今年出た本ではなく、単に今年読んだ本…、ベスト10冊。
No. 1
『指数・対数のはなし――異世界数学への旅案内――[新装版]』
森 毅
2006年
東京図書
sterai的一言コメント:文句なしの2006年ベスト1。京大名誉教授にとぼけた味わいのおかしな爺さんが多いのは、関西文化のゆえなのだろうか。
No. 2
『<不確実性と情報>入門』
金子 郁容
1990年
岩波書店
sterai的一言コメント:統計学の勉強を始めた頃に出会いたかった、著者のモノの見方・感じ方を味わうことのできる1冊。それが何についてであってもいいから、こんな本を書けるようになってみたいものだ。
No. 3 『喧嘩両成敗の誕生』
清水克行
2006年
講談社
sterai的一言コメント:歴史学とゲーム理論が結びついたらどんなに面白いだろう。あぁ愉快愉快。
No. 4
『こんな夜更けにバナナかよ――筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち――』
渡辺一史
2003年
北海道新聞社
sterai的一言コメント:悩む著者の等身大の姿に、人間関係の本質について自ら考えなければならないところに読者を追い込む本書の面白さがある。人は主体的に生きたいと思ってもよいのか、主体的に生きたいと思ってもよいのは主体的に生きる能力を備えた人に限られるのか、主体的に生きることが他人の迷惑になる場合それを制限すべきなのか、他人に迷惑をかけてよいのは他人に迷惑をかけざるを得ない人に限られるのか、人は他人に迷惑をかけずに生きていけるのか、そもそも他人に迷惑をかけるとはどういうことをいうのか。
No. 5
『「複雑ネットワーク」とは何か――複雑な関係を読み解く新しいアプローチ――』
増田 直紀・今野 紀雄
2006年
講談社
sterai的一言コメント:第1章からワクワクしっぱなし。紹介されているあらゆる本を読みたくなる。また、びっくりするほど文章が読みやすい。入門書かくあるべし。
No. 6
『ウェブ進化論――本当の大変化はこれから始まる――』
梅田望夫
2006年
筑摩書房
sterai的一言コメント:頭脳の明晰な人特有の明瞭な語り口。読みやす過ぎて、かえって内容のない本に見えてしまう悲劇。ITだWEBだという次元を超えて、社会秩序の新しい形成の仕方を示唆する、社会科学の本として面白い。
No. 7
『統計グラフのウラ・オモテ――初歩から学ぶ、グラフの「読み書き」――』
上田 尚一
2005年
講談社
sterai的一言コメント:ありそうでなかった「グラフの読み方・描き方」入門。新書と侮ることなかれ。本書には、統計グラフを統計手法の1つとして位置づける著者の視点が貫かれている。
No. 8
『「心の専門家」はいらない』
小沢牧子
2002年
洋泉社
sterai的一言コメント:カウンセリングはますます人を孤立させる。もしも人が孤立してしまうことによって問題が起きているのなら、カウンセリングはますます問題をこじらせることになってしまう。社会的動物としての人間には「他人の問題」というものが成り立たない。自分たちの生活の問題に自分たちで向き合わないで生きていると言えるのだろうか、と言いたげな、生活者としての著者のもつ「当たり前」の力強さ。
No. 9
『視覚世界の謎に迫る――脳と視覚の実験心理学――』
山口 真美
2005年
講談社
sterai的一言コメント:なめちゃいけない。「視覚の発達」を正面から取り上げたバリバリの実験系知覚心理学の本。視覚機能の成立過程を追うことにより「視覚世界の謎に迫る」。
No. 10
『知能の謎――認知発達ロボティクスの挑戦――』
けいはんな社会的知能発生学研究会
2004年
講談社
sterai的一言コメント:もっと早く読めばよかった。身体、発達、社会。ドキドキ感とは、その視点から新たに見えてくる風景の豊かさ。
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Kota's Book Review
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Terai, S. Web Page

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