ニセコで宿泊・飲食業30年の暮らしを振り返りながら、今をつづっています。
2011/5/29
どうも小麦粉が自分のイメージするうどんにあってないような気がする。水合わせ、練り、鍛え、熟成と麺に影響する要素はいろいろ変えてやってみたが、やっぱりイメージと違う。今まで使っていた道内製粉所の小麦粉をやめ、本場香川の製粉所から3種類ほど取り寄せて打ってみた。
結果、だいぶイメージに近い麺が打ち上がった。分かったことは、加水、塩分、鍛え、熟成はまったく問題なかった。これが疑心暗鬼だと袋小路に入ってしまう。やはり、蛋白含有量では推し量れないものがある。麺線は適度な黄色みを帯びて、茹でた上げの状態がこの時点でわかり安心感がある。澱粉の質も影響しているようだ。
また、2日前に届いた大手の製粉会社のものは、いつもの加水48%で打ったら麺線はだらだらだったが、茹でるとシャキッとして今までで一番イメージに近かった。分からんもんやな〜。もちもち、しこしこ、つるつるの三拍子、まるでおいしさのワルツや〜。彦麻呂か。
北海道の製粉所はラーメンやパンなどの小麦は研究されているかも知れないが、なじみのないうどんの粉はまだまだな気がする。理想の粉の追求は、まだまだこれからなのであります。


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2011/5/24
うどんやそばの勉強をし始めてから5〜6年経つ。特にうどんは、熟成という工程が自然の妙味を感じさせる。その延長で、パンにも興味が出てきた。もうかなり以前に買い揃えたニーダーや天然酵母発酵機を引っ張り出し、パンを焼いてみた。
粉は手元にあったフランスパン用粉。天然酵母は丸一日かけて生種を作り、塾生はうどんの熟成庫で第一熟成18℃15時間、第二熟成30℃3時間、オーブン220℃25分でジャジャ〜ン、出来ました〜。ブールの出来上がり〜。
第一熟成が長い分、粉のおいしさが出ている。グルテンもよく出ている。欲を言えばもう少しふっくらした方がいいな。生種の発酵がたらなかったかな。でもこれはこれでもちもちしてていい。次はバゲットを焼こう。干しぶどうがたくさん入ったのもいいな〜。
うどんは小麦粉と塩と水だけ。小麦粉の中にある酵素とグルテンの作用であのもちもち感を出す。粉の種類でぜんぜん違う食感になる。ちなみにグルテンは小麦だけがもっている特性。
パンは、別に作った酵母をグルテンの強い強力粉や複雑な味の全粒粉の中に入れ、より強く小麦の弾力や旨みを引き出す。おいしさのしかけはすごく似ている。


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2011/5/23
雪が融けたばかりだというのに、スズメバチが一匹地面にじっとしてる。体調4.5CMはある。色艶もよく、一目見て死んだ蜂ではないというのがわかる。触覚や足も動いている。
蜂は越冬するのかとネットで調べてみると、女王蜂は冬を越すらしい。カメラを向けたら、上目使いでこちらを一瞥し、むくむく動きだした。ああ、こわ。
20年ほど前、冬にクロスズメバチに足先を刺されたことがある。スリッパの中で越冬中だったところに足を突っ込んでしまった。毒性はあまり強くないらしいが、ぶっくり腫れた足はスキー靴に入らず、一週間ほどジンジンした。
一生のうちで2回刺されると命にかかわるらしい。確か昨年、羊蹄山に登山中の方が刺されてなくなった。2回目だったらしい。
今日の宿泊の方になにかあったらいけないので、ちゃんと駆除致しましたです。
それにしても、この厳寒の地で越冬しちゃうのね〜すげ〜〜。


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2011/5/22
ニセコは内陸性の気候。なので、朝晩と日中の温度差が激しい。夏は30度を越す日もたびたびある。本州の方からすれば、それくらいだったらぜんぜん涼しいじゃんなんて言われそうだが、暑いのである。北海道の人間にとっては。
クーラーなんていらないじゃんなんて言わんで。店にクーラー3台設置しております。
大きめだけど業務用ではないので、8月は少し暑い。出しているものが、内臓を刺激するものだからなおさらであります。それでも本州からの観光客は、「寒いのでクーラー止めてもらえますか」とおっしゃる。道内のお客と本州からのお客、どっちを優先か、温度設定がまさにバイメタルなのであります。
北海道の冬は灯油、夏は電気、夏も冬も両方設備費かけて、エネルギーなんぼあっても足らんな〜。でも、原発事故でエネルギーの供給システムの功罪が明確になってくるにつれ、少々暑かろうが寒むかろうが、工夫してなんとか乗り切ろうって気持ちも出てくるなぁ。
災害が日本人のDNAが沸々と沸き起こさせ、お互い様、お蔭様の気持ちが日本をここまで文化もモラルも高い国にした。きっと、この事態を乗り切り、世界の先駆けとなる物理的、精神的なエネルギーを作り出す国になると思う。
僕が育った四国も暑い。昭和の30年代、クーラーなんかなかった。扇風機、ウチワ、風鈴、すだれ、蚊帳、カキ氷、アイスクリン(四国だけか)、打ち水、行水、海水浴、スイカ、麦藁帽子、ランニングシャツ、草履、ゴザ・・・。暑くて寝られない夜、大人たちは夜半まで縁台に腰掛け、世間話をし、笑い声が聞こえていた。暑さになれた頃、気がつけば赤とんぼが飛んでいたなぁ。


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