寒い日が続いている。今の時期でこれだけ積雪は、ここに住み始めてからたぶん一番だと思う。家中のストーブは、ずっとつけっぱなし。高熱費がかさむな〜。
こういう時は、体の中から暖めるのが一番と久しぶりに近くの温泉に行く。入ったその日はもちろん暖かいが、翌日の朝に効果が出る。体が軽くなっているのがわかる。
日本中の温泉にいろいろ入ったけど、一番印象が強く残っているのは別府の温泉。町中そこかしこに湯煙が立っていて、12万人住んでいる町全体が温泉場いう感じ。無料の温泉もたくさんあって、風呂といえば温泉が当たり前という感じ。
3日間いた間に入った温泉は、20軒以上。終わり頃には湯当たり気味で、5分くらいで出た温泉もあった。温泉マップにあった店にたち寄ったら、老齢の店主が、僕らのような一元の観光客のために懸命に中華なべを振り、二人分のおいしいちゃんぽんを作ってくれた。
ニセコにもたくさんいい温泉がある。それぞれちがった泉質やロケーションを、ひとつのエリアで楽しめるのは北海道でもめずらしい。でも、本州の温泉場にくらべてなにかが足らない。
一度、九州の黒川温泉に行ったことがある。11月の終わり頃に行ったが、ほとんどの宿には満室の札がかかり、ゆかた丹前姿の老若男女が下駄をカラコロいわせながら、猫の額のような温泉街の散策路を歩いていた。
北海道の温泉に入りっている僕らからすれば、特別、泉質がいいわけでもなく、宿の経営者が削岩機で掘ったという洞窟風呂もそれほど感動はしなかった。が、温泉客は、すれちがうのもやっとという狭い散策路を楽しそうに闊歩し、無料の飲み物なぞをおいしそうに飲んでいた。
そう、日本人は、狭く小さな路地のような空間が大好きなのである。そこに、見知らぬ者同士、同じ温泉客として袖ふれあい、お互いを想像し合い、そこの温泉場だけの小さなお祭りを楽しんでいる。キーワードは風情。
僕の中で、別府と並んで印象に残る温泉場は、兵庫県城崎温泉、群馬の草津温泉、いずれも風情あり。草津では、湯気に引き寄せられ温泉饅頭を買ったら、自宅の温泉をすすめられて入れてもらった。人情、風情に日本人は弱いのであります。
北海道の温泉場に風情が加わったら、鬼に金棒ですが・・。

別府 竹瓦温泉

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