冬になると、同じ除雪道具を毎年買いそろえる人たちが多い。うちはここ何年も買っていない。アルミのスノーダンプは、僕が会社員だった30年も前に買ったもの。アルミの割れは、リベットで補強を重ねている。プラスチックの除雪道具も、割れたりしても針金で補強しながら何年も使っている。ホームセンターでたかだか千円くらいで買えるものだけど、簡単に捨てられない性分。道具が「まだまだ使ってくれ〜。」って言ってる気がする。
たくさん除雪道具を用意しているけど、ないものが一つあった。屋根や高い所の雪を掻き下ろす道具で、去年あったら便利やなと思っていたもの。ホームセンターで値段をみると、一万円近くする。一冬使うものだから、一万くらいは払ってもいいかなと思ったりもしたが、ふと、これに形がすごく似ていて、物置で捨てられそうになっているものを思い出した。夏の草刈りのあとに使う道具、アメリカンレーキ。
木の柄は、鉄のレーキの接合部で腐っていた。腐った柄をきれいに取り除き、新しく丸棒をレーキの接合部の径に削り、遊びのないようにはめ込んだ。用心に接合部にドリルで穴を開け、長い木ねじで固定。軽くするために、レーキの爪は必要な部分以外は削り落とし、そこにアルミの板をビスで止めた。アルミ板は、相手を傷つけないようにガムテープで巻いて当たりを柔らかくした。柄は、これも捨てようかと思っていたステンレスの物干し竿。丸棒と物干し竿の内径が、少しペーパーをかければちょうどいい具合にあった。
早速使ってみると、これが軽くて使いやすい。レーキの爪の角度もいい具合。あとはどれほど耐久性があるかが問題。滑り止めに、ステンの棒に巻いたゴムで力も入る。握力とか腕力とか耐久力がなくなった分、工夫していかないともたんな〜、ここの冬は。


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