」などと言う人も居ますが、既に現状が「コロナ戦争」である事に気付く人は少ない。


■ 「戦争」による徹底的な破壊が「リセット」には不可欠 ■

戦争を「悪」と決めつけている人達には理解出来ない事ですが、戦争には多くのメリットがあります。

1)不効率化した既存システムの破壊
2)古い製造設備の破壊
3)余分な人口の削減
4)政府債務をインフレで解消する

戦争による破壊は、次の成長への原動力となる事が多い。日本の戦後復興が良い例でしょう。

現在は「行き過ぎた資本主義」が袋小路に入り込んだ時代です。主流派経済学は、経済成長の為にお金をバラマキ続けましたが、それはバブルの生成と破壊を繰り返す結果を生み出した。

リーマンショックによって破壊の影響は、金融や通貨システムそのものを脅かす様になり、コロナ禍によるバラマキによって、崩壊は確実なものとなりつつある。これを結果と考えるのが常識人ですが、陰謀論者はこれを「目的」と考える。


■ 国民を徹底的に苦しめる緊急事態宣言 ■

日本でも3度目の緊急事態宣言が出され様としていますが、「飲食店でのアルコール提供の禁止(昼間も含む)」や「百貨店への休業要請の検討」など、かなりキビシイものとなっています。

一方で世間を見渡せば、CPR陽性者は増えていますが、電車で咳をする人は殆ど居ません。重症者や死者が増えていても、その殆どは後期高齢者です。コロナ以外の要因でも、亡くなるリスクは高い。

国民もコロナ慣れして、「怖がって見せる」のがマナーとなっていますが、心の中ではコロナを恐れてはいません。マスクこそしてはいますが、高齢者も含め、普通に外出して、電車にも乗っています。

結局、政府も自治体も、やらなくても良い「緊急事態宣言」を政治的パフォーマンスとして利用しているに過ぎません。その代償は非常に高く付きますが、何故かそれは無視されています。


■ 「戦時に生きている」という危機感を持て ■

「コロナが終われば」というのは「戦争が終われば」と同義ですが・・・第二次世界大戦の結果起きたのは高率のインフレでした。

多分、「コロナが終わった」時、同様にインフレ率は上昇します。経済成長が予測されるからです。既に市場はそれを織り込み済みですが、音楽が鳴り続ける限り、市場は動き続けます。

株式市場の値動きが激しくなっていますが・・・崩壊はまだ遠い雷鳴程度。


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2021/4/12

デリバティブ残高から見る世界・・・リスク回避が始まっている?  時事/金融危機
 

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■ 日本のデリバティブ残高 ■

日銀のホームページに日本のデリバティブ残高の統計が出ていたので、グラフ化して、ついでにアメリカのマネタリーベースを重ねてみました。(グラフの縦軸の単位が異なるので注意)

2020年末で66兆米ドル程のデリバティブ残高が有ります。グロスではプラスが6600億ドル程度、マイナスも6600億ドル程度となっています。この数字が大きいのか、小さいのか、私などには判断が付きませんが、ドイツ銀行が1行で抱えていたデリバティブ残高は一時期は50兆ドルに達しています。(グロスでは200億ドル程度)

日本の金融機関は保守的ですから、海外の金融機関に比べればデリバティブ残高を積み上げてはいない様です。

■ デリバティブとは ■


金融素人の私達には理解が難しい「デリバティブ取引」。日本語では「金融派生商品」と呼ばれています。

1)リスクを回避する為の取引
2)リスクを取って利益を拡大する為の取引

1)は為替リスクを軽減する様な取引(為替予約)が代表的な例でしょう。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などもリスク回避のデリバティブ取引です。

この様なリスク回避の取引の裏側には、リスクを取る取引も存在します。例えばCDSはリスクが意識されると金利が上昇しますが、この金利を積極的に取りに行く投資家も居ます。

リスクが高まるとデリバティブ商品の価格が下がります。デリバティブを大量に保有する金融機関は含み損が膨らみます。例えばドイツ銀行は200億ドルのグロスのデリバティブを保有していましたが、総資産は230億ドルでした。危機の際には保有債券なども値下がりしますから、債務超過に陥る可能性が高まります。(ドイツ銀行はその後デリバティブ残高を減らしていますが)

デリバティブ取引自体は、金融取引のリスク軽減の為に重要な役割を果たしていますが、危機が顕在化すると、デリバティブ自体が危機の元凶になる事も有ります。


■ 狂った様な金融緩和の割りに、デリバティブ残高はあまり増えていない ■

試しに日本のデリバティブ残高にアメリカのマネタリーベースを重ねてみましたが、緩やかな相関が見れられます。米マネタリーベースが減少する時は、デリバティブ残高も減る傾向にある。

では、コロナ禍の狂った様な金融緩和が行われている昨年来はどうかと言えば、昨年末までの統計では、日本の保有するデリバリー残高は、それ程増えてはいません。株価の上昇などに比べると、伸び率は鈍い。

これが何を意味するか・・・「投資家はリスクを意識している」と私は妄想しています。巨大な過剰流動性が発生する中で、株式など短期的な取引は増えていますが、金融取引自体はそれ程活性化していないのでは無いか・・。


■ 金利上昇で潮目は既に変わっている ■

先日の野村証券の巨額損失など、リスクが徐々に顕在化して来ています。金利がジリジリと上昇する中で、投資家はリスクを意識せざるを得ない。

野村証券が損失を被ったアメリカの個人投資企業のアルケゴスの損失は分かっているだけでも1兆円、(5兆円という噂も・・・ウソだよね・・・?)。これが1社だけの取引の失敗に終わるとも思えません。同様のリスクが大量に存在すると考えるべきです。実際に多くのアナリストが第二、第三のアルケゴスの出現を警告しています。

デリバティブ残高だけ観れば「消極的」とも思える日本の金融機関も、ゼロ金利が長引く中で、金利獲得の為に様々な危険な取引に手を染めています。アルケゴス相手の取引は多額の手数料が取れる為、三菱UFJ証券やみずほ銀行なども取引をしていた。

バイデン政権の拡大財政路線を好感する市場ですが、一方で、拡大財政のもたらす金利上昇は、リスクを確実に顕在化させて行きます。

「Sell in May」という株式の格言が有る様に5月が市場が不安定化します。5月から市場の崩壊が始まり、2024年に大崩壊が起ると予測する人も居ます。


とかく株式市場だけが注目されますが、債権市場やデリバティブ市場は巨大です。なかなか素人には分かり難いジャンルではありますが、金利上昇への警戒は怠り無く。
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2021/4/9

後は事が起こるのを待つだけ・・・陰謀論が現実になる日  時事/金融危機
 
最近記事が少ないとお嘆きにの方もいらっしゃると思いますが(居ないか?)

陰謀論は、世の中の裏を妄想する遊びに過ぎません。



ところがコロナ禍以降、世界は何も隠そうとしなくなった。

コロナは作られた危機「プランデミック」である事を隠す素振りも無い。

メディア操作で表面的には「隠している」が、

専門家から見れば「不審点」が多すぎる。



世界が「隠す事」を止めた今、陰謀論者の存在意味も希薄化します。



後は「何かが起るのを待つのみ」というが現在の世界ですが、

一般人は、せいぜいバブル崩壊からの経済危機程度までしか予測しません。

陰謀論者はもっと派手な崩壊を妄想しますが、その根拠は「期待」でしか無い。

後付けで理由は見付けられるが、確実性を証明する事は不可能。



日本国内では企業が内部留保を切り崩したり、

政府の補助金でどうにか雇用を維持していますが、それもそろそろ限界。

非正規の雇用から崩れ始めるでしょう。(雇用調整助成金の延長次第ですが)




こうして、「コロンがが終われば解決する」という安直な希望が失われる中で

徐々に危機が明確に意識され、そして一気に崩壊を迎える。




そんな未来を妄想して楽しむ陰謀論者は、かなり特殊なメンタルをしていると言えますが、

それとて、危機の到来がカウントダウンになると、気分が沈むのです。




世界の変化と、陰謀の実在を目の当たりにしたいという陰謀論者の欲望と、

生活が苦しくなるのは勘弁して欲しいという、善良な市民の本音がせめぎ合います。

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2021/4/1

野村証券の巨額損失・・・市場は不安定になっている  時事/金融危機
 

■ 野村ホールディングスの巨額損失 ■

株価は堅調に見えますが、水面下では大きな変化が起きている様です。

野村ホールディングスの米国子会社の「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」が約2200億円の損失を出したと報じられています。損失額はマダマダ膨らむ可能性も在ります。

いったい何が起きたのか・・・。
色々と噂はありますが・・

アルケゴスは巨額の借り入れを元に、レバレッジを掛けて特定の銘柄にブロック投資する企業の様で、米バイアコムCBS、ディスカバリー、米国に上場した百度(バイドゥ)、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ)、跟誰学(GSXテックエデュ)などの中国企業などが投資先です。

リーマンショック後、ヘッジファンドなどにはレバレッジの規制などが掛けられましたが、アルケゴスは個人のファンド(ファミリー・オフィス)なので規制の網が掛かりません。


巨額資金を借り入れ、大きなレバレッジを掛けた株取引で、株価が下落した為、銀行に追証を求められましたが、入れる事が出来なかった様です。

野村ホールディングスとクレディー・スイスがレバレッジの資金を提供していた様で、アルケゴスのポジションは未だ残っている為に、さらに損失が拡大する可能性が有ります。


■ ジリジリと上昇する金利 ■

FRBは前回のFOMCで金利上昇に対応する為に、金融緩和を拡大するのでは無いかと見られていましたが、パウエル議長は効果的な金利上昇対策を打ち出しませんでした。むしろ・・・

・FOMCの何人かが利上げを見込むことは驚くべきことではない
・SLR(補完レバレッジ比率)の規制については数日中に発表する


など、市場の予測を裏切る様な発言をしています。「金利上昇は容認出来る範囲」「補完レバレッジ比率の引き上げは、後で協議するよ〜」って感じ。

これはFRBが金利上昇をある程度容認していると市場には受け取られています。当然、米国金利は上昇を続けており、10年債金利は2%に近づいています。


■ 金利上昇で市場環境は一転したが・・・ ■

本来であれば、金利上昇予測によって株価が大きく下がるハズですが、意外にも下落幅は少ない。

一つの原因としては個人で小口の株式投資がスマホで出来るロビンフットの影響も在ります。素人の集団が株取引をしているので、「下落=安く買える」という思考が働き易く、株価を下支えしています。これは空売勢には大きな障害となっている様で、ヘッジファンドが空売りでロビンフットに売り負ける様なケースも出て来ています。

本来、景気回復を伴わない金利上昇局面では株価は軟調に推移しますが、どうも小口の個人取引が下支えをしている感がある。但し、本格的に下落が始まると、素人は恐怖に取り付かれて売り逃げ様と必死になるので、一機に株価が下落する原因ともなり得ます。


■ ドル高が支える日本株 ■

日本株は米株に連動する値動きが続いていますが、米金利上昇を受けてドル高が進行しているので、しばらくは海外勢の日本株への投資は安定しているでしょう。

巨大な過剰流動性はあらゆる市場に流れ込んでいるので、多少、米国の金利が上昇した所で、市場はしばらくは大きく崩れる事は無い。

但し、米10年債の金利が2%に近づくと、市場はかなり騒がしくなりそうです。FRBが何等かの対策を打ち出さないと、米国株が下落し、日本株もそのお付き合いをする事になる。


■ 繰り返される中国危機説 ■

アメリカの市場がキナ臭くなると、何故か中国危機説が台頭して来ます。「本当に怖いのは中国だよ」とネットに噂が広がる。

中国は独裁国家ですから、何かあれば「裏ワザ」はいくらでも使えます。だから、私はあまり心配はしていません。過剰債務が積みあがる一方で、成長力もそこそこ在りますし、コロナの影響も欧米に比べて少ない。

私は「中国危機説」が台頭した時は、「資金をアメリカに誘導している時」だと妄想しています。


■ FRBは確信犯的にバブルを壊す? ■

私は常々、「中央銀行がバブルを作り、中央銀行が壊して来た」と妄想しています。

サブプライムローンが崩壊した時も、「今がバブルかはバブルが弾けて初めて分かる」と言っていたグリーンスパンやFRBの利上げのタイミングが遅くなった事が被害を拡大させました。

その点、金利上昇をある程度容認するパウエル議長の判断は正しい様にも見えますが、既にコロナ禍以降、前例の無い金融緩和が世界中で継続していますから、ダムは満水を越え、危険水位に既に達しています。後はアリの人穴からも決壊する。

これが中央銀行の意図的なバブル潰しかどうかは分かりませんが、現在の通貨システム、金融システムを延命させる為には、中央銀行はジャバジャバと市場に資金を投入し続けるしか無く、やがてそれは限界を迎えます。

「MMT派が確信犯的に無視する市場」の崩壊によって、金融システムは必ず崩壊する。


表から見れば、「中央銀行は市場をコントロールする事が不可能で、バブル崩壊を防ぐ手立ては最初から存在しない」。裏から見えれば「バブルの生成と崩壊こそが中央銀行の仕事」。

真実はどうあれ、結果は同じ。
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2021/3/10

低金利の長期化とブードゥー経済学  時事/金融危機
 
■ 金利は上昇するのか ■

国債金利が急上昇した事で混乱した株式市場でしたが、バイデン政権の1兆9千億円規模の追加経済対策への期待感で、市場は落ち着きを取り戻しています。

というのは表向きの解説で、誰かが裏で米国債売りと株売りを仕掛けたというのが私の妄想。相場は動いた方が儲けは大きい。

一方で、米国債市場は巨大ですから、一部の人達が金利上昇を狙って米国債を売ったとしても、簡単に金利上昇を起こす事は難しい。結局、多くの投資家がインフレ率の上昇を予測していたからこそ、米国債金利は上昇したとも言えます。

現在、多くの投資家が予測する金利上昇の原因は「景気回復」。ワクチン接種も始まり、経済が正常化する中で、米家計の「買いたい」という欲求が爆発すると見る投資家は少なく無い。

■ 物価はお金の量で決まる?! ■

貨幣数量説は実体経済とマネーの関係に関し「名目GDP=貨幣数量(マネーストック:M)×流通速度(V)」と規定する。流通速度とは、貨幣が実体経済で使われる頻度や回転率などと理解される。

通常は流通速度(V)は一定として議論される事が多く、GDPは通貨量によって変動すると考えられています。

一方、「実質GDP=物価(P)x名目GDP(Y)」と定義されるが、通貨定量説的には「通貨は交換の手段で中立」とされるので、通貨を増やしても実質GDP(Y)は変わらないと考えらています。

結果的に貨幣の流通速度(V)と、名目GDP(Y)が一定だとすると、MV=PYの関係からVとYが無視され「マネーストック(M)=物価(P)]という式が残る

「将来インフレ率が上層する」と予測する人達は、この事を念頭に置いています。(多くの投資家は、こんな式など無視して、コロナが終わればアメリカ人は気が緩んで購買欲を抑制出来ないと考えているだけですが)


■ 四半世紀、インフレ率は低く抑えられている ■

インフレ率の上昇懸念に対してパウエルFRB議長は「四半世紀、インフレ率は低く抑えられている」と語っています。



<東洋経済オンライン より引用>

パウエル議長は2月23日に行われた議会公聴会において「大昔にわれわれが経済学を勉強したころはM2(※マネーサプライ)と通貨供給量が経済成長に関係するとみられていた」としたうえで「現在ではM2に重要な意味合いはない。この知識は忘れる必要がある」とマネー急増とインフレ高進の関係を全否定している。

<引用終わり>


パウエル議長の発言は、「お金を増やせば、インフレ率は上昇する」と主張して来た主流派経済学を否定する内容ですが、現実的には、少なくとも、ここ25年間は結果的に貨幣の増加量とインフレ率の間の相関は低い。

パウエル氏の公聴会での発言は、「お金を増やせばインフレた起こり、米国の財政に圧力が掛かるのでは無いか」と懸念する共和党議員に向けたものですが、彼は「結果」しか語っておらず、「原因」を敢えて隠しています。


■ 貨幣の流通速度(V)が低下した事がインフレを抑制する ■

私は以前より「巨大化し過ぎた資産市場を抱える経済は、お金が市場に吸い上げられて実体経済でお金が回らなくなりインフレ率が抑制される」と主張して来ました。

「実体経済でお金が回らなくなる=貨幣の流通速度(V)が低下する」となります。

特に、高齢化した社会では、高齢者の資金は預金や投資として、資産市場に吸収され景気を刺激する事が出来ません。日本などは毎年1兆円ずつ福祉コストが増大していますが、この内の多くが預金に回ってしまいます。

「高齢化した社会」では、消費が抑制されるので、この面からもインフレ率は大きく抑制されます。日本の潜在成長率は0%かそれ以下です。

当然金利も抑制されるので、銀行は融資に対する金利リスクが大きすぎて、お金を企業に貸せなくなります。おのずの金融市場などで金利を得ようとします。

■ 金融市場の功罪 ■

先進国に住む私達から見れば、「巨大化し過ぎた資産市場」は悪に見えます。

しかし、資産市場や金融市場が、新興国のキャッチアップに大いに貢献した事は、私達からは見え難い。先進国で余ったマネーが、新興国に投資され、私達は安い製品を買って生活を維持している・・・。同時に進行国の人達の生活は豊になっています。

レーガ政権以来の金融市場の拡大は、世界の経営者が新興国を発展させる目的で計画したものであるとするならば、それは「悪」と断定はできないものかも知れません。


■ 肥大化した資産市場の崩壊に飲み込まれる世界 ■

パウエル議長は「インフレは過去の話だ」という一方で、「金融市場の顔色」ばかりを窺っています。

かつて中央銀行は「インフレファイター」としてインフレ率の上昇に過剰に反応していましたが、今は市場動向に過剰に反応しています。相場が少しでも崩れる気配を見せたら、即座に大規模緩和や量的緩和を繰り返して来ました。

しかし、永遠にこれを続ける事は不可能です。仮に、コロナバブルが弾けたとして、リーマンショック後の様に政府やFRBが銀行や金融システムを救う事を、アメリカ人達が容認するのか・・・答えはNOでしょう。

リーマンショック直後ですら「銀行を税金で救済をすべきではない」という意見が議会の半数を占めていたアメリカです、再びバブルが弾けたら「リーマンショック後の金融緩和は、新たな、より大きな崩壊を生む出しただけだった」と言い出す事は必至です。


「こんな不安定なシステムなら潰してしまえ」となるかも知れません。そこで「グレートリセット」のスイッチが押される。
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