麺の勉強をし始めた頃、東京やその近郊の業者の方とたびたびお会いし、麺の原材料や水の性質、小麦粉やそばの製粉方法、店舗運営のノウハウなどなど、楽しくまた真剣にお話を伺ったことを思い出す。時には食事などと誘われて、六本木ヒルズの近くにあるお店にも出かけたりもした。お登りさんよろしく、高層ビルをあんぐりと口を開けて見ている自分がおりましたです。
東京へ行くとなぜか落ち着く。そこが地理的にみても、政治、経済という面からみても、日本の中心にいるという安心感なのか、北海道にいるよりずっと落ち着く。疑問や興味を持った時、やる気さえあれば解決する方法がきっと見つかるという感じがする。
沢山の小麦粉の中から、自分が許せる麺ができる粉を捜し始めてからもう3年くらいなる。北海道の粉、讃岐の粉、ASW、それらの混合、割合い、加水率、塩分濃度、熟成温度、時間、のし厚、切り幅などなどなど・・。一度に2〜3kg打つので、失敗したら全部廃棄。たくさん捨てたな〜。で、やっと最近やっと許せる麺のデーターが見つかった。ここ最近うどんを毎日食べている。いつ食べてもおいしくいただけないといけないから。で、おいしくいただいてますです、ハイ。
この地で商売を始めて25年。最初は宿泊からスタートし、安定しない経済状態から飲食を始めた。その飲食が今、経営の柱になってきている。宿泊は、限られた期間しか仕事がない。大きなホテルなどは、その端境期に修学旅行などを入れ波を小さくしているが、個人でやれる仕事ではない。言い換えれば、宿泊は個人でできる範囲がおのずと限られているが、食は、加工方法の開発や食品科学をマスターすればどこででも応用がきき、ネットで全国どこでも売ることができる。ちなみに、3年もののスープカレーのレトルトサンプルを空けてみたら全然問題なくおいしく食べれる。生産量こそちがうけれど、大手と同じ技術。
四国の山奥で、うどんを販売しているところからお取り寄せをしたことが何回かある。時々、DMも届く。きちんとしたコンセプトを発信し、広告代理店にいた僕も感心してしまうくらい印刷物のできがいい。思わず注文しそうになる。頑張っている人は全国にたくさんいるんやな〜。
写真は3kgの小麦粉。これに多加水の塩水が入り、合計5kg近く。結構、重労働。


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