鏡に映る姿
他人の眼にはどう映る?
本当の自分は
どこに在るのだろう?
学校という決められた場所に、決められた時間に行き、決められた服を着せられ、決められた行動をさせられる。
何の変化もないこの日常は退屈でしかたなかった。
大人びた感覚、中性的な容姿を持つ和山尚は、中学に入学をしても新しい環境に上手く適応できないぎこちなさから孤立した存在だった。
そしてさらに、彼が発する人を寄せ付けようとしないオーラが益々尚を別世界の人間のようにしていた。
(学校なんかに来て、何が楽しいんだか・・・)
浅い溜息をつきながら、尚はぼんやりと窓の外を眺めていた。
一番後ろの窓際のこの席は、彼にとって絶好の席だった。

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