2009/12/6

捏造された温暖化・・・クライメートゲート事件  温暖化問題
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■ ホッケースティックス理論 ■

上のグラフはIPCCが第三次報告書まで採用していた有名な「ホッケースティクス理論」のグラフです。産業革命以来、人為的に排出された二酸化炭素により、地球の平均気温が急激に上昇した事を示すグラフとされてきました。

このグラフは98年に、ペンシルバニア大学のマイケル・マンらが作成したグラフで温度計で計った最近(近代約150年分)の気温(実測値)と、木の年輪の間隔などを測定して算出した大昔の概算気温(指標値、proxy data)とを「接ぎ木」して、大昔から現在につながる世界の平均気温の変化のグラフを作成しています。

マンのグラフは発表当初から信憑性に疑問があります。中世の温暖期や、江戸時代の寒冷期を意図的に過小評価しているとの指摘がされています。IPCCの第4次報告書ではマンのグラフは扱いが小さくなっています。

■ 暴露された「Trick」 ■

京都議定書の次なる温暖化防止のプログラムを作成する為に、コペンハーゲンでCOP15が開かれようとしています。その開催に合わせるかの様に、重大な情報がリークされました。

イギリスのCRU(イーストアングリア大学気候研究所)は温暖化問題で主導的な役割を果たしてきた研究所です。そのサーバーに何者かが侵入、外部とやりとりされた1000を超えるメールやプログラムのスクリプトなど3000を超えるファイルが持ち出され、ロシアのFTPサーバにそれが匿名でアップされました。

その中にはマンのグラフの「Trick]の再現についてジョンズ所長が触れているメールが含まれています。木の年輪の観測では1960年代以降地球の気温は寒冷化している傾向を示します。そこで、あたかも温暖化が継続しているかの如く見せる為に、1940年以降は実測による世界の平均気温のデータを接木するトリックが有効だと述べられている様です。

さらに、メールと共に多数漏出したフォートランなどのプログラムソースの中に、グラフを補完するプログラムも存在し、「(気温の)下落傾向に対し、非常に人為的(不自然)な補正をほどこす」(Apply a VERY ARTIFICAL correction for decline!!)というコメント付きのプログラムまで見つかっています。

■ クライメートゲート事件 ■

欧米ではこのスキャンダルを、ウォーターゲート事件をもじって、クライメート(気候)ゲート事件と呼び、各種メディアを騒がせています。日本のメディアでは殆ど報道されませんが、インターネットのブログなどではこの事件は結構取り上げられています。

コペンハーゲンで開催されるCOP15は、二酸化炭素排出削減を目指す先進国と、排出枠を大きく確保したい新興国や途上国の間で熾烈な争いが展開されます。途上国がクライメートゲート事件をネタに先進国に譲歩を迫る場面が充分に予想されます。

■ 科学では無い温暖化問題 ■

温暖化問題は、その出発点において既に科学では無く政治の道具でした。今回の情報漏洩はその事実を改めて浮き彫りにしました。温暖化は捏造されたのです。

では何故温暖化を捏造する必要があったのか・・・・。
昨年までは、温暖化問題は先進国が途上国の成長を阻害する枠組みの様に思われていました。しかし、最近の動きを見ていると、先進国は排出規制という経済の足かせを自らに課してしる様に思えます。そして、温暖化防止のプログラムは、先進国から途上国への技術と資本の移転を強力にバックアップしている様に見えます。

温暖化問題は世界の多極化をゆっくりと後押ししています。

これは経済危機や戦争を道具として世界を急激に多極化させる方法よりも平和的に思えます。科学的に考えれば合理性に欠けるように思える温暖化問題ですが、地球の安定と平和の為になるならば、あえて騙されるのも悪くは無いのかもしれません。

尤も、グローバル化は日本人の貧困化とセットである事には変わりありあません。日本の技術と資本は何だかんだと理由を付けられて、途上国の発展の為に掠め取られ、日本は途上国のブースターとして使用された後、切り放される可能性が大いにありあります。

将来に夢が持てない若者には、緩慢な衰退よりも、派手な崩壊が魅力的に写るかもしれません。・・・さて世界はどうなるのでしょうか?
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2009/10/12

グリーンバブルの足音  温暖化問題
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■ アメリカで動き始めたグリーンバブル ■

今朝の読売新聞は一面で、アメリカが「新エネルギー大国」に舵を切った事を伝えています。
モハビ砂漠の風力発電施設の写真を掲載して、
2008年度にアメリカはドイツを抜いて世界一の風力発電大国になっと持ち上げています。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20091011-OYT1T00766.htm

この記事では、「オバマ大統領が温暖化対策を経済対策の柱と位置づけたのを機に
官民のマネーが流入。風力発電施設は建設ラッシュの様相だ」と伝えています。


■ オバマとは無関係な風力発電の隆盛 ■

次のグラフを見てください。

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アメリカの風力発電投資は2004年頃から急速に拡大しています。
オバマが大統領戦に勝利したのが2008年11月ですから、
それ以前の風力発電への投資は、ブッシュ政権下で行われた事は自明の事実です

むしろ、リーマンショック後の経済の混乱で、
環境分野の投資もほぼ凍結されていたはずです。

ここきて漸く、投資マネーが本格的に動き出す気配があります。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11895520091011

ロイターの記事ですが、ジョージ・ソロスが10億ドルを環境分野に投資するようです。
ただ、これもアドバルーン的な発表だと思います。

■ アメリカは風力発電に適している ■

アメリカは国土も広く、砂漠なども広がり、
安定した強風が吹く地域では、風力発電の適した国です。

ルート5をLAからサンフランシスコに向かって北上していくと、
サクラメントとの分岐点当たりで、車が真っ直ぐに走らなくなります。
何なんだろうと思いながら進んで行くと、丘の上に巨大な風車が林立しています。
とてもSF的な光景に、思わず息を呑みました。
写真を撮ろうとしましたが、車が安定しません。
何と、強烈な横風を受けていたのでした。
風力発電とは、まさにこんな場所に適しているのです。

LAから、東に砂漠を走っていても、風力発電は良く見かけました。
もう10年近く前の事ですが、当時からカルフォルニアは環境政策が盛んでした。
砂漠の風力発電所で気になったのは、壊れた風車の数です。
鉄塔から外されて地上に転がる巨大は発電機、
プロペラが外れた発電機、
さらに、回転していないプロペラなど、結構な数がありました。
正確ではありませんが、1割程度の故障率があるのではないでしょうか?
設備の一割が稼動しないというのは、投資としては如何なものかと思った事を思い出します。

アメリカはこの様に、10年以上前からテキサスとカリフォルニアを中心に
風力発電に投資をしてきました。
しかし、風力発電の電力は、アメリカ全土の消費電力の1%程度です。
逆に言えば、ヨーロッパに比べれば、大した事は無いのです。

これを、大々的に書き立てる読売新聞の記者は、数字の読み方を間違っています。

■ ジョージ・ソロスは儲かる分野に投資すると明言 ■

投資家のジョージ・ソロス氏は
「利益の出る投資機会を探すが、気候変動問題の解決に真に貢献できる投資も求めていく」
と言っています。

裏を返せば、温暖化などどうでも良いのです。
儲かればイイという事。
これからは環境分野のこのような投資マネーが群がってきます。

ドイツの環境ビジネスの成功の裏には、
儲からないビジネスをサポートする環境ファンドの様な地道な投資がありました。
利潤は低いが、環境に良いから投資するという姿勢です。
この様な投資では、投資額も限られていますから、
環境ビジネスが、実は環境に優しくなくても、その影響は限定的でした。

しかし、大手のファンドマネーや国家予算がこの分野に流れ込めば、
一時的にしろグリーンバブルが出現します。
ファンドマネーは利益に飢えています。
彼らは10年先を見越した投資をするでしょうか?
10年先にこの分野が隆盛を極めているかどうかリスクがある中では、
彼らの投資は短期的な投資、即ち排出権市場などに向かう事は明確です。

さて、この様な環境の中で、環境ビジネスがまともに育つでしょうか?

■ 儲かる=消費 ■

有史以来、経済価値の増大は、物質消費の増大と同義です。
国力を端的に比較したければ、発電量を調べれば良いと言われています。
実際、統計的に怪しい中国のGDPの類推に発電量を使うケースがあります。

もし、クリーンエネルギーが経済に貢献するのであれば、
それは、トータルのショウヒエネルギーの増大を意味します。
この例はハイブリッドカーや、エコ・ディーゼルを例に取っても分かります。

■ 石炭業者を悪者にする読売新聞 ■

読売新聞は風力発電の関連記事として、
石炭業者がクリーンエネルギーの推進に反対していると伝えています。

アメリカは石炭大国で、全世界の25%程の埋蔵量を誇ります。
発電の石炭依存も高く、当然、石炭産業の従事者も大勢います。

さて、もし地球温暖化がウソならば、
これら石炭産業従事者の雇用を奪う価値があるのでしょうか?

クリーンエネルギーブームが一時のバブルで終焉した場合、
石炭産業と、クリーンエネルギーの両分野から失業者が発生します。

クリーンエネルギーを声高に叫ぶ方達は、
あたかもグリーン・バブルを歓迎しているかの論調です。
しかし、バブルはいつか崩壊し、後には荒廃した産業が取り残されます。

エネルギー危機はいつかは訪れます。
しかし、未熟な技術に資金と資源を浪費するツケは必ず払う時がやってきます。
環境分野こそ、ゆっくりと、地道に熟成させる産業です。、
それを間違うと、将来の芽を摘むことになります。

80年代末のアメリカがそうであった様に・・・。

私の視点とは多少違いますが、
アメリカの環境投資の現状が分かり易い記事を見つけました。
グリーンバブルのグリーンシュートは確実に見られるようです。

http://money.quick.co.jp/pr/eco/report/us_vo4.html
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2009/10/12

実効燃費でみた省エネ車  温暖化問題
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■ 実効燃費からみた省エネ車 ■

日本車のカタログの10−15モード燃費が実際の燃費から乖離するので、
実効燃費のデータが無いか探した所、見つけたので上に示します。
元データは http://response.jp/e-nenpi/rank.html を参照して下さい。

データは以下の方法で収集されたものの様です。

<参照>
ユーザーから寄せられる毎月数万回の給油情報をもとに、
いままでにない規模の車種別実用燃費データを集計、ランキング形式で発表しています。
<参照終わり>


これによると、3代目プリウスのカタログ燃費(10−15)は38Km/ℓですが、
実効燃費は22.5Km/ℓで、カタログ燃費の6割となっています。
この事からも日本に10−15モード燃費の測定方法事態が実態を反映出来ない事が分かります。


■ 軽自動車の燃費があまり良く無い ■ 

この表で見ると、軽自動車の燃費があまり良く無い事に気付きます。
軽自動車の燃費の良いものは、19Km/ℓとプリウスに比べそこそこの数字の様ですが、
ほとんどがマニアル車のデータです。
唯一、アルトラパンがAT車で上位に顔を出しています。

これは、衝突安全性の確保の為に、軽自動車の重量が増大し、
既に重量だけは軽自動車で無くなっているのに、
エンジンのレギレーションが660CCという事に起因します。
車重に対してエンジンが非力で、効率が悪い車になってしまっているのです。
燃費の上で有利の思われる軽自動車ですが、
パワーやトルクを確保しながらの省エネ化には限界があり、
省エネ車の本命とは言いがたいのでは無いでしょうか。
将来的に1300CCクラスの省エネ化が進んだ場合
軽自動車は税制の優遇のみが利点の、狭くてパワーの無い中途半端な車になりそうです。

■ CVT、AT車も健闘 ■

ミッションに関しては、軽自動車こそMT車有利ですが、
コンパクトカーに関してはCVTやAT車も上位に顔を出しています。
ATやCVT車でも、走行時にクラッチをロック出来れば、
それなりの燃費になる事が分かります。

コンパクトカーではヴィッツの1300CC、CVT、アイドルストップ付きが、
17.6Km/ℓと非常に健闘しています。
現行モデルの1000CCアイドルストップ機能付きの
カタログの燃費(10−15)が24.5Km/ℓですから、
こちらも約7割が実効燃費だとすると同等になります

フィアット500が1200CC,AT車で17.5Km/ℓと非常に優秀ですが、
多分これはサンプルが少なく、省エネ運転技術に優れた人のデータなのでしょう。
別のデータでは、13.93km/ℓで、一般的な日本車と大差はありません。
同様にデータは全般的に、希少車でのデータの誤差は大きいと思われます。


■ 省エネ車の本命はアイドリングストップ付きのコンパクトカー ■

ビッツのアイドルストップ付きと、2代目インサイトの燃費の差は、2.3Km/ℓです。
価格はヴィッツの1000CCアイドルストップ付きが、128万円。
2代目インサイトが、199万円ですから、その差は71万円。

インサイトは車体も大きく、ハイブリットシステムで重量もアップしていますから、
低速トルクを除けば、走行性能に大きな差があるとは思えません。
(ここら辺、実際運転した事が無いので説得力ありませんが....。)
ただ、以前レンタカーで借りたヴィッツはキビキビと良く走り、
先代マーチ(角目のやつ)に比べ、圧倒的に良く走ってビックリした記憶があります。

今後、環境意識の高まりから、アイドルストップが定番となれば、
コンパクトカーの燃費は、ハイブリット車に迫るものとなります。

■ エコディーゼルもハイブリットも贅沢車 ■

前回、ヨーロッパ車のエコディーゼルとハイブリットを比較して、
エコディーゼルの優位性を主張しまいたが、
実は、エコディーゼルも排気ガスのクリーン化の為に
エンジンの構造が複雑化し、大掛かりな触媒システムを搭載しています。、
高コスト化と、車重UP、資源の消費量のアップと言った点ではハイブリットと良い勝負です。
むしろ、触媒に使用される白金の高騰による価格UPの要素も大きくはらんでいます。

3代目プリウスも、エコディーゼルも、ある程度の走りを満足させながら、
省エネも両立したいという贅沢な発想から生まれています。
これは、ユーザーニーズとしては正しいですが、
省エネの観点から考えれば、大いなる矛盾をはらんでいます。

そもそも、エコディーゼルもハイブリットも高価ですから、
価格優先のコンパクト車に搭載すると、
車格に対してアンバランスな価格の車になり、市場性がありません。

走りを妥協すれば、安くて、環境性能が良くて、
省資源の車の選択肢がいくらでもあるのです。
ハイブリット=エコ、エコディーゼル=エコとは、
自動車メーカーがユーザーに植え付けたい幻想です。

■ 電気自動車を見据えたハイブリットと、バイオ燃料を見据えたエコディーゼル ■

ハイブリットに意味があるとすれば、電気自動車の技術開発に繋がるという事でしょう。
しかし、ハイブリットのノウハウの殆どは、エンジンとモーターの最適化にあります。
一方、電気自動車のモーターは制御も容易ですから、普通の自動車を作れるメーカーが、
優秀な電池と、優秀なモーターの制御系さえ手に入れれば参入は容易です。
家電メーカがいきなり電気自動車は作れませんが、
自動車メーカーは電池の技術さえ確立すれば、どこでも即参入可能です。
むしろ複雑なエンジン制御が不要にあんるだけ、中国車などの参入機会が拡大します。
競争力の主力は、いかに安くて高性能な電池を搭載するかに移って行くでしょう。

バイオディーゼルは、高度な技術を要しますから、
エンジンの技術の積み重ねのあるメーカーに有利です。
しかし、バイオ燃料の供給に未だ目処が立っていません。
欧州では菜種油を燃料にする計画が立てられている様ですが、
少量生産は逼迫した場合、限られた農地をバイオ燃料用に使用する事は道義的矛盾を感じます。

■ 時間軸や空間的広がりを無視した省エネ車論議 ■

省エネ全般に言える事ですが、時間軸や実態を無視した机上の理論がまかり通ります。

● 製造時の環境負荷を10年で返済するような技術が本当に省エネなのか?

● 利便性や性能を妥協する事は、省エネの選択肢では無いのか?

● 本当に温暖化を心配するならば、今後爆発的に増大する中国やインドで
  有効な省エネ技術で無ければ意味が無いのでは無いか?

● 先進国が高コストで節約したエネルギーは、新興国が使用するのでは無いか?

いろいろ考えると、複雑な省エネシステムよりも、
「利便性を犠牲にする」という、ちょっとした我慢が一番環境に優しいようです。

ちょっとそこまでの買い物にプリウスで出かける人が、一番エコからかけ離れています。
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2009/10/8

超低燃費車の逆襲  温暖化問題
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日産の電気自動車「リーフ」


■ モーターショーでも電気自動車は注目ですが・・・ ■

自動車に乗らない私が車の事を語るのは、どうも後ろめたいのですが、
東京モーターショーが近付いてきました。
・・・実は、私は一度も行った事がありあませんが・・・。

今回のモーターショーは各社、環境適応車を前面に押し出しているようです。
大きな流れとしては、電気自動車と、小型低燃費車。

電気自動車では日産が来年発売予定の「リーフ」と二人乗りコンセプトカーを出展する様です。


■ 日本車も低燃費化に本格的に舵を切った ■

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マツダのコンセプトカー「清」
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ダイハツ「e:S(イース)」

小型低燃費車は、ダイハツ、スズキ、マツダがガソリンエンジンで、
10−15モード燃費30Km/ℓを看板に掲げているようです。

ハイブリットや電気自動車とは別の動きとして、
超低燃費車の市場が活気付くかもしれません。

■ 省エネ車と言えばシャレード ■

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そもそもダイハツのお家芸は省エネ車。
初代シャレードは初のリッターカーだったと思います。
10モード燃費が19Km/ℓと当時としては驚異的。
その後のリッターカー・ブームに先鞭をつけました。

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そして、低燃費と言ったらコレ。
2代目シャレードのディーゼルターボ。
20年程前に、60Km定地走行 38Km/ℓは立派です。
91年に記録した、実走行36.54Km/ℓの燃費の世界記録は
2001年にフォルクスワーゲン・ルポに抜かれるまで、塗り替えられる事はありませんでした。
ちなみにルポの記録は、42.29Km/ℓと、驚異的です。

http://www.arealink.org/air/nenpi_report1.html

ダイハツやスズキが本気になって、高性能エンジンを開発すれば、
ハイブリット車並みの燃費は実現不可能では無いのでしょう。

本田もインサイトでハイブリットに方針変換した様に見えますが、
高性能ディーゼルエンジンを研究し続けています。

■ 儲かるハイブリット ■

低燃費エンジンの技術を有する日本のメーカーが、
ハイブリットを指向するには訳がありそうです。

シャレードの例を思い出すまでも無く、
ただの低燃費車は、「貧乏人の乗り物」というイメージが日本で強いのです。
確かに、従来、低燃費に反応するユーザーは、
ガソリン代を気にするユーザーでした。
中には環境指向の方もいらしたでしょうが、
あまり金持ちが、シャレードに乗っているなんて聞いたことがありません。

ですから、メーカーは二酸化炭素の排出規制が本格的に厳しくなるまでは、
低燃費車を市場投入するつもりは無かったのでしょう。

これは、近年、温暖化とは裏腹に、日本車の排気量が増大していった事と無縁ではありません。
売れる内は、利益の多く出る車を売りたいというのが、資本主義の原則です。
ハイブリットは研究費や、利潤率を考えると、小さなメーカーに利益があるとは思えません。
ホンダが2代目インサイトで勝負を掛けたのは、
低コスト化で、ハイブリットでも利益が見込める技術を確立したからです

高性能デーゼルよりもハイブリットの方が、環境イメージが高く、
よって車体価格も高く設定できるので、儲かる。
・・・このホンダの目論見は、プリウスの価格破壊によって脆くも崩れ去りましたが・・・。

■ 売れてナンボ ■

マスコミはメーカーとグルになって、
ハイブリットや電気自動車こそが、省エネの大本命というプロパガンダに余念がありません。
ですから、日本にはヨーロッパの省エネ車事情も正確には伝わりませんでした。

しかし、リーマンショック後の自動車需要の落ち込みで、
ダイハツやスズキやマツダの売り上げは大幅に減少します。
彼らとて、プリウスの一人勝ちを指を咥えて見ている訳には行きません。

そこで、彼らも今まで培ってきた技術、
即ち低燃費エンジンを市場に投入するのでしょう。

従来、大型化、高出力化のトレンドを推進して、
売り上げの向上を図っていたメーカーにとって
180度の方向転換ですが、
単価が仮に下がったとしても、全然売れないよりはマシです。

■ ハイブリットの催眠はすぐ醒める ■

今はマスコミの煽りもあって、ハイブリット=ECOですが、
他メーカーの超低燃費車が普及してくれば、消費者も暗示か解けるはずです。

以前は「貧乏臭く」て敬遠されていた超低燃費が、
ECOでオシャレな乗り物に変わってしまったのですから。

多分、女性向けの軽自動車から普及して行くでしょう。
彼女達は、多少のパワー不足なんて気にしません。
自分の車が、空気を汚していないという事が、オシャレなのですから。

次に満を持してホンダがECOディーゼルを投入してくるでしょう。
インサイトとプリウスでは決着が付いてしまいましたから、
低燃費でハイパワー、さらにクリーンな排気ガスを売り物に、
シビックあたりで、スポーティータイプの車種から展開するのではないでしょうか?

ディーゼルはトルクフルでハイパワーで環境に優しいというイメージを確立すれば、
充分、車格の高い車に搭載出来ます。

■ トヨタも無視は出来ない ■

「ハイブリット VS エコ・エンジン」 という図式が日本でも出来上がります。
ここで、ハイブリット車が、何か特別なメリットを提示出来ない限り、
ハイブリッドの一人勝ち状態もそう長くは続かないでしょう。
ハイブリッドが優位を確立する為には、
蓄電池の技術の革命を待つしかありません。

蓄電池の高容量化と充放電の高速化技術は、
現在、各国が凌ぎを削っている技術です。
この技術が確立すれば、ハイブリットを通り越して、
一気に電気自動車の社会が到来します。
もっとも、それまでには、未だ10年程の時間が必要でしょう。

次回は、電気自動車について考えてみたいと思います


<追記>

ホンダが小型ディーゼルエンジンの開発をストップした背景には、
厳しい排ガス規制をクリアーするコストが、高くなりすぎる点が問題になったようです。

日本でクリーン・ディーゼルと呼称されるのは
ポスト新長期規制に適応する、PMやNOxの排出量が少ないディーゼル車です。
このポスト新長期規制(平成22年排出ガス規制)の内容はかなり厳しく、
触媒や様々な排ガス浄化装置を用いる必要が生じます。

トルクが太く、加速がスムーズな最新のディーゼルエンジンは、
燃料噴射を細かく制御する事で、かつての振動や騒音と無縁のエンジンになっています。
ヨーロッパで高級車にでもディーゼルエンジンが採用される理由は、
むしろ走りの確かさと、静粛性を評価した結果とも言えます。

しかし、高性能なディーゼルエンジンは製造コストも高く、
ディーゼル=トラック的な発想の日本においては、
その付加価値を価格転嫁し難いという問題を抱えています。

「ハイブリッド=エコで先進的」というイメージの定着して日本では、
クリーンディーゼルよりは、ハイブリッド車の方が確実に利益を出せると
ホンダは考えたようです。

しかし、ハイブリッド=トヨタという図式が定着しつつある現在、
ホンダが再度、小型のクリーンディーゼルの開発を再開する日も近いのではないでしょうか?
少なくとも、ヨーロッパでの販売を考えれば、ハイブリットより有効な技術です。
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2009/10/7

トヨタは大丈夫か?・・・板ばさみのハイブリット  温暖化問題
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■ ハイブリットカーの真実 ■

私はハイブリットカーがどうしても好きになれません。
ガソリン自動車としても中途半端だし、
電気自動車としても中途半端な感じかしてなりません。

両方の良い所を取っているようで、
実は最適化が非常に難しく、
いろいろ複雑な装置や技術を使って、
綻びを修正している事を進化と勘違いしているように感じられてなりません。

3代目プリウスなんて、ここから1%、あそこから1%と効率化を積み上げて、
38Km/ℓという10−15モード燃費をようやく達成しています。

その為に、普通は必要としないパーツが随分と増え、
資源消費型の、エコとは言えない奇妙な車になってしまっています。

■ 「ハイブリットカーは本当にエコなのか」という本 ■

そんな私の疑問にぴたりの本がありました。

「ハイブリットカーは本当にエコなのか」 宝島新書出版 両角岳彦 著

とりあえず、これ1冊を読めば、ハイブリットの問題点が理解できます。

■ ドイツ車の環境性能の向上 ■

ガソリン車やディーゼル車に改善の余地が残されています。
フォルクスワーゲンを初め欧州の自動車メーカーは、
現在、この点をじっくりと研究開発し、実績を積み上げています。

@ エンジンの高能率化
A ミッションの伝達効率の向上(機械式クラッチの性能向上)
B 高性能ディーゼルエンジンの開発

この3点を地道に改善した結果が以下の数字です。

@ フォルクスワーゲン ゴルフ 2ℓディーゼルターボ
  170馬力 最高時速 222km/h 18.9km/ℓ(欧州燃費テスト)
A フォルクスワーゲン ポロ 1.2ℓ ディーゼルエンジン
  30.3km/ℓ(欧州燃費テスト) 

何だ、3代目プリウスの38km/ℓには遠く及ばないじゃないかとお思いでしょうが、
この本によると、プリウスの燃費データは、実走行状態では7割程度まで落ちるそうです。
これは、10−15モード燃費テストが実走行状態から乖離している為です。

さらに、10−15モード燃費テストは車台の上で測定されますが、
車重の影響を考慮する為に、台車に車重相当の負荷を掛けて測定が行われます。
実は、この補正のステップが粗く設定されていて、250Kg刻みとなっています。
プリウスはエンジンルームの遮熱材や、床下マットの無い軽量化した車格でテストを受けています。
この車は車重は、250Kg刻みの上限値ギリギリだそうです。
悪く言えば250Kgのサバを読んで、好成績を収めた事になります。
3代目プリウスの燃費は、欧州試験では27km/ℓ程度で、ポロに劣ります。

■ プリウスは環境付加価値を高めて、環境負荷が大きい ■

プリウスは技術とコストと材料を投入して、環境付加価値を追及した車です。
しかし、結果的には資源を浪費そて、環境負荷の高い車になっています。

これは、日本のファミリーカーが「走る居間」と化していった経緯に似ています。
家族4人やその友人が快適に移動できる車を追求した結果、
日本のワンボックスカーは独自の進化を遂げて行きました。
様々なシートアレンジ、収納の数々・・・。
その結果、運転手を尻目に、子供と奥さんが菓子を食いながらDVDを見るという、
日本の家族の家庭内の姿が、外を走り回るという事態に到りました。

プリウスも省エネの本質を忘れて、
「ハイブリットはここまで出来る」という事を無駄に追求する奇形車と化しています。

■ 忍び寄る中国ハイブリット車 ■

ハイブリット車の技術的心臓部は蓄電池です。
プリウスはコスト面から、出来るだけ小さな容量の蓄電池を上手に使って
高い環境性能を実現しています。

しかし、大容量のリチウムイオン電池を大量に搭載出来れば、
プリウスのチマチマした技術など不要になります。

中国にBYDという電池メーカーがあります。
現在、リチウムイオン電池お生産量で世界一を誇る会社です。
潜水艦の電池の納入実績もあり、アメリカからの技術支援もあって、
今後が有望視される会社です。

このBYDに、ファンドの帝王バフェット氏が出資して、
10%の株を取得しました。
BYDは自動車メーカーを買収し、ハイブリット車市場に参入しています。

http://kunisawa.txt-nifty.com/kuni/2008/12/post-5c14.html

その性能は不明ですが、トヨタも市場投入していないプラフイン・ハイブリットです。

■ 安価な電池の脅威 ■

プリウスもプラフイン化の話はありますが、実現していません。
ニッケル水素電池の容量が小さいので、プラグイン化のメリットが少ないのです。

しかし、BYDのハイブリット車は、容量の大きなリチウムイオン電池を使用しています。
携帯電話や、三菱の電気自動車に利用される電池です。
リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池よりも充電容量が大きく、小型化が可能で、
さらに、急速充放電の性能もニッケル水素電池よりも優れています。

しかし、電極に使用されるコバルトは算出量も限られており、
未だに高価な電池です。

このリシチウムイオン電池を大容量搭載して、
なんと日本円で200万円の価格だそうです。
日本では、電池だけでこの値段になってしまいます。

性能の程は不明ですが、(電池の性能によりますが)
大容量もリチウム電池は、回生ブレーキの電力を充分溜める事が出来、
充放電特性に優れる事から、容易に高性能なハイブリットカーを実現出来ます。

トヨタがテンコモリの技術で解決した問題を、
中国車は、電池の物量で解決してしまいます。
世界最大のリチウムイオン電池メーカーですから、
コストが採算ラインに乗るのも夢では無いでしょう。

■ 国内でこそ一人勝ちのプリウスだが ■

国内でこそワゴンRを抜いて一人勝ち状態のプリウスですが、
エコカー減税に支えられて売り上げ台数とも言えます。
さらに、破格のプライス設定で、薄利の商品となってしまっています。

トヨタは余剰生産力を抱え、プリウスのバックオーダーも抱えていますので、
既存ラインをプリウスのラインしたいのでしょうが、
電池の生産が追いつかないとも言われています。

しかし、私は、儲けの出難いハイブリットの増産に、
トヨタ社内にも危機感を持つ社員が多いのではないかと思います。

プリウスは欧州では、高性能ディーゼル車に対してメリットを主張出来ません。
アメリカは未だに、実体経済が地を這い、購買力は復活しません。
さらに、広大な土地を高速で移動するアメリカや、
アウトバーンを高速で移動するヨーロッパでは、プリウスが苦手とする使用状況です。

先の原油高騰の折、アメリカでもプリウスの販売は好調でしたが、
今、アメリカ人はもっと安くて燃費の良い車を求めています。

結局、私達はプリウスの国内販売をだけを見て、
トヨタは今は不調だけど、世界一のハイブリット技術で必ず復活すると思い込んでいます。
しかし、プリウスこそが、日本の携帯電話と同様に、車の技術のガラパゴスであり
進化の袋小道に陥った車ではないでしょうか?

トヨタはプリウスで危機に陥る・・・そんな予感がしてなりません。
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