2019/4/17

住宅ローン金利・・・世界経済を予測すべし  時事/金融危機
 
 
■ 日銀は永遠に出口戦略に入れない ■

日銀の黒田総裁が出口戦略を口にする事がほとんど無くなり、むしろ追加緩和の余地を語ったりしています。

日銀は年間80兆円の国債を買い入れると発表していますが、実際の国債買い入れ額はだんだんと縮小されており、現在は年間40兆円程度となっています。これは、明らかな「テーパリング」であり、出口戦略です。しかし、黒田総裁はこれを「出口戦略」と認めません。何故なら、彼が「出口」と口にするだけで、国債市場も株式市場も大混乱するからです。

■ ゼロ金利国債では財政赤字は拡大しない? ■

政府は日銀の間接的に国債を買い取らせて財政をファイナンスしています。現在の様に、国債金利がゼロかそれ以下の場合、国債の発行量を適当にコントロールすれば、政府債務はそれ程拡大しません。

1) 日銀の国債購入で国債金利がゼロかマイナスに固定される
2) 償還を迎えた国債は、借り換えにより有利子国債から無利子国債になる
3) 上記の様な状況では、政府は国債の金利負担を軽減する事が出来る

日本の社会福祉費は1年で1兆円ずつ拡大しているので、財政赤字が減る事は有りませんが、公共事業や補助金などを無節操にバラ撒かなければ、日本の財政破綻が直ぐに訪れる事は有りません。

さらに、日銀が政府の子会社であるという「統合政府」の考え方を取れば、「国債=政府の借金=日銀に資産」となり、相殺されて「借金ゼロ」と見る事も出来ます。本当は国民の将来の税金の存在でバランスされるので、国民の借金となるのですが、ゼロ金利は国民の借金返済を先延ばしに出来ます。この状態が永続出来れば無限に国債を借り換え続ける「無限国債」が実現します。

■ 日本の低金利はいつまで続くのか ■

住宅ローンを組まれる方などは、「今は凄く低金利ですから、10年固定で借りられて、10年後に金利を見直せばお得ですよ」などと不動産屋さんに勧められるでしょう。

現状の異次元緩和が継続し、日本の経済成長がゼロ近傍で安定し、さらに物価上昇がゼロ近傍であるならば、金利が10年後に大幅に上昇する可能性は低い。

しかし、これは日本を巡る世界経済に大きな変化が無い事が前提となります。

現在のゼロ金利という「モラトリアム」が成立するのは、インフレ率がゼロ近くに抑え込まれているからです。


1) 日本が国内の成長や所得向上でインフレになる可能性はゼロに等しい
2) 円安が進行すれば輸入コストが増大し、物価が上昇する(インフレになる)
3) 中東で戦争が起これば原油価格が急上昇してインフレが進行する
4) 大規模な金融危機が発生し、各国通貨や国債の信用が失われればインフレが進行する

多くの日本人や経済が学者は、1)の状態が続くと予測しています。この場合は金利は長期的に低く抑えられます。

■ 中期的には円安よりも円高が怖い ■

円安が物価上昇(インフレ率アップ)の要因となる事は、異次元緩和直後の円安進行過程で証明されています。しかし、円安がこれ以上進行するかと言えば、むしろ中期的には円高振れる可能性の方が高い。

理由はリーマンショック直後と同様に、仮に大規模な金融危機が発生した場合、円キャリートレードの巻き戻しで円高が始まると、金融機関や生保や年金は、海外投資を手仕舞いして資金を日本の還流させます。この時、ドル売り、円買いをするので、円高はさらに加速します。

金融危機の前半で日本株は大幅に下落しますから、外国人投資家は日本株を「ドル建てで」高く売り抜ける為に円高を仕掛けます。

さらに、米政権は日本とのTAG(本質はFTA)に為替条項を設け、日本の為替介入を禁じるハズです。

こう考えると、中期的には円安によるインフレは発生し難い。むしろ、円高によって輸入物価が押し下げられ、景気減速も重なって、デフレになる可能性が高い。これも金利上昇を抑制する方向に働きます。

■ オイルショックで金利が上がる? ■

中東戦争が起こるかどうかは神のみぞ知る事ですが、ニクソンショックでドルの信用が失われそうになった時、ドルを救ったのは中東戦争によるオイルショックでした。短期的に原油価格が5倍以上に値上がりしたので、原油の決済通貨としてのドルの需要が急拡大したのです。

この時、日本は高度成長期の後半で「狂乱物価」などと言うインフレになりましたが、経済成長率が低下していたアメリカや欧州諸国では、不景気と物価上昇が同時に進行するスタグフレーションが起こりました。

各国中央銀行は対応に苦慮します。物価上層を抑制する為には金利を上げる必要が有ります。一方で、景気回復の為に金利は低い方が良い・・・。

当時のアメリカは物価抑制の為に金利を引き上げます。その結果、景気が冷え込み、アメリカ経済は不景気に苦しむ事となりました。

この様に、ドルの信用を維持する為に中東戦争を起こす事は、経済にとては悪影響が大きいのですが、アメリカは平気でこの様な方法でドルを延命させます。(陰謀論的に)


もし仮に、次なる金融危機からドルの信用問題が発生した場合、中東戦争が発生する可能性は低くはないと私は妄想しています。当然、原油価格は上昇して、日本でも「スタグフレーション」が発生します。

この時、日銀がゼロ金利を維持出来なくなると、日本国債の需給バランスが崩れて、財政破綻の危険性が高まります。これは最悪のシナリオなので、日銀は金利引き上げが出来ずに、日本のインフレはそれなりに進行するものと思われます。これに引っ張られる形で、市中金利が上昇するでしょう。

■ 次なる金融危機が発生するかどうかで、日本の金利予測が大きく変わる ■

日銀が異次元緩和を継続する限り、日本の低金利は継続します。

しかし、金融危機や中東戦争など、外的要因によって物価が上昇する可能性は否定出来ません。


ローンを35年固定で組むか、10年固定で組むか、変動で組むか・・・素人には、どれが良いのか分かりませんが、ローン選択も投資と同様に「賭け」です。

変動金利は「リスク」を取る事で金利を低く抑える事が出来ます。10年固定はリスクが中程度
35年固定はリスクが低い。

私が住宅ローンを組んだ時には、住宅金融公庫の35年ローンの金利は3.3〜3.8%程度有りましたから、私からすれば現在のフラット35の金利だって充分に低い。

むしろ、これ以下の金利でしかローンの返済計画が立てられない様ならば、住宅購入を考え直した方が良いと私は考えます。住宅が余る時代、質を選ばなければ、賃貸住宅の家賃はかなり抑えられます。

借りに金融危機が発生してリーマンショック後の様な状況になった場合、リストラや賃金カットにローン返済が耐えられるのか・・・私はそこが心配です。実際に50代の住宅ローン破産が増えています。


マイホームは夢ですが、金融緩和バブルで住宅価格が高止まりしている今買うのは損です。もうすぐ、バブル後やリーマンショック後の投げ売り状態は発生するかも知れないのですから。
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2019/4/11

新紙幣発行・・・タンス預金の炙り出し?  時事/金融危機
 

■ 5年後に新紙幣発行 ■

5年後に新紙幣を発行すると政府が発表しました。1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎。ちょっと渋い人選ですが、明治維新で活躍した方が居ません。ちょっと新鮮な顔ぶれ。

渋沢栄一の知名度はあまり高く無いでしょう。私も自転車で国道17号線を走っている時に熊谷の先の深谷市で、「渋沢栄一先生生誕の地」という立て看板を見かけ、「渋沢栄一って誰?」と思ったクチです。帰ってから速攻でgoogoleで調べました。第一国立銀行や東京証券取引所を設立された「日本の資本主義の父」と呼ばれる明治の偉人と知って、自分の無学を嘆きました。

何と無く縁を感じていて、私は1万円札に渋沢栄一が選ばれた事に好意的です。「国家資本主義を推進して日本を軍国主義に導いた人物で、1万円札には相応しく無い」と主張する方もいらっしゃる様ですが・・・。

新紙幣発行の理由は偽造防止だそうです。お札の技術と偽造の技術はイタチゴッコですから、そろそろ交換の時期なのでしょう。「5年後の発行を、何故今発表するの?」との疑問も当然有ります。「安倍首相の政治的ポイント稼ぎ」という点は有るとは思います。一方で両替機やATM、自動販売機の交換を考えれば、準備期間はそれなりに必要なのでしょう。これらの特需が1.6兆円ほど発生するそうです。

■ 「タンス預金を炙り出す」という陰謀論的妄想 ■

新紙幣の発行と聞くと戦後の「新円切り替え」を思い浮かべるのは陰謀脳の悲しい所。戦後の急激なインフレを抑制する為に、当時の政府は「預金封鎖」と「新円切り替え」を実施します。

1) 新円を発行して、旧紙幣の使用を禁じる
2) 旧紙幣は一度銀行に預けられ新紙幣と交換される
3) 銀行から引き出せる現金の月の上限を設定する
4) 通貨を銀行に集めて流通量を抑制してインフレを抑制

しかし、物価上昇は預金封鎖の間も続き、人々がまとまったお金を銀行から引き出せる様になる頃には、通貨の価値は大幅に下落していました。

今回の「紙幣切り替え」で気になるのは45兆円とも言われるタンス預金の存在です。銀行に預けても利子が殆ど付きませんから、資産を沢山お持ちの方の中には「現金で手元に置く」人も増えていうます。

2018年からマイナンバーが銀行口座に紐付けされましたので、個人の預金総額が税務署に筒抜けになります。資産家の中には、「資産隠し」の手段として「タンス預金」を活用している方も多いでしょう。

タンス預金は、政府や財務省としては面白く無い存在です。そこで、新紙幣への交換の際に一度銀行預金を経由させる事で、個人のタンス預金の総額を把握する事が可能になります。

■ 「時限付紙幣」なんてどうでしょう? ■

お札に使用期限が設定された「時限付紙幣」などというアイデアも面白いかも知れません。

1)発行から5年経った紙幣は使用出来なくする
2)ATMなどで預金が出し入れされる時に、私用期限が近い紙幣は新札に随時交換する

こうすれば、タンス預金の紙幣が使えなくなる可能性が有るので、定期的に銀行に預金する必要が生じます。使用期限をあまり短くしてしまうと、色々と不具合が有りますから5年程度が適当でしょう。現在でも古い紙幣は日銀が回収して新しい紙幣と交換しています(お札の質の維持の為)

お札の管理には、発行番号を利用すれば良いだけなので、今のお札でも可能です。さらには磁気記録など新方式を導入する事も、今の技術なら難しくは有りません。

■ キャッシュレス化と新紙幣 ■

しかし、キャッシュレスを政府が推し進める中で、新紙幣の発表は少し妙な気もします。

もしかすると、新紙幣と新500円硬化発行に際して、自動販売機各社は、紙幣や500円硬化に対応した機種の出荷量を減らし、電子マネーと100円玉以下しか対応しない機種を増やす可能性も考えられます。(こっそり行政指導する方法も有りますね)

日本のキャッシュレス化が遅れている理由に、「現金が便利に使える」事が挙げられます。ならば、現金を使い難くすれば良いという逆転の発想です。こうして「現金って使えねぇー」という意識が浸透すれば、スーパーやコンビニのレジなどで「現金お断り」になっても「仕方無いか」と諦めるかも知れません。


まあ、色々と陰謀脳が暴走してしまう「新紙幣発行」ですが、まさか戦後の様に預金封鎖とセットになる事は無いでしょう・・・・。いや、その頃に、世界経済が阿鼻驚嘆の状況に成っていないとは限りませんが・・・。
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2019/4/9

金利の逆襲・・・金利は死んだのか  時事/金融危機
 

■ 先進国の潜在成長力はゼロ?! ■


池田信夫氏は、日銀の異次元緩和に否定的な立場でしたが、最近では肯定的な発言をブログで展開しています。

1) 日本の潜在成長率は0%以下
2) 日銀の異次元緩和は金融政策では無く財政政策としての財政ファイナンス
3) 民間の需要が低下する中で、政府が支出を増やさなければ成長力は維持出来ない
4) 安倍政権で景気が拡大した原因は、財政ファイナンスによる経済効果

5) 潜在成長力が金利を下回る間は、財政を拡大しても借り換えの繰り返しで財政は破綻しない
6) 国債金利がゼロの間は財政負担を増やさずに借り換えが可能

7) ゼロ成長経済下でのインフレ要因は財政インフレ

ざっとこんな内容です。


■ 「無邪気な社会主義者」とは一線を画す「宗旨替え」 ■

私はリフレ派は「隠れ財政ファイナンス派」だと疑っていました。「実質金利をゼロ以下にすれば景気が回復する」という彼らの主張は「呪いで景気は回復する」と言うに等しいものでしたが、それを主張する面々の「狐かタヌキ」の様な面構えを観るに、彼らが本心からリフレ論を主張しているとは思えない。特に黒田総裁は・・。

ここに来て真面目な池田信夫氏も日銀と財務省の真意に気付いた様です。尤も、三橋貴明氏らの様に「無邪気な社会主義者の願望」とは違い、通貨と金融システムの構造変化に注目して、意見を変えている点には注意が必要です。

■ 成長率を抑圧する「GDPに反映しない価値」 ■

池田氏の最新のエントリーで興味深いのが、アメリカですら潜在成長率がゼロ近傍に下がっているという指摘。原因にはコンピューターの進化によって、需要が低下した事が挙げられています。数万円のスマホで昔の大型コンピューターに匹敵する処理速度があるのですから・・・。

さらに、情報というものに値段が付けられない事もGDPの低下の要因だとも。確かに「タダ」で垂れ流される情報によって、私達は精神的満足を得ています。いえ、タダでブログを垂れ流す私も精神的な満足感を得ています。ただ、そこには経済的な価値は生まれません。GDPにカウントできないのです。

■ 労働分配率の低下も原因 ■

リベラリストの多くが指摘する様に、「労働分配率の低下」も大きな要因の一つです。「大企業が内部留保を増やしたり、利益を株主の配当に当てたり、自社株買いに当てる事で、利益を労働者に正当に分派うしていない」という主張は、経済学者からも指摘されています。

従来であれば、産業の成長に伴って労働力不足が発生して、企業が労働者を奪い合う過程で賃金は上昇します。

しかし、IT化と機械化の進歩は、ルーティンワークを労働者から奪います。企業の事務部門はスリム化され、工場作業は機械に奪われました。

それらの作業から弾き出された人達は、IT(将来的にはAI)や機械では出来ない作業や仕事に従事します。レストランのウェイトレスや、ファッションショップの店員、ヘアデザイナーや、医療介護従事者など、人と接する事をお客が求める産業に労働者は流れますが、これらの産業は「労働集約型産業」で生産性が低い。当然、賃金は低下します。

■ 先進国においてゼロ金利は常態化するのか ■

日本は世界のトップランナーでゼロ金利が常態化しています。今後、欧州が、アメリカが、そして高齢化が加速度的に進むアジアの新興国がこれに続くのかも知れません。

問題は「ゼロ金利では金融機関が破綻する」という困った事実です。金利が死んだ世界で、銀行の金融仲介機能は働きません。誰もゼロ金利の銀行に預金しようとは思いません。(日本は例外ですが)

ゼロ金利と言っても、政策金利の話であって、実際の市中金利は別です。私が銀行に借金を頼もうとすれば、当然、高い金利を吹っ掛けられます。しかし、高い金利を取られて、それに見合う利益が期待出来なければ、そこで借金を思い止まります。

「ゼロ金利=成長力ゼロ」なのですから、金利がゼロに張り付いた時点で、多くの投資機会は失われます。確かに「例外」はいつの時代にも存在しますから、「誰かがビジネスで成功する」事は有りますが、多くの人が成功する時代は終わっています。

これが、日本のみならず、欧州やアメリカでも起こるとすると・・ちょっと恐ろしい。

■ 「預金から投資へ」の掛け声では解決しない ■

金利がゼロに張り付く時代を見据えて、金融庁は個人の投資を推奨して来ました。「預金から投資」というキャッチフレーズで積立nisaなどを展開します。又、融資による利益を失いつつある地銀の統廃合を推奨して来ました。

ゼロ金利が常態化すれば、個人が預金で金利を獲得する機関が奪われるのですから、資産運用は投資に傾く事は当然です。

ところが、ここに落とし穴が待ち受けています。

国内投資で儲かるのは、株式運用や不動産RITEですが、これらの市場は金融緩和マネーと個人の資産運用の資金が流入してバブル化しています。さらに、年金資金や日銀マネーまで投入されて市場は過熱しています。

海外の投資の多くは、為替リスクを考慮しても利益が出る投資先は、ジャンク債や、高金利通貨
アメリカの中小企業の債券を証券化したCLOなど、かなりハイリスクな投資になります。これらの投資先は、一度リスクが顕在化すると「総崩れ」になります。


■ 経済発展の上の成り立っていた金融から、鉄火場の上で危ないバランスを取る金融へ ■

「ゼロ金利=ゼロ成長」が金融市場に与えた変化は、「リスク」の意識の変化です。

「融資」という間接金融が支配していた世界では、「リスク」は「プロ」が判断していました。銀行の融資担当は、長年の顧客との付き合いの中で、適格なリスク判断をしていました。

ところが、ゼロ成長の時代に、信用力の有る企業は、株式発行や社債発行によって直接資金調達が可となり、融資による金利水準は低下します。一方で、本当に融資を必要とする中小企業は、将来性が不安視されて高い金利でしか融資を受けられません。・・・そう、銀行の金融仲介ビジネスは成り立たなくなっているのです。

一方、手っ取り早く金利を稼ぐ方法として「金融市場」が拡大します。ここでは「債券化」や「証券化」というトリックによって「リスクが粉飾」されています。ただ、金利が高いという理由だけでお金が集まり、お金が集まると「儲かる」という噂が立ち、さらにお金が集まります。

金融市場では「情報の速さ(情報の非対称性)」と「逃げ足の速さ」が勝敗を分かちます。情報弱者の一般人にとっては「ギャンブル」に等しい世界です。情報に通じて早期にリスクを取り、早期にリスクを切り捨てる者だけが勝者の世界です。(要はインサイダー以外は勝てない)

■ セロ生長 → ゼロ金利 → 博打金融市場の肥大化 → 崩壊 ■

サマーズ氏らが提唱する「生長の限界」は、経済や金融市場の一面しか観ていません。いえ、サマーズは「バブルは必要悪だ」的な発言もしていますから、利口な彼は全体が見えているのでしょう。

結局、ゼロ金利に張り付いた世界では、過剰流動性が生まれ、これらが金融市場やコモディティー市場を肥大化させ、そして不安定化させます。

その先に有るのは「バブルの崩壊」ですが、この規模は崩壊を繰り返すごとに拡大しています。リーマンショックの際には金融市場の崩壊が意識されましたが、次の崩壊はもっと大規模に発生します。

どこかの時点でこの連鎖を断ち切る必要が有りますが、「借金がお金を生み出す」現在の「信用創造システム」では、この過ちが繰り返される事に歯止めが掛かりません。「借金した者が勝ち」の世界なのですから。


多分、リーマンショック後の世界的な金融緩和バブルは「大崩壊」で終焉を迎えます。その規模は「銀行システムの信用」にも及ぶと予想されます。事態がここに至って初めて世界は、新たな通貨システムを模索し始めるのでしょう。ただ、それは「真面目なシナリオ」です。


「不真面目なシナリオ」も存在します。「戦争」によって「過剰」を奪う事で、世界をリバランスする方法です。「過剰」なのは「生産力」と「人口」・・・・。残念の事に「不真面目なシナリオ」の方が即効性が高く、調整も簡単です。この魅力に人類が勝てるのか・・・?
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2019/4/4

甲子園準優勝・・・習志野高校、頑張った!!  時事/金融危機
 
■ 甲子園準優勝・おめでとう習志野高校 ■

私の実家の有る習志野市が誇る、市立習志野高校が春の選抜甲子園で準優勝を果たしました。

昭和42年と昭和50年に全国優勝を果たしている古豪です。夏の大会に8回、春の大会には今回を含め4回出場しています。

かつて野球王国と呼ばれた千葉県ですが、習志野高校や銚子商業といった名門公立校が甲子園に出場する機会は少なくなりました。練習環境の整った私立高校の台頭が目覚ましく、公立高校が良い選手を集めるのは難しい時代です。

■ 軍都・習志野が生んだスーパー市立高校 ■

習志野市は千葉県の北西部にある小さな市です。本来ならば平成の自治体合併で千葉市か船橋市に吸収されていてもおかしく無い規模(人口17万人)ですが、昔から両市との仲が悪く、合併のお誘いがありません。

習志野市は司馬遼太郎の『坂の上の雲』でおなじみの陸軍騎兵連隊が置かれていた軍都で、騎兵連隊はその後、鉄道連隊となって大陸での兵站を支えます。

かつての軍都の面影は、今ではJR津田沼駅前に有る千葉工業大学の赤レンガの正門の留めるのみですが、独特の教育理念は昭和40年代までは健在でした。要は「軍隊教育」です。

私が学んだ小学校は体育が盛んな事で全国的にも有名でした。年中、教育研究会が開催され、全国の先生方が見学に訪れていた。特に機械体操には力を入れていて、小学校4年生で運動神経の良い生徒は「バク転」が出来る。鉄棒で「大車輪」は危険なので禁止されていました。

教育方針は軍隊教練そのもので、チャイムが鳴ったら直立不動。少しでも動けば先生のビンタが飛びます。朝礼での「起立、気を付け、礼」のタイミングが揃わない時は、1年から6年まで、全校生徒が何十回とも無く、「起立、気を付け、礼」を繰り替えさせられました。

運動の出来ない子供にとっては「地獄」とも言える環境でしたが、厳しいのは「躾」だけで、実はとても自由闊達な校風でもありました。先生と生徒は仲良しでしたし、様々な事にチャレンジする学校でした。

一方で、隣の小学校は音楽がとても盛んでした。管弦楽部は全国一位の常連校。当然、その卒業生が入学する中学の管弦楽部も全国一位が当たり前で、中学生ながらウィーンへ演奏に行っていました。

そんな「尖がった教育」が行われた習志野市の市立高校が習志野高校です。昭和40年代が黄金時代ですが、サッカー、野球、ボクシング、そして吹奏楽部が全国制覇を成し遂げています。

今でこそ市立高校としては隣の市立船橋高校の方が有名になりましたが、これは習志野に対抗意識を燃やす船橋市が、ライバル心むき出しで「強化」した結果です。

ちなみに、今回の甲子園で監督を務めた小林監督は、習志野高校のピッチャーで甲子園に出場していますが、教員で最初に赴任したのは市立船橋高校。ここの野球部を3年で甲子園に導いた名監督です。

習志野高校の吹奏楽部も超有名で、全国大会の金賞の常連校。「金賞コレクター」の異名も持ちます。(昨年は銀賞)

今年の甲子園の決勝は、ブラスバンドファンには夢の共演でした。東邦のマーチングバンド部が海外遠征中だったので、その穴を大阪桐蔭の吹奏楽部が埋めていたのです。大阪桐蔭の吹奏楽部は日本管楽合奏コンテストで2度の全国一位を獲得している名門中の名門。決勝では、遠征から戻った東邦と大阪桐蔭の混成で、「美爆音」と呼ばれる習志野高校の吹奏楽部に対抗した。

・・・これ、多分、最初で最後の出来事でしょう。球場に居た吹奏楽ファンは至福の時を過ごされた事でしょう。

■ 本当はダーティーな「美爆音」 ■

大編成の大音量で他チームを圧倒する「美爆音」の吹奏楽部ですが、これ、意外にダーティーなんです。ラッパの口をピッチャーに向けて圧倒しろ・・・こんな指導を顧問の先生がやっているそうで・・・。

県大会の初戦などは、相手チームはこの「音」だけで浮足立ってしまいます。守備の連係なども音で乱れます。確か、地方大会では「自粛要請」があったとか・・・・。

尤も、そんな大音量なのに、キレッキレの演奏をするから全国にファンが多い訳で、曲の切り替えのスムースさも相当なものです。

「モンキーターン」や「レッツゴー習志野」など、この演奏を聴きたくて球場に足を運ぶファンも多い。



ネットから星稜戦の映像をお借りしました。
これがオリジナル曲の「レッツゴー習志野」です。




「モンキータン〜アフリカンシンフォニー」

ラッパの口がピッチャーマウンドを向いていますね・・・。
良いんです。ブラスバンドの源流は戦争で戦士の士気を高め、敵を恐れさせるものですから。軍都、習志野では、これがスタンダードです!!


■ サイン盗みや、騒音クレーム ■

決して前評判の高く無かった習志野高校ですが、初戦に快勝した後は、格上の高校に対して苦戦続きます。先制点を奪われた後、得意の機動力を生かして、泥臭く足で走る野球で逆転します。ダブルスチールなども決めているのは、流石は名将の小林監督。

一方、2回戦では星稜高校の監督が「サインを盗んだ」と言って、試合後に控室に乗り込むという事件が発生します。2塁走者の挙動が不審だったと。試合中にクレームを付けていたのですが、審判は不正は無しと判断していました。

不正があったのか・・・これは定かではありません。(1999年のルール改定からサイン盗みは禁止されています)。

さらに、この試合の最中に「ブラスバンドの音がウルサイ」と甲子園の近隣住人からクレームが入ります。大会委員は、とりあえず楽器の編成を少なくして対応して欲しいと要請し、習志野高校も受け入れます。試合後に大会規約に音量の項目が無い事を確認した大会委員は、習志野高校に、これまで通りの応援で大丈夫と伝えたそうです。

習志野高校が準決勝に勝利したパワーの源は、「疑惑をプレーで払拭したい」という選手の強い思いが有ったのかも知れません。

■ 公立高校は優勝出来ない? ■

2007年以来の公立高校の優勝かと期待された決勝戦でしたが、結果は東邦の石川党首のワンマンショーとなってしまいました。投げては2塁を踏ませね完封。打っては2本塁打。6-0という一方的な試合結果。試合時間も90分程度と、決勝戦としては、ややつまらない内容となってしまいました。

甲子園で活躍した公立高校として金足農業高校が記憶に新しいと思います。3年生が10人した居ない学校で9人が野球部という環境ですが、超高校生級のピッチャー、吉田投手を擁し決勝に進出しました。しかし、連投の為、決勝戦は大差で敗れます。

「公立高校は甲子園で優勝出来ない」というのは、云わば常識となっています。私立の強豪校は全国から有力選手を集め、万全の練習環境と指導体制を整えます。投手も普通の公立高校のエース級を何人も抱えています。

勝ち進む毎に試合日程が厳しくなるトーナメント戦で、エースを温存出来るチームと、エースを連投させざるを得ないチーム・・・準決勝や決勝になると、その差は歴然です。

「打線は水物」と言われる様に。強打のチームでも打てない時には打てません。そうなると、頼るはやはり投手力となります。

勝負は時に運ですから、公立高校が優勝する事も有ります。しかし、その確率は10回の大会で1回が良い所では無いでしょうか・・・。

尤も、今大会に置いては、東邦の石川投手は準決勝でも完投するなど、これまで結構な投球数で、むしろ習志野の飯塚投手の方が温存されています。やはり、実力の差は大きかったと言う事でしょう。

■ 実は甲子園の実況を観るのって久しぶりなんです ■

知った様な事を沢山書いてしまいましたが、私、スポーツ中継ってほとんど観ません。オリンピックも観ません。箱根駅伝だけが楽しみです。

当然、野球中継なんてほとんど観ない(TV有りませんから)のですが、習志野高校が地方大会で勝ち進むと、応援しますし、時間が有れば球場に足を運びます。あの「美爆音」を「生」で聴きたくて。

私が小学生の時、習志野高校は夏の甲子園で優勝します。7点差を逆転したりと、当時の習志野高校は、とにかくミラクルなチームで、私達のヒーローでした。

野球王国千葉県でも、市立高校の台頭が目立ち、地区大会の決勝大会は市立同士の対決となる事が多くなりましたが、やはり習志野高校や銚子商業といった、かつての黄金時代を築いた学校が準々決勝に勝ち上ると、県内の高校野球ファンが千葉マリンスタジアムに殺到します。当然、球場チケットは早々に売り切れ、球場から入れなかったファンの長蛇の列が駅に向かってトボトボ歩く光景を目にする事が出来ます。

習志野高校には是非、夏の大会にも出場して欲しい。出来れば、県大会で「習志野 VS 銚子商業」なんて夢のカードが実現してほしい。


最後に、優勝した東邦高校の皆さん、おめでとうございます。完璧な試合でした。完敗です。
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2019/3/28

レバレッジが低ければバブルは崩壊しないのか・・・問題は「心理」  時事/金融危機
 

■ レバレッジとは ■

リーマンショックの時に、危機の要因の一つとされた「レバレッジ」。日本語に訳すと「梃子(テコ)」ですが、「信用取引」と考えると分かり易い。「自己資金1に大して何倍の取引をするか」という倍率です。

リーマンショック時に「ヘッジファンドが過大なレバレッジを取って危機が拡大した」と言われましたが、当時のヘッジファンドのレバレッジの平均は2.6倍に低下していました。

ヘッジファンドが過大なレバレッジを取っておるという誤解は、1999年の「LTCM破綻」当時のヘッジファンドが生み出したものです。最大で28倍のレバレッジを掛けていた。しかし、その反省から、ヘッジファンドは過大なレバレッジを掛けなくなります。

リーマンショック時に過大なレバレッジを掛けていたのは投資銀行です。株式時価総額に対する投資額(レバレッジ)は、2007年6月に10.4倍。2009年4月で40、7倍となっています。(2009年は株価下落の影響が有るでしょう)

リーマンショック後に投資銀行は商業銀行に吸収される形で形式的には消滅します。ボルガールールによって過大なレバレッジも取れなくなったので、「リーマンショックの様な危機は再び起こる事は無い」と主張する人達が少なからず居ます。


■ リーマンショックで最大のレバレッジを掛けていたのはサブプライム層 ■

投資する側のレバレッジばかり話題になりますが、実は私達が組む住宅ローンもレバレッジが掛けられています。自己資金10万円で1000万円のローンを組めば、レバレッジは10倍です。

リーマンショック時にレバレッジを最大に掛けていたのはサブプライムローンで住宅を購入していた低所得者層です。彼らは貯蓄など持っていませんでしたから、レバレッジは無限大でした。しかし、住宅バブルによって住宅の担保価値が上がった分だけ借り入れが出来たので、住宅価格が上昇している間はローンの返済が可能でした。さらに、最初の数年はローンの返済額が抑えられていたので、破綻が先伸ばしされた。

■ 危機の本質は過剰な債権需要 ■

何故、サブプライム層にまでローンを組ませたかと言えば、金融市場が金融商品の元になる住宅債権を求めていたから。

サブプライムローンや、その他の住宅債権は、MBS(受託ローン担保証券)にまとめられ、金融市場で売買され易く加工されました。「多くのローンを合体させたMBSは「大数の原理」によって破綻しない」と信じられていたので、MBSは飛ぶように売れます。

さらにMBSやその他の社債やカーローンなどの担保証券とごちゃまぜにしたCDOという金融商品も作られます。「ごちゃまぜにすれば「大数の原理」によって破綻リスクが減る」と信じられていたので、これらのCDOは高い格付けが付けられました。

「大数の原理」とは高等数学の用語で、「様々なリスクと持つ債権を一まとめにすると、たとえ破綻が起きても3%以上の破綻は起こらない」という数学的な原理です。しかし、実際には「破綻した債権が含まれる」だけで金融商品としては「傷物」になります。自分の持つMBSやCDOに、どれだけ破綻した債権が含まれるか分からないからです。人々は我先にこれらのMBSやCDOを売ろうとしますから、市場では価格が暴落します。

「大数の原理」は数学的には正しくても、「人の心理」が支配する市場で適応できるものでは無かったのです。そう、高格付けを支える「おまじない」だったのです。

いずれにしても、投資会社は「低リスクで儲かる」と信じて高いレバレッジを掛けて、MBSやCDOの取引を拡大し続けました。当然、それらの元となる債券不足するので、サブプライム層にまで住宅ローンを組ませて、債券を量産したのです。

■ 「破綻した債券が含まれる」と金融商品は価値を失う ■

上記の様に、様々なリスクの債券を合成した金融商品は、リスクの高い債券の一部が破綻し始めると一気に価値を失います。

リーマンショック時に暴落したMBSやCDOですが、冷静に破綻率を計算すれば、3%以下に抑えられていた可能性は大きい。しかし、ゴチャゴチャに合成されたMBSやCDOから、破綻した債券を抽出する事は事実上不可能で、結果的に全てのMBSやCDOが「傷物」と判断され、価値を失いました。

一次的に価値を失ったMBSをFRBが大量に購入します。危機が去れば、これらのMBSはきちんと金利見出しますから、再び価値を取り戻します。FRBは時期を見て、購入したMBSをちょっとずつ市場売却して行きました。

「心理」が支配する市場は、危機に際しては「合理的判断」を失います。これは生存競争において生物が獲得した本能で、「先に逃げれば個体が助かる確率が高くなる」からです。しかし、金融市場では、皆が逃げれば市場が崩壊して、危機は全体に及びます。これが「〇〇ショック」の本質です。

■ 現在拡大しているローン担保証券(CLO)のレバレッジ ■

現在、サブプライムローンと同様に危機が噂されるCLO(ローン担保証券)。

アメリカの中小事業主などが借り入れたローンをまとめて証券化した金融商品です。MBS同様に、様々なリスク(金利)のローンを合成して作られいます。

ジャンク債と違い、きちんち担保を設定したローンが元である事から「比較的安全」とされていますが、ローン自体の平均レバレッジは5%程だそうです。これはサブプライムローンの無限大に比べれば、かなりマトモに見えます。

FRBの金融緩和でアメリカの金利も下がっていますので、アメリカのローン金利も当然下がりました。信用力の高い企業のローン金利は低くなります。これらのローンを集めて証券化しても大した金利は付かないので金融商品としては魅力が有りません。

そこで、信用力の中くらいのローンと、信用力が低いローンと、信用力の高いローンを適当な配分で組み合わせる事で、魅力的な金利の金融商品としたのがCLOです。

CLOに飛び付いたのが日本の金融機関です。特にゆうちょ銀行や、農林中金、地銀、さらにはメガバンク。運用力の低い日本の金融機関は、「低リスクでそこそこの金利」といううたい文句に弱い。

■ FRBも警告を発したCLOの過剰発行 ■

日本の資金を吸い上げる事で拡大したCLO市場ですが、昨年末にFRBが警告を発しています。それを受けて金融庁も主な金融機関のCLOの保有状況を確認しています。

CLOのリスク要因はFRBの利上げです。ローンを借りた中小企業は「借り換え」を繰り返して事業継続しています。いわば「自転車操業」に近い。FRBの利上げによって、これらの企業の金利負担は借り換えの度に増大しています。

アメリカ経済が好調で、事業の売り上げが順調の時にはローンは破綻しません。しかし、一度米経済に陰りが見え始め、消費が縮小すると、財務状況の悪い企業から破綻が始まります。そうなると借り換え金利も上昇するので、破綻はさらに拡大します。

米経済がピークを打ったと言われる中で、アメリカの中小企業の破綻は今後拡大するハズです。日本からの資金が支える事で過剰なリスクを取っている企業も多いはずで、これが破綻する構造
日本の量的緩和マネーが支えていたサブプライムローンが崩壊した構造に似ています。

■ 5%の平均レバレッジは安全か? ■

CLOやジャンク債市場が、次の金融危機の引き金を引く可能性が高まっていますが、「投資銀行が過大なレバレッジを賭け、無限大のレバレッジのサブプライムローンが量産された時代と今は違う」と主張する人は少なく無い。

しかし、一度、アメリカの中小企業の倒産が増え始めたら、保守的な日本の金融機関はCLOを売却するハズです。現に、リスクが高まった2018年末には、ジャンク債は起債されなくなり、CLOも買い手が付かなくなった。日本の金融機関が買い控えたからです。

「金融商品は傷物になると価値を失う」というリーマンショックの教訓を踏まえれば、デリバティブ市場の規模がリーマンショック前よりも拡大した現在は、リーマンショック以上のリスクを世界は抱え込んでいます。

レバレッジの数字だけ見れば「過大なリスクでは無い」と思われがちですが、国債中心の保守的運用をしていた日本の金融機関がリスク運用を拡大した事で、リスクは広く浅く拡散しています。これは日本に限った事では無く、金利の低下した世界で、多くの保守的な投資家が、それなりのリスクを抱えています。

FRBは本年中の利上げをしない様ですが、アメリカの景気という「水位」が低下すると、水面下に隠れていたリスクが、様々な場所から顔を出し始めるハズです。

「炭鉱のカナリア」とも言えるジャンク債市場あたりに注意しておいた方が良いでしょう。
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