2019/4/2

2019冬アニメ・ベスト・・・評価は全く変わらず  アニメ
2月11日に発表した「冬アニメ・ベスト」


評価は、シーズンが終了しても全く変わりませんでした。
ただ・・・『ケムリクサ』だけは、何度観ても途中で眠くなる。だからと言って、評価が低い訳では在りません。




実は1位から3位までは私も気合を入れないと観れない(凄いけど・・・楽しい訳では無い)


楽しんで観ていたのは『モブサイコ100』、『ドメスティックな彼女』、『五等分の花嫁』です。

特に、『ドメスティックな彼女』は、家内と娘の「ヒナ先生バッシング」が凄い。見ながら、「死ね、死ね、死ねシネ!」っと、ひな先生シーンでシネシネ団のテーマを合唱する始末。「あたし、こういうの好きじゃない!!」って言いながら、ひなちゃんをディスりまくりの二人でした・・・。



<以下、2月11日記事を再録>

2019年の冬アニメも中盤に差し掛かりました。

アニメ業界も作品の過剰供給が続く中で、上手な原画・動画が描ける人の奪い合いとなっているのは以前からですが、粗製乱造が続く中で、人材不足は著しい。業界の低賃金体質もそれに拍車を掛けます。数年で離職する人が多いので人材が育たないのです。当然、低予算作品の質の低下は加速するばかり。

一方で、人材不足をCGで補う動きは加速化しています。CG製作会社が元請になるケースも出て来て、日本のアニメもいよいよCGの時代に突入しました。(好むと好まざるに関わらず)

日本のCGはアメリカと違い「2次元を3次元でどうやって再現するか」という点に力が注がれています。日本アニメ独特の「2次元絵」を3次元CGで再現するのは至難の業です。各社、様々な工夫で試行錯誤していますが、最近は2次元に見える3次元のモデリングのノウハウも蓄積して来た様です。ただ、ヌルヌル動くのが気持ち悪いので、今後は動きの「タメ」や「デフォルメ」などの表現をどう「自動化」するかがカギになるかと思われます。


今期アニメの特徴は、観るべきアニメと、観なくても良いアニメの格差が歴然としている事。そしてダークホース的に面白い作品が無い事。そんなこんなで、速くもランキングの発表です。




第一位 『どろろ』

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『どろろ』より

■ どっしりとした時代劇として蘇る『どろろ』 ■

戦国武将の醍醐 景光は戦乱の世に終止符を打つべく48体の鬼神と契約します。「俺からどんな物でも奪っても構わない、その代わり俺に天下を取らせろ」と。その契約が叶ったのか、長男は生まれた直後に雷に打たれ、目も耳も手足も皮膚も無い状態に。その姿を見た景光は鬼神との契約が成された事を確信します。そんな姿の赤子でも「愛おしい」という奥方を制して、その子は乳母によって、そっと川に流されます。

赤子はある男に拾われ、義手義足を与えられ、百鬼丸と名付けられ、16歳になると旅に出ます。鬼神を倒し失ったものを取り返す旅に。途中、命を助けた少年どろろが旅の道連れとなり、鬼神達との対決が繰り広げられゆきます。


50年前の手塚作品ですが、現代の技法とセンスで、MAPPAが本気のアニメ化。「どっしりとした時代劇」に生まれ変わっています。往年のファンも、現在のアニメファンにも見応え十分の作品となっています。

■ 「ハトよ天まで」という隠れた名作の流れを汲む『どろろ』 ■

手塚治が1967年に「少年サンデー」に連載を開始した『どろろ』ですが、未完の作品です。アニメ化もされていますが、手塚作品の中では不人気とされていました。少年漫画誌で戦国時代の暗くドロドロした話は受けなかったのでしょう。

私はキラキラした手塚作品は苦手で、手塚作品で一番好きなのは、中学校の図書室で読んだ「手塚治 初期作品集」に収録されていた「民話ファンタジー」の『ハトよ天まで』だったりします。これ本当に「隠れた名作」と呼ぶにふさわしい作品で、今でも一コマ一コマをはっきりと思い出す事が出来ます。

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「ハトよ天まで」より

ふとしたきっかけで人間の双子の赤ん坊を育てる事になった大蛇の母親。人の姿となって、人間の夫と、子供達と幸せな時間を過ごしますが、夫は天狗の「黒主」に殺されてしまいます。子供達はやがて立派に成長しますが、母の本当の姿を知ってしまいます。母は子ども達の元を去ります。成長したハド丸とタカ丸は、父の敵の「黒主」に挑みますが破れてしまいます。二人は別々の道を選択して再び復讐を誓いますが、やがて二人は対立してゆく事に・・・。手塚治が童話「龍の子太郎」に着想を得て1964年から1967年に発表した作品ですが、『どろろ』の連載の直前まで描かれていたので、『どろろ』はこの作品の流れを継いだとも言えます。


■ 時代劇を消化した『どろろ』 ■

手塚治の『どろろ』を現代の手法で描くとこれ程までに面白くなるのかと驚愕。手塚作品のリメイクは何回も行われていますが、巨匠に気を遣うあまり「手塚臭」が抜けないものが多かった。「手塚臭」とは何か私も明確に答えられませが「漫画黄金期へのノスタルジー」と勝手に解釈しています。

手塚作品としては知名度のワンランク下がる『どろろ』ですが、今回のアニメ化では「時代劇」として漫画的な世界と切り離す事で、ストリーテイラーとしての手塚治の素晴らしさが浮き彫りになっています。

とにかく作画、演出ともに素晴らしいの一言。時代劇のアニメの傑作に1990年に発表されたOVAの『THE八犬伝』が有りますが、まさに同質の空気感や世界感を共有する作品となっています。その根底には日本映画の時代劇の膨大な蓄積が有ります。

アニメ版『どろろ』の冒頭の大雨のシーンは黒沢監督の羅生門のそれですし、河原のシーンなどは「子連れ狼」などを彷彿とさせます。ロングのカット、モンタージュのタイミング等など、細部にまで時代劇の血脈を感じずにはいれません。

■ CGの時代に咲いた最後のあだ花 ■

とにかく、この作品、動画のクオリティーの高さは圧倒的です。ヌルヌル動くとか、派手な構図で動き回るといった方向ではなく、基本的な動きに手抜きが一切ありません。第一話のどろろが登場するシーン。市で盗品を売るどろろが振り返る瞬間の1秒には、背筋が寒くなる感覚すら覚えます。現在のCGでは、遠く及ばぬ次元。

今後、日本アニメもCGが主流になり、1枚1枚を職人技で動画を描くなどという時代では無くなるのでしょう。だからこそ、今、人が頭の中で動きをシミュレートして、手描きでそれを再現した「職人的な技術」を後世に残そうという意気込みは並大抵では有りません。

監督は『るろうに剣心』のOVAの古橋一浩。シリアスな殺陣シーンに定評があります。

■ 小林靖子には是非、大河ドラマの脚本をお願いしたい ■

シリーズ構成と1,2,5話の脚本は小林靖子。彼女以外の3、4話と見比べると、彼女の脚本の凄さが良く分かります。3,4話は「定型」のセリフが続きます。次の一言が何となく読めてしまう。それに対して小林脚本は「言葉を飲む」のが分かります。そこで発せられそうな一言をキャラクターが言わない時が有る。そして、その一瞬にキャラクターに血が通います。

小林脚本はキャラクターが本当に実在して、そして彼らが実際に話しているような錯覚を覚えます。「セリフを飲む」のもキャラクターの意思が、そのセリフを言わない様に感じさせる。

私は小林靖子が大河ドラマの脚本を書くならば、TVを買って、NHKに受信料を払うと宣言します。(今はTV無いけど・・・)

■ 手塚愛に溢れるOP、そしてかわいらしいEDが素晴らし過ぎる ■

OP、EDも素晴らし過ぎます。特にOPは手塚原作のシーンを忠実に再現。


『どろろ』OP より



『どろろ』ED より





最後にこんな画像をネットで見つけました。

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『どろろ』ゲーム版より

どこの卍さんかと思ったら百鬼丸でした・・・。

ちなみに実写映画版が先に公開されていますが、アマゾンプライムで無料で観る事だ出来ます。私は5分と観る事が出来ませんでした。アニメ版の方が「時代劇」としての風格が破格に違い過ぎます。


第ニ位 『ブギーポップは笑わない』

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『ブギーポップは笑わない』 より

上遠野 浩平が1998年に電撃文庫から発表した「ライトノベルの歴史的名作」。奈須きのこ(『空の境界』)や西尾維新(『化物語』)らが多大な影響を受けた作品のアニメ化。(私は未読です)

この作品の2位には異論も多いでしょう。電撃文庫創刊25周年作品として『とある魔術師の禁書目録V』と共にかつてのベストセラーのアニメ化ですが、今の若者に『ブギーポップシリーズ』は読めないでしょう。江戸川乱歩から連なる「伝奇小説」に属する作品ですが、アニメから察するに「時制の倒置」や「入り組んだ多視点」や「あえて核心を描かない」事で、構造的に非常に難しい作品の様です。(『サクラダリセット』も同じ手法)

大人が読むにはファンタジー的な要素が邪魔ですが、児童書に分類するには描写もグロく、内容も難しい・・・。若者向けの「分類不能」な作品の受け皿としてライトノベルというジャンルが無ければ生まれなかった作品です。

その昔は「ソノラマ文庫」や「コバルト文庫」がそのライトノベルの創成期をを担っていましたが、1984年に角川の「スニーカー文庫」と富士見書房の「富士見ファンタジア文庫」が創刊され、いよいよライトノベルの時代の幕が開きます。

その後、角川文庫社内の対立で、弟の角川歴彦らが独立して作った会社がメディアワークス。スニーカー文庫の人気作家達をごっそり引き抜いて誕生したのが「電撃文庫」です。電撃文庫からは数多くの人気作家や人気作品が排出されました。『ブギーポップは笑わない』は1997年の電撃ゲーム小説大賞となった作品。


高校生たちの間で「ブギーポップ」が都市伝説として話題になっています。「全身黒ずくめのマント姿だって」「女の子の一番キレイな時に殺してくれるんだって」など、噂は様々です。

同時期、女子高生達が失踪する事件も立て続けに起きていますが、学校側は「若者に良くある家出」だと解釈して重要視はしていません。しかし失踪の裏には・・・。

さて、ブギーポップが颯爽と現れて事件を解決してくれるのかと思うと、どうも彼女は事件の外側を徘徊しているだけ。関わったとも、関わらなかったとも言える中途半端な感じで、失踪事件は幕を閉じます。ブギーポップはあくまでも「バランサー」なのだと語ります。

終始こんな感じで、「肝心な何か」が語られません。物語の時制もかなり複雑にシャッフルされているので分かり難い。ただ、「ただならぬ雰囲気」だけが濃密に充満しています。これこそが「厨二病」の本質なのかも知れません。「何でも無いものを誇大に表現する」・・一種の「表現主義」とも言えますが、かつての若者達は、この作品に夢中になった。

20年以上を経て、この作品が色褪せたかと言えば、全くその様な事はありません。今でも十分に魅力的で、江戸川乱歩と同じ匂いを漂わせています。ただ・・・今の「幼稚なラノベ」に慣れてしまった若者には、ちょっと受け入れ難いかも知れません。

角川書店が電撃文庫や富士見ファンタジー文庫を傘下に収め、『サクラダリセット』や『塩の街』など、かつてのラノベの名作が角川文庫に編入され、大人向けの小説と認知される中で、『ブギーポップシリーズ』はライトノベルの指標として、電撃文庫に残されるのでしょうか。

かつて発売されたOVAアニメ版は、本編をアニメ化するのは不可能と判断して、サブストーリーを映像化しましたが、今回はマッドハウスが本気のアニメ化です。原作にある「文章ならではの、持って回った様な言い回し」や「行間の闇」を、どこまでアニメで再現できるのか?文学表現を駆使した『サクラダリセット』のアニメ化と同様に、とてもハードルの高い挑戦で。

「分からない物はツマラナイ」と切り捨てる現代の若者に「分からない物はオモシロイ」を問いかける作品として、私はマッドハウスの挑戦に拍手を送りたい。

音楽は『聲の形』の牛尾慶輔。これだけでも一見の価値はあります。



『ブギーポップは笑わない』PV より



第三位 『ケムリクサ』


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『ケムリクサ』より

『けものフレンズ』でその名を馳せた「たつき」監督と「ヤオヨロス」の製作。

赤い霧で満ちた廃墟の中で懸命に生きる少女たちと、どこか他の世界からやって来た少年のロードムービー。少女たちは「赤虫」という機械に襲われますが、植物から借りた力でこれを撃退します。しかし、水が乏しくなると植物は枯れてしまう・・・。彼女たちは水を求めて、危険な旅に出る。

私、はっきり言って『けものフレンズ』は全然分かりません。もう見ているだけでイライラして来る・・・。(よたろうさん、ごめんなさい)

だけど、『ケムリクサ』は良い!!。大好物です。特に「りつ」ネーサンは俺のヨメ。りなっちは二号、三号、四号・・・。

チープなCGの「非実在感」を逆手に取って、シュールなファンタジーワールドを構築するセンスには舌を巻きました。「けものフレンズ」ではキャラクターの可愛さが強調されて、そこにファンが萌えてブームを巻き起こしましたが、実はキャラの可愛さの根源は「シュールさ」にあったのですね。

チープさを逆手に取る手法として蛙男の「鷹の爪団」などが思い浮かびますが、たいがい「シュール」を「笑い」に転じる場合が多い。しかし『ケムリクサ』では、「シュール」はゲーム世界の中の様な「実在感の無い存在の儚さ」を作り出す事に成功しています。

「赤虫」達に襲撃される少女たちの存在は、あまりにも儚く、そして何人かの仲間を実際に失っています。カゲロウの様な存在の彼らが、それでも必死に生きる姿にある種の「無常観」が漂う。

ロードムービー系の作品の特徴として「中身スッカラカン」の作品で、そこが評価の別れる所でもありますが、俳句や短歌を味わう様に、ミニマムの中から視聴者が何かを見つけていくべきだと思います。サービス過剰な作品が氾濫する中で、この割り切り方は凄い。

「たつき」監督。凄いセンスしてます。


第4位 『モブサイコ100』第二期

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『モブサイコ100』より

二期目の作品は原則的に選ばないのですが、この作品は凄い。一期終盤のテンションを一度リセットしてから、二期で再びモブの日常と成長を描きます。

原作が面白いのですが、アニメは原作の簡略化された絵を上手に使っています。それは・・・「動かし易い」という点。多少絵柄が乱れた所で全然気になりませんから、戦闘シーンで作画が動く動く。

これも手描きアニメの最後のあだ花的な作品ですが、ドラマもしかりしているので、単なる「作画厨」向けの作品ではありません。さすがはボンズ。


第5位 『ドメスティックな彼女』

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『ドメスティックな彼女』より


小説家を志す真面目な男子高校生が、合コンのカラオケで知り合った行きずりの女子高生とSEXしてしまう。でも、その子は父親の再婚相手の娘だったのです。さらにあろう事か、彼がひそかに思いを寄せる女教師は、その子の姉だった・・・。一つ屋根の下で暮らし始めた彼らには、いったいどんな運命が待っているのか・・・。

一般紙のマンガは意外にSEXのハードルが高い。パンツを見て盛り上がり、キスで舞い上がり、ラッキースケベで胸を触ってドッキリしても、なかなかSEXまでの道は遠い。リアルな高校生は「SEXなんて普通」なんて子達が大勢居るご時世に、マンガの世界は意外にも真面目です。

そんな中で少年マガジンは「SEXありのの恋愛」を描く事を得意?とする雑誌ですが、いきなり主人公同士がSEXして始まる作品は前代未聞でしょう。(大人の小説では良くあるパターンですが)

一度SEXした仲だから、同じ屋根の下に住んでいても「大丈夫」。ちょっとやそっとの事は恥ずかしくありません。だから、異性として過剰に意識もしない。だって、彼は姉の方にぞっこんなのだから・・・。まあ、色々とツッコミ所はあるでしょうが、エッチだけれども意外に真面目な作品で、家内もニヤニヤして観ています。

ちなみにOPが出色の出来。


『ドメスティックな彼女』OP より

第六位 『約束のネバーランド』

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『約束のネバーランド』より


大好きな「ママ」と暮らす孤児院の子供達。12歳までに里子に貰われてゆく子供も多く、最年長の12歳は3人だけ。この3人、学力優秀で運動も出来る。

そんな孤児院には実は秘密があった。ある日、里子に貰われるコニーの忘れ物を届けに後を追ったエマとノーマンは、自分達が何の為に育てられているのかを知ってしまいます。そして、年長の3人は全員で脱走する事を決めます。ただ、誰かがママに密告している疑いが・・・

さすがは様々な漫画賞を取った作品だけありあます。サスペンスとして出色の出来。ハリウッド作品でも、ここまで良く出来たサスペンスはそんなに無いのでは。


第七位 『五等分の花嫁』

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『五等分の花嫁』より

ギャルゲー方式の気軽なラブコメですが、家内のお気に入りなので。どうも家内は「俺様」もののギャグ作品がお好きな様です。ちなみに私は家内の下僕。

今期のオアシス的作品なので私も楽しんでます。



第八位 『賭ケグルイ』第二期

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小林靖子の信者としては外せません。第二期、唐突に賭けのシーンから始まって、第一期のテンションに強引に引きずり込まれる視聴者。シリーズ構成って大事ですよね。



第八位 『revisions』


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『revisions』より

ランキングに入れようか微妙な作品ですが、一応、谷口悟朗作品なので紹介までに。『ガサラキ』や『コードギアス』などネトウヨ的な主張が見え隠れする谷口作品ですが、今回も「平和ボケ」に一撃を加える内容。


以上、気が早いとは思いますが、多分、シーズンが終わっても順位は変わらないでしょう。多分。


【追記】 電撃文庫25周年と名打たれた『とある魔術師の禁書目録』の第三期。長い間ファンが待望していましたが、やはりというか、残念な事にというかグダグダな内容。原作の情報量が多いので、シリーズ構成で少し整理する必要があるのでしょうが、ここが上手く無い。特にイギリス編は原作未読の視聴者には何が何だか分からない酷さ。(作画も非常に残念)

『とある・・』のアニメ版は、本編よりも長井龍雪(『とらドラ』や『あの花・・』の監督)が手掛けたサイドストーリーの『とある科学の超電磁砲』の方が評価が高いのですが、これは一つ一つのエピソードにじっくりと時間を掛けているから。むしろ少々冗長な感じがする位いですが、鎌池和馬の原作の情報量を正確に伝えるには、この位の尺が必用になるのでしょう。

SFというジャンルは元来情報量が多く、映像化に当たっては、セリフ以外で説明される部分を映像で表現する必要が有りますが、『とある・・』シリーズは各勢力間の関係も非常に複雑なので、アニメのテンポではどうしても未消化になり易い。

という訳で、アニメ三期が「訳分からん」ので、思わず電子書籍で「ポチっとな」しちゃいました。原作・・・面白いです!!

アニメ三期、無理に二期の続きをやらなくても「新約」版の11巻の「食蜂編」から始めれば新しいファンも獲得出来たのではと思うと残念です。
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2019/2/11

2019冬アニメ ベスト  アニメ
 

2019年の冬アニメも中盤に差し掛かりました。

アニメ業界も作品の過剰供給が続く中で、上手な原画・動画が描ける人の奪い合いとなっているのは以前からですが、粗製乱造が続く中で、人材不足は著しい。業界の低賃金体質もそれに拍車を掛けます。数年で離職する人が多いので人材が育たないのです。当然、低予算作品の質の低下は加速するばかり。

一方で、人材不足をCGで補う動きは加速化しています。CG製作会社が元請になるケースも出て来て、日本のアニメもいよいよCGの時代に突入しました。(好むと好まざるに関わらず)

日本のCGはアメリカと違い「2次元を3次元でどうやって再現するか」という点に力が注がれています。日本アニメ独特の「2次元絵」を3次元CGで再現するのは至難の業です。各社、様々な工夫で試行錯誤していますが、最近は2次元に見える3次元のモデリングのノウハウも蓄積して来た様です。ただ、ヌルヌル動くのが気持ち悪いので、今後は動きの「タメ」や「デフォルメ」などの表現をどう「自動化」するかがカギになるかと思われます。


今期アニメの特徴は、観るべきアニメと、観なくても良いアニメの格差が歴然としている事。そしてダークホース的に面白い作品が無い事。そんなこんなで、速くもランキングの発表です。




第一位 『どろろ』

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『どろろ』より

■ どっしりとした時代劇として蘇る『どろろ』 ■

戦国武将の醍醐 景光は戦乱の世に終止符を打つべく48体の鬼神と契約します。「俺からどんな物でも奪っても構わない、その代わり俺に天下を取らせろ」と。その契約が叶ったのか、長男は生まれた直後に雷に打たれ、目も耳も手足も皮膚も無い状態に。その姿を見た景光は鬼神との契約が成された事を確信します。そんな姿の赤子でも「愛おしい」という奥方を制して、その子は乳母によって、そっと川に流されます。

赤子はある男に拾われ、義手義足を与えられ、百鬼丸と名付けられ、16歳になると旅に出ます。鬼神を倒し失ったものを取り返す旅に。途中、命を助けた少年どろろが旅の道連れとなり、鬼神達との対決が繰り広げられゆきます。


50年前の手塚作品ですが、現代の技法とセンスで、MAPPAが本気のアニメ化。「どっしりとした時代劇」に生まれ変わっています。往年のファンも、現在のアニメファンにも見応え十分の作品となっています。

■ 「ハトよ天まで」という隠れた名作の流れを汲む『どろろ』 ■

手塚治が1967年に「少年サンデー」に連載を開始した『どろろ』ですが、未完の作品です。アニメ化もされていますが、手塚作品の中では不人気とされていました。少年漫画誌で戦国時代の暗くドロドロした話は受けなかったのでしょう。

私はキラキラした手塚作品は苦手で、手塚作品で一番好きなのは、中学校の図書室で読んだ「手塚治 初期作品集」に収録されていた「民話ファンタジー」の『ハトよ天まで』だったりします。これ本当に「隠れた名作」と呼ぶにふさわしい作品で、今でも一コマ一コマをはっきりと思い出す事が出来ます。

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「ハトよ天まで」より

ふとしたきっかけで人間の双子の赤ん坊を育てる事になった大蛇の母親。人の姿となって、人間の夫と、子供達と幸せな時間を過ごしますが、夫は天狗の「黒主」に殺されてしまいます。子供達はやがて立派に成長しますが、母の本当の姿を知ってしまいます。母は子ども達の元を去ります。成長したハド丸とタカ丸は、父の敵の「黒主」に挑みますが破れてしまいます。二人は別々の道を選択して再び復讐を誓いますが、やがて二人は対立してゆく事に・・・。手塚治が童話「龍の子太郎」に着想を得て1964年から1967年に発表した作品ですが、『どろろ』の連載の直前まで描かれていたので、『どろろ』はこの作品の流れを継いだとも言えます。


■ 時代劇を消化した『どろろ』 ■

手塚治の『どろろ』を現代の手法で描くとこれ程までに面白くなるのかと驚愕。手塚作品のリメイクは何回も行われていますが、巨匠に気を遣うあまり「手塚臭」が抜けないものが多かった。「手塚臭」とは何か私も明確に答えられませが「漫画黄金期へのノスタルジー」と勝手に解釈しています。

手塚作品としては知名度のワンランク下がる『どろろ』ですが、今回のアニメ化では「時代劇」として漫画的な世界と切り離す事で、ストリーテイラーとしての手塚治の素晴らしさが浮き彫りになっています。

とにかく作画、演出ともに素晴らしいの一言。時代劇のアニメの傑作に1990年に発表されたOVAの『THE八犬伝』が有りますが、まさに同質の空気感や世界感を共有する作品となっています。その根底には日本映画の時代劇の膨大な蓄積が有ります。

アニメ版『どろろ』の冒頭の大雨のシーンは黒沢監督の羅生門のそれですし、河原のシーンなどは「子連れ狼」などを彷彿とさせます。ロングのカット、モンタージュのタイミング等など、細部にまで時代劇の血脈を感じずにはいれません。

■ CGの時代に咲いた最後のあだ花 ■

とにかく、この作品、動画のクオリティーの高さは圧倒的です。ヌルヌル動くとか、派手な構図で動き回るといった方向ではなく、基本的な動きに手抜きが一切ありません。第一話のどろろが登場するシーン。市で盗品を売るどろろが振り返る瞬間の1秒には、背筋が寒くなる感覚すら覚えます。現在のCGでは、遠く及ばぬ次元。

今後、日本アニメもCGが主流になり、1枚1枚を職人技で動画を描くなどという時代では無くなるのでしょう。だからこそ、今、人が頭の中で動きをシミュレートして、手描きでそれを再現した「職人的な技術」を後世に残そうという意気込みは並大抵では有りません。

監督は『るろうに剣心』のOVAの古橋一浩。シリアスな殺陣シーンに定評があります。

■ 小林靖子には是非、大河ドラマの脚本をお願いしたい ■

シリーズ構成と1,2,5話の脚本は小林靖子。彼女以外の3、4話と見比べると、彼女の脚本の凄さが良く分かります。3,4話は「定型」のセリフが続きます。次の一言が何となく読めてしまう。それに対して小林脚本は「言葉を飲む」のが分かります。そこで発せられそうな一言をキャラクターが言わない時が有る。そして、その一瞬にキャラクターに血が通います。

小林脚本はキャラクターが本当に実在して、そして彼らが実際に話しているような錯覚を覚えます。「セリフを飲む」のもキャラクターの意思が、そのセリフを言わない様に感じさせる。

私は小林靖子が大河ドラマの脚本を書くならば、TVを買って、NHKに受信料を払うと宣言します。(今はTV無いけど・・・)

■ 手塚愛に溢れるOP、そしてかわいらしいEDが素晴らし過ぎる ■

OP、EDも素晴らし過ぎます。特にOPは手塚原作のシーンを忠実に再現。


『どろろ』OP より



『どろろ』ED より





最後にこんな画像をネットで見つけました。

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『どろろ』ゲーム版より

どこの卍さんかと思ったら百鬼丸でした・・・。

ちなみに実写映画版が先に公開されていますが、アマゾンプライムで無料で観る事だ出来ます。私は5分と観る事が出来ませんでした。アニメ版の方が「時代劇」としての風格が破格に違い過ぎます。


第ニ位 『ブギーポップは笑わない』

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『ブギーポップは笑わない』 より

上遠野 浩平が1998年に電撃文庫から発表した「ライトノベルの歴史的名作」。奈須きのこ(『空の境界』)や西尾維新(『化物語』)らが多大な影響を受けた作品のアニメ化。(私は未読です)

この作品の2位には異論も多いでしょう。電撃文庫創刊25周年作品として『とある魔術師の禁書目録V』と共にかつてのベストセラーのアニメ化ですが、今の若者に『ブギーポップシリーズ』は読めないでしょう。江戸川乱歩から連なる「伝奇小説」に属する作品ですが、アニメから察するに「時制の倒置」や「入り組んだ多視点」や「あえて核心を描かない」事で、構造的に非常に難しい作品の様です。(『サクラダリセット』も同じ手法)

大人が読むにはファンタジー的な要素が邪魔ですが、児童書に分類するには描写もグロく、内容も難しい・・・。若者向けの「分類不能」な作品の受け皿としてライトノベルというジャンルが無ければ生まれなかった作品です。

その昔は「ソノラマ文庫」や「コバルト文庫」がそのライトノベルの創成期をを担っていましたが、1984年に角川の「スニーカー文庫」と富士見書房の「富士見ファンタジア文庫」が創刊され、いよいよライトノベルの時代の幕が開きます。

その後、角川文庫社内の対立で、弟の角川歴彦らが独立して作った会社がメディアワークス。スニーカー文庫の人気作家達をごっそり引き抜いて誕生したのが「電撃文庫」です。電撃文庫からは数多くの人気作家や人気作品が排出されました。『ブギーポップは笑わない』は1997年の電撃ゲーム小説大賞となった作品。


高校生たちの間で「ブギーポップ」が都市伝説として話題になっています。「全身黒ずくめのマント姿だって」「女の子の一番キレイな時に殺してくれるんだって」など、噂は様々です。

同時期、女子高生達が失踪する事件も立て続けに起きていますが、学校側は「若者に良くある家出」だと解釈して重要視はしていません。しかし失踪の裏には・・・。

さて、ブギーポップが颯爽と現れて事件を解決してくれるのかと思うと、どうも彼女は事件の外側を徘徊しているだけ。関わったとも、関わらなかったとも言える中途半端な感じで、失踪事件は幕を閉じます。ブギーポップはあくまでも「バランサー」なのだと語ります。

終始こんな感じで、「肝心な何か」が語られません。物語の時制もかなり複雑にシャッフルされているので分かり難い。ただ、「ただならぬ雰囲気」だけが濃密に充満しています。これこそが「厨二病」の本質なのかも知れません。「何でも無いものを誇大に表現する」・・一種の「表現主義」とも言えますが、かつての若者達は、この作品に夢中になった。

20年以上を経て、この作品が色褪せたかと言えば、全くその様な事はありません。今でも十分に魅力的で、江戸川乱歩と同じ匂いを漂わせています。ただ・・・今の「幼稚なラノベ」に慣れてしまった若者には、ちょっと受け入れ難いかも知れません。

角川書店が電撃文庫や富士見ファンタジー文庫を傘下に収め、『サクラダリセット』や『塩の街』など、かつてのラノベの名作が角川文庫に編入され、大人向けの小説と認知される中で、『ブギーポップシリーズ』はライトノベルの指標として、電撃文庫に残されるのでしょうか。

かつて発売されたOVAアニメ版は、本編をアニメ化するのは不可能と判断して、サブストーリーを映像化しましたが、今回はマッドハウスが本気のアニメ化です。原作にある「文章ならではの、持って回った様な言い回し」や「行間の闇」を、どこまでアニメで再現できるのか?文学表現を駆使した『サクラダリセット』のアニメ化と同様に、とてもハードルの高い挑戦で。

「分からない物はツマラナイ」と切り捨てる現代の若者に「分からない物はオモシロイ」を問いかける作品として、私はマッドハウスの挑戦に拍手を送りたい。

音楽は『聲の形』の牛尾慶輔。これだけでも一見の価値はあります。



『ブギーポップは笑わない』PV より



第三位 『ケムリクサ』


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『ケムリクサ』より

『けものフレンズ』でその名を馳せた「たつき」監督と「ヤオヨロス」の製作。

赤い霧で満ちた廃墟の中で懸命に生きる少女たちと、どこか他の世界からやって来た少年のロードムービー。少女たちは「赤虫」という機械に襲われますが、植物から借りた力でこれを撃退します。しかし、水が乏しくなると植物は枯れてしまう・・・。彼女たちは水を求めて、危険な旅に出る。

私、はっきり言って『けものフレンズ』は全然分かりません。もう見ているだけでイライラして来る・・・。(よたろうさん、ごめんなさい)

だけど、『ケムリクサ』は良い!!。大好物です。特に「りつ」ネーサンは俺のヨメ。りなっちは二号、三号、四号・・・。

チープなCGの「非実在感」を逆手に取って、シュールなファンタジーワールドを構築するセンスには舌を巻きました。「けものフレンズ」ではキャラクターの可愛さが強調されて、そこにファンが萌えてブームを巻き起こしましたが、実はキャラの可愛さの根源は「シュールさ」にあったのですね。

チープさを逆手に取る手法として蛙男の「鷹の爪団」などが思い浮かびますが、たいがい「シュール」を「笑い」に転じる場合が多い。しかし『ケムリクサ』では、「シュール」はゲーム世界の中の様な「実在感の無い存在の儚さ」を作り出す事に成功しています。

「赤虫」達に襲撃される少女たちの存在は、あまりにも儚く、そして何人かの仲間を実際に失っています。カゲロウの様な存在の彼らが、それでも必死に生きる姿にある種の「無常観」が漂う。

ロードムービー系の作品の特徴として「中身スッカラカン」の作品で、そこが評価の別れる所でもありますが、俳句や短歌を味わう様に、ミニマムの中から視聴者が何かを見つけていくべきだと思います。サービス過剰な作品が氾濫する中で、この割り切り方は凄い。

「たつき」監督。凄いセンスしてます。


第4位 『モブサイコ100』第二期

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『モブサイコ100』より

二期目の作品は原則的に選ばないのですが、この作品は凄い。一期終盤のテンションを一度リセットしてから、二期で再びモブの日常と成長を描きます。

原作が面白いのですが、アニメは原作の簡略化された絵を上手に使っています。それは・・・「動かし易い」という点。多少絵柄が乱れた所で全然気になりませんから、戦闘シーンで作画が動く動く。

これも手描きアニメの最後のあだ花的な作品ですが、ドラマもしかりしているので、単なる「作画厨」向けの作品ではありません。さすがはボンズ。


第5位 『ドメスティックな彼女』

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『ドメスティックな彼女』より


小説家を志す真面目な男子高校生が、合コンのカラオケで知り合った行きずりの女子高生とSEXしてしまう。でも、その子は父親の再婚相手の娘だったのです。さらにあろう事か、彼がひそかに思いを寄せる女教師は、その子の姉だった・・・。一つ屋根の下で暮らし始めた彼らには、いったいどんな運命が待っているのか・・・。

一般紙のマンガは意外にSEXのハードルが高い。パンツを見て盛り上がり、キスで舞い上がり、ラッキースケベで胸を触ってドッキリしても、なかなかSEXまでの道は遠い。リアルな高校生は「SEXなんて普通」なんて子達が大勢居るご時世に、マンガの世界は意外にも真面目です。

そんな中で少年マガジンは「SEXありのの恋愛」を描く事を得意?とする雑誌ですが、いきなり主人公同士がSEXして始まる作品は前代未聞でしょう。(大人の小説では良くあるパターンですが)

一度SEXした仲だから、同じ屋根の下に住んでいても「大丈夫」。ちょっとやそっとの事は恥ずかしくありません。だから、異性として過剰に意識もしない。だって、彼は姉の方にぞっこんなのだから・・・。まあ、色々とツッコミ所はあるでしょうが、エッチだけれども意外に真面目な作品で、家内もニヤニヤして観ています。

ちなみにOPが出色の出来。


『ドメスティックな彼女』OP より

第六位 『約束のネバーランド』

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『約束のネバーランド』より


大好きな「ママ」と暮らす孤児院の子供達。12歳までに里子に貰われてゆく子供も多く、最年長の12歳は3人だけ。この3人、学力優秀で運動も出来る。

そんな孤児院には実は秘密があった。ある日、里子に貰われるコニーの忘れ物を届けに後を追ったエマとノーマンは、自分達が何の為に育てられているのかを知ってしまいます。そして、年長の3人は全員で脱走する事を決めます。ただ、誰かがママに密告している疑いが・・・

さすがは様々な漫画賞を取った作品だけありあます。サスペンスとして出色の出来。ハリウッド作品でも、ここまで良く出来たサスペンスはそんなに無いのでは。


第七位 『五等分の花嫁』

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『五等分の花嫁』より

ギャルゲー方式の気軽なラブコメですが、家内のお気に入りなので。どうも家内は「俺様」もののギャグ作品がお好きな様です。ちなみに私は家内の下僕。

今期のオアシス的作品なので私も楽しんでます。



第八位 『賭ケグルイ』第二期

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小林靖子の信者としては外せません。第二期、唐突に賭けのシーンから始まって、第一期のテンションに強引に引きずり込まれる視聴者。シリーズ構成って大事ですよね。



第八位 『revisions』


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『revisions』より

ランキングに入れようか微妙な作品ですが、一応、谷口悟朗作品なので紹介までに。『ガサラキ』や『コードギアス』などネトウヨ的な主張が見え隠れする谷口作品ですが、今回も「平和ボケ」に一撃を加える内容。


以上、気が早いとは思いますが、多分、シーズンが終わっても順位は変わらないでしょう。多分。


【追記】 電撃文庫25周年と名打たれた『とある魔術師の禁書目録』の第三期。長い間ファンが待望していましたが、やはりというか、残念な事にというかグダグダな内容。原作の情報量が多いので、シリーズ構成で少し整理する必要があるのでしょうが、ここが上手く無い。特にイギリス編は原作未読の視聴者には何が何だか分からない酷さ。(作画も非常に残念)

『とある・・』のアニメ版は、本編よりも長井龍雪(『とらドラ』や『あの花・・』の監督)が手掛けたサイドストーリーの『とある科学の超電磁砲』の方が評価が高いのですが、これは一つ一つのエピソードにじっくりと時間を掛けているから。むしろ少々冗長な感じがする位いですが、鎌池和馬の原作の情報量を正確に伝えるには、この位の尺が必用になるのでしょう。

SFというジャンルは元来情報量が多く、映像化に当たっては、セリフ以外で説明される部分を映像で表現する必要が有りますが、『とある・・』シリーズは各勢力間の関係も非常に複雑なので、アニメのテンポではどうしても未消化になり易い。

という訳で、アニメ三期が「訳分からん」ので、思わず電子書籍で「ポチっとな」しちゃいました。原作・・・面白いです!!

アニメ三期、無理に二期の続きをやらなくても「新約」版の11巻の「食蜂編」から始めれば新しいファンも獲得出来たのではと思うと残念です。
6

2018/12/31

アニメよ今年もありがとう・・・極私的ランキング  アニメ
 

皆さま、明けましておめでとうございます。

似非経済論と陰謀論に満ちたブログですが、
多くの方達が毎日ご覧になって下さる事を励みに
今年も、妄想を垂れ流して行く所存であります。
どうか、本年もよろしくお願いいたします。


さて、新年の企画と言えば・・・


今年もやって参りました。2018アニメ、極私的ランキング。

昨年は傑作アニメの目白押しでメジロ牧場状態。

それではランキング・スタート!!

<TVアニメ版>


第1位 『宇宙よりも遠い場所』

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『宇宙よりも遠い場所』より

傑作アニメ続出の2018年、TVアニメではこの作品が群を抜いていました。オリジナル作品で中だるみもする事無く、最後もキレイにまとめてみせた花田十輝の脚本も光りますが、なんといっても「いしづかあつこ」の絵作りにシビレました。

10年に1作、出るかどうかというレベルの大傑作です。我が家では、船橋港に停泊している「初代しらせ」の船内見学ツアーに妻と娘と共に行ってきました。

このレベルの作品になると、最早、実写ドラマは全く太刀打ちできません。


第2位 『ヒナまつり』

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『ヒナまつり』より

原作を褒めるべきなのかも知れませんが、アニメは演出の「呼吸」が最高でした。並みのお笑い芸人では、この作品の面白さには敵いません。ギャグアニメでは久々の大傑作です。本来ならばマドンナ(若い人には分からないかな・・・寅さんの憧れの人的な女性)のハズの詩子さんのゲスさがイイ!!


第3位 『BEATLESS』


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『BEATLESS』より

昨年のベストにこのアニメを挙げる人は先ず居ないと思いますが、難解な原作を、よくぞアニメにしてくれた。原作を読むきっかけを作ってくれただけでもランキング上位に入る価値はあります。オタクアニメ専門のディオメディアが相当無理をした様で、『SHIROBAKO』の「万策尽きた!」のモデルとなった水島精二監督が、本当に万策尽きて残り4話を残してTVの放映終了。それでも、時間は空きましたが、しっかりTVで最終話までの放送枠を確保した執念には頭が下がります。

内容は人工知能が人間の能力を超えてしまった近未来、人と機械とがどう付き合うべきかを徹底的に問い詰める。アニメは原作にかなり忠実ですが、会話のペースで進行するアニメだと内容が理解出来ないのが残念な所。アニメで興味を持たれた方は是非原作をお読みになられる事をお勧めします。昨年一番泣かされた小説です。(「金魚姫」にも泣かされましたが。)ちなみにレイシアちゃんは俺の嫁。




第4位 『恋は雨あがりのように』


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『恋は雨あがりのように』 より

冴えない中年のファミレスの店長に恋をした女子高生のお話。原作はビックコミックスピリッツで連載されていた様ですが、電車の中で中年オヤジがし思わず「胸キュン」しちゃうピュアーなラブストーリーです。大泉洋と小松菜奈のコンビで実写映画化されていますが、こちらも必見です。二人とも原作から抜け出して来たと思える程のはまり役。店長の友人役の戸次 重幸と大泉洋の北海道の劇団コンビの演技が光ります。


店長がしっかりと大人として、女子高生の恋心に正面から向き合い、大人として彼女の成長の糧となる、内容的には非常に真っ当なストーリ。「据え膳喰わぬは・・」なんて考える様な不純なあなた、この作品を正座して見るべき!!心が浄化されます。


第5位 『バイオレット エヴァー ガーデン』

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『バイオレット エヴァー ガーデン』より

バイオレットちゃんは俺の嫁!!  以上!!



第6位 『あそびあそばせ』

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『あそびあそばせ』 より

『月がきれい』の岸誠二と柿崎優子のコンビ。中学生の胸キュン初恋ストーリの『月がきれい』とは対照的なブラックな笑いに満ちたギャグ作品ですが、女の子の可愛さを描かせたら、このコンビの演出は本当に上手い。プレスコ(せりフ先取り)ならではの間や空気感ですが、声優さん達のペースで会話が進行するので、会話が走れば尺が余ります。だから、最後に謎の人形劇を入れて無理やり尺を合わせているのがミソ。


第7位 『働く細胞』

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『働く細胞』より

「人間の体の中では37兆の細胞たちが毎日一生懸命に働いています。」その一個一個の細胞を擬人化して、それぞれの役割を仕事として描いた原作の勝利ですが、アニメ版も非常に出来が良い。下手な生物の宣誓がつまらない授業をするよりも、余程分かり易い。医大を目指す皆さんは必見です!!

これも柿崎優子が脚本ですね。


第8位 『若おかみは小学生』

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『若おかみは小学生』より

劇場版があまりにも素晴らしいので、TV版がかすんで見えますが・・・どうして、どうして、TV版もなかなかの出来栄え。実質12分にしっかりと起承転結が有り、オーソドックスながらも結構楽しめる作品です。朝の連ドラのグダグダを見せられると、この脚本と演出の素晴らしさが良く分かります。さすがは横手美智子。映画版の吉田玲子とは一味違う職人技が光ます。

第9位 『ウマ娘 プリティーダーヴィー』

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『ウマ娘 プリティーダーヴィー』より

競馬の往年の名馬達を擬人化(ウマ娘化)して、競馬場を走らせるというトンデモ・ゲームのプロモーションアニメですが、実際には戦う事の無かった名馬達の対決に心熱くする競馬ファンが続出。サイレントスズカの骨折シーン涙したファンは多いはず。

アイドルもののアニメは苦手ですが、これなら許せます。スぺちゃん、カワイイ。


第10位 『プラネット・ウィズ』
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『プラネット・ウィズ』より

一部に熱心なファンを持つ漫画家の水上悟志にオリジナルのネームを書かせて制作されたアニメ作品。下手な脚本家にオリジナル作品を書かせるよりは、良い作品が出来る事を証明したと言えるでしょう。人気のマンガ原作が奪い合いの時代に、原作マンガを青田買いしてしまうという作戦。

宇宙人が猫だとか、犬だとか、ツッコミ所は沢山ありますが、とにかく展開が熱い!!声優が渋い!!

『グレンラガン』が好きな人にお勧め。


第11位 『やがて君になる』
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『やがて君になる』より

この作品にしてベスト10圏外とは、いやはや2018年は本当に豊作でした。

誰かを好きという感情が希薄な女子高生が、先輩の生徒会長から告白されて少しずつ好きを理解し始めるお話。ただ・・・生徒会長は女性だったのです。ユリ漫画のヒット作を花田十輝脚本で本気のアニメ化。

「生物学的な異性への好意」とは別の、同姓への性的欲求の希薄な好意は一種の共依存の関係である・・・その微妙なバランスの機微をこんなにも見事に描く事がアニメでは可能だと知らしめる作品。

LGBT問題が世間で話題になっていますが、オタク諸氏はBLやユリなど従来から性差に鷹揚です。だから、こんなナイーヴな作品でアニメでは描けてしまいます。『響けユーフォニアム』の山頂のシーンの裏にそこはかと無く漂う同姓同士の好意の気配を、同じ脚本家が丁寧に1本の作品に仕立てた通好みの一作。

オープニングの花の演出が、俺ガイルの一期のOPを彷彿とさせます。



第12位 『SSSS.GREDMAN』

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『SSSS.GREDMAN』 より

円谷プロの93年の実写作品をTRIGGERが本気のアニメ化。脚本は戦隊ものの名手、長谷川圭一。アニメーター出身の監督だけに動きへの執着は素晴らしものがあります。まさに実写版の重量感をアニメで再現しています。

作画のカロリーを戦闘シーンに全振りしている感じですが、とにかく特撮ファンならば涎が出るようなシーンや展開が目白押し。原作と繋がりを持ったバーチャルワールドの話である事が最後に明かされますが、実写シーンで終わるラストなど、その演出も秀逸。

私的には終始謎の存在だったママさんが気になって仕方が無い・・・。


第13位『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢をみない』

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『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢をみない』より


一言だけ言わせて下さい。俺のカエデちゃんを奪ったやつはブタ野郎です!!

『JUDT BECAUSE』でリアルな高校生達の見事な群像劇を作り上げた鴨志田一のラノベ作品のアニメ化。これを観ていると、どうしても『やはり俺の青春ラブコメは・・・』・・・を見返したくなるのは息子も同じだと言う。TV版のラストでカエデちゃんが小町ちゃんになってビックリ。きっと「華楓的にポイント高い」とか言いそう。

クライマックスを劇場版に持って行く辺り非常に腹立たしくはあるのですが、カエデちゃんの消失シーンは、本年アニメでは屈指の出来栄え。こんなに泣いたのは・・・アルジャンノンが消失して以来か(小説ですよ)。


第14位 『ゾンビランドサガ』
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『ゾンビランドサガ』より


マンガの『ヴィンランドサガ』の語感から着想したとしか思えないタイトルです。多分、佐賀県盛り上げるアニメ企画があって「佐賀、佐賀って言っても何が有るの・・」なんて会議で皆が頭を悩ませる中で出「佐賀・・・サガ・・・サーガー・・・ヴンランドサーガ・・・ゾンビランドサガ!! これだーーー!!」て感じだったのでしょう。(妄想です)

ゾンビになったかつてのアイドルや女子高生や暴走族や天才子役や花魁や山田たえが、ご当地アイドルグループを結成して佐賀を救うというお話。1話〜3話までのゾンビネタが最高です。失速するかと思いきや、最後までフルスロットルでした。「はい、おまいら、拍手ぅぅーー」



第15位 『キリングバイツ』

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『キリングバイツ』 より

ジャンジャンジャンジャン、ジャンジャンジャジャ!!今でもOPが蘇ります。アニメらしいアニメで、実は大好きです。第二期、期待してます。



第16位 『刻刻』

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『刻刻』より

TVドラマや映画で、現在、こんなに面白いサスペンス物は無いのでは。原作を褒めるべきですが、アニメもなかなかの出来。爺さんの活躍が、高齢化の日本を象徴しています。

EDの梅津絵だけでもポイントは高い!!



第17位 『はねバド』


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『はねバド』より

感情を扱う演出の不安定さが気にはなりますが、試合シーンの作画だけでランクイン。


第18位 『ゴブリンスレイヤー』
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『ゴブリンスレイヤー』より

食傷気味の異世界物ですが、倉田英之シリーズ構成、脚本が黒田洋介ともなると凡百の作品とは一線を画しています。全話の中で一番よかったのが総集編というのが又素晴らしい。エログロにばかりが話題になる作品ですが、じっくりと腰を落ち着けて観るべき重量級の作品です。


第19位 『ちおちゃんの通学路』
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『ちおちゃんの通学路』より

こういう作品があるからアニメは楽しいんだよ!!


第20位 『デビルズライン』

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目の下のクマがセクシーでランクイン。結構、胸キュン作品です。


イヤー2018年は恐ろしい年でした。この他にも『僕のヒーローアカデミア』や『ゴールデンカムイ』もランクインさせたいのですが、一応、20作品とします。






<原作が好き過ぎて観れなかった作品 >

『BANANA FISH』

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『BANANA FISH』より

原作にあるヒリツク様な焦燥感や、ナイフを首に当てられた様な緊張感がアニメではどうしても出ない。アニメは一定のペースで時間が流れてしまうので、相当に上手い演出で無いと、ただストーリーを追うだけの作品になってします。

これが片淵監督だったら、名作は確実だった。


『ピアノの森』

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かつての劇場版よりも原作に近い肌合いで、小学生編は楽しめましたが、その後は便所姫やレイちゃんの出番が減るので、原作でもコンクール編はちょとダレ気味。アニメ化ならではのメリットは音楽が聴ける事ですが、それが感動に繋がらないのが残念認定の理由。まあ、演奏シーンのトンドモCGだけで観る気が失せてしまうのですが。アニメだからって動かす必要は皆無なんだよ!!ガイナックスさん、責任取ってよ!!


<ネットアニメ編>

『DEVILMAN crybaby』
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『DEVILMAN crybaby』 より

デビルマンは何度かアニメ化されていますが、世界の湯浅監督のデビルマンは一味違います。これを観ずして今年のアニメを語るべからず。原作の復刻にも感謝です!!



<劇場アニメ編>


映画『若おかみは小学生』

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映画『若おかみは小学生』より


もう語り尽くしました。後は「DVDでも良いから観て下さい」と懇願するのみ。ポストジブリを捜して業界が迷走する中で、真面目に作った作品からポストジブリが飛び出して来ました。2018年、アニメ界の収穫です。

『映画批評』の「みうらじゅん」のコラムが笑えます。ピアの映画のチラシを選ぶコーナーと対で読むと爆笑。



『ペンギンハイウエイ』


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『ペンギンハイウエイ』より

2018年は「おねえさん」と「グローリー水領様」が降臨された年としてアニメファンの心に深く刻まれるであろう。

『若おかみ』さえなければ今年のベストは確実だったのに。原作は森見登美彦のジュブナイル小説。


さてさて、あまりにも豊作な2018年でありました。
厳しい環境の中、名作、傑作を生み出している皆さま、本当にありがとうございます。


2019年の日本アニメにとって実り多き年である事を期待しております。



最期に読者の皆様。
本年も「人力でGO」を宜しくお願いいたします。
9

2018/11/10

ジブリが到達出来なかった世界・・・映画 『若おかみは小学生!』  アニメ
 



映画『若おかみは小学生』PV


■ 昔の偉い人は言いました! ■

「世の中には二種類の人しか居ない!
 『若おかは小学生!』を観た人と、観ていない人だ。」



私、様々な映画を観て来ましたが、こんなに何度も観たくなる作品は初めてです。劇場で4回観ましたが、多分、後2、3回は足を運ぶと思います。

とにかく、観れば観る程に、その構成の素晴らしさに舌を巻くばかり。

90分という短い尺の中に様々なエピソードが凝縮されて詰まっていますが、「語らない」という省略の美学によって、観客の想像の余地が十分に残されたまま物語が進行し、最後に全てのエピソードが収まる所にストンと収まる。この気持ち良さと言ったら・・・・。


■ 「滅私」という古い思想が、現代人の心に響く ■

高坂監督はこの様に語っています。

この映画の要諦は「自分探し」という、自我が肥大化した挙句の迷妄期の話では無く、その先にある「滅私」或いは仏教の「人の形成は五蘊の関係性に依る」、マルクスの言う「上部構造は(人の意識)は下部構造(その時の社会)が創る」を如何に描くかにある。


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『若おかみは小学生!』 劇場版ポスター

劇場版のポスターでオッコの前掛けは仏教の「5色」をイメージしたものでしょう。ポピュラーな配色は青・黄・赤・白・黒ですが、緑・黄・赤・白・樺色のバージョンも有ります。後ろの真月さんはロザリオを首から下げています。


■ キリスト教の福音にも似た幸福感を与える作品 ■


神学者の青木保憲氏は次の様な記事を載せています。

映画「若おかみは小学生!」 自分を信じて生きたいと願う全世代に向けたメッセージが込められた秀作


<引用>
94分という短い(上映)時間だが、私は花の湯温泉のお湯にどっぷりとつかったようだ。そこであらためて、自分の生涯は「福音」という至高のお湯につかり続けていたのだと気付かされた。至福のひと時であった。

本作は、教会でファミリー向けに鑑賞するのに適している。子どもから大人まで楽しめ、また考えさせられ、さらに福音のエッセンスに近い「恵み」をメッセージの本質として抱いている作品である。

まだ劇場で公開しているだろう。ぜひ「若おかみ」体験をしてもらいたい!




私からもお願いします。この作品は「観たほうが良い作品」のでは無く、「現代を生きる全ての人が観るべき作品」なのです。


私自身、4回も観てもなお、この感動がどこから沸き上がって来るのか分からずに居ます。様々な人が様々な分析を試みています。



■ 物語の生まれ出ようとする力に従った事で、「普遍性」を手に入れた ■


個人的には、高坂監督や客品の吉田玲子さん、そしてスタッフの皆さんが、「過剰な自己主張」を排して、物語の自然な流れに任せた結果がこの「傑作」を生みだしたのだと考えています。

物語は「当然こうあるべきだ」という本来の「姿」が有ります。神話などが分かり易いのですが、世界各地の神話には共通のパターンが観られます。同様に児童文学にもこの傾向が有るかと思います。シンプルに分かり易く伝えようとする過程で研磨され、ある種の「普遍性」を手に入れるのです。

そして、その「普遍性」こそが、多くの人が心のどこかで共有する「善性」なのだと、この映画に涙する多くの方の姿を見て気付きました。


■ ジブリの2大巨匠では到達し得なかった境地 ■

ジブリアニメは確かに多くの人達に支持されて来ましたが、「神話の獲得」という境地には達し得ませんでした。

それは、宮崎駿氏や高畑勲氏が、作品に自分の思いや思想を強く込めた為だと私は考えています。特に彼らは全共闘の時代を体現する存在でしたから、「個人主義や資本主義を否定」し、「科学技術崇拝」を否定し、「自分を捨ててコミュニティーに貢献する」という主張を物語にコッソリと潜ませています。


両監督の「人はコミニュテーの為に存在する」という思想は、高坂監督にとっては主張では無く、既に前提となっています。これはある種の「ジブリ教」です。この作品でも「花の湯温泉」は、強力なコミュニティーです。

一方で、高坂監督は反面教師としての両巨匠の姿も観ています。

作品のクオリティーにひたすら拘り続け、映画を観る観客を顧みる事を忘れた高畑勲。
自分のイメージの具現化を追い続け、物語のあるべき姿を無視した宮崎駿。
(『となりのトトロ』と『紅の豚』には主張が少ないので私はこの2作品が好きです)

この二人の姿を一番近くで見続けた高坂希太郎の取った選択は、「徹底的に物語と観客に寄りそう」事でした。無名の仏師が一心に、ただの木から、その中に眠る仏像の姿を彫り出す様に、『若おかみは小学生!』という児童文学の中にある普遍的な価値を、監督とスタッフは3年という歳月を掛けて彫り出していったのです。


■ 頼むから劇場で観て!! お願い!! ■

『若おかみは小学生!』の上映は、あまりの客入りの悪さで公開初週で、メインのTOHOシネマズ系列が打ち切りになりましたが、SNSの口コミによって、復活上映されるという異例の展開となりました。それでも、やはり、「子供向けのアニメ」というイメージによって、多くの方は劇場でこの傑作を観る事は有りません。

そろそろ上映館も少なくなりましたが、映画を良く知るミニシアター系の劇場が、地方でもこの作品を上映し始めました。多分、年内中はどこかでご覧になれると思います。後からDVDを観て「あーー、劇場に行けば良かった」と後悔なさらない様に、この週末、お時間があれば劇場へGO!!


・・・お願い・・・。
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2018/10/22

2018秋アニメ お勧め  アニメ
 

2018秋アニメも2〜3話目を終了した所。劇場版『若おかみは小学生!』を観た後では、どんなアニメも物足りなくなりますが、とりあえず、気になる作品の紹介を。


『やがて君になる』

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誰も好きになった事の無い高校一年生の女子を、生徒会の女性の先輩が好きになってしまう話。これだけ書くと、単なる「ユリ」ものと勘違いされますが、むしろ、それぞれの登場人物が、それぞれ問題を抱えている、かなり真面目な作品。

多感な時期の女子高生の抱える繊細な気持を丁寧にすくい上げていて、私的には、今期はこれ一本だけ見れれば満足かな。実写でも良さそうな作品ですが、モノローグが多いので、実写化では脚本家の実力が問われるかも知れません。

原作はマンガですが、TVアニメのシリーズ構成と脚本は、『宇宙よりも遠い場所』で素晴らしい脚本を書いた花田十輝、そして、なんと音楽は大島ミチル。実写ドラマや映画の仕事も多い大島ミチルですが、『六華の勇者』や『リトルウィッチ・アカデミア』以来のTVアニメ。今回は、映像に寄りそう様な上質なサウンドを付けています。菅野よう子や、梶原由紀よりも職人肌の作曲家ですが、『亡念のザムド』の様なクセのある曲から、さらしとした室内楽風の曲まで、実に多彩な作曲家です。


OPはボンジュール鈴木の作詞作曲。今回はあのフワフワな異形フレンチポップでは無く、意外に普通の曲調。この人、作詞のセンスがイイんだよね。ZAQ同様にポケットの中身が多い。






『ゾンビランド サガ』

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アイドルに憧れる女子高生が、何故かゾンビのアイドルユニットに強制加入。1話目のツボを押さえたゾンビギャグ、2話目のまさかのデスメタル、3話目のラップ対決と、予想の遥か斜め上を行く作品ですが、4話目でアイドル物になってしまった・・・。これが続くと、面白く無いような・・・でも今までの乗りからは、単なるアイドル物で終わるハズは無いカナ?

第一話の特殊OPも良かったですが、2話以降のOPも見もの。




『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』クリックすると元のサイズで表示します

『JUST BECAUSE』で見事な脚本を披露した鴨志田一のラノベ原作。「思春期症候群」と呼ばれる思春期特有の特異現象にまつわるシリーズ物の様ですが、原作は当然未読。

図書館でバニーガール姿で歩き回る元芸能人の桜島麻衣先輩は何故か梓川 咲太にしか認識できなくなり、存在すらも忘れ去られる。観測される側の主観が観測対象に影響を与える量子力学の「シュレディンガーの猫」の例え話になぞらえたストーリーですが、いかにもラノベが好きそう中二病ネタ。ただ、様々なタイプの思春期症候群を解決して行く展開なので、面白い事も確か。

一般的なオタク諸氏にとては、今期1番の作品かも知れません。

OPの「君のせい」はキャッチーでエッジの効いた良曲。舞台は鴨志田作品定番の藤沢周辺と、七里ガ浜周辺。聖地巡礼にはお手軽で良いかな。




『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』

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こちらもラノベ原作。100年戦争とジャンヌダルク物ですが、100年戦争って、意外に詳細を知らないんですよね。歴史物として、ちょっと面白いですが、基本はオタク向け活劇。女性のオッパイはプルルン!!です。妖精はチャム・ファウよりも断然セクシーでドッキっとしちゃいます。

音楽が『グレンラガン』や『ガッチャマン・クラウズ』でキレッキレのサウンドを作っていた岩崎琢。この人、東京藝術大の作曲科在学中に日本現代音楽協会新人賞を受賞しています。今作では幅広いジャンルをそつなくこなす器用な所を見せています。『アカメが斬る!』に近い感じ。


『SSSS.GRIDMAN』

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円谷プロにTRIGGERのアニメーターの雨宮哲がウルトラシリーズのアニメ化を打診した事に端を発します。円谷はウルトラシリーズには許可を出さなかった様ですが、1993年の特撮作品『電光超人グリッドマン』で企画が進行したとか。

amazon primeで実写版が視聴出来ますが、パソコンとインターネットの普及期らしい、ちょっとチープな電脳空間物といった感じ。これを、どの様に現代的にアレンジするかが見ものですが、実は作画のカロリーは戦闘シーンに全振りしている。平成ウルトラマンシリーズの重量感の在る特撮をアニメで詳細に再現していて、これはかなり見ごたえがあります。

脚本は数々の戦隊ものを手掛けた 長谷川圭一。アニメでは『チアフルーツ』では良い仕事していましたね。


以上!!


今期は柿原優子が2作品で爆死。

『とある魔術師の禁書目録 V』って・・・・もう間が空き過ぎて、前のストーリー忘れてしまいました。まあ、ローマ十字教との戦いになってから、話が大きすぎるのと、上条ちゃんの右手チート過ぎるので、惰性で観てるだけ。
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