33年前に設置した薪ストーブを解体した。鋳物製で重さは150kg以上ある。ここに設置したのは11月の下旬、もう雪が降り積もる時期だった。僕と大工さん二人の三人がかりでやっと運びこんだ。33年後、これを一階まで降ろすために部材の外せるところは外し、できるだけ軽くしていく。
ツーバイフォーの建築方法は、加工済みの材料を現場で組み立てる日本古来の在来工法とはちがい、現場で材料を加工しながら家を建てる。その際にでた端材をこの薪ストーブで燃やし、暖を取りながら作業をした。
薪ストーブを長持ちさせるのは、あまり燃焼温度を上げないこと。いくら鋳物とはいえ高温で燃やすとだんだん変形してくる。木により燃える温度がちがうし、炉内に送る空気の量にもよる。かといって燃焼温度が低いと煙や煤がでやすい。最近のストーブは、廉価なものでも二次燃焼させる機能がついている。このストーブもそのような構造になっていたが、いい加減に長年使うと燃焼室が変形してしまって、その機能が死んでしまってたようだ。

その頃乗っていたダットサントラックの荷台に載せて、帯広のストーブ屋さんから運んだ。

薪を入れる扉の丁番をサンダーで切り、軽量化をする。

この状態まで室内で作業して、たまたま取引先の元気なお兄さんが加勢してくれて、三人がかりで一階駐車場まで降ろすことができた。

あとはハンマーで割り、鉄くずとして引き取ってもらった。

33年間ご苦労様でした。暖かかったですよ。

後片付けをしていると駐車場のすみに割れたストーブの破片がころがっていた。今のニセコが、これほどにぎやかになったきっかけを表すような割れ方だった。

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