『At Fillmore East』
The Allman Brothers Band
1971年
★★★★★
一応言っておくけど、大事MANブラザーズバンドじゃないからね。
サザンロックの雄、The Allman Brothers Bandの3作目。1971年3月12・13日に行われた、ニューヨーク、Fillmore Eastでのライブを収録した2枚組ライブ盤。2枚組なのに、収録曲わずか7曲。7曲で約90分! ただし、ブルースをダラダラ演っている、というわけではなく、アレンジ構成はしっかりしている。

ギターのデュアン・オールマンはスライドギターの名手として知られていて、その自由奔放で豪快なギタープレイを評して、「まるで大空を駆け回る犬のようだ」と(笑)、彼はSky Dogと呼ばれている。このアルバムを発表した年に交通事故で急死し、伝説の世界の住人となった。エリック・クラプトンの『いとしのレイラ』でスライド弾いてるのが彼。
笑っちゃうほど典型的なアメリカンロックバンド。ギターのデュアン・オールマンとオルガン&ヴォーカルのグレッグ・オールマンを中心にしたバンドだから、オールマン兄弟バンド。メンバーは6人。ヴォーカル&オルガンで1人、ギター2人、ベース1人、ドラム1人…、あと1人は何?と思ったら、何ともう1人ドラムがいた! ツインドラム! このアメリカ人的発想が凄い(以前、ツインベースっていうもっと信じられないバンドを見たことがあるが)。(このバンドは「サザンロックの雄」としても知られおり、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードに、パーカッションをプラス!というこの構成は、驚くなかれ、The Southern All Starsに受け継がれているのだ。)
こういうジャンルを全く聴かない人には何て言えばいいかなぁ。『Blues Brothers』の世界、って言えばいいかなぁ(ただし、ブラスは入っていない)。もちろん、『Blues Brothers 2000』じゃなくてオリジナルの方ね。
部屋の隅で埃を被っていたレコードを引っ張り出してきて久し振りに聴いた。僕はRock Classicsみたいなのが好きなタイプだし、また、ブルース好きだから、評価が偏っているとは思うけど、アメリカのライブバンドの底力は凄いなぁ、という印象。演奏が凄くしっかりしている。録音も良いのだと思う。文句なしに★5つ。名盤と言われているだけある。

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