6月に初めて
「ハングル」能力検定試験(ハングル能力検定協会)の5級(1番易しい級)を受験し、無事合格した。半年前までハングルの「ハン」の字(
한)も知らなかった僕がどんな勉強をして合格したのか、この際なので書いておこうと思う。
ちなみに、ハングル能力検定協会によると、5級のレベルは、
5級(初級前半)
・初級前半の段階。60分授業を40時間受講した程度。
・韓国・朝鮮語を習い始めた初歩の段階。ハングルの母音と子音を正確に区別でき、約450語の単語や限られた文型を用いて作られた文を、読んだり聞いたりすることができる。
・決り文句としての挨拶や簡単な質問ができ、またそういった質問に答えることができる。
・自分自身や家族の名前、特徴や好き嫌いなどの私的な話題、日課や予定、食べ物などの身近なこと(事実)について伝え合うことができる。
ということになっているが、要するに、ハングルが読めること(「ハングル」は「漢字」「アルファベット」に相当する「文字の名前」であることに注意)、「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」といった定型的なフレーズを理解していること、最低限の語彙をもっていること、が試される。英語で言えば、中1の上半期程度のレベルだと思う。「韓国語の勉強を始めたようですね」と認めてもらう、というレベル。
5級の試験形式は、筆記試験(60分 60点満点)と聞取試験(30分 40点満点)、全てマーク式。合計100点満点中60点以上で合格。僕が受けた2007年度春季試験では、約2700人が受験して約2300人が合格している(合格率84%)。落ちる方が難しい?
そもそも僕が韓国語に興味をもったのは、去年の11月に深夜テレビで放送されていたある韓流映画を偶然観たことをキッカケに、突然、空前の韓流映画マイブームが沸き起こってしまったことから。11月中旬から3月中旬の約4ヶ月間で約50本の韓流映画DVDを観まくったという狂乱振り。半分くらいの映画は2回観てからレンタル屋に返却したから、4ヶ月間で150時間以上、平均すると1日75分以上、韓国語会話を聞いた計算になる。年末には、たとえ意味はわからなくても、韓国語のセリフを聞いただけで「懐かしい」と感じるほど、韓国語の音の並びやリズムに耳が馴染んでいた。ひたすら韓国語を聞いたという、この体験が後々役に立っていると思う。
韓流映画にハマッてすぐに、素人の書いたWEB上の韓国語入門のようなものを読むようになった(日本人の書いた
これと韓国人留学生の書いた
これはよく読んだ)。映画のオリジナルタイトルを調べ、その発音を「推測」しているうちに、韓国語の勉強を始めてみようかという気持ちが徐々に高まってきた。手始めに
1番簡単そうなテキストを1冊買ってきて、映画を観て耳に残った表現を調べ始めた。
ちなみに、このときはまだ全くハングルが読めなかったので、ハングル表記の上に小さくカタカナのフリガナの振ってあるテキストを選んだ。今から考えると、これはよくなかったかもしれない。韓国語の発音を(日本語の発音を表記するための記号である)カタカナで表記することなどできるはずがなく、韓国語の発音を日本語的に歪めて理解してしまう危険性があるし、ハングルではなくついフリガナを読んでしまう、という弊害もある。また、僕は
ハングルで用いられる記号の書き順をちゃんと知ることが重要だと思っているのだけど(これがわからないと手書きハングルが読めない)、書き順が載っている本が案外少ないのも不思議な事実だ。
韓流映画を数本観た頃、映画を1本観るたびに1つの韓国語表現を憶えよう、という方針を決めた。最初は「
안녕!」と「
아니오〜」の区別さえつかなかった。「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」「ごめんなさい」「チャミスルください」等の挨拶言葉(?)を中心に憶えていった。「
고마워〜」で1日、「
고마워요〜」でまた1日、「
고마워세요〜」で更に1日。
僕は、韓流映画にハマッた以上に韓国語にハマッたのだと思う。韓国語は、様々な点で信じられないほど日本語と似ている。全く根拠はなかったが、「自分は、この言語を身につけられるのではないか」と思い始めた。僕は、中学、高校、大学、あるいはその後も英語の勉強をしていたはずだが、英語の聞取りが大の苦手である(一応「英語リスニングトレーニング」みたいなCDを集中的に聞いていた時期もあったのだけど…)。正直、ハリウッド映画を観ていても、セリフを聞き取ろう、なんて気持ちになったことがない(ただの一言も聞き取れなくて落ち込むだけなので)。それが、1ヶ月前には全く聞いたことのなかった韓国語のセリフが多少聞き取れるのである(と言っても、「
뭐야?」とか「
잘 가!」とか、そんなのばかりだが)。「韓国に住んで、日本語教師として暮らそう!」とまで思い詰めた(?)のがこの頃(去年の年末かな〜)。
残念ながら、最初に買ったテキストでは発音の微妙なところ(
어と
오の違い、語頭の濃音、
받침の発音、等)がよくわからなかったので、2月頃から、
NHKラジオ「ハングル講座」10月号のテキストとCDで、子音と母音の発音をじっくり勉強し始めた。「
부부」が「ププ」だとしたら確かに何か変だよな、「ハングンニョリ」も確かにこう言っちゃった方が楽だよな、と思えるところまではきたのだけど、11月号の勉強(簡単な文法)は何故かあまり進まなかった。独学で誰にも相談できない状態で発音に時間をかけ過ぎた結果、少々飽きてしまったのかもしれない。ラッキーだったのは、発音の「理屈」はだいたいこの頃までに理解できていたこと。(発音に関しては、1冊のテキストに全面的に依存してしまうと危険だと思う。3冊のテキストがあれば3冊とも違ったことが書かれているから、複数のテキストを見比べて総合的に学ぶ必要がある。)
「ハングル」能力検定試験については、
アルクのWEBページで知った。3月末頃、受験案内のパンフレットと運命的に遭遇。悩んだ末に5級だけ受験することにした(僕は大抵のことにすぐ悩む)。同時に、
5級・4級受験者向けの参考書も買ってきた(5級と4級が初級に当たり併願する受験者が多いため、5級・4級を1冊にまとめた参考書が多い)。また、
ハングル能力検定協会の出している本に約450語の「5級単語リスト」なるものが載っている(しかも、そこから出題される)ことを知り、その本も購入。試験日まで2ヶ月近くあったため、コツコツ勉強すれば楽勝だな、と安心してしまい、逆に勉強が完全にストップしてしまった(そもそも、僕は「コツコツ」が最も苦手である)。その結果、試験10日前になって大いに焦ることになるのだが…。
あまりに長くなりすぎたので、続きは「
『ハングル』能力検定試験5級合格体験記 2」に分割しました。乞うご期待!

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