スープカレーのレトルト事業を始めるにあたっては、いろいろな経験をした。
過去になった今でさえ、公の組織の反応、対応、結論の出し方が、事業を構築するために労力や金銭を使い、安全な食品を販売し、地域を盛り上げようとする人間を支える立場であるはずの機関が必ずしもそうでないことを実感し、公正な立場であらねばならない公の機関の病んだ世界を思うとゾッとする。その時の一担当者の所業であってほしいと願う。
かいつまんで話をすると、
レトルトとは密封された容器を加熱し、殺菌と調理を同時期に行う食品形態である。保健所はそれらの容器や機械を審査し、なおかつ容器内に菌類が発生しないか長時間決められた温度帯で保持し、時間経過の後、開封し、菌が発生していないか確認する。
私たちは、それら一連の検査を経て初めて販売することができることを機械メーカーの担当者やアドバイザーから聞き知っていたので、公の検査前に何回も東京方面、道内の民間検査機関にサンプルを送って検査をし、安全性を確認していた。
その後、公の検査結果発表。「菌が発生しています」との連絡。
すぐさま、機械メーカー担当者にその結果を連絡。それと同時に、こちらから、公の機関の検査前に行った民間検査の結果書類があることを伝える。その後、数時間の沈黙後、保健所から連絡あり。
検査の手順、検査機械の操作などを再確認したところ、初めての機械操作だったので、検査時に外気、もしくは担当者の手などの菌が付着して検出してしまったとの謝罪の弁。
もし、公の検査前に安全を確認していなければ、「ダメ出し」で終わってしまったのか。
その後、機械メーカー幹部が保健所に乗り込んで、安全性のレクチャーを行い、役人に喝ッ!
志を持っていても、つぶしにかかる影の負があることを知った。
公からみれば、民間の私たちはどう思われているのだろうか・・・。

サンプルとして、3年間保存していた自製レトルトを開けて食してみた。異常なし。

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