「このままだと、車検は無理ですね〜。」と、いつも整備をお願いしている修理工場の人。「床の裏側がボロボロになってます。走っていてボコッと床が抜ける可能性が・・・。もう、部品もないかも・・・。」もうそろそろ買い換えた方がいいんじゃないという雰囲気大〜。
無理もない、23年前の車。下回りは、塩化カルシュウムでボロボロ。(北海道の冬道は、凍結防止のため塩をまく)部品も、もうほとんどなく、故障のたびに特注で作ってもらってなんとか耐えてきた。でも、今回の車検は無理みたい。
トッポちゃんは、半分は冬のお手伝いの人が、スキー場まで行くための足がわりの車だった。スキー場から離れたところにある我が家は、どうしても車が必要になり、建物の借金や送迎用の車のローンがまだまだたくさん残っているときに我が家にきた。町の金融機関からお金を借りるとき、担当者から「もう、これで最後ですよっ。」って強く言われた。手伝いのみんなには「トッポちゃん」って可愛がられてた。ぶつけた奴もいたけど。。。
あれから23年、エンジンや足回りはへたりながらもまだまだ大丈夫な感じだけど、塩にやられた板金はもうぼろぼろ。よう、頑張ってくれた。そして今日、引き取りの日。厳しい自然や経営を、ともに戦ってくれた同士を見送る戦友のように、軽く掃除をし、ぶつけたり、へこんだりしたところのその頃の場面を思い出しながら、お神酒をかけてやった。
車は何回も下取りに出したけど、トッポちゃんはちょっとちがう。トレーラーに積み込まれるトッポを見ていると、我が家の歴史がなくなってしまうような、なんかすごく寂しい気持ちになった。家族のような存在だったのかも知れない。でも、いつかは物も人も同じ運命なんだなと、ちょっとあきらめと安ども感じた。ありがと、トッポちゃん。

ワイパーのアームも、塗装が剥げてぼろぼろ。

3年前に12歳で死んだ「ポロ」が、小さい頃に破ったシート。

下回りはもっとすごいことになっている。開発ッ、塩まくな。


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